2025年3月期 連結決算の概要①

安野進氏:管理本部長の安野です。本日は、当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。2025年3月期決算の概要をご説明します。

2025年3月期連結決算の概要についてご説明します。当連結会計年度については、新設工事及び既設工事の完成工事高がともに増加したため、売上高は前期比7.0パーセントの増収となりました。営業利益については、売上高の増収効果、原価管理の徹底により、売上総利益率が改善し、営業利益は前期比98.6パーセント増益です。

2025年3月期 連結決算の概要②

連結決算の概要です。環境システム事業の受注高は前期比5.9パーセント増加し、188億9,600万円となりました。売上高は、前期比7.0パーセント増加の314億2,400万円となりました。売上総利益は、売上高の増加と利益率の改善により91億7,800万円となり、前期比23.8パーセントの増益となりました。

販売費及び一般管理費は、前期比4.3パーセント減少し、51億5,300万円となりました。営業利益は、前期比98.6パーセント増益の40億2,400万円となりました。経常利益は、営業外損益の1億9,700万円を計上したことにより、前期比94.2パーセント増益の42億2,200万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比107.3パーセント増益の28億7,400万円です。

1株当たり当期純利益は186円10銭、1株当たり純資産は1,444円28銭となりました。なお、当社は2025年4月1日付で、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施しています。1株当たり当期純利益及び1株当たり純資産については、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、算定しています。

2025年3月期 セグメント別の実績①

セグメント別の実績をご説明します。環境システム事業については、全国的な工場関連の受注や都市開発プロジェクトの受注が増加したことにより、売上高は前期比20.5パーセントの増収となりました。原価管理の徹底、受注率の改善により、好調な市況化において収益性が大幅に改善し、営業利益は前期比53.8パーセントの増益となりました。

2025年3月期 セグメント別の実績②

管工機材事業については、首都圏は価格競争の影響を受け、卸販売が減少したため、売上高は前期比10.5パーセント減収となりました。一方、首都圏以外の地域は利益率に改善が見られ、営業利益は6,400万円となりました。

環境システム事業の工種別構成①

環境システム事業の工種別構成についてご説明します。大型工事の完成が増加したことから、完成工事高は大きく増加し、繰越工事高は減少する結果となりました。

環境システム事業の工種別構成②

受注工事高は、既設工事が前期比34.1パーセント増加した結果、合計額は前期比5.9パーセント増加し、188億9,600万円となりました。完成工事高は、新設工事及び既設工事が増加した結果、合計額は前期比23.4パーセント増加し、195億9,200万円となりました。

次年度以降に完成工事高となる繰越工事高については、既設工事が増加したものの、新設工事が減少した結果、合計額は前期比6.1パーセント減少の107億800万円となりました。

連結貸借対照表/連結キャッシュ・フロー

財政状態についてご説明します。連結貸借対照表です。当期末の資産額は346億円、負債額は117億円、純資産額は229億円となりました。

キャッシュ・フロー計算書についてご説明します。営業活動によるキャッシュ・フローについて、収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益、売上債権の減少額、減価償却費です。支出の主な要因は、法人税等の支払額、仕入債務の減少額、棚卸資産の増加額などです。これらにより、35億4,200万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローについて、収入の主な要因は、定期預金の払戻による収入、有価証券の償還による収入です。支出の主な要因は、定期預金の預入による支出、有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出などです。これらにより、9億2,200万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローについては、収入の主な要因は、短期借入れによる収入、長期借入れによる収入です。支出の主な要因は、短期借入金の返済による支出、配当金の支払額、長期借入金の返済による支出です。これらにより、5億7,600万円の支出となりました。

現金及び現金同等物の当期末残高は、期首から20億4,200万円増加し、83億4,100万円となりました。

以上、簡単ですが、決算の概要についてのご説明を終了します。

受注工事高の構成と事業環境

市原伸一氏(以下、市原):代表取締役社長の市原です。本日は、当社の決算説明会にご参加いただきまして、ありがとうございます。私から、次期業績予想についてご説明します。

