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2026年3月期第2四半期決算説明会

久井大樹氏(以下、久井):みなさま、こんにちは。三菱HCキャピタル株式会社代表取締役社長執行役員の久井です。本日は、ご多用のところ当社の決算説明会にご出席賜り、誠にありがとうございます。

本日は、私から先ほど開示した2026年3月期第2四半期決算概要資料のハイライトについてお話しします。続いて、2026年3月期第2四半期の決算実績および業績予想については、取締役常務執行役員の佐藤より、さらに中長期的な企業価値向上に向けた取り組みについては、私からご説明します。

その後、みなさまからのご質問にお答えしますので、どうぞよろしくお願いします。

ハイライト

2026年3月期第2四半期決算概要資料のハイライトをご覧ください。2026年3月期第2四半期の決算実績については、純利益が前年同期比270億円増益の887億円となりました。

期初予想に対する進捗率は、織り込み済みの連結子会社の決算期変更による増益効果もあり、55.5パーセントとなりました。おおむね見通しどおりの着地となったことから、業績予想に変更はございません。

中間配当金は、期初予想どおり前期比2円増配の1株当たり22円としました。

目次

佐藤晴彦氏(以下、佐藤):取締役常務執行役員 財務・経理本部長兼経営企画本部副本部長の佐藤です。私から2026年3月期第2四半期決算概要、セグメント関連情報、2026年3月期業績予想のポイントについてご説明します。

決算実績

まずは、2026年3月期第2四半期の決算実績についてご説明します。①のインカムゲインについては、連結子会社の決算期変更による増益効果がありましたが、それを除いても、第1四半期に続き、航空セグメントとロジスティクスセグメントの2つが好調を維持しており、インカムゲイン増加を牽引しています。

また、スライドには記載がありませんが、カスタマーソリューションセグメントも高収益資産の積み上げが進んでおり、着実にインカムゲインを伸ばしています。

これらの要因により、前年同期比で269億円の増益となりました。なお、連結子会社の決算期変更に伴う増益効果については、8ページで詳しくご説明していますので、後ほどご確認ください。

続きまして、②のアセット関連損益についてご説明します。前年同期には株式会社御幸ビルディングの大口売却益がありましたが、その剥落により、前年同期比で減益となっています。ただし、この一過性要因を除いた実質ベースでは、不動産セグメントにおいて複数の大口売却益を計上したことなどから、前年同期比で増益となっています。

③の純利益については、先ほどご説明したインカムゲインの増加に加え、前年同期にあった環境セグメントの大口貸倒関連費用の剥落などにより、前年同期比270億円の増益となりました。

カスタマーソリューション

セグメント関連についてご説明します。まず、カスタマーソリューションセグメントについてです。収益性の高い資産を積み上げたことでインカムゲインが増加し、さらに貸倒関連費用においても、前年同期に計上した大口費用の剥落が影響し、この結果、セグメント利益は前年同期比で23億円の増益となりました。

こちらは、前年同期にあった積水リースの売却による増益効果の剥落という大きな減益要因があった中で、これを克服し、23億円の増益となりました。この結果は、2025中期経営計画で掲げている「ビジネスモデルの進化・積層化」の成果が着実に現れ始めていると考えています。

海外カスタマー①

海外カスタマーセグメントについてですが、前年度に非常に高い水準となっていた米州事業の貸倒関連費用を、今年度は大きく抑えることができています。

一方、中国事業で、資産減少によるインカムゲインの減少などがあったことで、セグメント利益が前年同期比11億円の減益となりました。

また、米州事業については、商用トラック市場の環境が引き続き厳しい状況であり、決して楽観視はできません。しかし、このような事業環境の中で、貸倒関連費用の減少が見られます。これは、前年度からの審査基準の見直し、引き揚げ車両の販売強化、ならびに事業ポートフォリオ自体の見直しといった対策の成果だと考えています。

この米州の商用トラック事業の業況や貸倒関連費用の状況については、14ページに詳しく記載していますので、後ほどご確認ください。

また、最近報道されているアメリカの大手自動車部品メーカーの経営破綻に伴い、ファクタリング事業やプライベートクレジット事業のリスクが注目されている点については、投資家のみなさまの関心が非常に高いものと考えています。

当社の米州事業において、これらの事業割合は小さく、収益に与える影響も極めて限定的であるため、現時点では大きなリスク要因とは認識していません。引き続き、金融市場への影響を含め、米国のマクロ環境を注視していきます。

環境エネルギー①

環境エネルギーセグメントについて、前年同期に計上した大口の貸倒関連費用や減損損失などの剥落により、セグメント利益は52億円改善しました。しかし一方で、海外の持分法投資先で一過性の評価損を計上したことや、出資先であるEuropean Energyにおけるのれんの償却を含む持分投資に関わる損失の計上などが影響し、第1四半期に続いて引き続き損失が計上されている状況です。

