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株式会社ディーエムエス9782

東証スタンダード

サービス業

本日の内容

山本克彦氏(以下、山本):株式会社ディーエムエス代表取締役社長 山本克彦です。

本日は、弊社村上より、当社事業のご紹介と、2026年3月期の業績および取組みについてお伝えし、そのあと、私から、2027年3月期の業績予想と、企業価値向上に向けた取組みについてご説明します。

1.事業紹介/①事業の全体像

村上遥香氏:まずは、当社の事業について、お話しします。

当社は、1961年の会社設立以来、企業や公的機関と消費者との「よい関係づくり」をトータルサポートする事業を展開しています。

中核となりますのは、ダイレクトメールの企画制作・発送の事業です。

また、情報とモノを取り扱うノウハウを活かした第2の事業の柱として、物流事業に取り組んでいます。

その他、セールスプロモーション支援、イベント企画運営など、企業と消費者が直接コミュニケーションする分野で幅広いサービスを提供しています。

1.事業紹介/②選ばれる理由

当社の強みは大きく3つです。

顧客企業が必要とする機能を複合的に提供できる「ワンストップサービス」、年間3億通を超えるダイレクトメールを扱う「スケールメリット」、品質や情報セキュリティのJIS認証を持ち、情報と安心をセットでお届けできる「マネジメントシステム」の強みです。

これらを活かして、付加価値が高く、且つ、規模の大きな案件に組織的に取り組めることが、当社が大手企業を中心に選ばれる理由となっています。

1.事業紹介/③近年の業績推移

こちらのグラフは、過去10年間の当社の売上高と営業利益の推移です。

2024年3月期においては、コロナ対策関連案件の反動がありましたが、その他では、ダイレクトメール事業の底堅い需要と、当社の強みが奏功し、ご覧のように、おおよそ安定的な収益を維持しています。

2.2026年3月期業績/①業績ハイライト

2026年3月期の決算概要です。

売上高は、前期比10パーセント増加の303億800万円、営業利益は、25.9パーセント増加の14億9,900万円、当期純利益は、30.5パーセント増加の10億9,700万円となりました。

また、ROEは、前期比で1.7ポイント向上して6.7パーセントとなりました。

2.2026年3月期業績/②業績要因

業績の要因についてご説明します。

主力のダイレクトメール事業は、引き続き好調に推移し、特に、ビックデータの蓄積が続く大手・中堅企業のデータベースを活用したDM案件が活発化しました。

さらに、自治体関連の事務局代行サービスの新規受注も奏功し、売上・利益ともに、期中に上方修正した予想に対してプラスとなりました。

DM事業の伸長に伴い、ゆうメールの取扱い増加によって利益率が希釈化する影響はあったものの、周辺業務のトータル受注や価格の見直し、業務効率化の取組みが増益に貢献しました。

2.2026年3月期業績/③ダイレクトメール事業

次に、事業セグメントごとに業績とその要因をご説明します。

まず、ダイレクトメール事業では既存顧客の取引窓口拡大と新規案件獲得を促進した結果、通信販売や金融をはじめとした幅広い分野でダイレクトメールの利用が活発化しました。

当期、新たに開発・リリースしたダイレクトメール送付後の効果測定機能を備えたシステム「キュアネス」の導入実績もでき、ターゲティングや企画制作といった上流工程からのサポートにより、ダイレクトメールの利用促進につながっています。

2.2026年3月期業績/④物流事業

物流事業では、既存顧客を中心に通販出荷案件が堅調に推移したことで増収となりました。

また、増収と機械化・省人化による利益改善の取組みにより、増益となりました。

今後も、業務効率化の取組みを続けながら、取扱量の拡大に向けて、新規案件の開発に注力していきます。

2.2026年3月期業績/⑤セールスプロモーション事業

セールスプロモーション事業では、コールセンターやバックオフィスの機能を活かした、各種支援業務に注力しました。

第3四半期まではスローペースに見えていましたが、年間を通した業務となった自治体の業務支援案件が第4四半期において計上されたことで前期水準の売上高になりました。

また、業務効率の改善活動が奏功したことで利益面では2ケタの増益となりました。

2.2026年3月期業績/⑥イベント事業

イベント事業では、大型スポーツイベントや自治体施策の会場運営案件の取込みが奏功しました。

イベント事業においても、セールスプロモーション事業と同様に自治体案件が第4四半期において計上されたことで、結果として前期を大きく上回る増収増益となりました。

2.2026年3月期業績/⑦取組み事例(1)

