【QAあり】東京計器、4年ぶりの黒字転換を達成、2Qは大幅な増収増益 防衛・通信機器事業が引き続き好調、売上平準化の試みも寄与
発表のポイント

安藤毅氏(以下、安藤):みなさま、こんにちは。東京計器株式会社社長執行役員の安藤です。本日はお忙しい中、当社2026年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。多くのみなさまにご参加いただき、当社に深いご関心をお寄せいただいていることに厚く御礼申し上げます。
それでは、11月7日に開示した決算説明資料に沿って、当期の決算内容についてご説明します。
今回の決算のポイントは、スライドに示している3つです。
1つ目は、第2四半期実績です。第2四半期は、前年同期比で大幅な増収増益を達成し、黒字に転換しました。当社グループでは、官公庁向けをはじめ年度末に納期を迎える案件が多く、例年、第2四半期は営業損失にとどまる傾向があります。
しかしながら、当期は、防衛予算の増加を背景に受注残高が増加した防衛・通信機器事業において、お客さまとの納期調整を通じて売上の平準化に取り組んだことなどにより、第2四半期の売上高が増加し、4期ぶりに営業黒字へと転じました。
2つ目は、通期業績の見通しです。第2四半期の実績及び今後の見通しを踏まえ、通期の業績予想について、売上高・営業利益ともに上方修正しました。
3つ目は、受注残高についてです。多くの事業で受注高が増加し、第1四半期に続き、全社の受注残高が過去最高を更新しました。
売上高・損益

第2四半期の実績をご説明します。まず、売上高と損益についてです。スライドの表の青く塗られた部分が第2四半期の実績です。
売上高は前年同期比で38億4,300万円増加し244億2,500万円、営業利益は前年同期比で8億2,700万円増加し7億2,200万円となりました。冒頭でもお話ししたとおり、大幅な増収増益を達成しました。
売上高の増加要因としては、防衛・通信機器事業における主力製品である航空機搭載機器や艦艇搭載機器の販売が好調であったことに加え、売上時期の平準化が進んだこと、さらに船舶港湾機器事業をはじめとする他の事業においても増収となったことが挙げられます。
営業利益については、防衛・通信機器事業の増益が貢献し、黒字へと転換しました。
その結果、すべての利益項目において前年同期比で大幅な増益を達成しています。
営業利益増減

営業利益の増減についてです。スライドのグラフの左端が前年同期の営業利益、右端が当第2四半期の営業利益を示しており、その間の増加額8億2,700万円の内訳を図で表しています。
左から2番目の項目である売上高の増加によるプラス9億5,100万円が、営業利益の増加に大きく貢献しました。一方で、人的投資に伴う人件費や、販売促進活動に関連する旅費・交通費などの販管費が増加したことで、3億2,000万円のマイナスとなりました。
しかしながら、これらの減益要因は、売上高の増加による利益改善で十分に吸収され、結果として全体では大幅な増益となりました。
セグメント別売上高・損益

セグメント別売上高及び損益はご覧のとおりです。
セグメント別 売上高・損益

各セグメントの状況を、前年同期比でご説明します。
スライド上段の船舶港湾機器事業は増収減益となりました。増収の主な要因は、第1四半期に引き続き保守サービスの需要が高水準で推移したことに加え、中国の新造船向け機器の納入が好調であったことです。
一方、減益の主な要因は、自動運航船などの実現に向けた研究開発費の増加や、為替が円高に振れたことです。
スライド下段の油空圧機器事業は増収減益となりました。増収の主な要因は、自動車向け設備投資の停滞により、プラスチック加工機械市場向けの販売は低調に推移したものの、建設機械市場や工作機械市場向けの販売が堅調に推移したことです。
一方、減益の主な要因は、製品構成の変化による原価率の上昇に加え、外観検査用として開発中のエッジAIカメラに関する研究開発費が増加したことです。ここでいう製品構成の変化とは、付加価値の高い油圧応用装置の納入が減少し、原価率の高い海外向け販売が増加したことを指します。
セグメント別売上高・損益

