サマリー
黒田武志氏:リネットジャパングループ代表取締役社長 グループCEOの黒田です。本日はお忙しい中、決算説明会にご出席いただきありがとうございます。2025年9月期第2四半期の決算概要についてご説明します。
まずはサマリーです。前期は株主のみなさまにさまざまなご心配をおかけしましたが、今期は着実に業績が回復しています。また、来期に向けても業績の手応えを感じていますので、本日は自信を持ってご説明したいと思います。
ポイントは大きく分けて3つあります。1つ目は「黒字化」ということで、前期の赤字から脱し、今期は確実に黒字化する見通しです。第2四半期累計で、売上高は52億2,000万円、経常利益は2億5,000万円と、期首の計画を上回るかたちで進捗しています。
2つ目は「来期に向けて好調」ということで、今回は中間期ですが、来期の計画はある程度見えており、10億円超の営業利益・経常利益を想定しています。GIGA特需のリサイクル事業においては、来期分の受注がすでに入ってきています。加えて、ストック型収益のソーシャルケア事業の来期見通しも好調です。
3つ目は「株主還元」です。前期は非常に大きく株価を下げ、ご心配やご迷惑をおかけしましたが、業績はこれから上がっていきますので、株価向上に向け、今期中に株主のみなさまへの還元策をいくつか検討しています。そして、早期に時価総額100億円超への回復を目指していきます。
サマリー
主な数字です。売上高は52億2,100万円、営業利益は1億900万円、経常利益は2億5,000万円となりました。財務体質についても、純資産は7億2,500万円、自己資本比率は前期末差プラス6.9ポイントの9.9パーセントと回復しています。経常利益率は4.8パーセントと、こちらも改善しています。
売上高の進捗率
売上高の進捗率です。スライドに過去2年をさかのぼったグラフを掲載しています。当社の業績はいつも下期偏重型ですが、売上高進捗率については、2023年9月期は42.8パーセント、2024年9月期は49.8パーセントだったのに対し、今期は現時点で52.2パーセントの進捗ということで、通期予想は達成できる見込みです。
【リサイクル】GIGAスクール端末の受注状況
リサイクル事業についてです。全国の小・中学校に1人1台端末が導入されたGIGAスクール構想における端末の受注状況についてご説明します。こちらは大きな商戦の序盤戦ですが、幸先の良いスタートを切っていると考えています。
2025年4月末時点で、約10万台の受注がすでに確定しています。売上の計上は来期になりますが、秋から冬にかけてリサイクル事業の入札と受注が大きく伸びていくことが見込まれますので、来期以降の売上高・利益に大きく貢献してくることが想定されます。
【ソーシャルケア】直営グループホームのドミナント戦略
ソーシャルケア事業です。現在、障がい者のグループホームは直営にフォーカスしています。今年3月に開示したとおり、M&Aで買収したアニスピホールディングスにはフランチャイズ部門と直営部門がありましたが、フランチャイズ部門を切り離し、直営だけを運用することになりました。我々が主体となって不採算事業所の統廃合などを実施し、大きく改善しています。
また、今年4月には愛知県内で10棟目を開設しました。アニスピホールディングスから引き継いだ首都圏の59棟と合わせて、計69棟のグループホームを直営で展開することになりました。
今後は首都圏をはじめ、我々の地元の中部圏、関西圏の三大都市圏にフォーカスするかたちでドミナントを構築し、10年間で200棟の開設を目指していきます。
中度の方向けの新築における「日中サービス支援型」の場合、1棟当たりの営業利益が2,500万円ほどのパッケージになります。直営のグループホームを10年後には200棟へと積み上げることで、ソーシャルケア事業だけでストック型収益において営業利益ベースで50億円ほどの規模にしていきたいと考えています。
【カンボジア】金融事業の撤退に向けた進捗
カンボジア金融事業の撤退についてご説明します。株式の譲渡はほとんど進んでいます。最後に残ったリース事業のモビリティファイナンス社についても、売却に向けた基本合意書の締結が完了しました。
すべての株式譲渡の手続きが完了次第、カンボジア金融事業からは完全撤退となります。早期に完全撤退できるよう、手続きをしっかりと進めていきたいと思っています。
株主還元策の検討
株主還元策の検討についてです。前期のカンボジア金融事業の損失処理による大きな赤字以降、株価が大きく低迷していました。来期に目を移すと、GIGA特需などで業績の大幅な拡大が見込まれるため、今期中に株価改善に向けた株主還元策をいくつか打ち出せるように検討しています。
ご参考までに、当社は現在、従業員持株会に非常に力を入れています。従業員が積み立てた金額に対し、プラス30パーセントの会社補助の奨励金を出しており、上場会社の中でもかなり高いレベルで実施しています。このような点も、来期の業績と株価向上に自信がある証拠とご理解いただきたいと思います。
従業員も、株主のみなさまと同じ株主の立場で株価向上に取り組んでいきます。現在、社員加盟率は41パーセントですが、今年の12月までに9割の加入率を目指します。
2025年9月期第2四半期 決算実績
決算の概要です。連結の数字は先ほどご説明したとおりです。セグメント別では、リユース・リサイクル事業の売上高は41億1,000万円、経常利益は5億1,000万円となりました。ソーシャルケア事業の売上高は11億円、経常利益は1億8,000万円で、すべての事業が黒字化を達成しています。
2025年9月期第2四半期 連結損益計算書
