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株式会社デコルテ・ホールディングス7372

東証グロース

サービス業

目次

新井賢二氏(以下、新井):あらためまして、株式会社デコルテ・ホールディングス代表取締役社長の新井です。本日は、IRセミナーをご視聴いただき、誠にありがとうございます。

本日は、3つのパートに分けてご説明します。まず、当社の企業概要・事業概要をご説明するカンパニー・ハイライト、次に当社を取り巻く市場環境と当社の強み、そして最後に今後の成長戦略についてご説明します。

会社概要

新井:カンパニー・ハイライトからご説明します。当社は、兵庫県神戸市に本社を構え、2001年に創業しました。従業員数は約450名です。株主構成については、昨年12月に株式会社IBJによるTOBを実施し、現在はIBJが50.1パーセントを保有する連結対象子会社となっています。

事業構成(2025年9月期売上構成比)

新井:当社の事業概要についてです。当社の事業は、フォトスタジオを運営するスタジオ事業とフィットネス事業の2つに分かれています。このうち、フォトウエディングが全体の94パーセント、アニバーサリーフォトが5パーセントを占めており、フォトウエディングが主力事業となっています。

フォトウエディングサービス

新井:フォトウエディングサービスについてご説明します。フォトウエディングには、2つのサービスがあります。

1つ目は、結婚式・披露宴とは別の日や場所で結婚写真を撮影する別撮り、または前撮りと呼ばれるサービスです。

2つ目は、式を挙げない新郎新婦が結婚写真を撮影するサービスです。これを狭い意味でのフォトウエディングと呼ぶ場合もあります。

2つを総称してフォトウエディングとしています。結婚式や披露宴と同様に、ドレスやタキシード、和装といったこだわりのある衣装を着用し、撮影を提供しています。結婚式や披露宴と比較しても、リーズナブルな価格で花嫁体験ができる点でご評価をいただいています。

当社の強みや特長については、後ほど詳しくご説明します。当社では、自社で育成・雇用したプロフェッショナルなフォトグラファーやメイクアップアーティストによる感動的な撮影体験を提供しています。

スライドの写真にもあるように、例えばスキー場で楽しんでいる様子を撮影するなど、形式にとらわれない撮影も行っています。新郎新婦の思いやこだわりを自由に実現できるように努めている点をご評価いただき、全国で展開する中で、現在国内シェアNo.1の実績を達成しています。

アニバーサリーフォトサービス

新井:アニバーサリーフォトサービスは、子どもを中心とした家族の記念日を写真に残すサービスです。七五三や誕生日など、シチュエーションに合った衣装で非日常の世界を楽しんでいただき、節目ごとに写真に収めることで子どもの成長の過程を形に残せるサービスを提供しています。

ウエディングと同様に、自社で育成・雇用したプロフェッショナルなフォトグラファーとメイクアップアーティストが、お子さまにもご家族にも思い出に残る撮影体験を提供しています。お子さまに寄り添い、自然な笑顔を引き出すサービスや凝ったスタジオを取り入れることで、自由度の高い撮影を実現しています。

サービスの概要は今お伝えしたとおりですが、より雰囲気を感じていただくために、ウエディング・アニバーサリーそれぞれの撮影風景を収めた動画をご用意しました。それでは、こちらの動画をご覧ください。

サービスの概要は今お伝えしたとおりですが、より雰囲気を感じていただくために、ウエディング・アニバーサリーそれぞれの撮影風景を収めた動画をご用意しましたので、ご覧ください。

ウエディングの動画はこちらです。

アニバーサリーの動画はこちらです。

DECOLLTE HOLDINGS

新井:ウエディング撮影は、以前はスタジオ撮影が中心でした。最近では、スライドでご覧いただいているように、ロケーション撮影が非常に人気となっています。春は、桜です。

DECOLLTE HOLDINGS

新井:夏は、青い空と海です。

DECOLLTE HOLDINGS

新井:秋は、紅葉です。

DECOLLTE HOLDINGS

新井:冬はスタジオ撮影が多いものの、スライドにあるような雪景色の中での写真も、お客さまから非常に多くのニーズをいただいています。

当社サービスの特長

新井:当社サービスの特長についてご説明します。当社は、フォトウエディングの撮影組数では国内No.1を誇り、年間の撮影組数はアニバーサリーとウエディングを合わせて2万4,000組に上ります。非常に多くのお客さまにご利用いただいているサービスを展開しています。