流体機器事業は増収減益となりました。増収の主な要因は、官需の多い計測機器の中でも、前期から民需向けの新製品として販売を開始した電池駆動式流量計や、立体駐車場向け消火設備の販売が好調に推移したことです。
一方、減益の主な要因は、製品構成の変化による原価率の上昇です。具体的には、消火設備において容器弁点検の件数が減少し、原価率の高い新設設備の販売が増加したことが影響しています。
防衛・通信機器事業は、大幅な増収増益となりました。増収の主な要因は、防衛予算の増加を背景に、防衛事業における航空機搭載機器や艦艇搭載機器などの販売が好調に推移したことです。
増益の主な要因は、売上高の増加に加え、製品構成の変化などにより原価率が改善したことです。防衛事業では、多品種・少量生産に加え、新たに開発する製品も多く、それらの開発製品の難易度によって原価率に差が生じます。これらの組み合わせにより、全体の原価率は変動します。
当期は、前年同期と比較して計画どおりに工事が進捗した案件が多かったため、原価率が改善しました。
セグメント別売上高・損益

その他事業は、鉄道機器事業が堅調に推移したことから、売上高は増収となりました。
一方で、鉄道機器事業における新製品開発に伴う研究開発費の増加や、製品構成の変化などにより、営業利益は減益となりました。
受注の状況

受注高及び受注残高の状況をご説明します。セグメントごとに濃淡はあるものの、受注高は前年同期並みとなり、受注残高は前年同期を上回りました。さらに、過去最高であった第1四半期の584億8,700万円を超え、618億8,500万円となり、過去最高を更新しました。
セグメント別に見ると、その他事業は受注高・受注残高ともに前年同期比で60パーセント台の増加となり、好調を維持しています。これは、鉄道機器事業において、探傷車や新製品の受注が第1四半期に続いて堅調に推移したことによるものです。
防衛・通信機器事業は、前期に大型案件の受注が集中した反動で、当期の受注高は減少傾向にありますが、防衛予算の増加を背景に需要は旺盛であり、受注残高は引き続き高水準で推移しています。
外部環境リスクの状況

2026年3月期通期の見通しについてご説明します。まず、外部環境リスクの状況についてです。当社では、業績に影響を及ぼす可能性のある3つのリスクに注視し、環境変化への対応を進めています。現時点で顕在化している事象についてご説明します。
1つ目は、米国政権の政策による追加関税の間接的な影響です。これにより、油空圧機器事業においてプラスチック加工機械市場向けの販売が減少するなどの影響が出ていると認識しています。他市場への販売強化を継続していますが、期初の通期業績予想にも影響があるため、詳細は後ほどセグメント別の業績予想でご説明します。
2つ目は、為替相場の動向です。期初の想定レートは1ドル140円でしたが、直近では150円台で推移しており、当社にとってはプラス要因となっています。今回の業績予想においても、為替レートを150円に見直しました。
3つ目は、中国経済の動向です。船舶港湾機器事業において、中国国内の内航船向けには影響があるものの、日本、中国、韓国における新造船需要は堅調に推移しており、現時点で影響はわずかです。
スライドに示しているリスクに引き続き注視し、必要な対応を継続していきます。
2026年3月期 業績予想