続いて、業績の背景となった2026年3月期の主な取組みをご紹介します。

当社では、既存事業の周辺で、業務提携による高付加価値サービスを展開しています。

株式会社Chai(チャイ)とは、AIを活用したマーケティングリサーチによって、時間と手間のかかる市場分析を容易に実現し、リサーチ結果に基づいた、成功確率の高いダイレクトメール施策を企画提案することができるようになりました。

トランスコスモス株式会社とは、当社が提供する物流サービスに、デジタルマーケティングを掛け合わせることで、EC通販プロセス全体を網羅したワンストップサービスを提供しています。

また、ビックデータを保有する大手企業と協業し、新たなDMメディアとしてのデータ用途を広げることで複数の大規模キャンペーンを受注しています。

これらの取組みにより、既存事業の規模拡大や、上流・下流領域のトータル受注が奏功したことで、業績向上につながりました。

2.2026年3月期業績/⑦取組み事例(2)

サブスク型システム販売による新たなビジネスモデルの展開も進んでいます。

ダイレクトメール分野では、顧客の反応率を効果測定できる機能を備えた管理システム「キュアネス」を開発。

大手企業を中心に、複数の導入実績が生まれています。

EC事業支援の分野では、Webサイトの商品情報などをAI分析して、会話形式の音声コンテンツを自動生成できるサービス「ページキャスト」をリリースしました。

また、10月に販売開始予定の新たなサービスとして、DMなどの配達先情報をスマートフォン上の地図コンテンツと連携し、視覚的に分かりやすく配送ルートを確認できるツール「ポストイン広告配達管理アプリケーション」の開発も進んでいます。

今後も、既存事業との相乗効果を発揮するシステム販売による新たなビジネスモデル展開を通じて「次世代事業の創造」に向けた取組みを進めていきます。

2.2026年3月期業績/⑦取組み事例(3)

次に、物流事業の取組みです。

物流業務の自動化・省力化を目的として導入した梱包・仕分けの設備投資に対する効果が向上しています。

この取組みにより、出荷時間の短縮や作業人件費の抑制が奏功し年間で4,000万円程度の省人効果につながりました。

今後も、さらなる業務効率化によって、取扱量を拡大するとともに、省人化・自動化による利益改善を推進していきます。

2.2026年3月期業績/⑦取組み事例(4)

営業活動においては、昨年より、従来のプッシュ型の営業手法に加えて、新設したサービスサイトへの顧客からの問い合わせを起点としたプル型の営業手法を強化しています。

新規顧客向けのホームページを全面リニューアルし、当社の提供するサービスの紹介や、お客様事例、課題解決に役立つヒントなど、様々な切り口から情報発信することで、今まで接触できていなかった市場や顧客への認知拡大を図り、新たな見込み客の開発を積極的に進めています。

2.2026年3月期業績/⑧財政状態

最後に、財政状態についてご説明します。

当期末の純資産は、主に利益剰余金が、当期純利益10億9,700万円の計上と、配当支払い17億3,300万円により、差し引きで前期末に比べて6億3,700万円減少したほか、自己株式取得の4億6,600万円などにより、全体として8億5,100万円減少しました。

これらにより、現預金が8億1,700万円減少し、資産合計では、3億4,700万円減少しました。

今後も、成長投資と株主還元のバランスを図りつつ、資本効率の一層の改善に取組んでいきます。

3.2027年3月期業績予想/①業績予想の背景

山本:それでは、私から、2027年3月期の業績予想について、ご説明します。

中期経営計画の進捗においては、2027年3月期までの期間で掲げている目標を、売上・利益ともに1年前倒しで達成し、全体として、業況は前向きに推移しています。

また、主力のダイレクトメール分野では、市場全体は縮小傾向にあるものの、当社の業績はこれとは逆の傾向を示しており、当社の顧客層である大手・中堅企業のDM利用意向は、引き続き高く、シェア拡大の好機と捉えています。

