高市内閣発足、日経平均は史上初の5万円台に!「高市トレード」銘柄5選
サプライズの連続で誕生した高市首相
9月7日に退陣表明した石破茂氏の後継を決める、自民党総裁選が10月4日(投開票)に行われました。多くの既存メディアの予測では、小泉進次郎氏の勝利とされていましたが、実際には高市早苗氏の勝利という結末になったことは多くの人々に驚きを与えました。しかし、その後も突然の公明党の連立政権離脱や野党統一候補擁立の動きなど、前途多難の様相で株式市場は右往左往する展開を見せていました。
ただ、そこに自民党と日本維新の会との電撃的な連立調整の動きが伝わると空気は一変し、ついに臨時国会召集日の10月21日に首相指名選挙が実施され、ご存知の通り、高市早苗内閣総理大臣が誕生しました。同日には、日経225先物が現物より一足先に、史上初の5万円に一時到達したこともサプライズとなりました。またその後、10月27日に日経平均株価は史上初の5万円台に乗せ、その後も上昇基調が継続しています。第104代目にして初の女性総理大臣の誕生という歴史的なタイミングだけあってか、その誕生までの道中も非常に刺激的なものとなりましたね。
さて、株式市場では高市氏が自民党総裁に選出されてから、いわゆる「高市トレード」と呼ばれる関連銘柄の物色が盛んになっています。総理大臣就任ということで、株式市場的にはよくある「短期的な出尽くし」となり、利益確定の動きが目先は出てくるかもしれませんが、物色再燃のタイミングは今後も多いでしょう。今回はそんな高市トレードで物色されている(される可能性がある)銘柄を改めて一部紹介します。
1.ZenmuTech(338A)
セキュリティは「守る」が鉄則ですが、同社は真逆の「守らない」セキュリティといわれるプロダクトを開発・販売しており、セキュリティと利便性のトレードオフを打ち破りました。高市首相は、能動的サイバー防御(ACD)を可能にするいわゆる「サイバー対処能力強化法」の成立にも過去に積極的に携わるなど、従前から国家におけるサイバーセキュリティへの強い問題意識を打ち出してきました。▼Zenmu Tech(338A)の最新記事 を読む▼ ZenmuTech、暗号化に代わる独自の秘密分散技術を用いた「守らない」セキュリティで成長加速 海外展開も視野に市場拡大
2.サイバーセキュリティクラウド(4493)
AIによる高度な防御技術を搭載したWEBサイトを守るセキュリティサービス「攻撃遮断くん」などのソリューションを提供しているWEBセキュリティ分野のパイオニアです。前述したとおり、大きな意味で、サイバーセキュリティはスパイ防止法なども含めた国家安全保障に繋がる話であり、継続的に高市首相が重視するテーマだとみられています。▼サイバーセキュリティクラウド(4493)の最新記事を読む▼ 【QAあり】サイバーセキュリティクラウド、上期売上高は前年比+31.2% 「WafCharm」「CloudFastener」受注額が四半期で過去最高
3.アストロスケールホールディングス (186A)
宇宙のバリューチェーンに「軌道上サービス」という新たな価値を加えることで、宇宙における循環型経済の創造に取り組んでいます。高市首相は、過去に宇宙政策担当大臣を務めていた他、宇宙も「防衛」というテーマと切り離せない領域のため、首相は非常に強い関心を持っていると思われます。▼アストロスケールホールディングス (186A)の最新記事を読む▼ 【QAあり】アストロスケールHD、防衛関連と民間需要の事業機会が拡大 黒字化に向けた取組みも推進
4.QPS研究所 (5595)
九州大学発の宇宙工学ベンチャー。世界トップレベルの高精細小型レーダー衛星「QPS-SAR」を開発している企業であり、夜間や天候不良時でも任意の対象を高分解能・高画質で観測できるSAR画像データ販売などを手掛けています。こちらも宇宙関連の一角ですね。▼株式会社QPS研究所 (5595)の最新記事を読む▼ QPS研究所、開発案件が順調に進捗し、1Q売上高は前年同期を上回って着地 通期目標の達成に向け着実な歩みを進める
5.東京計器(7721)
「計測・認識・制御」機器の総合メーカーです。船舶港湾機器事業の他、航空機用電子機器や艦艇用航法装置などを扱う防衛・通信機器事業も手掛けています。やはり高市首相と言えば、保守派として有名であり、国防には並々ならぬ意欲を持っています。実際、過去には「新たな戦争の態様(宇宙・サイバー・電磁波領域、無人機、極超音速兵器、自律型AI兵器)にも対応できる国防体制の構築」を重点施策として掲げていたこともあり、防衛関連の物色はサイバーセキュリティと並んで最も活発なテーマの1つですね。▼東京計器(7721)の最近記事を読む▼ 【QAあり】東京計器、中計最終年度2027年3月期を上方修正 防衛事業大型案件により、売上高・営業利益とも過去最高更新を見込む
スピード感溢れる変革に期待
一部誤解を招きやすい表現だったものの「全員(※政治家)に馬車馬のように働いてもらう。私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」と高市氏が自民党総裁に選出された際に発言したことは記憶に新しいところです。本質はワーク・ライフ・バランス云々ではなく、今まで放置・先送りされてきた日本が抱える各種問題に対して、スピード感溢れる変革をもたらすことができるか否かにあります。実際、首相は「決断と前進の内閣」と表現しています。高市内閣の顔ぶれも明らかになりましたから、ここから首相をはじめとして彼ら1人1人の活発な政務動向で、新たな投資テーマや領域が出てくると思われ、投資家としてはますます政治から目が離せなくなっていきそうです。
国内株式を中心とした投資関連のコンテンツ作成・情報配信、企業分析などを主な事業内容としている。日経CNBCなど各種メディアへの出演、『ダイヤモンドZAi』をはじめとしたマネー誌への寄稿も多数。
※記事内容、企業情報は2025年10月30日時点の情報です。
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