受注工事高の構成と事業環境についてです。スライドのグラフが示すように、当社の事業構成において、工場施設と教育/研究施設の受注構成比が増加傾向にあります。事業環境については、建設投資が堅調に推移する中、産業施設分野では、化学・医薬・電子部品を中心に受注が拡大しています。都市開発分野においても、オフィスビル・商業施設の受注が引き続き堅調に推移しています。

一方で、建設業界全体の市場環境として、企業の生産性革新投資を背景に、スマートファクトリー化やDX関連の設備投資が活発化しています。ただし、建設コストに関しては、グローバルなサプライチェーンの影響による建設資材価格の高騰や、建設技能労働者の処遇改善に伴う労務費上昇により、上昇傾向が継続しています。

地区別概況

地区別概況についてご説明します。スライドに、各地区の受注割合と主要物件をまとめています。北海道地区については、半導体工場などの新築工事や、オフィス・商業施設の建て替え・改修需要が継続しています。

東北地区については、庁舎の改修工事に加え、半導体工場や物流センターの新築工事が増加しています。

首都圏は、大規模再開発事業やオフィス・教育施設の建て替え・改修工事が活発です。

東京を除く首都圏については、精密機器・医薬工場の新築・改修工事が堅調に推移しています。

中部地区については、精密機器・医薬工場の新築改修工事が堅調に推移しています。

2026年3月期 連結業績の見通し

2026年3月期連結業績の見通しです。環境システム事業の受注高は、前期比0.6パーセント増加の190億円を予想しています。売上高は、前期比1.3パーセント減少の310億円を予想しています。内訳は、環境システム事業は前期比10.0パーセント減少の180億円、管工機材事業は前期比13.7パーセント増加の130億円を予想しています。

営業利益は、前期比18.0パーセント減の33億円を予想しています。内訳は、環境システム事業は前期比16.5パーセント減の40億円、管工機材事業は2億円の営業利益を予想しています。なお、調整額の9億円については、セグメントに配分されない本社の一般管理費などです。

経常利益は34億円を予想しており、親会社株主に帰属する当期純利益は22億5,000万円を予想しています。1株当たりの当期純利益は、145円21銭を予想しています。

環境システム事業の工種別構成の見通し

環境システム事業の受注高・完成高・繰越工事高についてご説明します。受注工事高は、前期188億9,600万円に対し、当期は190億円を予想します。完成工事高は、前期195億9,200万円に対し、当期は180億円の予想です。この結果、2026年3月期の繰越工事高は117億800万円を予想しています。

第三次中期経営計画の総括と建設業界の展望

中長期の経営ビジョンについてご説明します。第3次中期経営計画の総括と建設業界の展望についてです。2025年3月期の実績については、商業施設の多機能複合化、工場施設の自動化・高度化、公共インフラの防災・減災対策強化など、好調な市場環境を背景に、プロジェクトの工程管理や品質管理を徹底してきました。

この結果、売上高300億円、営業利益30億円、ROE8パーセント以上という、第3次中期経営計画の定数目標をすべて達成することができました。一方、建設業界全体は現場技術者や技能労働者の高齢化が深刻化する中、働き方改革による時間外労働の上限規制や、熱中症リスクマネジメントなど、労働環境の抜本的な改善が喫緊の課題となっています。

このような状況を踏まえ、当社では建設DXの推進による生産性革新を重要施策と位置づけ、AIの本格的導入やIoTの活用など、先進的な取り組みを加速していきます。

第4次中期経営計画 持続的成長と企業価値向上の取り組み

第4次中期経営計画の取り組みについてご説明します。第4次中期経営計画では、第3次中期経営計画で築いた経営基盤をさらに強化し、持続的な成長と企業価値の向上を実現すべく、新たな経営目標を策定しました。

事業戦略について、環境システム事業では、ZEBの普及促進をはじめとするサステナブル建築への対応を強化し、先進的な環境ソリューションの提案を通じて、建物の環境性能最適化を推進していきます。

管工機材事業においては、専門商社としての専門性を一層高め、高付加価値な提案型営業を提案することで、事業領域の拡大と市場深耕を図っていきます。環境配慮型商材の拡充とサプライチェーンの強靭化により、ワンストップソリューション体制を確立し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