連結損益計算書です。当期純利益が1億5,100万円、経常利益率が4.8パーセントとなりました。
2025年9月期第2四半期 連結貸借対照表
連結貸借対照表です。総資産が64億7,900万円で、前期よりも19億7,000万円圧縮できています。自己資本比率は9.9パーセントと、前期よりも6.9ポイント改善しています。
2025年9月期第2四半期 売上高の増減要因
売上高の増減要因です。リユース・リサイクル事業は堅調に伸びています。海外金融事業の切り離しにより、全体では売上高が減少したものの、国内のこれから主力になっていく事業は堅調に伸びている状況です。
2025年9月期第2四半期 経常利益の増減要因
経常利益の増減要因です。こちらもすべての事業が黒字化を達成し、増益となりました。特にソーシャルケア事業は5億6,800万円改善しています。
リユース:売上高(2025年9月期第2四半期)
各事業の状況です。リユース事業の売上高は14億6,900万円、前年同期比108.4パーセントとなり、四半期売上高では過去最高を更新しています。
リサイクル:売上高(2025年9月期第2四半期)
リサイクル事業の売上高は6億3,900万円、前年同期比107.3パーセントとなりました。GIGAスクール端末の商戦が本格的にスタートし、来期以降は大幅な増収を見込んでいます。
ソーシャルケア:売上高(2025年9月期第2四半期)
ソーシャルケア事業です。アニスピホールディングスのフランチャイズ事業を切り離したことで、売上高は4億1,600万円、前年同期比65.9パーセントとなりました。直営のグループホームを今後10年で200棟にすることで、ストック型収益を積み上げていきたいと考えています。
外国人材:売上高(2025年9月期第2四半期)
外国人材事業です。カンボジアに加えて、インドネシア、ミャンマーの実績を積み上げていきたいと思っています。売上高は4,300万円、前年同期比152.8パーセントとなりました。今後は介護・障がい者の「福祉職種」に重点を置き、グループシナジーを創出していきたいと考えています。
「ESモデル」としての成長
今後の成長戦略です。かねてより掲げている「ESモデル」ですが、「E」は「環境(Environment)」で小型家電リサイクル事業、「S」は「社会(Society)」でソーシャルケア事業を指しています。この2つを成長ドライバーとして重点的に取り組んでいきます。
これまで成長のドライバーを探して、カンボジアなどさまざまな事業にチャレンジしてきましたが、ようやくこれからの10年の成長をけん引していくビジネスを見つけました。今後は他の事業に手を出すのではなく、小型家電リサイクル事業とソーシャルケア事業の2つにフォーカスするかたちで、10年の成長を果たしていきたいと考えています。
リサイクル:GIGAスクールパソコンの入替商戦について
GIGAスクールパソコンの入替商戦についてです。スライドのグラフは、出荷台数予測を示しています。オレンジの部分が今回のGIGAスクール端末の出荷台数で、2024年度が130万台、2025年度が474万台、2026年度が455万台となっています。例えば、2025年度は2026年3月までになります。GIGA商戦はまだまだ始まったばかりで、ここから本格化していきます。
我々の小型家電リサイクル事業の強みの1つは、全国の自治体と協定を結んでいることです。現在、協定を結んでいる自治体は732自治体で、人口で言うと8,900万人、人口カバー率は71.7パーセントと、主要な自治体、政令市、中核市のほとんどを網羅しています。
このような自治体のネットワークの強みを活かし、GIGAスクールパソコンなどの営業に関しても強みを発揮していきたいと思っています。
リサイクル:GIGAスクールパソコンの入替商戦について
国においても、環境省、文部科学省、経済産業省が全国の教育委員会に対し、GIGAスクールパソコンの処理方法について、小型家電リサイクル法による処分の方針を打ち出しています。我々も小型家電リサイクル法の認定事業者です。
リサイクル:GIGAスクールパソコンの入替商戦について
GIGAスクールパソコンで現在非常に大きくOSシェアを伸ばしているGoogleに、「リサイクルサポート」のパートナーとして選んでいただきました。Googleと一緒にリサイクルについても営業していきたいと思っています。
ソーシャルケア:中〜重度者向けグループホームの展開
障がい福祉のソーシャルケア事業についてです。これまでは軽度の方のグループホームを展開してきました。軽度の方の場合は空き家を活用し、平均で4人から5人が1棟のグループホームで暮らすかたちでしたが、今後は少し障がいが重い中度から重度の方に注力していきます。
「日中サービス支援型」のグループホームは、スライドの写真にあるように、新築で1階が10室、2階が10室の計20室となります。これは法律で上限が決められています。この新築20室の「日中サービス支援型」を、今後10年で200棟まで増やしていきたいと考えています。
ソーシャルケア:直営グループホームの多拠点展開
ドミナントで展開しており、特にアニスピホールディングスの直営を我々が引き継いだため、首都圏に一気に足場ができました。現在、軽度の方向けのグループホームは首都圏に59棟、愛知県に10棟あります。今後は首都圏に本格的に進出し、重点的に取り組んでいきたいと考えています。
説明は以上となります。
質疑応答:計画を上方修正しなかった理由について
「計画を上方修正しなかった理由を教えてください」というご質問です。
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