外部環境を踏まえた上での2026年3月期の業績予想についてご説明します。通期の業績予想は、上期の実績及び下期の各事業の見通しを考慮し、上方修正しました。
主な背景としては、防衛事業が計画どおりに推移していることに加え、船舶港湾機器事業における新造船向け機器の販売が引き続き増加する見込みであるためです。
なお、下期の為替レートは、期初想定の140円から150円に変更しました。下期の為替感応度については、スライドの最下段に記載のとおり、1円の円安が全社の営業利益に対して約900万円のプラス影響をもたらす見込みです。
また、今年度の本社移転に関わる費用についても見直しを行っています。
今回の通期業績見通しには、営業利益への影響額を期初計画の3億6,000万円から4億6,000万円に、特別損失への影響額を8億9,000万円から5億1,000万円に変更した内容を織り込んでいます。
この変更の主な理由は、営業利益については什器などを設備投資費から費用へ変更したこと、特別損失については現在の蒲田本社における原状回復費を削減したことです。
セグメント別業績予想

セグメント別の業績予想です。その中でも、期初に対して通期業績予想を見直した、船舶港湾機器事業、油空圧機器事業、防衛・通信機器事業の3つについてご説明します。
船舶港湾機器事業は、在来船向けの保守サービス需要が高水準で推移していることに加え、新造船向け機器の販売が引き続き増加する見込みであることから、期初予想に対して売上高・営業利益ともに上方修正しました。
なお、前期比では、上期に続き下期も将来に向けた研究開発や人的投資を継続するため、期初の想定どおり増収減益を見込んでいます。
油空圧機器事業は、自動車向けを中心とした設備投資が弱含みで、主力であるプラスチック加工機械向けの販売が減少するなど、厳しい環境が続いています。
一方で、当事業が注力する建設・特装車市場の需要が増加していることや、産業機械市場向けでは一部の特殊機や海外市場での需要が増加する見込みであることから、売上高は期初の想定どおりとしました。
ただし、営業利益については、前期にあった大型の油圧応用装置の納入減少などによる製品構成の変化により原価率が上昇する見込みであることから、減益に見直しています。
防衛・通信機器事業は、防衛事業の売上高が引き続き高水準で推移しています。また、通信機器事業においても、前期に受注した移動体衛星通信用アンテナスタビライザーの納入が予定どおり進捗しており、これらを踏まえて期初予想に対して売上高を上方修正しました。
一方、営業利益については、計画どおり平準化の取り組みによる下期偏重の改善や、製品構成の変化により、期初予想どおりとしました。
株主還元

株主還元についてです。2026年3月期の配当予定は、期初計画どおり、前期比で5円増配となる1株当たり40円を予定しています。
引き続き、長期保有の株主のみなさまに報いるため、安定的かつ継続的な株主還元に努めていきます。
統合報告書「東京計器レポート2025」を発行いたします。

最後にお知らせです。当社は昨年度まで「サステナビリティレポート」を発行していましたが、今年度より新たに統合報告書「東京計器レポート」として発行し、当社Webサイトにて公開します。
本レポートでは、従来の「サステナビリティレポート」の内容に加え、価値創造プロセスやビジネスモデルに関する記載、事業概況、中長期的な事業環境及び事業の方向性についての情報を新たに盛り込んでいます。
現時点での発行予定は、日本語版が11月28日、英語版が12月末となっています。株主・投資家のみなさまをはじめ、幅広いステークホルダーのみなさまにご活用いただければ幸いです。
私からの説明は以上です。ご清聴いただき誠にありがとうございました。
質疑応答:防衛事業の生産能力と投資について

