ヒトトヒトホールディングス株式会社(549A)新規上場記者会見
ヒトトヒトHD上場会見、50年の実績でリピート率97%の「人材インフラ提供企業」 新規獲得とM&Aで事業拡大を加速
会社概要
設立:2019年7月
事業内容:スポーツイベントの運営、オフィスビルや商業施設の警備・清掃、企業への人材派遣、および商品・サービス販売支援等の事業を営むグループ会社の経営管理およびこれに付帯する業務
登壇者名
ヒトトヒトホールディングス株式会社 代表取締役社長兼グループCEO 松本哲裕 氏ヒトトヒトホールディングス株式会社 取締役兼グループCFO 八木由治 氏
会社概要
松本哲裕氏(以下、松本):代表取締役社長兼グループCEOの松本哲裕です。本日はお集まりいただきありがとうございます。まずは、当社の会社概要についてご説明します。
当社は「日本総業」という社名で、1974年6月に明治神宮野球場(以下、神宮球場)で創業しました。以来、50年にわたり野球場の管理運営を中心としたスポーツイベントに携わってきました。
近年は商業施設を中心としたビルマネジメントにも取り組んでいます。また、移動体通信の販売スタッフなどの人材サービスも展開しており、これらを大きく3つの事業領域としています。
当社には事業子会社が5社あり、それぞれ機能別、あるいは地域別に活動しています。従業員数は、連結で400名弱となっています。後ほど詳細をお話ししますが、アルバイトスタッフは現時点で1万2,000名以上在籍しています。
当社の沿革
当社の沿革です。1974年6月、神宮球場にて創業しました。ちなみに、私自身も1974年6月生まれであり、会社の年齢と私の年齢が一致しています。
当初はスポーツ施設運営から事業をスタートしましたが、1998年に横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)が優勝した頃から、野球の管理領域が拡大しました。
創業期には創業社長のもとで事業を進めてきましたが、その頃からさまざまなかたちでビルマネジメント事業にも領域を広げ、いわゆる成長期へと移行しました。
2019年に新たなスポンサーを迎え入れて以降、新しい資本政策のもとで事業拡大期と位置づけ、現在は創業52年目を迎えています。
売上収益・当期利益の推移
売上収益および当期利益の推移についてです。あくまでも業績予想となりますが、2026年3月期は売上収益が198億5,700万円、連結当期利益は5億9,900万円と予想しています。
2026年3月期は大阪・関西万博の受注が数多くあり、その売上は14億5,200万円となりました。したがって、進行期である2027年3月期には、これらの売上がすべて剥落する見込みです。
一方で、2027年3月期の業績予想は、売上収益が193億8,500万円と前年比では微減となります。これは新規事業や既存事業の深掘りによる増収といったオーガニックな成長によって、昨年同様の売上を見込んでいるためです。一過性の要因を除けば、順調に成長していると考えています。
事業の概要
事業の概要です。当社の事業は、先ほどお話しした3つの領域があります。大きな特色としては、1万2,000名の人材プールがあることです。当社ではこれを「人材インフラ提供企業」と銘打っています。
上場した現在、いわゆる人材セクターやコンプスとして見られがちかもしれません。しかし、最終的にはそうしたセクターに収れんしていく可能性はあるとしても、当社の特色は人材を適切に配置できる点にあります。
わかりやすくご説明すると、プロ野球にはホームゲームとビジターゲームがあり、冬の間はシーズンオフになります。当社ではある球場に1日で600名を派遣することもあれば、400名を動員することもあります。
当社はお客さまの繁閑需要やシーズン需要、そして大規模な人員動員に対応できる稀有な会社だと考えています。このイベントマネジメント事業を祖業とし、近年はビルマネジメント事業や人財サポート事業といった新たな領域にも拡大しています。
それぞれ多くの商業施設で受託していますが、多数の来館者や来場車両が事故なく、安心・安全に過ごせるようにするためには、相応の動員力としっかりとしたオペレーションが必要です。
