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千田高氏:みなさま、こんにちは。フィンテック グローバル株式会社 取締役副社長 上席執行役員の千田高です。当社の2025年9月期第2四半期決算説明動画をご視聴いただき、誠にありがとうございます。

本日の流れはスライドのとおりです。動画での説明会は初回となりますので、まず当社の会社概要、業績推移についてご紹介します。その後、第2四半期決算の総括、業績概要、セグメント別業績、連結財務諸表、自己株式の取得についてご説明します。

フィンテック グローバル株式会社 会社概要

当社の本店は東京都品川区にあり、設立は1994年、当期が31期目となります。連結従業員数は、2025年3月末時点で182名となっています。事業内容は、投資銀行業務、投資業務、投資運用業務、地域課題ソリューションの4つです。

FGIの事業

こちらのスライドは、当社グループの事業の全体像です。ファイナンスアレンジメント等によって資金調達を支援し、顧客の戦略的目標の達成に貢献する業務である投資銀行業務中心に、自己資金で投資する投資業務、投資家の資金を運用する投資運用業務を行っています。また、これら3つの業務によって地域課題ソリューションを提供しています。

FGIグループ会社・事業セグメント

事業セグメントは、投資銀行事業、公共コンサルティング事業、エンタテインメント・サービス事業の3つがあります。

投資銀行事業では、先ほどご説明した投資銀行業務、投資業務、投資運用業務を行っています。公共コンサルティング事業では、地方自治体を対象にした地域課題ソリューションを提供しています。

エンタテインメント・サービス事業では、当社グループが投資事業の一環として、開発段階から携わっている埼玉県飯能市の「メッツァ」を運営しています。「メッツァ」には『ムーミン』のテーマパークである「ムーミンバレーパーク」と、北欧のライフスタイルを体験できる「メッツァビレッジ」があります。

連結業績推移 ー投資銀行事業が業績牽引

直近7期間の連結業績推移です。スライドのグラフでは、売上高と営業利益をセグメント別に示しています。

2019年3月に「ムーミンバレーパーク」が開業しましたが、開業準備費用などにより、2018年、2019年には大きな損失が出ています。さらに開業翌年の2020年春には、新型コロナウイルスの感染拡大により、「ムーミンバレーパーク」は80日間の休園となるなど、損失を出す結果となりました。

しかし、その頃から事業承継の課題を抱える企業に対して、当社が買い手となって株式を買い取る投資事業を開始しました。これにより右肩上がりに業績が伸び、5期連続の営業増益となっています。

投資銀行事業の業績推移 ー事業承継関連や航空ビジネスにより増収増益

直近5期間の投資銀行事業の業績推移です。スライドのグラフでは、売上高と売上総利益を業務別に6つに分類しています。業績を牽引している事業承継案件への投資による収益は、業務受託とプライベートエクイティ投資の2つに計上されています。

2024年9月期は、66億9,600万円の売上総利益のうち約70パーセントが事業承継関連によるものとなっており、近年急激に拡大しています。航空ビジネスもコロナ禍でリース機の返還が多くあったことから、機体検査の技術サービスへの需要増加により、売上・利益ともに増加しました。

2025年9月期 連結業績予想

昨年11月に公表した2025年9月期の連結業績予想ですが、この第2四半期決算発表時点では修正していません。売上高は前期比10.9パーセント減の123億円を予想していますが、これは前期に不動産開発案件や不動産小口化投資商品の売却がほぼ終了したためです。

営業利益は、事業承継案件へのプライベートエクイティ投資収益などの増加により、前期比20.6パーセント増の31億円を計画しています。また、「ムーミンバレーパーク」を運営するエンタテインメント・サービス事業は黒字化を計画しています。

配当予想

配当予想です。前期に復配して、1株当たり1円50銭の配当を行いましたが、2025年9月期は1円50銭増配の3円を予定しています。

重要な経営指標 ROE

重要な経営指標についてです。当社は株主価値の最大化のため、資本を効率的に活用することを重視し、効率性を図る尺度としてROEを重要な経営指標として位置づけ、安定的に20パーセント超を継続できるよう、収益力の強化を推進する方針としています。2023年9月期のROEは21.6パーセント、2024年9月期のROEは18.8パーセントとなっています。

2025年9月期 第2四半期 総括

ここからは、2025年5月9日に公表した決算説明資料に基づき、第2四半期の決算についてご説明します。当第2四半期は、事業承継案件へのプライベートエクイティ投資による収益が拡大したほか、エンタテインメント・サービス事業が増収、黒字転換となったことから、売上高が増加し、経常利益までの段階利益が増益となりました。