司会者:「防衛・通信機器事業の受注残高は過去最高水準ですが、防衛事業の生産能力は現状十分なのでしょうか? 2026年3月期も同事業に36億円ほど投資予定となっていますが、2027年3月期以降も同程度の投資が必要な状況でしょうか?」というご質問です。
安藤:防衛事業の責任者である小野からご回答します。
小野正己氏(以下、小野):電子システムカンパニー長の小野です。まず、防衛事業の生産能力についてです。これまで設備投資や人員を逐次増強してきました。昨年12月には「防衛管理棟」という新しい建屋も建設され、場所の問題も解決しています。また、人員についても、社内他工場からの人員配置替えや、シニア社員の契約延長、派遣社員、契約社員など、さまざまな手段で増員を進めています。以上のことから、防衛事業の生産能力は十分にあると考えています。
投資に関して、2026年3月期も同事業に36億円ほど投資予定であることについては、前回の決算説明会でもご説明したように、投資には「基本的な生産能力の投資」と「個別案件での投資」の2種類があります。
基本的な生産能力に関する投資については、防衛予算の増加段階から先行して進めており、すでにかなりの部分を完了しています。現在進行中の投資は、主に個々の契約及び製品向けの投資となっています。
そのため、生産能力としては十分であると考えています。
2027年3月期以降の投資については、現段階では開示していませんので、申し訳ありませんが、ご回答はご容赦いただきたいと思います。
質疑応答:航空機及び艦艇搭載機器の製品構成と比率について

司会者:「防衛・通信機器事業について、航空機搭載機器及び艦艇搭載機器の売上比率はどの程度で、前年同期比ではどの程度の増収率となっていますか? 今後、大枠でかまわないので、同事業の売上高内訳もしくは比率を開示していただけないでしょうか?」というご質問です。
小野:航空機搭載機器及び艦艇搭載機器についてご説明します。航空機搭載機器の主力製品は、スライド左上にあるレーダー警戒装置や逆探装置といわれるマイクロ波の製品群です。艦艇搭載機器は、スライド上段中央にある慣性航法装置やジャイロコンパスなどの航海用機器が主力製品となります。
比率については、具体的な数字は開示していませんが、おおむね航空機搭載機器と艦艇搭載機器で半分ずつを占めており、年によってどちらかの割合が多くなることもあります。
質疑応答:豪州向け護衛艦における発注時のタイムラインについて
司会者:「仮に、豪州向けの護衛艦に東京計器の慣性航法装置が搭載されるとすると、発注からどれぐらいのタイミングで東京計器へ注文が来るのか、タイムラインのイメージを教えてほしいです」というご質問です。
小野:豪州向けの件ですが、現在主力で生産している「もがみ」型という海上自衛隊の護衛艦の改良型が豪州に輸出される予定です。東京計器の製品としては、先ほどのスライドにあった慣性航法装置と同様のものが搭載されています。
発注のタイミングについてですが、この慣性航法装置はリードタイムが比較的長い製品です。当然、当社が採用されるという条件付きではありますが、おそらくプライム企業さまが契約されたら、すぐに発注いただけるのではないかと期待しています。
質疑応答:哨戒機向けレーダー警戒装置の受注について
司会者:「護衛艦に搭載される回転翼哨戒機向けに、レーダー警戒装置の受注を確保したと理解していますが、今後、海上自衛隊や陸上自衛隊向けへのレーダー警戒装置の搭載機が増える可能性はあるのでしょうか?」というご質問です。
小野:護衛艦回転翼哨戒機向けに、レーダー警戒装置の受注を確保した件についてですが、航空自衛隊、海上自衛隊、陸上自衛隊のいずれにも、当社が提供するレーダー警戒装置や逆探装置と呼ばれるシリーズ製品が搭載されています。そのため、今後も能力向上の要求や、新しい飛行機が国内で生産される際には、確実に受注獲得できるよう活動を進めていきたいと考えています。
質疑応答:ドローン関連製品の研究開発案件について

司会者:「ドローン関連製品の研究開発案件では、東京計器のどのような技術が活用されるのでしょうか?」というご質問です。
小野:現在さまざまなドローン向け製品の研究開発を進めています。1つの研究開発案件として開示しているのは、スライド左上の写真にある携行型電波検知器です。電波を探知する機材であり、ドローンに搭載することを目指して研究を進めています。
また、スライド上段右側の写真にある「RF Safe-stop」は、逆にドローンを落とすための装置で、イギリスの企業と協業して進めています。