なお、先ほどの一過性の評価損についてですが、これは当社が出資している持分法投資先に他社が供与していたローンがエクイティに切り替わったことで、当社の出資持分が希薄化した結果、計上したものです。したがって、この評価損は進行中のプロジェクトの悪化に起因するものではありません。

同業他社が海外の再生可能エネルギー事業において大口の損失計上を発表した事例が最近ありましたが、今回当社が計上したこの損失は、それとは性質が異なり、個別のプロジェクトや事業環境の悪化に起因するものではありません。

上期においてはアセット売却益の計上はありませんでしたが、下期には相応の金額でアセット売却益の計上を見込んでいます。

航空①

航空セグメントについてです。減損損失の増加はありましたが、新規案件の積み上げによるリース収入の増加、航空機エンジンリースにおける高稼働率の維持、さらに子会社の決算期変更の影響により、セグメント利益は前年同期比で19億円の増益となりました。

こちらは、子会社の決算期変更の影響を除くと、減損損失の計上などにより減益となっていますが、インカムゲインが大きく増加しており、事業全体としては引き続き好調を維持しています。

ロジスティクス①

ロジスティクスセグメントについてです。こちらは、決算期変更の影響による増益効果に加え、海上コンテナ資産の積み上げによるリース料収入の増加、さらに鉄道貨車のアセット売却益の増加などにより、セグメント利益は前年同期比77億円の増益となりました。

海上コンテナリース事業についてですが、昨年度は中東情勢の混乱の長期化や米国の関税政策を受けた駆け込み需要により、通常よりもコンテナの稼働率が高い状況が続きました。今年はこれに比べ稼働率がやや低下傾向にあるものの、引き続き好調を維持しています。

不動産①

不動産セグメントについてです。前年同期にあった株式会社御幸ビルディングの売却による増益効果の剥落はありましたが、複数の大口アセットの売却益を計上したことで、セグメント利益は前年同期比で74億円の増益となりました。

アセット売却益自体は高水準で推移していますが、新規契約の実行により資産の積み上げも着実に行っています。

モビリティ

モビリティセグメントについてです。オートリース事業におけるリース満了車両の売却益が増加したことなどにより、セグメント利益は前年同期比で2億円の増益となりました。数字としては小さいですが、着実に進捗しています。

2026年3月期 業績予想

では次に、業績予想についてご説明します。2026年3月期の業績予想については、先ほど久井からも説明がありましたとおり、連結全体としておおむね計画どおりに進捗しているため変更はありません。

スライド下部に記載の純利益の進捗を事業ごとに確認すると、カスタマーソリューションセグメントはここまで好調に推移しています。しかし、期初に見込んでいた新サービス提供による収益の実現には、もう少し時間がかかる見通しです。もともと下期偏重の計画ではありましたが、やや進捗が遅れている状況です。

このカスタマーソリューションについては、高い目標ではありますが、手数料収入の獲得を加速させること、不動産やヘルスケア事業など成長領域での資産の積み上げ、不動産リースをはじめとする資産の売却益などにより、目標達成を目指していきます。

次に、海外カスタマーセグメントですが、進捗率が低い状況にあります。欧州事業の伸長や米州事業の業績改善を通じて、下期での挽回を図る予定です。

私の説明は以上です。

中長期的な企業価値向上に向けた取り組み

久井:中長期的な企業価値向上に向けた取り組みについてご説明します。この部分は、5月の決算説明会での内容と一部重複していますが、当社として注力している点でもありますので、アップデートを含めてご説明します。

スライドの左側の図は、これまで何度かご説明してきたとおり、企業価値を測る指標の1つであるPBRの向上を起点に、その構成要素であるROEとPERの観点から、当社が重要視している点を整理したものです。

この中で特に重要と考えているのがROEです。これは、事業ポートフォリオの変革による「ROAの向上」、財務健全性の維持、積極的な投資戦略を支えるために必要な資本の確保、株主還元を両立させる「財務レバレッジの適正化」によって実現を目指しています。

また、PERについては、資本市場との対話や開示の充実を通じて、「成長期待の向上」と「株主資本コストの低減」を図り、その向上を目指しています。

スライドの右側では、これらを踏まえて実施してきた具体的なアクションとして、ROAの向上と成長期待の向上の2点をご提示しています。その詳細については、次ページ以降でご説明します。

ポートフォリオの入れ替え

まず1つ目のアクションとして、ROA向上に向けた施策についてです。収益性を高めるために、新規投資や資産の入れ替えを行い、事業ごとの戦略やリスク特性を踏まえたリスクリターンの最適化を含むポートフォリオマネジメントを進めてきました。