全社業績推移

新井:業績の推移についてです。コロナ禍で一時的に数字が落ち込んだ時期もありましたが、その後は順調に売上を伸ばし、今期は64億8,100万円を業績予想としています。

以上が、カンパニー・ハイライトです。

婚姻組数推移とフォトウエディング市場

新井:当社を取り巻く市場環境と当社の強みについてご説明します。まず、当社のお客さまの母数となる婚姻組数です。さまざまな報道でご存じの方も多いと思いますが、長期的に減少傾向にあります。

特に新型コロナウイルスの感染拡大により、数値が大きく低下しました。その後、2023年以降は安定し、2024年には増加、先日発表された2025年の速報値でも増加傾向が見られ、安定的に推移しています。

フォトウエディング市場について、「婚姻組数の減少とともに市場も縮小しているのではないか」というご質問をよくいただきます。しかし、実際にはコロナ禍前の2018年と比較して、市場はむしろ拡大しているというデータが出ています。

その背景には2つの要素があります。1つ目は、挙式・披露宴を行う方々による別撮りの実施率が非常に高まっていることです。2つ目は、コロナ禍以降、式を挙げない方が大変増加している中で、フォトウエディングを希望するニーズが急増していることです。

この2つが市場拡大の要因となっており、市場の成長につながっています。次のスライド以降でご説明します。

挙式・披露宴実施者による別撮り実施率の上昇

新井:別撮り実施率の上昇についてです。スライド左側にある外部調査の結果によれば、年々別撮り実施率は上昇しています。10年前には約60パーセントだったものが、現在では70パーセント台を超える状況となっています。

結婚式当日は新郎新婦がゲスト対応などで非常に忙しく、感慨に浸る時間がほとんどありません。1日だけでも主役としての時間を作りたいと、写真撮影を選ばれるケースが増えていることが要因です。

スライドに掲載した写真のように、「結婚式当日には撮影できない写真を残したい」「お気に入りの場所で撮りたい」「式ではドレスを着用したので、和装で写真を撮りたい」というニーズが大変増えていることが背景にあります。

ウエディング業界のトレンド

新井:式を挙げない方々の傾向についてご説明します。スライドは、当社がフォトウエディング事業を開始した2008年以降における、式を挙げる方々や結婚される方々の関心の変化を示しています。

スライド左側では、従来型結婚式に関連するワードのGoogleトレンド検索ボリュームが大幅に低下している状況が見られます。スライド右側では、別撮りフォトウエディングの検索ボリュームが一貫して増加していることを示しており、傾向が大きく変化していることがわかります。

多様化するウエディングニーズの「写真」を軸とした取り込み

新井:スライドでは、当社にご来店いただいたお客さまのアンケート内容の一部をご紹介しています。スライド中段のグラフで濃い青で示されている部分は、式を挙げる予定がなく、結婚写真のみを選ばれた方々の比率です。

上の薄いブルーグレーの部分は、式の予定があり、式も写真も撮る方々の比率を示しています。2023年から2025年9月にかけて、比率が下がってきています。現在では、写真のみを選ぶ方々の割合が40パーセントを超える状況となっています。

式の予定がある方の比率は、40パーセントを下回る状況です。コロナ禍前は、式の予定がある方が全体の7割以上を占めており、式の予定がなく写真のみという方は20パーセント台でした。この数年で、環境が大きく変わってきていることが読み取れるかと思います。

ナシ婚層のフォトウエディング実施ニーズの存在

新井:そのような中で、式を挙げずにフォトウエディングだけを選択された方々が挙げている理由についてです。

スライド左側のデータも外部調査によるものですが、上位2つの理由は「記念に残したかった」という点が挙がっています。記念として、指輪や旅行などさまざまな選択肢がある中で、写真を選ぶ方が非常に増えてきていることがわかります。

3つ目と4つ目は新婦の視点かと思いますが、「ウエディングドレスを着たかった」「自分がドレスを着た写真を残したかった」というニーズが非常に高いことが挙げられます。

5つ目として、「ご家族やご親族のために写真を残しておきたい」「プレゼントしたい」というニーズも非常に高まっています。

これらのニーズに対して、当社が提供する付加価値としては、新婦の目線に立つと、結婚式と同じようにヘアメイクを施し、和装やドレスを着用して花嫁体験ができることが挙げられます。

