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株式会社アクセルスペースホールディングス402A

東証グロース

輸送用機器

※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

ビジョン・ミッション

本日はお忙しい中、ご参集いただきましてありがとうございます。 代表取締役の中村です。

当社は「Space within Your Reach ~宇宙を普通の場所に~」をビジョンに掲げ、小型人工衛星を活用したビジネスを推進しております。

私は大学生の時に手のひらに乗るような、当時世界最小の人工衛星の開発に取り組みました。その経験を生かして、数人の仲間とともにアクセルスペースを起業しています。

我々は、これまで築き上げてきた独自の小型衛星技術を活用し、宇宙を誰もが当たり前に使える、新しい社会インフラとして、世の中に普及させてまいります。

目次

本日は第3四半期の決算について、4月14日に公表しております資料に基づき、事業概要および事業進捗を私より、業績概要を取締役の折原よりご説明致します。

2026年5月期 第3四半期 ハイライト

まず事業概要および事業進捗です。当第3四半期で重要なのは次の3点です。

業績では、受注残高が548億円まで積み上がりました。これは主に、防衛省「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」を受注したことによるものです。

研究開発・製造では、2027年5月期に打上げを予定している「GRUS-3(グルーススリー)」7機の製造が進みました。現在、「GRUS-3」は打上げ機体の製造が最終段階に入っています。

事業面では、JAXA宇宙戦略基金第二期に3件が採択されており、今後の事業成長に向けて着々と仕込みを行っています。

当社の事業

ここからは、各事業セグメントに分けて進捗をご説明いたします。

上のAxelLiner事業セグメントはお客様向けに衛星を開発・製造し提供する事業です。

創業当初から、お客様に向けた専用衛星の受託開発事業を行ってまいりましたが、より多くのお客様に早く、安く衛星活用を行っていただくため、少量多品種の量産を可能にし、また最新のAI・デジタル技術によって顧客体験を革新するため、事業の再定義を行ったのが現在のAxelLiner事業です。

下のAxelGlobe事業セグメントは自社の地球観測衛星群から得られる画像データを販売する、またそれらデータに解析などの付加価値を加え、ソリューションとして提供する事業です。

衛星画像を販売するという点で、すでに上場されているSAR衛星事業者様と近しいビジネスモデルになります。

AxelLiner事業の実績

それぞれの事業セグメントの詳細をご説明します。

AxelLiner事業の主な顧客は国内の政府機関です。AxelLiner事業の売上の多くを占めるのが、NEDOからの委託研究であるKプログラムです。

このプロジェクトで目指しているのは衛星光通信技術の獲得です。宇宙空間に存在する衛星は、地上と通信するアンテナを設置している場所の上空にいる時にしか通信ができません。

低軌道衛星の場合、地上から見ると高速で動いていくため、地上と常時通信することはできません。

例えば私たちのAxelGlobe向け衛星の場合、衛星の周回に応じて1回あたり平均10分程度の通信を、1日に14回から15回程度行うことができます。

Kプログラムでは光を使った通信で衛星同士を直接繋ぎ、最もアンテナに近いところにいる衛星までデータをバケツリレーのように転送するシステムを開発しています。この技術によって、衛星が取得したデータを地上へ届けるまでの時間を大きく短縮することができるようになります。

当社はこのプロジェクトにおいて、小型の光通信衛星及びネットワーク統合制御システムの開発に加え、システム実証のための光通信機を搭載した地球観測衛星や地上局の構築を担当しています。

軌道上実証サービスにおける当社の特徴

AxelLiner事業のもう1つの大きな柱が、軌道上実証サービス「AxelLiner Laboratory」(通称、AL Lab)です。

過酷な宇宙空間で使用される宇宙用機器は多くの場合、実際に宇宙で正しく動作したのか、長期にわたって宇宙で使用できる耐久性があるかを顧客である衛星メーカーに問われます。

この「宇宙で想定通りに動作するか」を検証する作業を軌道上実証といいます。

現在、自動車など他業種のメーカーが宇宙業界へ参入するケースが増えている一方で、軌道上実証を担う組織や提供機会は非常に限定的です。これらの状況を受けて、JAXA宇宙戦略基金第3期でも軌道上実証に関するテーマが盛り込まれています。