同じくドローン関連では、メトロウェザーへの出資及び業務提携を行いました。メトロウェザーは気象観測機材を製造している京都のスタートアップ企業です。この技術をドローン探知に活用できないかと協業を進めており、今後提案を進めながら、製品化を目指して取り組んでいきます。
質疑応答:造船と防衛事業の事業環境について
司会者:「業績に関する中期経営計画への影響についてうかがいます。造船や防衛、すなわち船舶港湾機器事業や防衛・通信機器事業の事業環境は、中計策定時と比べて良くなっているのではないかと思いますが、中計のアップサイドが出てきているのか、計画に対して上振れているのか、手応えを教えてほしいです」というご質問です。
安藤:造船については、以前、船舶港湾機器事業の責任者であった山下社長室長がお答えします。防衛事業については小野がお答えします。
山下浩明氏(以下、山下):常務執行役員コーポレート・コミュニケーション担当兼社長室長の山下です。造船について、船舶港湾機器事業の事業環境という観点でお答えします。船舶港湾機器事業の売上構成で言うと、ご質問にあった造船というのは、新造船向け機器による事業環境に該当すると思います。それと、在来船向けの保守サービス、これは海運、とりわけ船舶の運航隻数などがバックグラウンドにある事業環境として影響してきます。
まず新造船向け機器については、中期経営計画策定時と比べ、現在は予想以上に中国で非稼働であった造船所が復活するなどして建造数を増やしており、アップサイドに手応えを感じています。
もう1つの保守サービスについてですが、在来船の隻数は、新造船の毎年の竣工により増加し続けています。一方で、スクラップによる減少がマイナス要因となるものの、予想していたほどスクラップが進んでいないため、想定以上に隻数が堅調に増加している感触があります。
また、この点については造船とは異なり、海運会社による船の需要が隻数に影響を及ぼしますが、この需要については予想と大きく変わらないと感じています。
小野:防衛事業の環境についてお答えします。中計策定時と比べて良くなっている件については、高市政権のもとで安全保障政策の見直しが来期に実施される予定です。これに伴い、安保3文書の改訂、防衛費のGDP比2パーセント達成、防衛装備品の海外移転に関する5類型の撤廃など、多くの話題が報道されています。
現段階では、まだ具体的な政策が示されていないため、今後の発表を待ちたいと思います。ただし、状況は良い方向に向かうと考えています。特に今期は、防衛装備品はリードタイムが非常に長いものが多いため、受注には影響があると思われますが、売上には大きな影響はなく、計画に沿って進むと見込んでいます。
質疑応答:半球共振ジャイロスコープの技術とビジネスチャンスについて