思い出を写真として残すことができるだけでなく、最近ではアルバムにする方も非常に多く、親族や家族にアルバムをお渡しすることで感謝の気持ちを伝えることができます。これらすべてを非常にリーズナブルな料金で体験できる点が、選択肢としての重要性を非常に高めている要因であると考えています。

フォトウエディング市場のさらなる拡大

新井:フォトウエディング市場は、今後さらに拡大していくと考えています。スライド左側の図は、2023年の日本国内の婚姻組数47万4,000組を分類したものです。式を挙げる方は減少傾向にあり、現在は5割を切る状況となっており、式を挙げない方が大幅に増えています。

式を挙げている方のうち、当社がターゲットとしてきたのは、「別撮りあり、専門業者で撮影」という現在8万8,000組の層です。次のターゲットとして「挙式・披露宴事業者で撮影」の7万2,000組を取り込んでいこうと考えています。

今後、非常に重要性を増していくと考えているのが、現在「式なし、フォトなし」という状況に該当する15万4,000組です。この多数を占める層に対して、当社のような事業者がどのようにフォトウエディングの魅力や価値観を伝えていけるかが、市場拡大の大きな鍵になると考えます。

当社も業界トップのリーディングカンパニーとして、しっかりと対応していきます。

Ken氏(以下、Ken):我々投資家側から見ると、結婚数の減少に伴い、実際に成長が見込めるのかという疑問がありました。それなりに将来性があるというお話かと思いますが、成長性や将来性について、もう少し補足していただくことは可能でしょうか?

新井:婚姻組数に対するフォトウエディングの実施率について、別撮りとフォトウエディングを合わせた場合、日本国内では60パーセント前後となっています。

一方で、東アジアの韓国や中国、あるいは東南アジアでは、結婚式を実施するのが当たり前で、写真を複数回撮影することが多いです。

実は当社も、インバウンドのお客さまにさまざまなオファーをしており、多くの方が自国内で撮影した後に、日本で撮影を希望されます。現在の実施率はおおよそ60パーセントですが、これを70パーセント、80パーセントに引き上げていくことは十分可能だと考えています。

婚姻組数が減少する一方で、フォトウエディングの実施率を向上させる、あるいはスタジオ撮影に加えてロケーション撮影もされる方を増やすことを通じて、市場の拡大が見込めると考えています。

Ken:撮影をしないという選択をされる方の主な理由について、金銭的な事情などがあると思いますが、それについてはどのように分析されていますか?

新井:フォトウエディングの認知度はまだ低いと感じています。結婚を機にイベントを行おうと考える方は、フォトウエディングというサービスにたどり着くことがあります。しかし、まず籍を入れようと考える方は、その段階で止まってしまう可能性もあります。

結婚式は非常に高いコストや手間がかかるため、敬遠される方もいらっしゃいますが、フォトウエディングはお二人さえいれば実現可能です。気軽にというと軽い印象を与えるかもしれませんが、手軽に楽しんでいただけるサービスもあるということを、今後しっかりと伝えていくことが重要だと考えています。

Ken:確かに、結婚式は何百万円とかかる場合が多い一方で、フォトウエディングだと数十万円くらいのイメージがありますね。

新井:リクルートの調査によると、平均で20万円台後半という数字が出ています。

Ken:結婚式を挙げる組数が減少しているということは、金銭的に余力があるケースも少なくないという見方もあると思います。30代での結婚が増えていることから、ブライダルジュエリーの単価が上がっているという話も聞きます。

そのような余力がある中で、認知を拡大し需要を掘り起こせば、一定の成果が得られるということでしょうか?

