TPR、上期は概ね計画どおりの推移 自己株式取得上限25億円で株主還元強化
2026年3月期 第2四半期 決算のポイント

矢野和美氏:TPR株式会社代表取締役社長兼COOの矢野和美です。本日は当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
それでは、2026年3月期第2四半期決算についてご説明します。こちらが本日の決算のポイントです。
目次

本日の目次です。2026年3月期第2四半期の業績、2026年3月期通期の業績予想、株主還元、トピックス、以上の内容でご説明します。
2026年3月期 第2四半期業績

2026年3月期第2四半期の業績についてです。主な特徴としては、ファルテックグループの顧客動向の影響による売上減少を主な要因として、減収となっています。
営業利益は、日本セグメントの品種構成により減益となりました。一方、保有資産などの売却によって当期利益は増益となっています。
スライドに決算内容を示しています。売上高は903億円で、前年同期比45億円の減収、マイナス4.8パーセントでした。営業利益は43億円で、前年同期比4億円の減益、マイナス9.2パーセントです。経常利益は67億円で、前年同期比1億円の減益、マイナス2.8パーセントとなりました。当期利益は49億円で、前年同期比16億円の増益、プラス48パーセントでした。
なお、為替レートは1ドル149円で、前年同期に比べて3.33円の円高となっています。
売上高は減収、営業利益および経常利益がやや減少していますが、この内容については、次のスライドでさらに詳しくご説明します。
2026年3月期 第2四半期業績 四半期比較

こちらは第2四半期の業績について、第1四半期と第2四半期の実績を比較したものです。スライドの表に示すとおり、売上高は第1四半期が438億円、第2四半期が464億円で、26億円の増加となりました。
営業利益は前四半期比で12億円増加し、経常利益は前四半期比で18億円増加しました。当期利益については資産売却などの効果があり、前四半期比で20億円増加しています。
表にも示したとおり、第2四半期は第1四半期に比べて収益率が着実に向上しています。
2026年3月期 第2四半期業績 セグメント比較

第2四半期業績のセグメント別比較についてご説明します。当社TPRグループの日本セグメント、アジアセグメント、北米セグメント、そしてファルテックグループにおける業績を示しており、スライドのグラフでは上段が売上、下段が営業利益をそれぞれ前年同期比で比較しています。今期のデータは右側に記載されています。
まず、日本セグメントの売上ですが、今期は240億円で、1億円の増収となっています。営業利益は3億円の減益となりました。
日本セグメントの特徴として、パワートレイン商品以外の売上増が寄与し、全体として1億円の増収となっています。一方、営業利益については、品種構成差による利益減に加え、関税、開発費、試験研究費の増加による販管費の増加が要因となり、3億円の減益となりました。
次に、アジアセグメントです。売上高は7億円の増収、営業利益は2億円の増益となっています。
アジアセグメントの売上高の特徴は、中国市場の好調が主な要因です。一方、中国以外のアジア市場は横ばいかやや減少しています。営業利益増の主な要因としては、中国市場での売上増による操業度効果と、中国セグメントでの原価低減の効果が挙げられます。
次に、北米セグメントです。売上高は4億円の減収、営業利益も1億円の減益となっています。
売上の特徴は、米国系メーカーの販売不振が主な要因です。利益については、操業度の低下が主な理由となっています。
次に、ファルテックグループのセグメントについてご説明します。売上高は48億円の減収、営業利益は3億円の減益となっています。
この売上減の主な要因は、主要取引先の売上減少によるものです。利益については、大幅な売上減に対して原価低減などの改善を行い、3億円の減益にとどめています。
2026年3月期 第2四半期決算説明会 経常利益 増減の要因

第2四半期の経常利益の増減についてご説明します。特徴として、中国事業では値下げ圧力が継続していますが、原価低減および合理化がこれを上回りました。
フロンティア分野への積極投資を背景とした研究開発費が増加しています。また、現時点で米国関税が上期業績に与える影響は軽微です。
スライド下段に内訳をグラフで示しています。2025年3月期の経常利益69億円に対し、顧客値下げで2億円の減益、原価低減および合理化で7億円の増益、賃上げの影響で4億円の減益、この賃上げに伴う労務費の回収で3億円の増益、研究開発費の増加で2億円の減益となっています。
また、品種構成や操業度、関税についてもここに含まれていますが、それによる影響は2億円の減益となり、ファルテックグループ全体では2億円の減益です。その結果、全体として経常利益は2億円の減益となり、2026年3月期第2四半期の経常利益は67億円です。
2026年3月期 通期業績予想

2026年3月期の通期業績予想についてご説明します。特徴として、ほぼ計画どおりに推移しています。
通期業績予想については、スライドにも示したとおり、売上高は1,834億円、営業利益は94億円、経常利益は129億円、当期利益は73億円と、期初予想を据え置いています。
また、スライド右側に、通期業績予想に対する進捗率も記載しています。
株主還元

