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2030年代の発電実証目指す、総額600億円の国策「核融合発電」

内閣府の有識者会合は16日、核融合発電の実現に向けたロードマップと基本的な考え方の両案をおおむね了承したと毎日新聞が伝えています。最終的には徐々に支援対象を絞り込んでいく方針のようですが、同報道によると、核融合発電(フュージョンエネルギー)の実証を目指す企業を春から公募し、3年間計600億円で複数企業支援するとのことです。
そもそも核融合発電(フュージョンエネルギー)は、高市政権が掲げた「戦略17分野」の中にも含まれているまさに国策テーマの1つです。もちろん「未来の技術」の筆頭として長い間位置付けられていただけあって、技術開発にはまだまだハードルはあります。ただし、発電時にCO2を発生しない、燃料は海水中に豊富に存在するといった特性を有し、エネルギー問題と地球環境問題を同時に解決する次世代のエネルギーとして期待されています。
足元の株式市場は、中東情勢の影響でポジティブな観測や発言が出たと思ったそばから、ネガティブな観測や発言が出てくる難しい状態です。しかし、そうした状況でこそ落ち着いて、中長期的な成長テーマに目を向けてみることも重要です。そこで、今回は参考までにテーマ「核融合発電」に属する企業の一部を紹介します。他にも銘柄があるため、ぜひ調べてみてください。

超電導素材で核融合を支える「つなぐ技術」

フジクラ(5803)
フジクラ(5803)は、電線株として知られていますが、電線・ケーブル製造で培った「つなぐテクノロジー」で暮らしと社会の幅広い分野に製品を展開しています。フュージョンエネルギーを生み出すために必要なプラズマを閉じ込め制御する超電導マグネットの素材として用いられる、高温超電導線材を手掛けています

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液体金属ブランケット実証で核融合装置を開発

助川電気工業(7711)
助川電気工業(7711)は、精密機器メーカーです。核融合反応からエネルギーを取り出す重要部品として「液体金属ブランケット」があります。核融合エネルギーの社会実装を目指すスタートアップであるHelical Fusionが実施する液体金属ブランケットの実証試験用の装置「GALOP(GAs-driven Liquid metal OPeration)」を同社が製作・設置しています。

▼助川電気工業(7711)の最新情報はこちら▼ 助川電気工業株式会社 - ログミーファイナンス

ナノ加工技術でレーザー核融合の実用化に挑戦

ジェイテックコーポレーション(3446)
ジェイテックコーポレーション(3446)は、放射光施設向けX線ミラー等で知られる精密機器メーカーです。レーザー核融合技術の実用化に向けて挑戦を続けるスタートアップであるEX-Fusionと技術提携をしている他、直近の説明会でも代表取締役社長の津村氏がレーザー核融合発電の実用化に向け、ナノ加工や計測技術を活かす方針を示しています。

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世界の核融合企業へ出資、商社としてバリューチェーン構築

三井物産(8031)
三井物産(8031)は、言わずと知れた5大商社の一角です。2023年5月に発表した京都フュージョニアリング、2025年9月に発表した米Commonwealth Fusion Systemsに続く第三弾として、2026年3月5日にはMiRESSO社に出資したことを発表しています。核融合関連企業への出資を通じてバリューチェーン全体で知見を蓄積しています。

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原発再稼働の課題から考えるエネルギー政策の重要性

ようやく2026年1月に東京電力HD(9501)が再稼働にまでこぎ着けた新潟県の柏崎刈羽原発6号機ですが、漏電を示す警報作動の原因特定ができておらず、現在まで不透明な状況が続いています。先日、東日本大震災が発生した「3月11日」を過ぎたばかりですが、エネルギーの安全性と供給手法の重要性を多くの人々が改めて考えたものと思います。どんな物事にも一長一短がありますが、日本ひいては地球にとって最善のエネルギー政策の在り方、そしてそれを実現するための技術開発が進んでいくことが期待されます。

執筆:RAKAN RICERCA株式会社
国内株式を中心とした投資関連のコンテンツ作成・情報配信、企業分析などを主な事業内容としている。日経CNBCなど各種メディアへの出演、『ダイヤモンドZAi』をはじめとしたマネー誌への寄稿も多数。


※記事内容、企業情報は2026年03月17日時点の情報です。
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