新井:おっしゃるとおりです。後ほどご説明しますが、単価は引き続き上昇しています。結婚式を挙げる方が減少している中で、従来は結婚式にかけられていた費用がフォトウエディングに向いてきています。場合によっては費用が結婚式の10分の1程度に抑えられるため、大きな追い風となっています。

ビジネスモデル 特長/強み

新井:当社の強みについてご説明します。非常に多くの競合がいる中で、当社の強みのキーワードは内製化です。

スライド中段には、集客、成約、衣装選び、ヘアメイク、撮影という当社のフォトウエディングにおける業務ステップを記載しています。多くの会社は、この5つのステップを外注で対応しています。当社では、すべてを自社で行うことにより、ワンストップでのサービス提供が可能となります。

スライド下部に記載した撮影に関わるプロフェッショナル人材、撮影用衣装・設備備品等、そしてWebマーケティングを内製化していることも、非常に大きな強みだと考えています。

次のスライド以降で、3つの強みについてご説明します。

ビジネスモデル 特長/強み(内製化①プロフェッショナル人材)

新井:人材についてです。スライドにあるとおり、当社は非常に多くの人材を社員として抱えています。中途採用でも新卒採用でも、入社いただいた方に当社規定の研修プログラムを受けていただき、一定の水準を満たした方のみが顧客対応を行う方針を徹底しています。

これにより、誰が撮影を担当しても非常にクオリティが高く、個々の技術力を高い水準に保つことができています。お客さまからも満足度の高い写真を撮影できると評価いただいています。

「これだけの社員を抱えることで、固定費の負担が大きくなるのではないか」というご指摘をいただくことがあります。当社のフォトウエディングは、他のブライダル産業と比較しても特殊な点があります。

スライド右側のグラフで薄いグレーで示したように、挙式や披露宴は、土日祝日およびピークシーズンの11月に件数が多くなる傾向が見られます。一方で当社の場合は、土日祝日と平日の件数にほとんど差がありません。

社員を多く抱えながらも、必要以上に人員を用意しすぎることなく、平日もきっちり稼働してもらっています。

季節的な差については、夏と冬はどうしても閑散期になりますが、例えば夏場には沖縄、北海道、軽井沢などのリゾート地に拠点を構えています。オフシーズンには人が少ない地域にも、夏や春のピークシーズンには都市部の店舗から人員を移動させます。

短期間開設することで、都市部のお客さまをリゾート地へお連れする運用を行っています。このようにして、季節による繁閑の差を少なくする取り組みを継続しており、非常に効率的な人材の運用ができていると考えています。

ビジネスモデル 特長/強み(内製化②撮影用衣装・専用スタジオ)

新井:衣装の内製化についてです。事業者によっては、外部のレンタル衣装店で服を借りることもあります。その場合、お客さまにとって非常に割高になってしまいます。そこで、当社では衣装を自社で制作する、あるいは外部から仕入れる方法を採用しています。

年間2万組以上の規模のメリットがあるからこそ、可能なことだと考えています。自社制作を行うことで、自社でデザインし、海外の工場に直接発注することによって、中間マージンを省くことができます。非常に経済効率の良い方法でお客さまに提供することが可能です。

お客さまからも、他社で使用すると非常に高額となるような衣装が、リーズナブルな価格で使える点にメリットを感じていただけていると判断しています。

スライドの写真にあるように、スタジオ内には和室や本格的な庭園を設けています。これにより、寒い冬や暑い夏でも安定して撮影を行うことが可能です。お客さまにとっては、移動時間が不要で、非常に短い時間で撮影を終えられるというメリットがあります。

当社にとっても、スタジオで準備を整えたうえですぐに撮影を行えるため、生産性の向上につながっています。

ビジネスモデル 特長/強み(内製化③WEBマーケティング)

新井:Webマーケティングについてです。ブライダルというと、大きな広告費をかけて宣伝するイメージがあるかもしれません。しかし、当社ではWeb検索を非常に効果的に活用しています。その結果、Webサイトからの予約が全体の9割近くを占めています。

この取り組みのために、社内のマーケティングチームとして社員を配置し、検索の動向や広告の効果的な運用を常に確認しながら、Webサイトの改善を進めています。SEO対策も徹底して実施しています。

SNS、主にInstagramについては、多数のプロフェッショナル人材が個人のアカウントを開設し、積極的に写真をアップロードして、関心を高める活動を行っています。

