決算ハイライト:通期

佐藤海氏:株式会社Rebase代表取締役の佐藤海です。当社の2025年3月期通期決算説明をご視聴いただき、誠にありがとうございます。この時間を通じて、当社についてご認識とご理解をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

本編に先立ちまして、2025年3月期通期の決算ハイライトをご説明します。通期の売上高は前期比29パーセント増となり、各段階利益とともに修正後の業績予想を上回る着地となりました。

特に当期純利益においては、前期比59パーセント増と大きく上振れた着地となっています。この大幅な上振れには、事業の成長に加えて、株主構成の変化によって当社が留保金課税の対象外となったことも寄与しています。

具体的には、記念配当の実施を背景に当社の役職員による新株予約権の行使が進み、株主の総議決権数が増加した結果、私が支配株主に該当しなくなったことが留保金課税の対象外になったことにつながっています。

トピックス:オフィス移転について

先日発表したオフィス移転についてです。当社は内部留保を活用した戦略的投資の一環として、Rebase史上かつてないほどの飛躍を実現するためにオフィス移転を決定しました。詳細に関しては後ほどご説明します。

目次

本日は、2025年3月期通期業績、2026年3月期業績予想、当社の成長戦略の順でご説明します。なお、会社概要等についてはAppendixにスライドを追加しています。そちらをご参照ください。

レンタルスペース領域におけるシーズナリティ

当社の通期業績についてご説明します。業績予想に対する進捗状況の前に、まずは「インスタベース」のシーズナリティについて触れます。

レンタルスペース市場は成長市場であることに加え、10月から12月の第3四半期がレンタルスペースに対する認知とニーズが1年で最も高まる繁忙期となるため、上半期よりも下半期に売上が偏重する傾向があります。

四半期推移:売上高

四半期別売上高の推移です。2025年3月期第4四半期においては、前年同期比26パーセント増と堅調に業績を伸長させることができました。着実なスペースの利用数の増加が売上高の成長に寄与しています。

四半期推移:営業利益および営業利益率

四半期別営業利益と営業利益率の推移です。営業利益は前年同期比39パーセント増、営業利益率は21パーセントでの着地となっています。

重要指標の進捗(累計)

「インスタベース」における最重要指標は利用総額となっています。利用総額はスペースの利用数と予約の平均単価の掛け合わせで構成されています。そのため、いずれの指標も成長していれば、当然ながら利用総額は大きく成長します。この利用総額の成長のために、当社では特に利用数に重きを置いて取り組んでいます。

2025年3月期の結果は、利用数が前期比33パーセント増、利用総額は前期比31パーセント増となり、期初に定めたKPIの目標を達成するとともに過去最高の記録を更新することができました。また、掲載スペースは6,600件増加し、4万800件での着地となっています。

重要指標の成長推移:利用数

各指標について詳しくご説明します。まずは利用数です。第4四半期は39万1,000件のスペース利用があり、引き続き過去最高を更新しています。ビジネス利用の獲得に注力したことによって、前年同期比33パーセント増での着地となっています。

重要指標の成長推移:平均単価

平均単価です。すべての価格帯において利用数が増加しています。特に少人数でのビジネス利用が継続的に成長し、前年同期比での平均単価はおおむね横ばいとなっています。

重要指標の成長推移:利用総額

最重要指標である利用総額も、利用数の増加を背景にして堅調に成長できています。前年同期比29パーセント増で17億円を超え、期初に設定したKPI目標に対する達成率は107パーセントとなりました。

重要指標の成長推移:掲載スペース数

掲載スペース数については4万件を突破し、前期比19パーセント増の4万800件となりました。人数料金設定の機能を新たに作ったことにより、スペース数の成長が一時的に鈍化したものの、引き続き過去最高の掲載数を更新し続けています。

重要指標における成長率は順調に推移

通期の各KPIにおける実績を事業年度別にまとめています。2025年3月期においては、利用数および利用総額が過去最高を記録しました。順調に成長していることがご確認いただけると思います。

2025年3月期 通期 業績

各重要指標を成長させた結果、第4四半期会計期間の企業業績としては、売上高は前期比26パーセント増の5億1,000万円、販管費は前期比24パーセント増の3億8,300万円、営業利益は前期比39パーセント増の1億900万円となりました。

通期の業績については、売上高は前期比29パーセント増の19億2,600万円、販管費は前期比26パーセント増の13億7,700万円、営業利益は前期比45パーセント増の4億8,700万円となりました。