事業承継案件へのプライベートエクイティ投資に関連する売上高は、前年同期比5億円増の25億円となり、売上総利益の増加に貢献しています。エンタテインメント・サービス事業は、前年同期比21.4パーセント増の14億6,700万円となりました。

航空ビジネスやアセット投資は減収となっていますが、連結売上高全体では前年同期比3.7パーセントの増収となりました。これにより営業増益となりましたが、親会社に帰属する中間純利益は前年同期の特別利益の反動で横ばいとなっています。

業績を牽引している事業承継案件による通期の売上高は、前期実績を3億円上回る43億円となる見込みです。当第2四半期は、中小案件の新規投資が順調に進捗しました。また、第1四半期に投資実行した大型案件は、期中の投資回収を予定しています。

航空ビジネスは減収減益となりましたが、オペレーティングリースの実行は順調に続いています。エンタテインメント・サービス事業については、「メッツァ」の来園者数が前年同期比で11.1パーセント増加したことで黒字転換しました。

また、当社は人手不足が課題となっていることから、人材の維持・確保を目的として、2025年4月から正社員の給与を平均30パーセント程度引き上げるとともに、大学卒の初任給を月額26万5,000円から35万円に改定しました。

連結業績概況

連結業績概況についてご説明します。連結売上高は前年同期比3.7パーセント増の67億9,700万円となり、売上総利益は前年同期比11パーセント増の42億9,400万円となりました。

販管費は前年同期比14パーセント増となりましたが、売上総利益の増加により、営業利益は前年同期比6.9パーセント増の17億5,900万円、経常利益は前年同期比7.8パーセント増の17億1,100万円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期の特別利益に負ののれん発生益2億4,100万円を計上した反動により、前年同期から横ばいの12億9,100万円となっています。

売上・利益の業績予想進捗率とプライベートエクイティ投資案件の進捗は順調です。しかし、第1四半期に組成した大型のプライベートエクイティ投資案件の回収による売上高が現時点では確定しておらず、また、2025年4月の正社員給与の引き上げ、その他費用増加による販管費の増加を考慮して、通期業績予想は据え置きとしています。なお、大型のプライベートエクイティ投資案件の回収については後ほどご説明します。

セグメント別業績 ー 1

セグメント別業績をご説明します。1つ目の投資銀行事業は、売上高が横ばいとなりましたが、利益率の高いプライベートエクイティ投資の売上が伸びたため、売上総利益は前年同期比6.2パーセント増の37億8,100万円となりました。

販管費は、「メッツァビレッジ」に新たにオープンした「ハイパーミュージアム飯能」開設の初期費用や「メッツァ」の広告宣伝費の増加などにより、前年同期比16.7パーセント増の15億2,200万円となりました。その結果、セグメント利益は前年同期比0.2パーセント増の22億5,800万円にとどまっています。

2つ目の公共コンサルティング事業は、行政計画の策定支援等が増加し、前年同期比4.3パーセントの増収となりましたが、人員増強により人件費が増加したことから、セグメント損失は1,800万円となりました。

3つ目のエンタテインメント・サービス事業は、料金改定による来園者数増加により、チケット、物販、飲食の売上が増加しました。また、原価低減、コスト削減も進んだことで、売上高は前年同期比21.4パーセント増の14億6,700万円となり、セグメント利益は約2億4,000万円改善して9,700万円となり、黒字転換しました。

投資銀行事業 ー 業務別売上高、売上総利益

投資銀行事業の業務別の売上高と売上総利益についてご説明します。プライベートエクイティ投資は投資回収が順調に進み、増収増益となりました。業務受託は事業承継案件の新規組成が順調に進みましたが、第1四半期の大型案件のアップフロントフィー計上が第3四半期となったことや、前年同期の大型案件の売却時報酬の反動により、前年同期比で減少しました。

一方で、車両を活用したオペレーティングリース商品の取扱いは、販売チャネルの拡大等によりアレンジ、販売、運用による売上が前年同期の2倍超となり、業務受託売上の4分の1を超える水準にまで拡大しています。

アセット投資は、2022年に組成した不動産小口化商品が2024年中に完売したことにより、売上高は前年同期比で減少しました。「メッツァビレッジ」は、駐車料やテナント賃料収入は堅調に推移しましたが、第1四半期に「ハイパーミュージアム飯能」開設に伴う既存施設の除去損2億円を計上したことから、売上総利益は減少しました。