集客力、つまり競争力を高めると同時に、広告媒体への費用を抑制することにもつながり、非常に効率的な広告運用が実現できていると考えています。

以上が、当社の強みです。

中期経営計画骨子

新井:今後の成長戦略についてご説明します。当社は、2028年9月までの中期経営計画を開示しています。

これまでフォトウエディングのリーディングカンパニーとして成長してきた当社は、その枠をさらに広げ、お客さまのさまざまなライフステージでの思い出作りの場を提供する「ライフフォトカンパニー」へと成長していきたいと考えています。

当社のアプローチする市場(TAM:Total Addressable Market)

新井:スライドでは、これから進出を目指す主なマーケットを掲示しています。フォトウエディングにはすでに進出していますが、それ以外にも数多くの撮影機会や市場が存在すると考えています。

中期事業成長の進捗

新井:中期経営計画では、最終年度に売上高90億円、営業利益率10パーセント、営業利益9億円という目標を掲げて活動しています。その取り組みについては、次のページ以降でご説明します。

事業ごとの成長戦略

新井:フォトウエディングとアニバーサリーフォトに分けてご説明します。

他社提携による送客チャネルの多様化

新井:フォトウエディングについて、4つのポイントでご説明します。1つ目は、他社提携による送客チャネルの多様化です。当社の集客の約9割はWeb経由です。最近、紹介や提携による送客が増加し、現在では10パーセント台に達しています。

今後、日本の婚活サービスの最大手である親会社IBJからの結婚を決意された方々の送客は、非常に大きな力になると考えています。IBJだけでなく、挙式・披露宴事業者やさまざまな会社とも送客の提携を結んでいます。

さらに、ジュエリー販売事業者など、業種にこだわらず、幅広いブライダル関連企業と連携し、送客チャネルを増やす取り組みを進めています。

Ken:IBJとの提携によって今後期待されることや、現状について教えていただけますか?

新井:昨年4月にIBJと提携を結び、6月から実際に提携が動き始めています。ただ、実は提携を始める以前からも送客をいただいていました。6月以降の送客数は、提携前の月平均と比較して、実に10倍以上に増えており、非常に心強いと感じています。

IBJのネットワークには、直営店とネットワークの加盟店の2種類がありますが、現状では直営店がほとんどです。今後は、加盟店の開拓をさらに進めていく余地があり、送客数はますます増えると考えています。

IBJとの取り組みでは、送客そのものに加え、フォトウエディング市場の拡大も目指しています。

IBJの会員のみなさまが当社をご利用いただくタイミングは、結婚を決めた直後の方々です。このような方々は、式を挙げるかどうかをこれから検討する段階の方が多く、フォトウエディングに対する認知度がまだ低い場合もあります。

そのような方々に「式を挙げなくても、フォトウエディングというサービスがありますよ」とお伝えできる、非常に良いタイミングでご紹介いただけます。市場拡大の観点からも、IBJには大いに期待しています。

付加価値向上と提案力の強化

新井:送客を拡大する取り組みとも関連しますが、拡大したお客さまに対して当社が提案できる付加価値や提案力の強化に取り組んでいきます。

付加価値を向上させる方法はいくつかありますが、取り組みの例としては、新婦さまの目線から見た衣装です。他社にないオリジナルの衣装ラインや、ラグジュアリーな雰囲気を持った付加価値の高い衣装を、これまで以上に充実させることに取り組んでいます。

式を挙げない方々が増えている状況を踏まえ、ウエディングフォトと旅行を組み合わせたサービス「フォトジェニックジャーニー」、ご家族も一緒に写真を撮る「家族フォトウエディング」、さらに披露宴までは行わず家族の食事会を希望する方々向けの「フォト+会食」といった、フォトウエディングにプラスアルファの価値を付けたサービスを今後も提供していきたいと考えています。

お客さまのニーズを汲み取り、ニーズに合わせたご提案を行う営業力や提案力を、今後も引き続き磨き上げていきたいと考えています。これらの取り組みは、単価の面で非常に効果を発揮していると考えています。

スライド下部のグラフをご覧いただくと、コロナ禍前である2019年10月の単価を100とした場合、現在は1.5倍から1.6倍という水準まで数字が伸び続けています。今後も、取り組みを着実に続けていきたいと考えています。

店舗数拡大によるシェア向上

新井:店舗数の拡大によるシェア向上についてです。当社は、北海道から沖縄まで出店していますが、依然として大都市圏での出店が非常に多い状況です。

今後は、未出店の地方の中核都市や、人口の厚みがある首都圏で、既存店舗では取りきれていない需要を取り込むべく、出店を進めていきたいと考えています。

地方店の一例として、昨年は宇都宮に店舗を出店しました。居抜き物件を活用することで投資額を抑え、商圏に適したスタジオの出店を進めていきたいと考えています。

Ken:新規出店の際に、重視されているポイントや投資額の最適化について、詳しく教えていただけますか?