一方、中東情勢の影響により、DM包装資材の原材料であるナフサの供給動向や価格上昇は、今後の懸念材料となっています。

当社の事業に関連する包装資材などについては、これら原材料の影響を受けるなか、安定調達に向けた対応や顧客企業との価格面での協議を進めていますが、今後の資材調達や顧客企業の動向などには不透明な要素が含まれています。

続いて、事業戦略として掲げている3つのテーマでは、まず「次世代事業の創出」として、自社開発システム販売をはじめとした、新たなビジネスモデルの展開を進めています。

これらの取組みが差別化要素となり、既存事業の受注を促進すると同時に、システム販売や利用料課金による新たな収益につなげるべく展開しています。

3.2027年3月期業績予想/①業績予想の背景

続いて、「主力のダイレクトメール事業の深化」においては、ビッグデータを保有する大手・中堅企業を中心に、DMの行動喚起力に期待が高まり、引き合いが活発化しています。

「第2・第3の柱づくり」においては、物流、セールスプロモーション、イベントの3つの分野のさらなる成長に向けた取組みを進めています。

物流分野では、業務提携先を経由した案件獲得や、機械化・省人化による利益改善に取組みます。

セールスプロモーション分野では、自治体の子育て支援事業や物価高騰対策に関する事務局業務の受注を促進しており、AIを活用したコールセンターの自動化など、競合との差別化を図りながら、案件獲得を推進していきます。

イベント分野でも、大型の季節イベントやスポーツイベントなどの新規受注がすでに決まっており、このあとも期中の新規案件獲得に取組むことにしています。

3.2027年3月期業績予想/②業績予想

こうした環境認識と取組みを前提として、当社では、2027年3月期第2四半期の業績予想を、売上高139億円、営業利益5億5,500万円、純利益4億1,000万円、同じく通期業績予想を、売上高307億円、営業利益15億3,000万円、純利益11億円としています。

なお、これらの業績予想は、現在入手可能な情報に基づいたものであり、今後の動向により変動する可能性があります。

また、中東情勢に伴う資材調達や顧客動向変化が業績に与える影響は、業績予想に織り込んでいません。

4.企業価値向上に向けた取組み/①投資戦略

次に、企業価値向上に向けた取組みについてご説明します。

これまで述べてきた様々な取組みを、さらに推進するために、人的資本・ITデジタル分野、設備、サービス開発への投資が必要になると認識しています。

戦略的な事業分野では、既存事業とシナジーを期待できる分野を探索し、生産性や収益性を向上させる設備投資を推進します。

さらに、基盤分野では、次世代リーダー育成に向けた新たな研修所や社宅の整備などの、人的資本や職場環境への投資、新たなサービス開発のためのIT投資など成長基盤への投資を積極的に実施したいと考えているところです。

4.企業価値向上に向けた取組み/②株主還元

続いて、株主還元についてご説明します。

当社では、2025年3月期から2027年3月期において、より積極的且つ安定的な配当を実現するために、配当方針について、DOE(純資産配当率)を新たな指標として導入し、DOE8パーセントを目安とすることとしています。

この方針に基づき、当期の期末配当金は、1株当たり124円、年間では234円とさせていただく予定です。

その結果、自己株式の取得も考慮した当期の総還元性向は158パーセントとなります。

また、次期の配当金については、同じくDOE8パーセントを目安として、1株当たり232円を予定しています。

自己株式取得については、成長投資の実施状況などを勘案しながら、取組みを検討していきます。

4.企業価値向上に向けた取組み/③キャピタル・アロケーション

2025年3月期から2027年3月期におけるキャピタル・アロケーション方針についてです。

ご覧の内容は、2025年3月に公表したものと同じです。

左側が、2022年3月期から2024年3月期における原資と分配の実績を表しています。

右側は、2025年3月期から2027年3月期の方針です。

2024年3月期末の現預金91億円に、この間の営業キャッシュフローを加えたものを原資として、おおよそ2ヶ月分の売上高に当たる運転資金50億円を確保したうえで、内部留保を抑制し、成長投資と株主還元に分配することを方針としています。

