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大亀裕貴氏(以下、大亀):みなさま、こんにちは。株式会社ダイキアクシス代表取締役社長CEO・CIOの大亀です。本日はお忙しい中、ご視聴いただきまして誠にありがとうございます。
本日のアジェンダはスライドのとおりです。当社の事業内容や事業戦略、先日発表した2025年から2027年までの中期経営計画の概要などについてご説明します。今後の投資判断の一助としていただけましたら幸いです。
会社概要
大亀:会社概要です。ダイキアクシスは東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、証券コードは4245です。二本社制を導入し、愛媛県松山市と東京都中央区に本社を構えています。
ダイキアクシスとしての設立は2005年7月で、今年で21期目となります。もともとの創業は1958年ですが、沿革については後ほどご説明します。国内のみならず海外にも事業を展開しており、2024年12月末時点の連結従業員数は1,073名です。
グループの成長と歩み
大亀:当社グループの歴史についてご説明します。1958年に、タイルや衛生陶器をメーカーから仕入れてハウスメーカーに卸す、大亀商事という会社を愛媛県松山市に設立したのが当社グループの始まりです。
高度経済成長期には日本国内でも工業化と都市化が進み、各エリアで水質汚濁等の公害問題が浮き彫りになりました。このような外部環境の中、当社は業界に先駆けて、分散型の排水処理装置である「浄化槽」を、軽量で設置しやすいFRPを使って開発しました。これにより、1964年から水処理メーカーとしての事業を開始しています。
その後はホームセンター事業を開始して事業拡大を進めてきましたが、ホームセンター事業を分割し、他のホームセンター運営会社と統合する話が進み、2005年に住宅機器関連事業、環境機器関連事業、再生可能エネルギー関連事業の3つを中心に据えた会社としてダイキアクシスを設立しています。
企業理念
大亀:理念体系についてご説明します。当社グループが果たすべき使命であるミッションは「環境を守る。未来を変える。」です。あらゆる環境課題を解決しながら地球環境を守ることで、人と自然にとってより良い未来にすることを企業使命として掲げています。
また、世の中に新しい価値を提供し続けるための存在意義として、「世界の環境課題を技術とアイデアで解決し、世界の人々の生活を支える」をパーパスに掲げています。
事業概要【売上構成比】
大亀:当社グループの事業概要です。1つ目は、我々が環境機器関連事業と呼んでいる水処理の事業です。家庭用の浄化槽や、産業排水・工場排水等の下水・排水を処理するシステムの研究開発から製造・販売・メンテナンスを行っており、全体売上の約半分を占めています。
2つ目は、全体売上の約4割を占める住宅機器関連事業です。トイレ・キッチン・お風呂などの水回り商材をメーカーから仕入れ、ゼネコンやハウスメーカーなどに販売するという卸売事業を手がけています。外壁や空調設備などの工事・施工業務も行っています。
3つ目は、再生可能エネルギー関連事業です。太陽光発電、風力発電、バイオディーゼル燃料の製造・販売を行っており、サステイナブルな世界を実現するという事業テーマを持ちながら取り組んでいます。
4つ目のその他の事業では、家庭用飲料水事業やベンチャーキャピタル事業を行っています。
事業概要【環境機器関連事業】
大亀:それぞれの事業について詳しくご説明します。環境機器関連事業では、家庭用の小型浄化槽から、商業施設や集合住宅向けの中型・大型浄化槽、工場などの排水を処理するシステムの研究開発・製造、施工・販売、メンテナンスを行っています。
現在、日本全国の下水道普及率は80パーセントを超えています。一方で、下水道が利用できない住居や施設では、主に浄化槽が生活排水の処理を担うことになっており、国内ではおよそ1,170万人が浄化槽の処理人口です。
昨今、下水道設備の老朽化や人口減少に伴い、各自治体における維持費の負担が大きな社会課題となっています。浄化槽は災害発生時などでも設置工事や復旧が比較的短期間で進み、コスト効率も良いということから、見直しが進んでいる状況にあると捉えています。
商業施設や集合住宅向けに関しては、家庭用よりも大きな大型・中型の浄化槽が求められます。加えて、食品や化学系の工場、病院などの大規模施設向け産業排水処理システムも手がけています。このほか、排水を再利用する中水事業や、地下水をくみ上げて飲料化する上水事業にも取り組んでいます。
当社グループの排水処理事業は、国内で60年以上の歴史があり、研究開発から製造、施工・販売、メンテナンスまで一気通貫で手がけている総合水処理メーカーです。
事業概要【環境機器関連事業】
大亀:海外の環境機器関連事業については、インド、インドネシア、スリランカなどを中心にアジア地域で浄化槽の製造・販売を行っています。現在は、世界に5つの浄化槽製造拠点、9つの営業拠点、31社の代理店を持っています。
私自身、学生時代も含めて海外生活が長かったということもあり、海外文化に関する知見や海外での人的ネットワークを最大限に駆使・活用しながら、グローバル化への陣頭指揮を執っている状況です。
事業概要【住宅機器関連事業】