新井:重視しているのは、事前の市場調査です。該当地域に確実にお客さまがいらっしゃるかどうかを確認します。既存店の実績から、当社の店舗に来店していただけるお客さまの範囲、物理的な距離、範囲内での婚姻組数の実績などを詳しく調査します。

また、交通アクセスも重要です。都市部では利用される路線、地方では主要な幹線道路の状況を確認します。その上で物件の特性を考慮し、投資額を決定します。これらを踏まえて、しっかりと利益が出るかどうかを判断し、出店を行っています。

Ken:将来的な話になるのかもしれませんが、IBJはかなり豊富なデータをお持ちではないかと思います。その連携についても、なにか可能性はあるのでしょうか?

新井:当社としても、出店する場所にIBJの加盟店や直営店があると、集客の面で非常に大きなプラスになります。そのため、相互に情報を連携しながら進めていきたいと考えています。

フォトウエディング市場の拡大

新井:フォトウエディング市場を拡大するための取り組みについてお話しします。スライドは先ほどご覧いただいた図ですが、コロナ禍前の数字と比較しています。

スライドのグレー枠で囲った「式あり」の式を挙げる方は、数字上でも大きく減少しています。一方、緑枠で囲った当社が以前からターゲットとしていた顕在層における撮影は増加してきていると考えています。

今後は、赤枠で囲った「式なし、フォトなし」の方々に、いかにフォトウエディングの魅力を知っていただき、撮影していただくかが非常に重要なポイントとなります。この層に向けて、さまざまな施策を講じていきたいと考えています。

IBJとの提携による早期のアプローチをはじめ、昨年「マリピク!」というサービスをリリースしました。式を挙げない方々が、入籍の費用をなにか記念となるものに使おうとしている動きに対応したサービスです。

まずはプロの撮影の魅力を知っていただき、「だったらフォトウエディングもやってみようかな」と感じていただけるような取り組みを進めていきたいと考えています。

複数ブランド展開による子ども撮影事業の拡大

新井:アニバーサリーフォトの施策についてご説明します。当社は「HAPISTA」というブランドを展開してきましたが、昨年から複数ブランド化を目指し、「Ashery」というブランドもスタートしました。

スライドの写真をご覧いただくとわかるように、雰囲気がかなり異なります。子ども写真の業界では、「スタジオアリス」という非常に大きな存在があります。しかし、「スタジオアリス」とは異なる撮影スタイルを求める方々も多くいらっしゃいます。

そのような方々に向け、当社の間口を広げ、さまざまなシチュエーションで撮影できるようにするため、複数ブランドを展開して、間口を広げていきたいと考えています。

M&Aを含む事業規模拡大の加速

新井:「Ashery」のように、自社で新しいブランドを立ち上げていくことは引き続き行います。ただし、積極的にM&Aも活用していきたいと考えています。

当社と同様に、「スタジオアリス」とは異なるテイストの写真やフォトスタジオを展開している企業も多く存在します。そのような中で、当社に共感いただき、一緒に展開していくことで協力できる企業とは、積極的にグループを構築し、取り組んでいきたいと考えています。

ライフステージにおける撮影シーンの拡大

新井:ライフステージにおける撮影シーンの拡大についてお話しします。

現在、当社はスライド中央のウエディング分野で国内No.1のシェアを獲得しています。しかし、それ以外の年齢層、例えば50歳以上やお子さまの写真については、今後さらに広げていくべきジャンルと捉えています。

現時点での取り組みとして、ウエディングをきっかけに家族ができた方々や、家族が増えていった方々に対して、アニバーサリーフォトを積極的に提案しています。これにより、記録をどんどん増やし、年を重ねるごとに写真を積み上げていくことを進めています。このように、ウエディングからつなげていくパターンが一つです。

スライド内では、成人式を赤で囲んでいます。成人式は20歳に加え、最近では18歳で撮影する方もいらっしゃるかもしれません。

ここで、プロの撮影の楽しさや美しさを知っていただくことで、次のライフイベントとして大きな節目であるウエディングの際に、「やはりプロに撮ってもらおうか」「デコルテのスタジオを使おうか」とサービスを選んでいただけるのではないかと考えています。

このようなウエディングにつながる導線の強化も進めていきたいと考えています。

Ken:顧客との接点をいかに作るか、一度利用していただいた後にどう次の利用につなげるかが非常に重要だと思います。この点について、具体的な施策を教えていただけますでしょうか?

