ダイトロン、売上高1,031億円で前年同期比110.3% 国内堅調と北米・欧州伸長が寄与
通期業績推移

土屋伸介氏(以下、土屋):こんにちは。ダイトロン株式会社代表取締役社長の土屋です。どうぞよろしくお願いします。2025年12月期決算説明を始めます。
まずは、連結決算概要です。業績結果および業績予想をご説明します。スライドの通期の業績推移について、2025年通期の業績結果を示しています。
売上高は前年同期比110.3パーセントの1,031億4,200万円、営業利益は前年同期比113.1パーセントの70億1,000万円、経常利益は前年同期比113パーセントの71億5,600万円、当期純利益は前年同期比112.4パーセントの49億2,300万円となりました。いずれも過去最高の売上高と利益を更新し、好業績を達成しました。
当社を取り巻く環境として、特に半導体製造装置や産業機器関連ビジネスは、やや厳しい状況が見られました。しかし、国内を中心とした営業活動において、新規のお客さまや新しいアプリケーションの開拓をうまく進めることができ、数字の伸びにつながったと考えています。
また、設備関連の案件では、本来2026年に予定していた案件の一部が2025年に前倒しで売上として計上されたこともあり、好結果を残すことができました。
商品セグメント 四半期別業績推移

商品セグメント別の四半期業績推移です。スライドのグラフのとおり、電子機器および部品セグメントは四半期ごとに順調に推移しています。
また、製造装置には投資の波が一部あるため、多少の変動はあるものの、平均的には高い水準を維持できたと考えています。
報告セグメント別概況推移

報告セグメント別の概況推移です。当社が報告するセグメントは、国内販売事業、国内製造事業、海外事業の3つです。3つの事業がいずれも前年比で増収増益となる、好結果を達成しました。
商品セグメント別業績推移

商品セグメント別の業績推移です。スライドのグラフは、電子機器および部品の年度別の結果を示しています。
いずれのセグメントもほぼ成長しています。残念ながら、半導体は、在庫調整の影響により前年を少し下回る結果となっています。一方で、半導体を除くセグメントは、新規開拓や半導体の製造装置関係の後半での立ち上がりもあったことから、伸ばすことができています。
特に、スライドにピンク色で示した部分は、当社がデータセンター向けに新たに開始した事業であるグリーン・ファシリティーを示しています。この事業では、データセンター向けUPSの販売と技術サービスを提供しており、こちらが順調に伸びていることも好業績の一因となっています。
製造装置の数字も、順調に伸びています。具体的には、半導体のシリコン材料関連の設備や、一部データセンターにも関連する光半導体関連の設備などを、当社の強みとして提供しています。こちらが順調に売上を伸ばせたことにより、このような結果となりました。
当社の事業構造 2025年実績

当社の事業構造です。電子機器・部品と、製造装置という商品セグメントに分かれています。
スライドの水色のハイライト部分は、当社のオリジナル製品を含むセグメントとなっています。その総利益率は、電源機器を除き、すべて20パーセント以上の高い利益率を確保しています。
また、スライドの表の右側に記載のとおり、オリジナル製品比率は昨年とほぼ同水準です。海外売上比率にも大きな変化はありません。
後ほど詳しくご説明しますが、売上高はいずれも順調に伸びています。全体的な一般販売および国内販売の売上が伸びていることもあり、比率には大きな変化はありません。
地域別 前年同期比較 売上高

地域別の前年同期と比較した売上高です。海外の売上比率は26.2パーセントで、昨年とほぼ同じ状況です。ただし、内容には変化が見られ、北米と欧州地区が伸びてきています。
北米の伸びの主な要因は次の2つです。1つ目に、当社は米国に工場を持っているのですが、この工場では、米国の地下鉄車両向け天井などに使用される配線を提供するハーネス事業を展開しています。そこで大きなプロジェクトを受注し、事業が立ち上がり、生産が順調にスタートしました。
2つ目に、米国の車載向け画像機器ビジネスにおいて、日本からの移管がありました。こちらも順調に伸びています。
欧州地区では、半導体の材料関連設備の受注と売上が大きく伸びました。
一方、アジアでは、昨年比でやや数字が減少する結果となっています。中国の設備関連の動向が一段落したことが要因と考えられます。特に、半導体関連は昨年までの状況とは異なり、一服感があったため、数字を落としている状況です。
地域別 売上高推移