当社はこういった課題に対し、AxelLiner事業で開発した汎用衛星によって軌道上実証の機会を提供します。

お客様によって実証したい機器の大きさもバラバラですので、お客様に必要な衛星の一部区画だけを相乗りのような形で提供していきます。将来的には定期的な打上げが行えるよう、事業を進めていきます。

AxelGlobe事業の実績

次に、AxelGlobe事業の概要です。左側のグラフの通り、自社衛星の機数が1から5に増えた際に、利用が急激に増えています。

機数の増加が観測頻度の向上や撮影面積の拡大につながり、お客様のより広範なニーズに応えた結果であると考えています。

2027年5月期に打上げ予定の7機の「GRUS-3」によって、更に撮影面積や観測頻度は向上する見込みです。

また、特徴的なのは顧客属性で、宇宙ベンチャーには珍しく、民間企業や海外における売上も一定程度計上しております。

AxelGlobe事業:画像データ販売の流れ

AxelGlobeに関しては、画像やデータの納品に応じて、売上が計上されます。

下左側の農業の図をご覧ください。当社が運用する光学衛星では可視光線以外にも近赤外線等のデータを取得することができ、これらを活用することで、作物の生育状況の把握などを行うことが可能です。

光学画像は、電波で見るSAR画像と違って悪天候時や夜間は撮影できないデメリットはありますが、人間の見た目に近い直感的な画像が得られるため活用の幅が広いこと、広範囲を高頻度で観測できることにより安価でデータ提供できることなどのメリットも多く、安全保障以外にもさまざまな産業で利用が広がりつつあります。

AxelGlobe事業の事業進捗:地球観測データ

光学衛星画像の需要は世界全体で見ても安全保障が多くを占めておりますが、今後は民間需要も大きく伸びることが見込まれています。

したがって、安全保障を安定的な収益の柱としながらも、民間事業者や新興国に向けて、より高付加価値なサービスを提供していく事が今後の売上拡大において重要だと考えています。

そのため、データを活用してお客様の課題を解決するソリューションの展開も重要視しています。

2026年2月には、宇宙の利活用ビジネスについて、アフリカ諸国との共創、ともに作ることを目指すコンソーシアムを設立しました。

初号案件として、衛星データを活用した社会課題の解決を目指してエチオピアの民間企業と覚書を締結しました。

また、国土交通省・国土地理院の電子国土基本図関連プロジェクトにおいては、複数回撮影した同一地点の画像を組み合わせ、雲のない画像を生成する技術を開発し、3年間継続的に衛星データを提供しています。