売上高と各段階利益は修正後の業績予想を上回る結果となり、特に当期純利益は主に留保金課税の対象外となったことによって、前期比59パーセント増、上方修正後の業績予想に対しては19パーセント増の着地となりました。

販管費の内訳(前年同期比較)

第4四半期における販管費の内訳比較です。主には、広告宣伝費と支払手数料が増加したことによって、販管費全体としては前年同期比で7,400万円の増加となっています。

販管費の内訳(通期比較)

こちらは通期における販管費の内訳比較です。主には、広告宣伝費と人件費等、支払手数料が増加したことによって、販管費全体としては前期比で2億7,900万円増加しています。

なお、広告宣伝費については、利用数を増加させながらも利益を確保できるラインで運用を行っています。支払手数料については、主には「インスタベース」の利用総額拡大に伴う決済手数料の増加によるものとなっています。

また、人件費等については、人員の増加と第1四半期より計上を開始した賞与引当金によって増加しています。

販管費の内訳(四半期推移)

四半期別の販管費の内訳とその推移です。第4四半期は前年同期比で24パーセント増となっています。

BSサマリ

BSサマリです。M&Aを含む投資活動により、前期末比で固定資産が増加しています。

2026年3月期 業績予想

2026年3月期業績予想についてご説明します。売上高は前期比20パーセント増の23億1,300万円、営業利益は前期比1パーセント増の4億9,000万円、営業利益率は20パーセントラインを上回る21パーセントとしています。

将来の成長を加速させるための戦略的な投資を実行しながらも、「インスタベース」の効率的な成長を継続することで、売上高20パーセント増、営業利益率20パーセント以上の水準を実現していきます。

2026年3月期 業績予想:営業利益の見込み

スライドは、営業利益の見込みを表したグラフです。冒頭にお伝えしたオフィス移転に伴い、現オフィスと新しいオフィスの両方の賃料が一時的に同時発生します。そのほか仲介手数料等を踏まえると、1億3,000万円の費用が発生する見込みとなっています。

これらの移転費用を吸収した上で、営業利益は4億9,000万円の増益を見込んでおり、仮に移転費用を除くと前期比27パーセント増と大幅な増益となります。

2026年3月期 各重要指標における目標

業績予想の達成に向けた、各主要KPIの目安となる数値を示しています。ビジネス利用やリピート利用をはじめとして、スペース利用を促進する各種施策を重点的に実施することで、利用数および利用総額の高い成長を実現していきます。

成長戦略において重要なオフィス

当社の成長戦略において、このたび発表したオフィス移転は非常に重要であると捉えています。事業拡大とともに人員数が増加する中で、単なる人数に比例した成長ではなく、生産性を最大化した成長を実現すべく、オフィス移転の検討を重ねてきました。

昨今のオフィス市場の動向を踏まえてさまざまな条件を考慮した結果、今このタイミングでの移転が最適であると考え、このたびの移転を決断するに至りました。

新たなオフィスでは、新しい仲間やパートナーが集い、より一層クリエイティビティを発揮できるように熱量と活気にあふれたオフィス環境を構築していきたいと考えています。移転によって組織力をさらに高め、「Get Together / 和をひろげる」というミッションを加速させることで、飛躍的な成長を目指していきます。

また、坪数が現状のオフィスの3倍になることで生じる一時的な余剰スペースを活用し、既存・新規事業の研究開発も実施していきたいと考えています。研究開発の成果を各事業に速やかに反映させ、効率的な事業成長を実現していきます。

インスタベースの成長戦略

「インスタベース」の成長戦略についてです。「インスタベース」のさらなる成長の実現に向けて、「集客力の強化」「UI/UXの最適化」「平均単価の向上」「掲載スペース数の最大化」の4つに注力していきます。

第4四半期トピックスサマリ

当社では、「インスタベース」の成長戦略に基づいた取り組みを実施しています。第4四半期は、特に集客力の強化とUI/UXの最適化に注力し、結果として利用数の拡大につなげることができました。

集客力の強化の観点では、アライアンスの強化や各種キャンペーン施策により、ユーザーとの接点を拡充する取り組みを行っています。UI/UXの最適化の観点では、新しい決済手段を導入し、予約体験の向上やサービス体系の向上に寄与する取り組みを行っています。