大亀:住宅機器関連事業は、大きく2つの事業で構成されています。1つ目は、当社の祖業である卸売事業です。キッチン・ユニットバス・トイレなどの水回りを中心とした住宅設備や建築資材を、ゼネコンやハウスメーカー、ホームセンターなどに販売しています。
2つ目は工事事業で、タイルなどの外壁工事や農業温室ハウス等の施工を手がけています。また、M&Aにより空調設備や冷凍冷蔵設備の施工事業にも参入しています。近年は、環境配慮型商材の取り扱いや、木構造事業にも注力しています。
事業概要【再生可能エネルギー関連事業】
大亀:再生可能エネルギー関連事業においては、主に太陽光発電、風力発電、バイオディーゼル燃料事業を行っています。
太陽光発電事業においては、ホームセンターを展開するDCMグループが保有する全国の既存店舗の屋根に発電設備を設置し、森林伐採や環境への影響がより少ないかたちでのFIT、固定価格買取制度を利用した事業を展開しています。
また、当社グループが太陽光発電所を開設し、大口の電力事業者へ電力を供給するPPA事業の取り組みも強化しています。これまでに200ヶ所以上で、太陽光FITおよびPPAの発電所を運営してきた実績があります。
風力発電事業においても、FITを利用した事業を展開しています。風質の良い北日本を中心に展開しており、本年度中に70サイトの系統連系を目指しています。
バイオディーゼル燃料事業では、軽油の代替燃料として、バイオディーゼル燃料の製造・販売、製造施設の施工等を行っています。バイオディーゼル燃料の原料は、使用済み食用油です。
事業概要【その他の事業】
大亀:その他の事業についてです。家庭用飲料水事業では、愛媛県や広島県でボトル型ウォーターサーバー「クリクラ」を宅配しています。愛媛県には、ボトルにミネラルウォーターを充填する自社工場も所有しています。
また、水道直結型の全自動型ウォーターサーバーとして、「アクシスウォーター」という新製品の取り扱いも四国・中国エリアで開始しています。
このほか、当社グループの事業テーマと親和性があり、新しい価値を創造する可能性がある企業や地域、若者をサポートする企業などに投資するベンチャーキャピタル事業も行っています。
経営戦略|世界の深刻な状況
大亀:本年3月に発表した、2025年から2027年までの中期経営計画についてご説明します。
今回の中期経営計画を策定するにあたり、我々が世の中から求められているものは何かを考え直しました。当社主力事業の1つは水衛生設備の提供ですが、ご存じのように日本は世界と比較してもまれに見る「水衛生大国」と言えます。
一方、世界では4人に1人が劣悪な衛生環境で暮らし、下水処理の未整備による疫病蔓延や産業排水による公害で、多くの人々が健康被害に苦しんでいます。水質汚染は他の地域にも拡大するだけでなく、サプライチェーンを通じて間接的に地球上へ広がります。つまり、途上国だけにとどまる問題ではないのです。
スライド右側のグラフは、水衛生インフラの整備と経済発展の相関関係を示しています。今後、我々が展開している途上国が発展すると同時に、水衛生インフラの需要は爆発的に拡大していきます。
見方を変えれば、現在の途上国は50年から60年前の日本と同じ状況にあると言えます。したがって、日本の先輩方が試行錯誤の末に培ってきた衛生技術が、そのまま途上国や新興国でのソリューションとなり得ます。
言い換えると、この地球上の時間差こそが、我々にとって絶好の商機と言えます。
我々の社会的使命
大亀:会社を社会の公器と捉えた場合、当社が社会に貢献する方法は、日本が試行錯誤して培ってきた数々の公衆衛生技術にさらに磨きをかけ、世界の国々に技術移転することだと考えています。
このような活動により、安全で安心な世界の実現に寄与していく所存です。日本の当たり前の安全安心を世界の日常にしていくことこそが、当社の存在意義だと考えています。
当社のビジネスにおいては、海外の水衛生インフラ整備を今後の成長エンジンとして捉えていきます。つまり、成長の主軸は海外であり、水に関する商材の拡充を図っていくということです。
事業戦略 【環境機器関連事業】 日本市場
大亀:各事業の戦略についてご説明します。まずは日本市場の環境機器関連事業の戦略です。
浄化槽の保守点検は浄化槽法で義務付けられており、設置されると必ず定期点検が発生します。設備の新設に伴い、産業排水処理システムを合わせた保守契約数は年間約150件から200件ずつ増え続けている状況です。
そして不具合や問題が発生した場合、お客さまは当然ながらメーカーである我々に修繕を依頼します。これまで注力してきた製品の販売や新設工事では、新たな建物の建築計画が出てくる度に浄化槽や排水処理システムをお客さまに提案し、受注するというフロー形態でした。
これに対して、メンテナンスは一度契約を結べば長期的にお客さまとの関係が構築され、安定したビジネスが展開されるストック形態です。このストックビジネスを拡大することで、売上の平準化や利益への貢献、営業効率の向上が見込まれると考えています。
今後も、新設工事の際には長期保守契約を提案することでメンテナンス売上を伸ばしていくとともに、お客さまとの長期的な関係を構築していきたいと考えています。
1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):新設工事のうち、更新工事の割合は何割程度になりますか?
