新中期経営計画「VISION2030」説明会
JVCケンウッド、新中期経営計画「VISION2030」を発表 無線システムではM&A含む積極投資を計画
「VISION2030」の策定にあたって

江口祥一郎氏:代表取締役会長執行役員CEOの江口です。新中期経営計画「VISION2030」についてご説明します。
まず、策定にあたり、前中期経営計画「VISION2025」のテーマである「変革と成長」をさらに進化させ、事業ポートフォリオ戦略に磨きをかけ、資本効率を軸に企業価値の向上を目指したいと考えました。
「VISION2025」の振り返り

「VISION2025」の振り返りです。「VISION2025」では、事業ポートフォリオの最適化と経営基盤の強化に取り組んだ結果、主要KPIについては売上収益を除き、ほぼ目標を達成しました。
一方で、大きな課題として、地政学リスクへの対応として、急激な市場変動に耐えうる強靭なサプライチェーンの構築を挙げています。
環境認識

環境認識については、スライドに記載された3つの要素「VUCA時代の継続」「技術革新の激化」「社会・顧客価値の変化」を踏まえて策定しました。
「VISION2030」のめざす姿

「VISION2030」のめざす姿として、事業の競争力強化と構造改革を同時に進めることで、持続的な成長を実現します。また、資本効率を高めることで、社会課題の解決と企業価値の向上を両立する経営を目指していきたいと考えています。
「VISION2030」サマリー

「VISION2030」のサマリーです。事業ポートフォリオ戦略、財務戦略、サステナビリティ戦略の3つの戦略と経営基盤の強化を通じて、企業価値をさらに高めていきます。
最終年度となる2030年度には、売上収益4,100億円以上、事業利益率9パーセント以上を目指します。そして、ROEは安定的に11パーセント以上、ROICは安定的に10パーセント以上を実現し、総還元性向については30パーセントから45パーセントを目安に、持続的な成長を目指していきます。
稼ぐ力の向上と資本コスト低減によるエクイティスプレッドの最大化

今回の中期経営計画では、事業の「稼ぐ力」を高めることはもちろん、財務規律やガバナンスを通じて資本コストの低減を図ります。この両輪によりエクイティスプレッドを拡大し、企業価値の向上を累積的に積み上げていきたいと考えています。
「めざす水準」を設定

今回、「VISION2030」の経営指標として、売上収益5,000億円以上、事業利益率10パーセント以上、さらにS&S(セーフティ&セキュリティ)分野の売上構成比50パーセント以上を目指すという意欲的な目標も設定しました。
事業ポートフォリオの最適化

事業ポートフォリオ戦略についてです。当社は、事業の成長と資本効率を軸に、ポートフォリオの最適化を通じて企業価値の最大化を図っています。
今回の新中期経営計画では、無線システム事業(ナローバンド)を引き続き「成長牽引事業」と位置づけ、積極的に投資を進めていきます。
「期待・挑戦領域」としては、今後成長が見込まれる無線システム事業(ハイブリッド領域)の事業拡大を図るほか、エンタテインメント事業もこの「期待・挑戦領域」として位置づけています。
OEM事業(海外・国内用品)は、安定した「収益基盤事業」として再定義しています。一方で、アフターマーケット事業は「再構築事業」として位置づけ、成熟した市場の中で競争優位性を確保しながら収益率の向上を目指していきます。
めざす事業ポートフォリオ/売上構成比推移

スライドは、2020年度から2030年度までの事業分野別売上構成比の推移を示しています。最終年度の目標として、高収益である無線システム事業を含むS&S分野の構成比を50パーセントまで引き上げることを目指しています。
事業戦略:セーフティ&セキュリティ分野

S&S分野では、オーガニックな成長とM&Aを組み合わせた積極的な投資を行っていきます。主力である北米公共安全市場でのシェア拡大に加え、グローバル展開を加速させます。
また、ハイブリッド領域への参入によって、ターゲット市場を広げていきたいと考えています。
事業戦略:無線システム事業への成長投資の促進

北米公共安全市場を引き続き重要視します。ソリューション提供力の強化に加え、ナローバンドとブロードバンドを組み合わせたハイブリッド領域への参入によって、同市場でのシェアを、現状の6パーセント台から早期に10パーセントまで引き上げたいと考えています。
事業戦略:ハイブリッド領域への本格参入でリーチ可能市場の拡大

スライドはIP無線のハイブリッド領域への本格参入について示しています。当社には大きな成長の機会があると考えています。当社のターゲット領域は、ハイブリッド領域が加わることで、5年間で約1.6倍に成長する見込みです。
「ESChat」を展開するSLA社(San Luis Aviation, Inc.)の子会社化、および国内で「Buddycom」を展開するサイエンスアーツ社との連携強化を図り、ハイブリッド領域での事業拡大を加速する方針です。
事業戦略:モビリティ&テレマティクスサービス分野