地域別の売上高推移です。国内、北米、欧州は大きく伸長しています。一方、アジアでは中国の影響が多少見られる状況です。
今後、この動向をしっかり注視しながら進めていく必要がありますが、来年以降に新たな設備投資の動きが出てくることを期待しています。その結果、再び回復基調に入れるのではないかと期待しています。
四半期別 受注高推移(商品セグメント別)

四半期別の受注高推移です。商品セグメント別では、電子機器および部品は順調に伸びています。
製造装置には投資の波があり、多少の変動はありますが、アジアを中心とした海外では受注が一服している状況です。一方、国内ではデータセンター向けの光デバイス関連設備機器の受注が非常に活況になりつつあります。これらが少しずつ寄与し、このような水準を維持できていると考えています。
四半期別 受注残高推移(商品セグメント別)

その結果、四半期別の受注残高は、スライドのグラフのとおり推移しています。
電子機器および部品は、グラフの緑色のラインより下の部分が該当します。それぞれ、少しずつではありますが伸びつつある状況です。
そして、ピンク色で示したグリーン・ファシリティーが非常に大きく伸びています。これは、データセンター向けUPSビジネスに関連するもので、今後も大きな成長が期待され、一定量の売上を確保できると考えています。
製造装置に関しては、2022年頃からさまざまな受注があり、納期が長期化していたことで、大きな受注残高が発生していました。その後、受注がやや一服する中で、納品を順調に進めることができました。今年も海外を中心に納期を遵守しながら、設備の売上が順調に推移しました。
その結果、受注が一服した影響もあり、受注残高はやや減少しています。ただし、当社としては一定の高いレベルを維持できていると考えています。
なお、棒グラフの2025年第4四半期の部分は、セグメント区分の見直しを現在行っているため、暫定的に2つのグラフで表しています。
通期財政状態、キャッシュ・フローの状況

通期の財政状態とキャッシュ・フローの状況に関しては、スライドをご参照ください。
通期連結業績予想

通期の連結業績予想です。売上高は前年同期比100.3パーセントの1,034億円を予想しています。
営業利益と経常利益はともに72億円を予想しています。営業利益は前年同期比102.7パーセント、経常利益は同100.6パーセントとなります。当期純利益は、前年同期比100.5パーセントの49億5,000万円を予想しています。
少しでも成長を継続することを目指し、スライドのグラフのとおり、微増で推移すると見込んでいます。この数値が達成できれば、過去最高の売上高と利益を更新する見込みです。
商品セグメント別業績推移・予想

商品セグメント別の業績推移と予想です。業績推移は、先ほどお話ししたとおりです。
2026年の予想に関しては、電子機器および部品について、全体的な成長が見込まれます。データセンター向けUPSビジネスや、「部品&ASSY」と呼ばれることもある当社の基幹セグメントでは、半導体製造装置や産業機械関連の景気回復が大いに期待される状況です。
また、半導体もようやく在庫調整が一段落する見込みがあり、新たな注文や売上が今年は少しずつ期待できると考えています。
画像に関しては、今年は昨年比でやや減少する見込みです。これは北米の画像機器関係の価格調整が多少影響すると予想しているためです。内容として大きな変化はありませんが、一部価格の変動を考慮して調整を行っています。
製造装置に関しては、アジアを中心に受注状況が少し鈍化しています。特に半導体の材料関係では在庫調整が長引いており、新たな投資に向けた動きが遅れている状況です。
一方で、データセンター向け国内機械ビジネスでは、光デバイス向けの設備受注が急成長しています。市場では依然としてデバイス不足が指摘されており、さらなる需要増加が見込まれる中で、複数の企業から投資案件が寄せられています。これらの受注には大きな期待を寄せています。
また、国内における材料関係でも、再生ウェーハ事業向けの設備販売が進んでおり、2026年はこの事業が成長すると予想しています。
2026年の全体予想としては、2025年比でやや減少するものの踏ん張るかたちで、高いレベルを維持できるのではないかと見ています。
配 当

配当です。2025年12月期の中間配当は70円を実施し、期末配当は120円と決定しました。年間配当は190円、配当性向は40.9パーセントです。この配当水準を維持し、年間190円を予定しています。
2026年12月期の予想は、中間配当40円、期末配当55円、合計で95円と見込んでいます。
なお、当社は2026年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で、株式分割を行いました。株式分割を考慮しない場合、2026年12月期の予想は、2025年12月期と同様に年間190円となります。
以上、連結決算概要についてご説明しました。
11M策定の基礎 5)スローガンと主な強化ポイント