大亀:今までは、更新工事も新設工事の1つだと捉えてきました。また、一部設備を更新する小規模な工事や、既設設備自体を一気にリプレイスする工事など、工事内容は案件ごとに多様です。
そのため、更新工事の割合を示すのは困難ですが、社内では、新設工事における大中小などの案件規模は区別しています。
今回の中期経営計画では1つの方針として、顧客のデータベースをしっかり整備・構築し、データの可視化を推進することで、過去の実績や設備状況を参照できるようにします。そして「この時期にはこのような修繕が必要になるため、お客さまに予算化しておいてもらう」など、大きな問題が起こる前に、より予防保全的なかたちの提案営業を行います。
それにより、お客さまとの関係を構築しながら、設備の修理や予防としてのメンテナンスを行う方針です。
Ken:新設工事の後に保守契約を結ぶお客さまはかなり多いと思いますが、結ぶ割合と結ばない割合を教えてください。
大亀:我々の肌感覚では、保守点検している割合はお客さまの6割ぐらいです。残り4割は大型案件や大企業が施主の案件で、定期的な保守点検は内製化により施主が行うという場合が多いです。
しかし、保守点検は内製化できても、修繕工事や設備の入れ替えなどは定期的に必要となります。そのため今回の中期経営計画には、このあたりに注力することも掲げています。
Ken:保守点検を内製化しているところから困りごとの問い合わせがあれば、御社が対応していくということですね。
大亀:おっしゃるとおりです。
Ken:保守契約を結んでいるお客さまが所有する製品の利用年数はどれくらいですか? 更新時期が来ている設備が多くなっていませんか?
大亀:平均利用年数は製品により違います。浄化槽は20年ないし30年以上持ちます。工場排水や産業排水も数十年持つ製品です。その中で、本当に小さい設備は2年から3年で入れ替えが必要になることもあります。
大きい設備の入れ替えもそうですが、水漏れなどの補修も問題が起こる前に定期的に行う必要があるため、20年から30年、30年から40年という数十年単位の中で修繕工事を受注していく方針です。
事業戦略 【環境機器関連事業】 グローバル
大亀:環境機器関連事業におけるグローバル展開についてご説明します。海外事業に関しては、個々のお客さまへアプローチするのではなく、各国の現地代理店やパートナー企業、協力会社と連携し、市場を面で押さえる必要があると考えて取り組んできました。
海外事業は、浄化槽や分散型の排水処理をメイン商材に取り組んでいます。インドでの取り組みを例に挙げると、これから経済が発展する国で、水衛生インフラを整えていくという意識もそこまでは高くなかったため、最初から市場があったわけではありません。
しかし中長期的に見た時に、水環境の整備は今やらなければ経済発展にも大きな悪影響を与えるだろうと考え、我々は2016年頃からインドでの市場調査を始めています。
水衛生インフラは、エンドユーザーに直接的なメリットをもたらす製品ではありません。そのため、浄化槽法というルールがある中で浄化槽の設置を行っている日本の背景を説明し、現地政府とのルール作りから始めることで市場を作っています。
インドは国土が広いので、現地を広くカバーするために、各地域で活躍しているパートナー企業と代理店契約を結んで友好関係を構築し、各自治体や州政府とも連携しながら進めてきたことが成功要因の1つだと捉えています。
ルール作りから始める事例は決してインドが初めてというわけではなく、環境機器関連事業における60年以上の歴史の中では日本でも行ってきており、当社が得意とする事例になります。
インドでの取り組みは、スライドに記載のとおり、参入基盤の確立を5段階のステップで進めてきました。1段階目では、水質汚染状況やインフラ整備などの現地課題を知り、その解決に向けて技術支援する準備を進めます。
2段階目では、現地有力パートナーとの関係を構築し、共同で市場を開拓していくためのマーケティングを行います。3段階目では、現地で独立したオペレーションを行うために、協力会社の立ち上げや人材の確保に取り組みます。
4段階目では、当社も携わっている中央政府の大型プロジェクトや、ガンジス川浄化計画のような社会的インパクトの高い事業に参画し、会社認知を広げていくことに注力します。最後の5段階目では、これまでの取り組みを足がかりに政策を提言しながら、政府との連携構築を図っていきます。