航空ビジネスは、航空機不足によるリース契約延長の増加により、リース返還時などに行われる機体検査の技術サービス売上総利益は減少しましたが、リース事業では2件の航空資産のリースバックを実行しました。下半期にも、2件の新規実行を予定しています。

投資銀行事業 ー 投融資残高

投融資残高です。当社グループでは、当社と子会社のavinerが自己投資を行っているため、2社の投融資残高の合計額を開示しています。

第2四半期末の投融資残高は、第1四半期末比16パーセント増の91億3,000万円となりました。企業融資については、太陽光発電所開発事業を行う企業への融資により増加しました。「メッツァ」関連の不動産については、「ハイパーミュージアム飯能」の開設に伴い、販売用不動産が増加しました。

事業承継案件への投資を含むプリンシパルインベストメントについては、次のスライドでご説明します。

投資銀行事業 ー 投融資残高(プリンシパルインベストメントの増減内訳)

プリンシパルインベストメントは、第1四半期末比22.2パーセント増の34億6,200万円となりました。

営業投資有価証券は、収益性が高い事業承継案件への3億8,000万円の新規投資、および順調に進捗したプライベートエクイティファンドにおける投資回収による利益6億100万円を取り込んで増加しました。

一方で、ファンドの分配金受領などにより7億8,300万円減少していますが、営業投資有価証券の残高は第1四半期末比11.4パーセントの増加となりました。

投資有価証券は、2025年2月に業務提携基本合意書を締結した東洋証券株式会社の株式取得により、第1四半期末比で39.8パーセント増加しました。

投資銀行事業 ー PEファンドの事業承継案件への投資額

当第2四半期累計のプライベートエクイティファンドの組成額は、前年同期比9.4パーセント減の299億円となりました。なお、先ほどのスライドでお示しした営業投資有価証券は、当社の自己資金による投資額を記載していましたが、ここでは非連結のファンドにおける金融機関からの借入なども使った投資額を記載しています。

当第2四半期は、中小案件の組成によって投資額を積み上げました。また、新たな大型の買収案件の優先交渉権を取得するなど、次期の収益拡大に向けた仕込みが着実に前進しています。

投資銀行事業 ー 事業承継案件による収益

以上のように、当社の事業承継案件の投資はこれまでの実績が評価され、金融機関などから新たな案件の紹介が増えてきました。また、案件組成ノウハウが蓄積し、人員も増えてきており、資金調達力も向上しています。

スライドの表の緑色の列は、今回公表した売上高の実績と見込額を示しています。第1四半期は16億円、第2四半期は9億円となり、第3四半期、第4四半期は合計17億円を見込んでいます。この17億円には第1四半期に組成した大型案件の投資回収による売上高を含んでいますが、現時点で回収が確定した金額のみで算定しています。

現在はすでに下半期に入っていますが、新たに大型の投資案件の優先交渉権を取得するなど、来期以降の収益拡大のための仕込みは順調に進んでいます。

投資銀行事業 ー 預り資産残高

アセットマネジメントによる預り資産残高の推移です。海外投資家によるレジデンスの投資運用が減少しましたが、事業承継案件で取り扱う不動産や物流施設などの新規案件の運用を開始したほか、有価証券等の投資運用が増加したことにより、2024年12月末比2.1パーセント増の1,630億円となりました。

公共コンサルティング事業

公共コンサルティング事業は、行政計画の策定支援などが増加し、前年同期比4.3パーセントの増収となりました。この動きをさらに進めるため、人員を増強し、営業拡大を積極的に行いました。

住民の子育て支援・健康増進等のニーズの高まりを受け、これらのニーズに応えるための行政計画策定支援の件数、売上が増加しました。これを成長分野と位置づけて、先行投資としてコンサルタントを増強し、人件費等の販管費が増加した結果、1,800万円のセグメント損失となりました。

エンタテインメント・サービス事業

エンタテインメント・サービス業です。「メッツァ」の来園者数は前年同期比11.1パーセント増の37万6,000人となりました。顧客単価上昇とコスト削減も進んだことで、売上高は前年同期比21.4パーセント増の14億6,700万円、セグメント利益は9,700万円となり、黒字転換しました。

これは、「ムーミンバレーパーク」におけるファミリー層をメインターゲットにした料金設定、および施設の新設、イベントなどの集客施策、コスト削減策などの成果が出てきたためと考えています。

昨年11月1日には正規の入園チケット料金を改定し、「こども1デーパス」の前売チケットの料金を2,000円から1,000円に引き下げるとともに、こども料金の適用範囲を中高生まで拡大しました。この影響でチケット単価などは低下したものの、物販・飲食を含む顧客単価の上昇につながりました。