ここからは、当社が現在取り組んでいる第11次中期経営計画についてお話しします。こちらは2024年にスタートしたプロジェクトで、2026年がその最終年度となります。
本計画の略称は「11M」です。ポイントを簡単にお話しします。スローガンは、「技術立社として、グローバル市場で躍進する!」です。
また、大きなテーマとして「売上高1,000億円を超える企業になる」を設定しています。2025年には、1,000億円に到達することができました。ただし、持続的に1,000億円を超えて成長していくことが非常に重要なテーマだと認識しています。
グローバル市場で成長し、売上高1,000億円をキープし続けることが重要だと考えています。
11Mの概要 2)目標とする経営指標

目標とする経営指標は、スライドに記載のとおりです。1つ目は、売上総利益率です。当社は商社とメーカーの機能を兼ね備えているため、一般的な商社の売上総利益率とは異なり、もう少し高い水準を目指しています。そして、その水準を現在実現できています。
「11M」では、売上総利益率20パーセント以上という目標を掲げています。昨年の実績は20.3パーセントでした。
2つ目に、財務健全性の観点から、自己資本比率50パーセントを目標としています。昨年の実績は、44.8パーセントでした。
3つ目の資本効率性では、ROEを12パーセント以上、ROAを6パーセント以上とする目標を設定しています。
これらの目標値は現時点で達成しており、特にROEは14パーセント強となっています。ROAも6.5パーセント程度と、現時点では順調に推移していると考えています。
11Mの概要 4)戦略基本方針①

当社は、事業構造の変革に係る3つのKPIを設定しています。具体的には、事業別構成比、オリジナル製品比率、海外事業比率の3つです。
1つ目の事業別構成比は、電子機器・部品、製造・検査装置関係、新規事業の3区分に分け、それぞれのバランスをとりながら安定的な運営を目指しています。
新規事業は、「挑戦」という観点からこのような比率を設定しています。現在、データセンター向けUPS事業を、新規事業の中に数字として計上しており、こちらが順調に伸びて7.1パーセントに達しています。
2つ目のオリジナル製品比率は、目標を25パーセントとしています。現状は16.9パーセントです。
比率としてはスライドの円グラフのとおりですが、オリジナル製品の売上高は2021年から2025年まで順調に伸びてきています。したがって、現在展開している戦略には大きな問題はないと考えており、さらに強化していく予定です。
3つ目の海外事業比率は、目標値を30パーセントとしています。2025年の実績では、26.2パーセントとなっています。この比率だけを見ると若干の乖離はありますが、全体的な売上の伸び、一般販売の伸び、国内販売の伸びなどが影響しているためです。
海外事業の売上高も、2023年に若干落ち込んだ時期がありましたが、トレンドとしては現在順調に伸びていると考えています。
さまざまな事業がありますが、海外では設備関係が売上高の約半分を占めており、非常に比率が高くなっています。この点では、投資の波の影響を少なからず受けています。まだ改善の余地はありますが、数字としては順調に伸びているとご理解ください。
11Mの概要 4)戦略基本方針②

当社の強みは、スライド下に記載のとおりです。1つは、商社機能とメーカー機能を兼ね備えていることです。もう1つは、その機能をグローバルに展開していることです。
11Mの概要 4)戦略基本方針③

そして、注力領域や市場を明確にし、ターゲットを絞り込んでいます。スライド1番目に記載したような有望な市場に対して、私たちは現在活動を進めています。
3番目の新規分野に関しては、データセンター向けUPSビジネスだけでなく、次なる成長のために新しい事業を創出し、育成していく必要があります。現在、新規分野として注目しているのがソフトウェアビジネスです。
このソフトウェアビジネスを新たに育成することを目指し、活動を開始しています。プロジェクト化を進め、多角的にマーケティング調査を実施している段階です。今後は、この分野が少しでも数字に寄与できるよう、さらなる成長に取り組んでいきたいと考えています。
11Mの概要 5)戦略基本方針④の具体的戦略

各事業の地域別の戦略です。1つ目に、国内ビジネスには、まだ空白の地域が残っています。これらの地域をさらに攻めるため、新規展開の拠点作りを検討していきたいと考えています。
11Mの概要 5)戦略基本方針④の具体的戦略