このようにして参入基盤が整備されれば、後は営業拠点や生産拠点を準備していきます。そして、法整備が行われると、受注拡大の基盤が整うという流れになります。このアプローチを、成功モデルの1つである「インドモデル」として成熟させ、他国展開に活用する動きを進める方針です。
Ken:海外市場に注力するとのことですが、日本市場の成長への影響について教えてください。
大亀:人口も含めて海外市場には大きなポテンシャルがあると考えたため、今後も注力していきますが、国内を軽視することはありません。
今回の中期経営計画においては、あらためて世界をグローバル市場として捉え、日本市場を水衛生技術の研究開発拠点として、これまで培ってきた製品力や技術力、サービス力をより高める方針を掲げています。
日本で培ってきた技術力を海外に移転するために、より先進的な研究開発は日本で進めていきます。国内事業は海外投資のための収益基盤や原資となる事業ですので、先ほどもお伝えしたとおり、特にメンテナンス事業を強化しながら継続的な収益基盤を確保します。
それによりグローバル事業への投資原資を作るというかたちで、海外市場における成長とのバランスをとっていきたいと考えています。
事業戦略 【住宅機器関連事業】
大亀:住宅機器関連事業の戦略についてご説明します。みなさまもご存じのとおり、国内の建設市場は成長が鈍化しており、従来のような成長は望めません。
しかし、住宅機器関連事業は成長事業ステージを過ぎ、現在は中核事業ステージに移行したと捉えています。したがって、従来のようなシェアや売上の追求という方針ではなく、利益追求型の管理へと移行していきたいと考えています。
2027年度には、2024年度比で売上高が6パーセント、営業利益は27パーセントの成長を目指しています。どのように利益を追求していくかと言いますと、真っ先に思い浮かぶのはコストダウンです。こちらは、業務の標準化や統合化によって粛々と進めていきます。
加えて、コストコントロールをしていきたいと考えています。これまでは商品の卸売に加えて、工事案件の受注に力を入れてきました。今後は設計などの上流プロセスをカバーすることによって、利益を追求する方針です。
例えば、木構造事業では、木材の調達からデザイン・構造設計・施工・アフターサービスというバリューチェーンを一気通貫で行うことによって、利益のコントロールスパンの拡大を狙っていきます。
さらに、トップライン強化のために事業をソリューション型へ変えていきます。その典型例は空調工事です。空調機器の施工のみであれば、提供価値は冷やすか温めるかになります。しかし、店舗設計から行えば、お客さまに対して来店者数向上などのビジネス価値を提供できます。「モノを売る」のではなく、「課題解決を売る」という考え方になります。
事業戦略【再生可能エネルギー関連事業】
大亀:再生可能エネルギー関連事業についてご説明します。今後は、市場成長率の高いグリーンデータセンターやバイオディーゼル燃料事業を重点分野として進めていきます。
新たな事業として、グリーンデータセンターの開始に向けて準備を進めています。こちらは、太陽光発電施設をデータセンターに併設してクリーンなエネルギーを主電力として活用することで、環境負荷の低減を図るものです。
太陽光発電事業で培った投資案件の精査力や運営ノウハウなどを活かしながら、収益性の高い案件に絞って投資を行います。
バイオディーゼル燃料事業は、環境意識の高まりにより日本でも需要が高まってきていると捉えています。これまでに、愛媛県内でバイオディーゼル燃料事業を進めており、四国の4つの空港で空港内作業車両へのバイオディーゼル燃料の供給を行っています。
今後はより需要の高いエリアでの事業拡大を進めるべく、2024年に関東地方にて事業所と製造プラントを建設しました。現在は、東武鉄道グループのバス車両やセブンイレブンの店舗配送トラック向けに燃料供給を開始しています。
連結業績推移
大亀:連結業績の推移は、スライドに掲載しているとおりです。2024年12月期の連結売上高は約468億円となり、過去最高を更新しました。営業利益は10億4,800万円、前期比58.8パーセントの増加となっています。
中期経営計画 【全社数値計画】
大亀:本年3月に、2025年から2027年を対象とした中期経営計画の詳細を発表しました。3年後の2027年度に、売上高530億円、経常利益15億5,000万円、当期純利益11億円の達成を目指しています。