例えば、ビルマネジメント事業における守衛業務はただ立っているだけの業務ではなく、非常に動きの激しい現場です。そのような現場にもイベントマネジメント事業のサポート部隊を投入することで、急なお客さまの要請にも柔軟に対応できています。
また、人財サポート事業は現在、移動体通信の販売に注力しています。これは人材ストックを横展開した結果、事業領域が広がったものです。当面は3つの事業領域を着実に伸ばしていきたいと考えています。
世の中には人材を必要とする領域が数多く存在しています。現在も営業活動を進めていますので、当社の事業領域は今後さらに広がっていくと見込んでいます。
事業の特徴「3つの強みと4つの特徴に立脚したビジネスモデル」
当社の事業の特徴についてです。3つの強みと4つの特徴をご説明します。
スポーツイベントの裏方かもしれませんが、いわゆる人生の余暇にあたるような現場で就業したいという方は一定数いると考えています。我々はそのような方々に魅力的な職場を提供し、マッチングする取り組みを進めてきました。
その結果、少子高齢化や人材不足が叫ばれる中でもしっかりと人材を集め、お客さまのご要望に応えられていると考えています。それは「採用力」や1万2,000名を超える人材プールの「動員力」によるものです。
また、近年は当社での仕事を専業として行う「コア人材」の方も多く、この4年間で1.3倍、約2,800名にまで増えています。
以上の強みに加え、4つの特徴があります。当社の事業はお客さまと単年度契約を結ぶことが多いものの、先ほどご説明した事業の特異性により、いわゆるリプレイス(代替)があまり効かないこともあり、長期間にわたりお客さまからご愛顧いただいています。
現在のリピート率は約97パーセントとなっています。これは当社が実質的なストック収益化を進めてきた結果だと考えています。
また、コロナ禍には一時的に人の動きが停滞しました。しかし、人が動かないと成り立たない仕事も多く、当社の人材はそのような中でも活動を続けていました。苦しい時期があったものの、最終的にイベントは回復し、会社は赤字になることなく成長を続けています。したがって、当社は景気耐性をある程度備えていると考えています。
さらに、イベントマネジメント事業において、数百人規模のスタッフを数時間で動かすということは、我々の長年の経験とノウハウに裏打ちされたオペレーションによるものだと思っています。 このような取り組みにより、当社は価格競争を回避しています。優位だと言うと少し語弊がありますが、十分な粗利の確保を実現しています。
加えて、学生の採用も多く、募集に対して応募数がかなり上回っている状況です。そのため、最終的な1人あたりの採用コストは相対的に低い水準で推移しています。
これら3つの強みと4つの特徴を掛け合わせることが、当社のビジネスモデルだとご理解いただければと思います。
事業の特徴「人材インフラ提供企業」
事業の特徴である「人材インフラ提供企業」についてです。先ほどお話ししたとおり、当社は1万2,000名の人材プールを有しています。この人材プールは、同じ場所に同じ人を派遣し続けるのではなく、3つの事業領域にバランスよく配置しています。
すなわち、互いに助け合える仕組みとなっています。我々は「卵を1つのカゴに盛らない」と呼んでいますが、季節ごとの繁閑や需要の増減を吸収し、お客さまのニーズに応えられることが、当社が「人材インフラ提供企業」であるゆえんだと考えています。
事業の特徴「プロスポーツ市場でのプレゼンス」
プロ野球、Bリーグ、Jリーグ、その他スポーツなど多岐にわたる分野で、過去50年以上にわたり多くのお客さまにご愛顧いただいています。手前味噌で恐縮ですが、特に「プロスポーツ市場でのプレゼンス」については、業界でもトップレベルだと自負しています。
今後の成長戦略
最後に、当社の成長戦略についてご説明します。
1つ目は「既存取引先との取引深化」です。現在は既存の取引先からの引き合いが非常に強く、数年先までの受注を積み上げている状況です。まずは、取引のあるお客さまの信頼に応えることが、当社の成長に寄与すると考えており、取りこぼしのないよう着実に取り組んでいきます。
2つ目は「新規取引の獲得」です。私はもともと営業畑で経験を積んでおり、現在も営業の最前線に立っているつもりです。私を含め、チームおよび各グループが常に一丸となって新規領域の拡大を進めています。