M&T(モビリティ&テレマティクスサービス)分野では、OEM事業の成長領域に資源をシフトし、OEM比率を高めていきます。
市場縮小が続くアフターマーケット事業では、構造的な見直しを行い、質的な転換を図っていきたいと考えています。
事業戦略:OEM事業 成長領域の重点戦略

OEM事業の海外展開では、従来の欧州・中国に加え、米州・インドでの事業拡大を進めることで、海外OEMのグローバルでのプレゼンスを高めたいと考えています。
国内用品事業についてはプレイヤーの淘汰が進められており、これを契機にシェア拡大を図り、仕様の共通化による開発効率化を進めることで収益力の強化を目指します。
事業戦略:エンタテインメント ソリューションズ分野

ES分野では、エンタテインメント事業の成長拡大とメディア事業の収益性向上の両輪で進めることで、安定的な収益を確保していきたいと考えています。
キャピタル・アロケーション方針

財務戦略について説明します。キャピタル・アロケーションの方針として、2026年度から2030年度の5年間でキャッシュ・インを2,000億円以上とし、同額のキャッシュ・アウトを成長投資および戦略投資に充当する予定です。
そのうち約900億円を戦略投資に充てる計画で、そのおおよそ半分をM&Aに充当する予定です。
M&Aについては、事業拡大を牽引している無線システム事業を中心に、機動的な追加資金調達を活用しつつ、成長機会を確実に捉えて実行していきたいと考えています。
株主還元方針について

株主還元方針については、前中期経営計画から総還元性向の上限を5パーセント引き上げ、30パーセントから45パーセントを目途としています。
配当については、安定的な配当と継続的な増配を基本に据え、財務状況や成長投資とのバランスを考慮しつつ、こちらの範囲内で自社株式取得なども機動的に実施していきます。
サステナビリティ経営のさらなる深化

サステナビリティ経営について説明します。基本方針として、5つのマテリアリティ(経営の重要課題)を設定しました。
マテリアリティの見直し

サステナビリティ戦略について、マクロ環境とステークホルダーの視点を踏まえ、新たに5つのマテリアリティを再特定しました。当社を取り巻く環境を基に、複数のステークホルダーの観点からリスクと機会の絞り込みを実施しました。
これらのマテリアリティおよびサブマテリアリティの取り組みをとおして、事業とESGを一体で推進することで、経済価値と社会価値の両立を図りたいと考えています。
サプライチェーンマネジメントの強化

成長戦略を支える経営基盤の強化について説明します。サプライチェーンマネジメント(SCM)の強化に関しては、部品供給問題による販売機会の喪失といった過去の経験を踏まえ、戦略的在庫のルール化や複数社からの調達、専用部品の開発など、SCM・調達改革を継続的に推進していく考えです。
需要、供給、在庫などを含めたキャッシュ・フローを総合的に管理するS&OP(Sales & Operations Planning) の仕組みを早急に構築し、全社最適の意思決定を実現することで、SCMの強靭化およびキャッシュ・フローの最大化を図っていきたいと考えています。
AIドリブン経営への進化

AIドリブン経営への進化についてです。業務への積極的な活用により、生産性向上はもちろん、AI人材の育成や全社的なAIリテラシーの向上を図っていきたいと考えています。
直近の課題としては、生産性向上による収益改善を図ります。中期的には、意思決定力の高度化および競争優位性を支える企業文化の醸成につなげていきたいと考えています。
先ほど説明しましたSCM改革やAIを活用した業務改革については、新社長である鈴木COO直下の重点プロジェクトとして今後推進していきたいと考えています。
技術・知財戦略

技術・知財戦略について説明します。基本戦略として「顧客価値を起点に先端技術で人と社会の“つながり”を再発明する」を掲げています。
顧客視点や市場視点を出発点とし、事業戦略・技術戦略・知財戦略を一体的に推進することで、競争力の強化を図っていきたいと考えています。
人的資本経営

人的資本経営について説明します。戦略的かつ動的な人材ポートフォリオ改革を進めることで、価値を創造できるマルチスキル人材やAI人材の育成に投資していきたいと考えています。
また、働きやすさから「働きがい」へと進化することを目指し、人材の力を最大限に引き出す企業構造を醸成していきたいと考えています。
周年記念活動

最後に、周年記念活動について説明します。新中期経営計画期間中に、ケンウッドは80周年、日本ビクター/ビクターエンタテインメントは100周年、JVCケンウッドは20周年を迎えます。
「JVCKENWOOD Anniversary」と題した周年記念活動を通じて、社員の一体感を深めるとともに、当社のDNAである技術を次世代へ継承する良い機会として活用していきたいと考えています。
私からのご説明は以上です。
Q&A
質疑応答に関してはこちらに掲載されています。
新着ログ
「電気機器」のログ