新井:現時点で進めている施策としては、ウエディングのお客さまに対し、継続的にメールをお送りする取り組みを行っています。

例えば、1年後の記念写真の案内や、その時点でお子さまがいらっしゃる場合には、当社のアニバーサリースタジオを紹介するなどの活動をここ数年進めてきました。

ウエディングをご利用いただいたお客さまに対し、「当社のアニバーサリーフォトにはこのようなものもありますよ」と直接ご紹介する取り組みも行っています。今後も、これらの施策を拡充していきたいと考えています。

Ken:事業の方向性について、あらためて補足いただけますでしょうか?

新井:フォトウエディング市場は、まだまだ伸びていく市場だと考えています。先ほど申し上げた4つのポイントを基に、大きくシェアを伸ばしていくことを柱としています。

その上で、スライドに示したように、アニバーサリーフォトを含めた、さまざまなジャンルの写真に間口を広げます。お客さまの生涯にわたり写真を撮影させていただくことで、さらなる成長を目指していきたいと考えています。

質疑応答:フォトウエディング事業の高収益性を支える要因について

向井沙耶氏(以下、向井):「御社は、サービス業でありながら比較的高い利益率を維持していると思います。その収益性を支えている要因は何でしょうか?」というご質問です。

新井:当社のフォトウエディングは、非日常を楽しんでいただくサービスとして、非常に高い付加価値をお客さまに認めていただいている点が特徴です。さまざまなライフイベントの中でも、ウエディングの写真は非常に高い単価でお客さまにご利用いただいています。

その上で、内製化に関して、人材、衣装、Webマーケティングなどを非常に効率的に活用し、収益を着実に生み出す体質を構築していることが要因だと思います。

質疑応答:原価の上昇要因について

Ken:原価の上昇要因や変動要因はどのような点が大きいのでしょうか? 

新井:当社の場合、人件費の比率が非常に高いため、社員の給与制度をしっかりと整備して運用しています。

ただ、現在は物価が非常に上がっていますので、実は3期ほど前に人事制度を見直して給与を大幅に引き上げた経緯があります。その際には、原価が大きく上昇し、収益面で若干の減少が生じました。

Ken:2024年9月期の原価が上がっているのは、その影響ということですか?

新井:おっしゃるとおりです。

質疑応答:フォトグラファーやメイクアップアーティストの離職防止対策について

向井:フォトグラファーやメイクアップアーティストといった専門職の方々を雇用し、研修もしっかり行っていると先ほどおっしゃっていたと思います。

このような専門職の方々は、一定の技術を身につけると離職しやすく、フリーランスへの転身を検討されることが多いと思います。それを防ぐための対策はなにかございますか?

新井:もともと独立意識の高い方が多い職種でもありますので、一定数はご自身で開業される方もいらっしゃいます。ただ、当社の場合、そのような方々とは業務提携を結び、業務委託で人手が不足している際にお手伝いいただくこともあります。

在籍している社員に対しては、インセンティブ制度を導入しています。例えば、お客さまからの指名に対する指名料や、店舗の業績が達成された場合のインセンティブなど、モチベーションを高める仕組みを多数設けています。そのような取り組みで、社員の意欲を高めている状況です。

質疑応答:B/S上の使用権資産について

Ken:B/Sについて、使用権資産という項目にそれなりの金額が計上されているように思います。これは、どのようなものか教えていただけますか?