また、取引先数が大幅に増加している状況ですので、この追い風を活かしながら、新たなお客さまの開拓という成長戦略に取り組んでいきたいと考えています。
3つ目は「M&Aを活用したインオーガニック戦略」です。これまでに当社は2件のM&Aを成立させており、そのうち1件はインハウスでPMIまで実行しています。M&Aは相手先あってのものであり、ご縁に左右される面もありますが、当社はこの業界を積極的にウォッチしていますので、ご縁があれば取り組みたいと考えています。
現時点でも案件の持ち込みはありますが、当然厳選することになります。ただし、シナジーが見込める案件については、領域・業種・業態にこだわらず、当社の人材をラストワンマイルまで届けるといったシナジーが見える場合には、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
AI活用による生産性向上
プラスアルファの取り組みとして「AI活用による生産性向上」についてです。当社では昨年2つのAIプロダクトをローンチし、現在は基礎研究を継続しています。
1つ目は、インシデント予測ツールの「HaiTO(ハイト)」です。各現場の特性をデータとしてAIに学習させ、未然にインシデントを防ぎ、快適な環境をAIで創出することを目指しています。
本来の目的である人材の活性化とは異なりますが、現場に赴き、経験や知識を研修で積み重ねていくことは、ある程度の時間が必要です。AIはそのようなリードタイムを少しでも短縮することに寄与できると考えています。現在は基礎研究を進めています。
2つ目に、当社はアルバイトにAI学習プロダクトを提供しています。詳細をお伝えすることは難しいのですが、その内容は多岐にわたります。提携企業が求める人材像を定義し、スキルセットを身につけられるような仕組みを構築しています。
当社での就業中にOJTとAI学習を組み合わせることで、世の中が求める人材へと成長してもらいたいと考えています。このような取り組みを経て当社を卒業された際には、提携企業などへ紹介できるようなマッチングの場を提供することも可能ではないかと思っています。
これはマネタイズを狙ったものではありません。当社でOJTに取り組んでもらうことで、スタッフが夢を広げられる職場を目指したいという思いで行っています。これから当社に来てくれる若い方々がスキルセットを身につければ、将来の就職に役立つのではないかと期待しています。
さらに、卒業後に当社へ戻ってきてもらったり、ライフスタイルの変化でお子さまが生まれた時には、そのお子さまが働いてくれる可能性もあります。
実際に、当社ではこれまで40年以上にわたり、OBのご子息やご親戚、ご令孫など多くの方々が働いてくださっています。このようなリファラルも当社の強みであり、これにAIを活用していくことを中長期的に考えています。ぜひご期待いただければと思います。
質疑応答:創業から52年を経て上場した目的について
質問者:創業されてから52年が経過していますが、このタイミングで上場する目的はどのような点にあるのでしょうか?
松本:最大の目的は社員のモチベーションをさらに高め、胸を張って仕事ができる環境を整えることです。
当社の原動力は人材です。そのため、人材のモチベーションを着実に高めることが、当社の永遠の経営課題だと認識しています。
社会的責任やステークホルダーのみなさまへの責任も重要ですが、それらも人材があってこそ果たせるものです。本日上場できたことは、それに資すると考えています。
また、副次的にはなりますが、創業当時の「日本総業」という社名を鑑みても、少子高齢化や人口減少という社会の潮流は避けて通れない道だと考えています。
コーポレートアイデンティティと上場を掛け合わせることで、より多くの方に当社を知ってもらいたいと考えています。まだ見ぬ若い人材にも当社に来ていただきたいという思いもあり、上場を決断しました。
質疑応答:国内人材の減少に対する長期的な対応について
質問者:現時点で人材プールが1万2,000名に達
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