このようにお客様のニーズや用途にあわせて衛星画像の活用事例を拡大しております。

AxelGlobe事業:案件進捗

そして、当社の今後の成長において収益の柱となるのが安全保障案件です。

2月20日に契約締結を発表いたしました防衛省の衛星コンステレーション事業は、当社にとって非常に大きなマイルストーンとなる案件です。

当社は唯一の光学画像提供事業者として参画し、事業総額2,831億円の内、5年間で税抜で436億円を上限として売上高に計上予定です。

その他の事業進捗

また、安全保障領域での顧客ニーズへの対応力強化を図るため、3月に新しいグループ会社として、株式会社アクセルスペースディフェンス&インテリジェンスを設立しました。

また、今後の事業の発展に向けた技術開発の仕込みも行っています。

JAXA宇宙戦略基金第二期の技術課題において、当社グループは3件採択されました。

宇宙戦略基金については、当社の事業戦略に基づき、今後必要になる技術開発の方向性に合致する案件を慎重に検討した上で応募を行っています。

今回採択されました、こちらの表の一番上にある「衛星編隊・旅客機観測によるCO2発生源別排出量・吸収モニタ」につきましては、後ほど折原より詳細をご説明いたします。

本3件は、いずれも第3四半期末の受注残高には含まれていない案件になります。

今後の衛星開発計画と打上げスロットの確保

今後の衛星開発と打上げ予定をご説明いたします。表内で緑と青のグラデーションになっている13機の打上げスロットは既に確保しております。

表内下、AxelGlobe事業で利用する来期2027年5月期及び2028年5月期打上げ予定の自社衛星の打ち上げに関しては確保済みのスロットに含まれます。

また、今回の決算と同時に業績予想修正を発表しておりますが、現在公表しております今後の打上げ予定に変更はございません。

進捗については株主・投資家の皆様にもお伝えできるよう、適宜、開示を行ってまいります。

AxelGlobe事業の成長:民間企業へ顧客層拡大

そして2027年5月期、新たに7機の次世代衛星を打ち上げる予定で、今まさに打ち上げに向けた最終段階に入っています。

この7機がコンステレーションに加わることで、より高品質な地球観測データを、より高頻度かつ安定的に提供できる体制が整います。

私たちはこの増強によって、地球観測の利便性を大きく高め、お客様の期待にこれまで以上に応えていきたいと考えています。

以上で、直近の事業進捗の説明を終了します。続きまして、第3四半期の実績、及び修正いたしました業績予想に関して、折原よりご説明申し上げます。

業績推移

取締役の折原です。ここからは、当社の業績概要についてご説明させていただきます。

当第3四半期は、AxelLiner事業に含まれるKプログラムの影響により、前年対比で減収減益となりました。

ただしこの減収は、Kプログラムのニーズが変わった等の要因ではなく、研究開発における製造フェーズの変化によるものです。

次に減益の要因ですが、販管費の増加によるものです。

中央のグラフにて研究開発費の増加を示しています。当社の自社衛星は、地上での検証に利用する機体の開発費用は研究開発費として計上します。

2027年5月期打上げ予定の「GRUS-3」および2028年5月期打上げ予定の高分解能衛星3機について地上検証機体の製造に取り組んだことで、研究開発費が増加しました。

20ページにて詳しくご説明させていただきます。

四半期業績推移

本ページでは四半期ごとの売上高推移を示しています。

四半期ごとのばらつきがあり、また第4四半期に売上が大きくなる傾向にあることを見ていただけます。

連結四半期純損失 増減要因(前年同期比)

こちらは前年同期間比の利益増減要因の分解です。

要因を粗利、販管費、営業外損益以下に分けると、減収による粗利の減少は2Qに続き限定的です。

販管費の変化は研究開発費、人件費および採用費の増加が主な要因です。

営業外損益以下の変化は補助金収入の変動、資金調達関連費用の増加が主な要因です。

営業外収益に計上した補助金収入は35ページの超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業によるものです。

本件は、衛星の製造費用に対して3分の2が補助されます。前年同期に受領した補助金の対象期間においては、製造費用が多く発生していたことから前年対比では補助金収入が減少しました。

また、今回の決算とともに特別損失の計上を発表しております。現在、営業赤字の状況が続いていることから、当第3四半期で計上していたAxelLiner事業に関わる固定資産の減損を行ったものです。

次ページ以降でセグメント別に詳しくご説明いたします。

セグメント別実績:AxelLiner事業

ここからはセグメント別、前年同期比の業績推移をご説明いたします。

AxelLiner事業におけるKプログラムは、第3四半期の連結売上の約77%を占めています。本案件は開発計画をもとに進捗に応じて発生する材料費・経費等の売上原価に、契約上の一定の利益率を乗じて売上を計上しています。

従いまして、設計、製造/試験に比べ、材料調達時や打上げ時は原価発生が相対的に大きくなるため、結果として売上高が大きくなる構造となっています。

前年同期においては、原価の発生が大きくなる事前実証機の部材購入が進んでいましたが、当第3四半期は、原価発生が少なくなる製造段階に入りつつあるため、前年対比で減収となりました。

なお、衛星開発フェーズにおける費用と資産化に関する流れは56ページをご覧ください。

セグメント別実績:AxelGlobe事業

AxelGlobe事業セグメントは、政府系案件は増加したものの、民間案件の減少により、売上は前年同期とほぼ同水準となりました。

これは、政府案件については、39ページのパイプライン表にありますように、複数の案件の獲得ができたためです。

一方民間案件については、一部海外案件の組成が中止となり売上高が減少しました。

また、セグメント損失の増加については、「GRUS-3」および高分解能衛星の研究開発の進捗によるものです。

連結損益計算書

連結損益計算書及び連結貸借対照表については、本資料または決算短信をご参照ください。

業績予想(連結)