売上高と利益はともに過去最高を更新する計画としており、ROEは9.7パーセントとほぼ2桁の数値目標を掲げています。
中期経営計画 【財務戦略】
大亀:成長を支える財務戦略についてご説明します。当社の財務戦略は、3つの方針で成り立っています。
1つ目は、成長分野への積極的なキャッシュアロケーションです。営業キャッシュ・フローを原資に、成長投資を優先としたキャッシュアロケーションを行っていきます。成長投資枠としては、今後3年間で50億円を設定しています。
2つ目は、財務規律です。最適な財務レバレッジの水準を保つことを方針として掲げています。現在の自己資本比率25.7パーセントから水準を大きく落とすことなく、仮にレバレッジでの投資を行う場合でも、投下資本収益性を下げることのないように投資を厳選していきます。
1つ目と2つ目の基本方針は、言い換えると、積極投資と財務健全性のバランスを重視することになります。
3つ目は、株主還元です。これまでと同様に安定配当を行い、EPS成長との両輪により、トータルで株主のみなさまに報いたいと考えています。3つの基本方針を進めることでROICを高め、企業価値を増加させていきます。
3年後の2027年度には、親会社株主に帰属する当期純利益を11億円と見込んでいます。仮に自己資本比率が現在と同水準だった場合、ROICは6パーセント以上となり、資本コストに対するスプレッドが拡大していく想定です。
株主還元
大亀:株主還元については、成長投資を行うことによる利益の拡大つまり中長期でのEPS成長と、直接的な株主還元である安定的な配当、さらに株主優待を合わせたトータルでの株主還元の向上を進める方針です。
3年後の2027年度には、当期純利益を11億円、EPSを現在の26.6円から78.7円にまで成長させることを目標にしています。1株当たりの配当金額は、2024年12月期実績で年間24円となっており、今後も安定的な配当を実施していきたいと考えています。
Ken:最近は、配当性向や総還元性向などを業績連動の還元方針にしたり、DOEを導入したりする企業も増えています。こちらについては、どのように考えていますか?
大亀:基本的には配当性向を30パーセントと定めていますが、我々は1株当たり年間24円の配当を安定的に実施するところに重きを置いています。
直近の約3年で、配当性向が大変高くなっています。2024年度は90.6パーセントになっていますが、本中期経営計画の中でもご説明したとおり、今は成長投資が必要なフェーズだと認識しています。
そのため、しばらくはこれまでと同様に安定的な配当を重視し、年間24円を維持したいと考えています。次期以降の中期経営計画ではタイミングを見て、どのような指標を用いて配当施策を出していくかを検討する必要があると思っています。
DOEを採用する企業も増えているということも参考にしながら、状況に応じて選択していきたいと考えています。
株主優待
大亀:株主優待については、「ダイキアクシス・プレミアム優待倶楽部」を導入しています。毎年12月末の株主名簿にて500株以上保有いただいている株主さまを対象にポイントを進呈し、ポイントに応じて各種優待商品と交換できるものとなっています。今後も、現在の株主優待を継続していく方針です。
当社IRツールのご案内
大亀:時間の都合上、本日は多くをお伝えすることができませんでしたが、中期経営計画の説明会動画や書き起こしを「ログミーFinance」のサイトに掲載しています。各種IR情報については当社IRサイトにて掲載していますので、ぜひ定期的にご覧ください。
環境を守る。未来を変える。
大亀:ダイキアクシスグループは、「環境を守る。未来を変える。」という企業使命を果たすために、世界の環境課題を技術とアイデアで解決することで、世界の人々の生活を支えていきます。
今後もみなさまの期待に応えられる企業であるよう尽力していきますので、ご支援のほどよろしくお願いします。ご視聴いただき、誠にありがとうございました。
質疑応答:大手企業や競合他社に勝つための戦略について
Ken:「グローバルな水ビジネスのプレイヤーを目指す」とご説明がありましたが、世界には大手企業や競合他社もいる中で、御社が太刀打ちできるのでしょうか? 技術力や資本面についてご説明をお願いします。
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