4.企業価値向上に向けた取組み/④次期中計に向けた取り組み

最後に、2028年3月期から始まる次期中期経営計画について現在は、その策定に向けて、成長投資の具体的なテーマと実行計画の検討チームを設置して活動を進めています。

ここでは、ROE・収益性の向上と持続的な成長を目指し大きく2つの軸を検討しています。

1つ目は、「抜本的な事業構造改革」として、設備やシステムへの投資と、業務拠点の最適活用による生産性向上です。

2つ目は、「周辺市場への事業拡張」として、新たな顧客や市場へのアプローチ、新たなサービス開発による収益拡大です。

これらの検討を経て、次期中期経営計画では、新たなキャピタル・アロケーションを含む資本政策を見直し、さらなる“資本コストと株価を意識した経営の実現”に向けて取組みを進めていきます。

顧客企業と生活者のよい関係づくりをトータルサポート

以上、株式会社ディーエムエス、2026年3月期の決算説明を終了します。

今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。最後まで、ご視聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:2027年3月期の業績予想について

Q:当期業績の伸びに比べて、2027年3月期の業績予想は控えめではないですか?

A:当期は、ダイレクトメール事業を中心に既存顧客の取引窓口拡大や新規受注が想定以上に進みました。事業を組み合わせたトータル受注やDM関連のシステム製品キュアネスの開発による提案力向上、さらに業務提携による新規案件の流入機会拡大も業績に寄与しました。

また経費面でも予定していたパソコンの全台リプレイス計画をさらに精査することでコストダウンできたことも利益を押し上げました。業績予想にあたっては、当社では、期初における営業進捗や引合い事象を検討材料にしていますが、ダイレクトメールは顧客企業にとっても短期間で企画から実施まで行える機動性の高い広告手段なので、期中に新たな受注チャンスが生じることで予実に差異が出ることがあります。できるだけ精度の高い業績予想に努めていきます。

質疑応答:中東情勢によるダイレクトメール事業への影響について

Q:中東情勢は、ダイレクトメール事業にとって具体的にどのようなかたちでどの程度の影響になりそうですか?

A:説明の中でもふれましたDM包装資材は、通販カタログや大判のパンフレットなどを送付するダイレクトメールで使用する外装フィルムのことです。このフィルムに宛名を貼ってダイレクトメールとして発送します。また、このフィルム表面にデザイン印刷をするときに使用するインキ溶剤にもナフサが使われます。

現在および今後について、資材のひっ迫や価格高騰といった懸念がありますが、第1四半期までは安定確保の目途と顧客との価格協議ができています。その先については、これらの懸念がどの程度現実となるかならないか不透明であることから、第2四半期および通期の業績予想に織り込んでいません。

質疑応答:DOE8パーセント目安の配当方針について

Q:2027年3月期までは、DOE8パーセント目安の配当を維持する説明でしたが、3期連続で当期純利益を上回る還元になります。この先も続ける方針でしょうか?

A:現預金を中心に過去の内部留保が膨らみすぎたことで資本効率の改善に大きな余地があります。このため2027年3月期末を目途に、現預金をおおよそ月商2ヶ月分の50億円程度に縮減する取組みの一環として還元強化をしています。

さらにその先については、現在決定していないため、ここでの説明は控えますが、次期中期経営計画に向けて、ROE向上と持続的な成長を目指す成長投資テーマを検討中です。これらと株主還元および財務安定性のバランスを考慮したうえで、キャピタル・アロケーションを含む今後の資本政策を検討していきたいと考えています。

質疑応答:成長投資の成果と今後の取組みについて

Q:これまでの成長投資について具体的な成果と、その成果をふまえた次期以降の取組みについて教えてください。

A:2025年3月期から2027年3月期におけるキャピタル・アロケーションでお示しした成長投資への配分のうち、当期までに約13億円の成長投資を実行しました。戦略分野では、AI・IT事業者に少額出資し、マーケティング分野のSaaSやデータ分析サービスを協業で展開していますが、現時点では大きなリターンには至っていません。

その一方、既存分野ではDM・物流事業を中心に設備機械の導入による人件費削減や生産能力拡充が、当期の業績に寄与しました。また、人的資本投資として職場環境改善や研修施設・社宅の整備を行い、生成AI利用環境やPCリプレイスなど、デジタル化やIT環境整備にも投資しています。2027年3月期も同様の分野で約12億5,000万円の投資を見込んでいます。こうした取組みの一方で有望な投資テーマが見つけられなかった分を約9億円の自己株式取得に充てました。また、次期中期経営計画の策定にあたって、成長投資の具体的なテーマと実行計画を検討するチームを設置し検討を進めているところです。

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