2つ目に、海外ビジネスを強化することで、売上を大きく伸ばせる可能性があると考えています。特に電子機器・部品事業の成長を積極的に後押しし、売上への数字として貢献できるよう取り組んでいきます。
そのためには、海外拠点の拡充が非常に重要であると捉えています。主要な市場としては中国、北米、ヨーロッパを想定しています。これらの地域にはすでに拠点がありますが、さらに出張所やサテライトオフィスを設けることで、「点」から「面」に近い営業活動が可能になると考えています。
アジア地区ではインド市場を注視しており、現在は出張ベースでのマーケティング活動を行っています。将来的には、駐在員事務所の開設も視野に入れ、マーケティングを進めていきたいと考えています。
11Mの概要 5)戦略基本方針④の具体的戦略

3つ目に、生産機能に関しては、生産キャパシティをどのようにタイムリーに拡大していくかが、この中計では重要だと考えています。その観点から、新規の協力企業の開拓を積極的に進めています。
これにより、生産キャパシティを的確に拡大し、お客さまの要望にお応えしていきたいと考えています。
11Mの概要 5)戦略基本方針④の具体的戦略

4つ目に、技術・製品開発を積極的に進めています。特に、ソフトウェア関連の技術強化が重要になると考えています。将来的には、さまざまな企業とのアライアンス検討も進める必要があると考えています。
また、少し遅れていましたが、当社では知財戦略の強化を進めています。特許の出願を積極的に行う方針です。
特許を出せる環境作りが重要だと考えており、現在、評価システムの改訂や、特許に関わる人々に対する報酬の検討など、仕組み作りを進めながら知財戦略の強化を図っているところです。
11Mの概要 5)戦略基本方針④の具体的戦略

5つ目は、事業サポート機能の強化です。生産性の向上や日常業務での業務品質の向上を目指し、管理本部を中心にDXを推進しています。
また、人的資本経営として、さまざまな研修・教育投資を通じた労働生産性の向上や、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を着実に進めており、いくつかの実績を積み重ねながら進めているところです。
11Mの概要 5)戦略基本方針④の具体的戦略

6つ目に、この中計からESG経営を推進しています。まだまだ勉強不足な部分もありますが、一つひとつ確実に取り組んでいる段階です。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて (現状分析と市場評価改善方針)

資本コストや株価を意識した経営を、当社としてもしっかりと行っていく必要があるという認識を持っています。また、株主さまへの還元は非常に重要であると考えています。
そのため、この中計において、配当性向の目安を従来の30パーセントから40パーセントに引き上げました。常に状況を見ながら、さまざまな検討を進めていきたいと考えています。
キャッシュアロケーション方針(2025年~2026年)

キャッシュアロケーション方針です。2025年から2026年末までを対象として、スライドに記載のとおり、さまざまな投資を検討しています。
研究開発投資としては、昨年分も含めて約10億円を投入する予定であり、オリジナル製品の開発強化が重要になると考えています。
生産能力の強化に関しては、新しい協力会社を増やすことも重要ですが、当社工場のキャパシティ向上が必要だと考えています。このため、工場の建て替えを含めたキャパシティの増強を検討し、しっかりと投資を進めていく予定です。
現在急成長しているグリーン・ファシリティー事業では、データセンター向けUPSビジネスのサービス機能向上を目指しています。具体的には、試験や評価ができる体制の整備、技術サービス全般の向上を目指して、新しい建物への投資を検討しています。
DX推進のためのシステム入れ替えを含む投資についても検討しています。それ以外にも、ソフトウェア関連の新しい事業を育成したいと考えています。その中で、協業が可能な企業があれば、最終的にはM&Aも視野に、別のかたちでの投資を検討します。
株主還元に関しては、まずは配当の中身を変えていくことだと考えています。すでに昨年実行しましたが、自己株式の取得についても、今後の状況を見極めながら機動的に、第2弾、第3弾を検討し、株主さまへの還元をしっかり進めていきたいと考えています。
以上、第11次中期経営計画の現状についてご説明しました。
おわりに…

「技術で立つ会社へ」として、ダイトロングループは、エレクトロニクス業界の技術立社として、すべてのステークホルダーとともに、グローバル市場に新たな価値を共創していきたいと考えています。
以上でご説明を終わります。ありがとうございました。
質疑応答:次期中計における事業環境の変化について
質問者:今回の中期経営計画がそろそろ終了するにあたり、次の期間に関してはどのような事業環境の変化を想定していますか?
昨年の今頃は、関税に関する不透明感があったかと思います。今は、政治的な状況も含め、
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