株主還元についてご説明します。現在、25億円を上限とする自己株式取得を実施中です。中間配当は、期初予想どおり50円としました。
スライド左側には自己株式取得の概要を記載しています。株主還元を目的として、今期は上限25億円で実施しており、原資としては不動産等の保有資産売却による資金を充当しています。また、左下には、2020年度から2025年度にかけての自己株式取得実績をグラフで示しています。
スライド右側の配当については、中間配当を期初予想どおり50円としています。年間配当は、配当方針に基づき、配当性向40パーセント以上を実施する予定です。こちらも、2021年3月期から2026年3月期までの配当をグラフで記載しています。
トピックス|パワートレイン

トピックスについてご説明します。まず、ピストンリング、シリンダライナ、焼結のパワートレイン関連のトピックスについてお話しします。
1点目としては、グローバル生産戦略の展開です。インド、ブラジルなどのエンジンが残る成長市場への投資を進めていきます。また、主要顧客の増産や現地調達化に向けて、積極的な投資を行います。
まず、インドに関しては、1点目として高効率ラインを新設することで生産能力を増強します。こちらには約20億円の投資を行います。2点目として、今後の市場動向を踏まえ、新工場の設立を検討していきます。
ブラジルに関しては、1点目として加工ラインを増設し、生産能力を増強します。2点目として、この増強にあわせ今後のさらなる需要を見込み、工場を拡張します。
トピックス|パワートレイン

2点目のトピックスについてご説明します。高効率ラインの海外展開により生産の合理化を進めます。
まず日本セグメントです。大ロット製造ラインでは専用ライン化による生産性を追求し、小ロット製造ラインでは、多品種少量生産への対応力を強化していきます。
これらの目標として、大ロットの生産ラインでは、生産エリアの縮小を含め、生産性を25パーセント向上させることを計画しています。また、小ロット製造ラインについては、段取り性を向上させ、生産性を30パーセント向上させる計画です。
これらにより得られた生産設備は海外展開を進めていきます。まず、インドネシアではスチールリング製造ラインにおいて、旧式設備を新式設備に置き換え、効率化生産による省人化を図ります。目標として、2029年度までに生産性を50パーセント向上させることを目指します。
また、中国ではスチールリングの製造ラインを旧式設備から新式設備に置き換え、効率化生産とエリアの統合を進めます。こちらも2029年度までに生産性を50パーセント向上させることを目標としています。
日本開発の最新生産ラインを投入します。これにより、それぞれ生産性を50パーセント向上させる大きな効果を目指します。
トピックス|フロンティア

フロンティア部門のトピックスについてご説明します。1点目のトピックスは、スタートアップとの協業です。東京都の「Tokyo Cross Lab」オープンイノベーション事業に採択されました。
この事業は、東京都が主催しており、大企業や中堅企業が保有する研究設備や施設をスタートアップ企業や中小企業に開放し、これらの企業との共創による新事業を支援するものです。
こちらの事業に当社は採用されました。当社の中央区晴海にある「フロンティア・イノベーションセンター(FIC)」を研究開発拠点として提供します。
これにより、当社の設備・施設をスタートアップのみなさまに貸し出すことを通じて、これらのスタートアップのみなさまと共創を進めていきたいと考えています。
トピックス|フロンティア

フロンティア部門の2点目のトピックスです。EV化進展への対応として、軽量化需要の拡大に応えるため、アルミ事業の拡大を推進しています。
アルミ事業拡大のため、中国のアルミダイカスト企業の持分50パーセントを取得する予定です。今後は、中国市場において当グループの顧客ネットワークを活用し、販売網でのシナジー効果を図っていきます。
スライド下部に、今回の出資対象会社の資本関係と、右側に事業展開の方針を図で示しています。
トピックス|パワートレイン フロンティア

最後のトピックスです。本年度の「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー)」に当社も出展しました。
パワートレイン分野では、ピストンリング、シリンダライナ、焼結製品を出展しています。
フロンティア分野では、まずクロスリアリティ(XR)技術を展示しています。こちらは、車のガラスを通して見える外の景色に対して、コンピューターで生成した映像を重ね合わせる技術です。
熱伝導クレイは、熱の伝導性に優れた粘土です。また、デジタルコンテンツAPPサービスは、移動中にさまざまな情報を取得するためのアプリケーションです。
さらに、自動車用や産業用の各種ゴム製品や、新エネルギー車(EV、PHEV等)向けの製品も展示しています。これらの製品は、中国で実際に量産されているものです。
ファルテック関連としては、加飾や金属調塗装、3Dイルミネーションなど、自動車外装の新製品を出展しました。
統合報告書2025発行

最後に、統合報告書についてご説明します。投資家さまをはじめとするあらゆるステークホルダーのみなさまに、当社の取り組みをご理解いただくことを目的に、「統合報告書2025」を発行しています。こちらは当社のホームページに掲載していますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
新着ログ
「機械」のログ