通期トピックスサマリ

こちらは、通期での取り組みにおいて、集客力の強化とUI/UXの最適化にフォーカスしたスライドとなっています。先ほどお伝えしたとおり、ユーザーとの接点の拡充と予約体験の向上を両軸で推進してきたほか、投資家のみなさまに当社の魅力を知っていただくための動画も作成しています。

通期トピックスサマリ

平均単価の向上と掲載スペース数の最大化にフォーカスした取り組みも行っています。2025年3月期においては、ジムやスタジオ、ゴルフ練習スペースなどの利用シーンを容易に想像できる「わかりやすいスペース」の掲載と、継続的に成長しているビジネス利用ニーズに応えられるスペースの掲載をそれぞれ推進してきました。

ビジネス関連施設との戦略的提携

ビジネス利用の獲得状況についてご説明します。当社では、コロナ禍を契機に、ワークボックスやコワーキング施設等のビジネス関連施設と戦略的に提携を進めてきました。

当初の想定どおり新型コロナウイルス収束後もビジネス需要は拡大し、スライドのグラフのように、今日の「インスタベース」の成長を牽引しています。

インスタベースで会議室不足を解決

外部の調査結果においても出社回帰する企業が増えてきている中で、オフィスの会議室不足が顕著になってきていることがわかります。また「インスタベース」では、1人用のワークボックスから大会議室まで幅広い会議スペースを数多く提供しており、会議室不足の解決に寄与できるサービスであると考えています。

ビジネス利用に便利な機能を拡充

さらにご注目いただきたいのは、法人アカウント機能です。法人アカウント機能とは、法人単位で予約から支払いまでの一括管理を可能とするサービスとなっています。

当社では、日々ビジネス利用の獲得に注力していく中で、さまざまなビジネスシーンで見えてきたニーズを柔軟にプロダクトへ反映してきました。その結果、足元では生命保険業界や、その他業界の企業にも法人アカウント機能を導入いただいています。

今後も引き続きユーザーのみなさまのご意見を取り入れながら、個人事業主から大手企業まで、規模にかかわらず便利にご利用いただけるサービスへと発展させ続けていきたいと考えています。

当社におけるM&Aの方針

当社の投資戦略についてご説明します。「インスタベース」とのシナジーを見込める企業を第一優先としています。また、事業領域の拡大を可能にする企業もスコープに入れて投資活動を行うことで、さらにその先にある新規領域への進出の可能性も高めていきます。

市場規模

市場規模についてご説明します。「インスタベース」が属するスペースシェア市場では、場所の需要と供給の両方の側面から、今後も飛躍的な成長が見込まれます。

第一に需要、つまり利用者のニーズにおいては、働き方や趣味の多様化によってレンタルスペースの利用ニーズがさまざまな用途で拡大しています。「インスタベース」は現代のライフスタイルの変化を捉え、利用者の多様なニーズに応えるかたちで成長を続けていきます。

第二に供給、つまり遊休スペースの増加についてです。少子高齢化や人口減少などを背景とした空き家問題、都市において変わらず供給され続ける新規オフィス、入居者が抜けた後の空室がなかなか埋まらない2次空室問題など、諸問題から想定される未来として、今までの賃貸借契約という商習慣だけでは空間の利活用が難しくなっていくと想定しています。

スペースのシェアという新しい場所のあり方は、今後はより一層その観点からも求められていくと考えています。

スライドの図は、各調査データをもとに当社にて推計した市場規模の変化です。2022年時点での「インスタベース」の市場シェアは2パーセント程度となっていますが、市場の拡大に貢献しながらも、成長軌道にある市場でシェアを着実に高めていくことで、当社の掲げるビジョン・ミッションの実現を目指していきたいと考えています。

決算説明動画および質疑応答について

当社の決算説明会の開催方針として、第1四半期と第3四半期は説明動画の録画配信、第2四半期と通期は今回のようにリアルタイムでのオンライン配信とします。いずれの決算説明会においても書き起こし記事は公開する予定です。

決算に関するご質問については、この後の質疑応答の時間もしくは本スライドに記載された当社IRサイトのお問い合わせフォームからご質問くださいますようお願いします。ご質問をいただき次第、順次回答させていただきます。

なお、これまでいただいている決算に関するFAQについては「QA Station」というサイトにまとめていますので、本スライド下部のリンク先をご参照ください。

以上で2025年3月期通期決算説明を終了します。ご清聴いただき誠にありがとうございました。

質疑応答:売上伸長の要因について

「売上を当初計画の前年比121パーセントに対して、約130パーセントに伸ばせた理由を教えてください」というご質問です。

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