また、1月から3月は気温低下により集客が落ち込む時期ですが、集客策として「ムーミン谷のスケートリンク」の設置、「SPRING FESTIVAL」や湖上花火大会といった各種イベントを開催しました。

湖上花火大会のお客さまをターゲットとした「ナイトパス」の発行や、若年層・シニア層などをターゲットとした割引料金を設定し、多くの方にご来園いただけるようにしました。

連結貸借対照表

連結貸借対照表をご説明します。総資産は前期末比30億700万円増加の236億7,600万円、負債は前期末比24億7,500万円増加の123億9,200万円、純資産は前期末比5億3,100万円増加の112億8,400万円となりました。

資産の部では売掛金が8億5,900万円増加しています。これは事業承継案件の業務受託、および車両を活用したオペレーティングリース商品のアレンジの拡大に伴うものです。

また、公共コンサルティング事業における公会計財務書類の作成支援業務については、地方公共団体の2024年度決算に係る業務委託期間が3月末までのため、売掛金が増加する季節的な要因もあります。

営業投資有価証券については、先ほどお伝えしたとおりです。

有形固定資産は、前期末比7億6,400万円増加しました。これは主に、オペレーティングリースのための賃貸資産である航空機を、第1四半期に続き第2四半期も新規取得したことによるものです。

投資その他の資産は、前期末比3億6,100万円増加しました。これは主に、東洋証券株式会社の株式取得により、投資有価証券が増加したことによるものです。

続いて、負債の部についてです。短期借入金が、運転資金およびオペレーティングリースにおける航空機取得のための借入により、前期末比26億5,100万円増加しました。

最後に、純資産の部についてです。利益剰余金が前期末比9億9,700万円増加しました。自己株式は、譲渡制限付株式(報酬)として6,200万円を処分しましたが、今年2月に約3億円取得した結果、前期末比2億3,700万円の増加となりました。

連結損益計算書

連結損益計算書についてです。売上原価、販管費、その他のポイントをご説明します。

売上原価は、航空ビジネスにおける技術サービス売上および不動産小口化商品としての信託受益権売上の減少に伴い、技術サービスの外部委託による売上原価や信託受益権原価が減少し、前年同期比6.9パーセント減の25億200万円となりました。

販管費及び一般管理費は、子会社の増加や「メッツァ」関連の広告宣伝費が増加したため、前年同期比14.1パーセント増の25億3,400万円となりました。

なお、前第2四半期において、株式会社ピーコンホームサービスとの企業結合にあたり、暫定的な会計処理を行い、特別利益に負ののれん発生益6,600万円を計上していましたが、前期末に確定したことにより、1億7,400万円増加の2億4,100万円となっています。これに伴い、前第2四半期の税金等調整前中間純利益以下の各段階利益は増加しています。

非支配株主に帰属する中間純利益は、主に航空ビジネスを行う海外子会社の減益により、前年同期比25.8パーセント減の1億3,400万円となりました。

親会社株主に帰属する中間純利益は、税金費用や非支配株主に帰属する中間純利益が減少したものの、前第2四半期の特別利益の反動で、前年同期比で横ばいの12億9,100万円となりました。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フロー計算書についてです。営業活動によるキャッシュ・フローは、利益は高水準を維持しましたが、売上増加による売上債権の増加や先行投資により、7億8,100万円の資金の減少となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、東洋証券株式会社の株式取得や太陽光発電所開発会社への融資により、10億8,100万円の資金の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払いがありましたが、運転資金およびオペレーティングリースにおける航空機取得のための短期借入金が増加したことにより、17億3,000万円の資金の増加となりました。

以上のとおり、先行投資や売上増加に伴い営業キャッシュ・フローはマイナスになりましたが、金融機関からの借入などの財務キャッシュ・フローによって、事業の成長を支えています。

自己株式の取得

自己株式の取得についてご説明します。当社は、利益還元と資本効率の向上を図るとともに、M&Aでの活用を含む経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行や、譲渡制限付株式(報酬)として交付する株式へ充当するため、自己株式の取得を実施しています。

当期はすでに2025年2月に約3億円の取得を実行していますが、5月9日開催の取締役会で3億円を上限とする2回目の自己株式の取得を決議いたしました。

以上で、フィンテック グローバル株式会社、2025年9月期第2四半期の決算説明動画を終了します。ご視聴いただき、誠にありがとうございました。