スライドの表は、2021年4月の経営統合以降に実施した主要な売却案件と投資案件を一覧化したものです。国内のリース・ファイナンス子会社を中心に事業の売却を進める一方で、海上コンテナリース会社であるCAI Internationalや、再生可能・次世代エネルギー会社European Energyなど、高い専門性を持つ企業へのインオーガニックな投資を行い、収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を進めてきました。

また、オーガニックな投資の観点では、CAI Internationalによる約2,000億円規模の海上コンテナへの大型投資や、Jackson Square Aviationによる航空機50機の大型発注に加え、直近では航空機エンジンリース子会社のEngine Lease Financeによる新型航空機エンジン50基の大型発注を公表しています。

あくまでも参考値ではありますが、主な売却案件と投資案件のROAは、売却案件が1.0パーセント程度であるのに対し、投資案件は1.8パーセント程度となっており、この取り組みが当社グループのROA向上に寄与してきたことがわかります。この取り組みは、現行の2025中期経営計画で終わるものではなく、今後も果断に継続していきます。

セグメント利益およびROAの推移

この棒グラフは、2025中期経営計画期間中のセグメント利益とROAの推移を示したものです。

ご覧のとおり、利益成長だけでなくROAの向上も実現してきましたが、2025中期経営計画策定時点の想定から大きく業績が乖離したのが、棒グラフの下から2段目のオレンジ色で示している海外カスタマーセグメントです。

当初、この海外カスタマーセグメントは利益成長を牽引するセグメントとして位置づけていましたが、米州事業において想定以上の与信コストを計上したことなどにより、この3年間は大変苦戦しました。

しかしながら、青い網掛けで示している上段部分の5つの専門事業セグメントが落ち込みをカバーし、当社グループ全体として着実な利益成長とROAの向上を達成してきました。

2025中期経営計画では専門事業セグメントが成長を牽引しましたが、次の2028中期経営計画では海外カスタマーセグメントにおいて業績の早期回復とさらなる成長を実現し、グループ全体の成長を加速させたいと考えています。

ステークホルダーによる当社の理解度向上施策

2つ目のアクションである成長期待の向上について説明します。当社はステークホルダーに当社への理解をより深めていただくため、情報発信の強化を進めてきました。

スライド右側に示した具体的な取り組みをご説明する前に、左側にある当社の株主構成について簡単に触れます。左上の棒グラフは、2021年4月の経営統合以降における個人株主数の推移を示しており、ご覧のとおり、この4年半で6倍以上となる58万人に達しています。

その結果、左下のパイチャートが示すとおり、現在の国内機関投資家、海外機関投資家、個人投資家の構成比率は、バランスがとれた状態となっています。

このような状況を踏まえ、2025中期経営計画期間中に実施した主な取り組みを、スライド右側に示しています。これまで国内外の機関投資家やアナリストのみなさまからいただいたご要望を踏まえ、1番目として情報開示の拡充、そして2番目として事業別説明会を実施しました。

この事業別説明会では、事業ポートフォリオが広く分散しているためにわかりづらくなっていた当社の事業内容を、1つずつ丁寧に説明することで、毎回高い評価をいただいています。

まだ実施できていない事業もあるため、今後も引き続き実施していきます。現在調整中ではありますが、今年度中に海外カスタマーセグメントの欧州事業についても実施したいと考えています。

また、個人株主数が急増しており、当社の株主構成において重要な位置を占めるようになりました。

こうした個人投資家のみなさまからは、事業内容を自分たちにもわかりやすく説明してほしいという声を多くいただいています。このような声にお応えするべく、当社としては、3番目に挙げている個人投資家向けイベントへの参加や、4番目の日経CNBC「朝エクスプレス」への私自身の出演を通じて、みなさまのご理解を深めてきました。

このように、幅広い株主・投資家のみなさまに対して引き続き情報開示の拡充およびIR活動の強化を図っていきます。

PBRの向上

スライドは2025中期経営計画開始時点からのPBRの推移を示しています。2025中期経営計画の策定に際しては、早期にPBR 1倍割れを解消することを目標として議論を進めました。今年9月には当社として初めてPBRが1倍を超え、その後も1倍を挟んで一進一退の状況にあることは、市場全体の動向もありますが、2025中期経営計画の各施策を社員一丸となって力強く進めてきた成果の1つであると考えています。

ただし、まだ安定的にPBR 1倍を上回る水準には達していません。また、この1倍という数値はゴールではなく、通過点に過ぎません。引き続き企業価値向上への取り組みを継続していきます。

現在策定している次の2028中期経営計画の公表に際しては、その具体的な施策と目指す姿についてお話ししたいと思います。私からの説明は以上となります。

質疑応答:今期業績進捗について

質問者:今期の業績についてです。上期までにおけるカスタマーソリューションおよび海外カスタマーの進捗率がやや低い状況ですが、それぞれのセグメントで会社計画を達成する見込みが現状で立てられているのでしょ

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