新井:これは、当社が国際会計基準(IFRS)を適用していることによるものです。非常に多くの金額が使用権資産として計上されています。一方で、負債側にはリース負債が計上されています。

リース負債には、通常のリース負債に加え、当社の場合、店舗やオフィスの賃貸借契約に基づく、契約期間中に支払わなければならない将来の家賃も含まれています。この将来の家賃が、使用権資産の約9割を占めています。

国内基準では計上しなくても良いのですが、IFRSを適用しているため、非常に大きく見えるかたちになっています。

質疑応答:IBJとの提携による相乗効果について

Ken:「ブライダルニーズに対する今後の見通しを教えてください。また、IBJが筆頭株主になりましたが、提携や相乗効果があれば教えてください」というご質問です。

新井:IBJはブライダル、特に婚活サービスにおける国内最大手であり、多くの成婚会員さまをご紹介いただいています。

IBJ会員の方々の中には、ご成婚後に結婚式やイベントを行うかどうかを検討されている方々が多数いらっしゃいます。そのような方々に向けて、フォトウエディングサービスをご紹介することは、非常にタイミングが良く、適切なかたちで行われていると考えています。

その中で、早め早めにアプローチを行うことで、市場のニーズを自ら掘り起こしていると感じています。先ほど、提携前の10倍の規模でご紹介が増えているとお伝えしましたが、この増加は現時点でIBJの直営店舗が非常に大きな割合を占めています。

今後は、資本比率の向上を受けて、加盟店のみなさまにもより一層サービスをおすすめし、紹介数を10倍からさらにその先まで伸ばしていきたいと考えています。

質疑応答:株主還元の方針について

Ken:「売上がしっかり伸び、利益剰余金も30億円ほどあります。そのような中で、配当についての考え方を教えてください」というご質問です。

新井:現時点では、店舗の出店や事業のさまざまな分野への進出が、当社の成長にとって非常に重要だと考えています。そのため、まずはこれらに投資を振り向けたいと考えています。

当社は上場企業であるため、以前には余剰資金が発生した際に自己株買いを実施したこともあります。また、店舗のサービスをより多くの方に知っていただくため、株主のみなさまにも特典をご用意しています。

まずは、このようなかたちで還元を行い、どこかのタイミングで配当を実施していきたいと考えています。

質疑応答:競合への対応について

Ken:「意識している企業はどのようなところがあるのでしょうか?」というご質問です。

新井:全国的に同様の展開をしている会社は少なく、価格帯も異なります。特に1社を強く意識するよりは、各地の店舗周辺で競合となる会社やスタジオをマークしながら展開しています。

質疑応答:シェア拡大に向けた取り組みについて

Ken:「フォトウエディングのシェアは足元で10パーセント程度だと思いますが、さらに伸ばしていくには、どのようなボトルネックがあるのでしょうか?」というご質問です。

新井:課題として、先ほど首都圏の出店や地方の出店についてお伝えしましたが、首都圏はまだまだ市場が深いと考えており、さらに深掘りしていく必要があると考えています。

ただ、そのためにはプロフェッショナルな人材を増やす必要があります。新規の出店で市場を広げていく際には、特に地方でも同様で、人材の育成スピードが出店にどれだけ追いつくかがボトルネックとなります。

逆に言うと、人材が不足しているところで出店をしても稼働できません。そのため、人材育成をどれだけのペースで進められるかが非常に大きな課題と考えています。

質疑応答:今後の提携先について

Ken:「IBJ以外に提携を模索していく先はあるのでしょうか?」というご質問です。

新井:挙式・披露宴の事業者やブライダルジュエリーの業者とは、すでに何社かが提携しており、多くのご紹介をいただいています。現在提携している会社以外にも、挙式やジュエリー関連の事業者が多数存在するため、今後さらに提携を広げていきたいと考えています。

Ken:ホテルなどは明確に競合になりますよね。うまく提携するのは、やはり難しいでしょうか?

新井:ホテルとも提携していきたいと考えています。ただ、バンケットを大きく設けているホテルの場合は、そちらを稼働させることが最優先とお考えになることが多いです。金額の規模が若干異なることもありますので、その点を調整するには話し合いが必要だと考えています。

質疑応答(要旨)

Q:IBJの子会社になることで、近い将来上場廃止になる可能性はないのでしょうか?

A:当社の経営の自主性を維持・尊重いただいており、引き続き東京証券取引所グロース市場への上場を維持していきます。

※こちらの質疑応答は、企業提供の要旨になります。

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