第4次中期経営計画 持続的成長と企業価値向上の取り組み

経営基盤強化については、DXの推進とコーポレートガバナンスの強化を経営の両輪とし、人的資本経営の深化を通じて、エンゲージメントの向上とともに企業価値の持続的向上を目指していきます。

お手元の資料に記載がありませんが、具体的な施策として、タレントマネジメントシステムを新たに導入し、従業員一人ひとりのスキルマップの可視化やキャリアパス支援、戦略的な人材育成を推進していきます。

人材確保においては、積極的な採用戦略を展開し、2025年度の新入社員数は33名、前年比約40パーセント増となりました。採用関連投資は増加傾向にありますが、これを将来の成長に向けた重要な戦略的投資と位置付けています。

従業員の処遇改善として、基本給の見直しや各種手当の拡充を実施し、その結果、従業員1人当たりの平均年間給与は、前期比110万円の増加となっています。さらに、建設DXの具体的な取り組みとして、AI搭載の建設情報統合プラットフォームを導入し、図面・技術資料の検索効率化や施工管理業務の効率化により、業務効率の大幅な改善を実現しています。これにより、技術者の付加価値化業務への注力を可能とし、生産性の向上を図っていきます。

2026年3月期から2028年3月期にかけての計数計画についてご説明します。当社は、売上高340億円、営業利益37億円、ROE10パーセント以上の達成を目標として掲げ、その実現に向けて取り組んでいきます。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み

株主資本コストの低減と人的資本の強化についてご説明します。当社では、企業価値向上の観点から、株主資本コストの低減を経営の重要課題の1つと位置づけ、ROEの向上、株主資本コストの低減及び持続的な成長率の向上に向けた施策を展開しています。

ROEの向上 サステナブル建築への対応と経験の蓄積

スライドに記載のROEの向上については、ZEBの推進を成長戦略の核と位置づけています。具体的には、当社北海道支店でのNearly ZEB認証のノウハウを活用し、環境配慮型建物の提案力を強化することで、収益性とROEの向上を目指していきます。

株主資本コストの低減と人的資本の強化

株主資本コストの低減に関しては、株主還元の充実策として、DOE(株主資本配当率)の段階的な引き上げと中間配当の導入を決定しました。さらに、人的資本の強化施策として、健康経営優良法人認定の継続取得に加え、従業員エンゲージメントの向上や人材育成投資の拡充など、持続的な企業価値向上に向けた取り組みを推進していきます。

期待成長率の向上 ESG活動の充実

期待成長率の向上についてご説明します。ESG活動の充実については、気候変動対策の国際的評価制度であるCDPにおいて、2025年度は「C評価」を取得、サプライチェーンの持続可能性評価であるEcoVadisでは「ブロンズメダル」を獲得など、環境負荷低減施策を推進しています。

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づく情報開示を、コーポレートサイトで開始しました。今後は、Scope1・2・3におけるGHG(温室効果ガス)排出量の算定精度を向上させ、脱炭素化に向けたロードマップを具体化していきます。

配当・株式の状況

配当・株式の状況についてご説明します。当社は、株主還元を経営の重要課題の1つと位置づけ、持続的な収益力の強化と安定的な配当政策の実現に取り組んでいます。2026年3月期の配当については、普通株式1株あたり年間配当58円、中間配当29円、期末配当29円とさせていただく予定です。

当期より、半期ごとの安定的な利益還元を実現すべく、中間配当制度を新たに導入しました。これにより、安定的かつ継続的な株主還元の充実を図っていきます。今後も、持続的な企業価値の向上と、株主のみなさまへの適切な利益還元の両立に努めていきます。引き続き、みなさまからのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上で、私からのご説明を終了します。ありがとうございました。

質疑応答:営業利益率の見通しについて

質問者:御社の業績は非常に好調ということですばらしいと思いますが、御社に限らず、業界全体が非常に良いのが現状かと思います。3年後以降についてはまだわからないと思いますが、少なくとも、今後1年、2年の受注もある程度固まってきているかと思います。

そのような状況下で、より利益率を上げる施策を講じることができるのではないかと思います。先行投資や人件費に充当する部分を加味しても、この状況から考えると、あまりにも弱めな営業利益率ではないかと思います。環境も良く、守りに入る必要はまったくないと思っていますので、この利益率に対するお考えをお聞かせください。

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