続きまして、今期の業績予想についてご説明申し上げます。4月14日に、今期の業績予想の修正を公表しました。

売上高は、2025年8月13日に公表した36億4,600万円から25億円に修正しております。

補助金収入を合わせた総収入も41億2,300万円から30億円に修正しております。

一方、営業損失、経常損失は、当初計画より損失額が若干減少となる計画です。

親会社株主に帰属する当期純損失は、4月14日に公表した固定資産の減損の計上により、当初計画より若干増加する見込みです。

セグメント別業績予想:AxelLiner事業

セグメント別の業績予想の修正についてご説明いたします。

AxelLiner事業では、Kプログラムにおいて、一部の高額部材の納入が当期から翌期に後ろ倒しとなった結果、売上原価の減少に伴い売上が減少する見通しです。

これは納入時期の変更によるもので、受注金額に変更はないため、翌期には概ね回復できる見通しです。

また「AxelLiner Laboratory」の一部案件も契約組成のタイミングが来期にずれ込む見通しとなり、売上予想が減少することとなりました。

セグメント別業績予想:AxelGlobe事業

AxelGlobe事業では、国内事業については防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営 等事業」およびその他国内案件が前回発表予想を上回る見込みです。

一方で、一部の海外案件につき案件組成が中止となったことから売上高予想が減少することとなりました。

売上総利益については、売上原価の計上基準の精査を行い一部を販管費に振り替えた結果、前回予想よりも増加する見込みとなりました。

販管費、営業外費用等の修正要因

こちらは、販管費、営業外費用等の修正要因を記載しています。

販管費については、経費の抑制や予定していた一部の研究開発費の発生が翌期となる見込みから減少を見込んでいます。

また、当社グループの保有する固定資産について、第3四半期までに3.3億円の減損損失を計上しております。

その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、前回業績予想の38億7,900万円から40億円に下方修正しました。

以上が業績修正の概要になります。

セグメントごとの受注残高推移

一方で、これらの修正は、契約を締結している受注に対して影響を与えるものではなく、受注残高は防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」および民間企業案件の契約などにより、前年対比、第2四半期対比、いずれも大幅に増加しています。

また、先ほど中村よりご説明した宇宙戦略基金の受注も、さらに積み上がってまいります。

今後は、防衛省案件をはじめ、現状獲得している受注の着実な実行を引き続き行ってまいります。

AxelLiner事業のパイプライン

本ページ以降、事業のパイプラインについてご紹介します。

まず、こちらは、AxelLiner事業の今後のパイプラインです。本ページでは契約済み、もしくは期間内の一部契約済みの案件を記載しております。

AxelLiner事業の事業進捗:主要プロジェクト

事業の主要な売上になっているのは本ページ左側のKプログラムです。2026年5月期第3四半期末時点での受注残高は約88億円になります。

Kプログラムは2031年度までのプロジェクトで、現在は第3期に差し掛かっております。

NEDOの会計年度2028年度までに実施する打上げに向け、現在、要素技術の開発が進んでおります。

なお、こちらの案件は売上高に計上されるものです。計上方法の詳細については、54ページをご覧ください。

「AxelLiner Laboratory」(AL Lab)の進捗

また、AxelLiner事業では民間企業の案件受注も進捗しております。

Pale Blue社のような宇宙産業向けの機器を製造する顧客に、実証サービスを提供するだけでなく、当社グループ自体が衛星用機器を使っているユーザーとしての目線の知見もご提供し、実証を支援していきたいと考えております。

AxelLiner事業の事業進捗:宇宙戦略基金

次に、新たにパイプラインに加わった案件をご紹介します。

宇宙戦略基金の第二期に採択された「衛星編隊・旅客機観測によるCO2発生源別排出量・吸収モニタ」では、衛星コンステレーションと航空機を組み合わせて、CO2の発生源別の排出と吸収量を観測する世界初の技術の開発を目指しており、気候変動という社会課題に対するソリューションの一手として位置付けています。

将来的な事業機会の可能性を見据えて取り組んでいます。

AxelGlobe事業のパイプライン

こちらは、AxelGlobe事業の今後のパイプラインになります。

衛星コンステレーション事業を来期以降の収益の柱としながら、今後の「GRUS-3」のサービス投入を見据え、顧客獲得のための営業・事業開発に取り組んでまいります。

今後獲得を目指す主なプロジェクト

本ページは、当社が今期獲得を目指す主要なプロジェクトを記載しております。

宇宙戦略基金について、個別の公募案件に関する応募状況や検討内容の詳細については、現時点では開示しておりませんが、発表ができるタイミングとなりましたら、適時IR開示にてお知らせしてまいります。

IR活動について

今後打上げ予定の「GRUS-3」のプロジェクト進捗も含め、引き続き投資家の皆様に当社をご理解いただけるよう、IRサイトのほか、「note」やSNSで情報発信に努めていますので、ぜひご覧いただけたらと思います。

私からのご説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

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