司会者:「日本の防衛予算に関して、自動輸送機や無人機の先端技術に関して予算が増額される方向かと思います。東京計器は『MEMS-HRジャイロスコープ(HRG)』の契約を発表されていますが、さらなるビジネス拡大の可能性があるのか、見通しを教えてほしいです」というご質問です。
小野:「MEMS-HRジャイロスコープ(HRG)」とは、半球共振ジャイロスコープといって、スライド右側に図が表示されていますが、球状のガラスを振動させ、その振動を測定することで動きを検出するジャイロスコープです。従来の機械式ジャイロや光学式ジャイロ、例えばリングレーザージャイロや光ファイバージャイロと比較すると、部品点数が少なく、小型化が可能なため、非常に可能性の広がる技術だと考えています。
今回、東京計器が取り組んでいるのは、MEMSの製造技法によるジャイロです。これは、海外ですでに半球共振ジャイロスコープに取り組んでいる企業の技法とは異なり、さらなる小型化を目指せるものとなっています。この技法が実現した暁には、ビジネスチャンスが非常に広がると考えています。
質疑応答:本社移転費用の影響について
司会者:「本社移転費用の残りは特別損失のみに計上予定でしょうか? 販管費等への影響はどのように考えていますか? 本社移転費用の影響について教えてください」というご質問です。
山下:今回の第2四半期の開示では、期初に概算計上した着地予想に対し、現時点での発注ベースの最新の費用を加味して修正を開示しました。その部分は営業利益と特別損失に反映されています。ただし、終盤において、さらに細かな修正や追加が発生する可能性はゼロではありません。そのため、費用及び特別損失の両方に影響を及ぼす可能性はありますが、金額としてはそれほど大きなものにはならないと考えています。
質疑応答:事業ポートフォリオのモニタリングと今後の展望について
司会者:「事業ポートフォリオに関して、好調・不調な事業が分かれていると思いますが、抜本的なポートフォリオ改革などは考えているのでしょうか?」というご質問です。
安藤:事業ポートフォリオについて、当社では毎期モニタリングを行っています。好調な事業、不調な事業はさまざまありますが、その都度、ROICなどを用いて検討を重ねています。当社は多岐にわたる事業を展開しており、確かに好調な事業もあれば、不調な事業も存在します。現状では、油空圧機器事業が苦戦していますが、かつては当社の収益の柱となっていた事業です。
また、当社のお客さまにも好不調があり、現在はその影響を受けています。ただ、建設機械市場や一般産業機械市場は復調の兆しを見せており、今後は逆に期待できる領域になっています。そのため、引き続きモニタリングを行いながら、適時さまざまな支援策やバックアップを実施して事業を継続し、再成長を目指しています。
ご質問にあった抜本的なポートフォリオについてですが、例えば事業の選択と集中などについては、今のところその必要性はないと考えています。
質疑応答:防衛事業における東京計器のリードタイムについて
司会者:「防衛関連のレーダー警戒装置の開発が終わり、量産に入った時に、どれぐらいのリードタイムで納入しているのでしょうか?」というご質問です。
小野:護衛艦の納入期間は4年から5年、航空機は3年から5年となっています。航空機に搭載する、例えばレーダー警戒装置の場合、航空機よりも前に製品が完成していなければなりません。そのため、リードタイムは2年から3年、長いもので4年と護衛艦や航空機の納入期間よりやや短い期間が東京計器のリードタイムとなります。
東京計器の契約で多いのは、この搭載品とリードタイムが1年から2年となる維持整備の部分です。そのため、東京計器のリードタイムで一般的なのは2年から3年で、これが平均的な防衛事業でのリードタイムと考えていただければと思います。
質疑応答:今期の業績予想と前期実績の比較について

司会者:「通期の営業利益計画が40億円となっており、前年比で減益の計画となっていますが、上期の進捗を踏まえた上でなにかコメントがあればお願いします」というご質問です。
山下:前期の48億5,600万円に対して今期が40億円であり、「上期の進捗が良いので、もう少し伸びるのではないか?」という意味のご質問と受け取りました。
まず、前期と比較して人件費や販管費が増加しており、先ほどのご質問にもあったように、本社の費用も増加しています。これについては止むを得ない状況です。そのため下期では利益の増加を図るため、さらなる拡販による増益や販管費の見極めを行い、前期並みの水準に近づけるよう努力していきたいと思います。
12月の締め後に第3四半期の進捗が出ますので、数字に影響が出るようであれば、2月の開示時に反映します。
司会者:「前期に納入、今期に納入予定し売上計上できている防衛装備品は何ですか?」というご質問です。
小野:当社防衛事業の主力製品は航空機搭載用レーダー警戒装置及び艦艇搭載用慣性航法装置です。航空機や艦艇には複数の種類があり、当社ではそれぞれのプラットフォームに対応したさまざまな製品を手がけており、ご質問の前期に納入、今期も納入予定の製品についても多数の製品があります。残念ながら全てをここでご説明することは難しいので、具体例として一つ申し上げますと、毎年建造されている潜水艦に用いられる慣性航法装置がございます。
なお、ある年度に納入する製品は、生産のリードタイムが長いことから前年度以前に既受注となっていることが大半となります。
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