2025年3月期 3Q
佐藤浩二氏(以下、佐藤):株式会社交換できるくん、取締役副社長コーポレート本部長の佐藤です。
本日は、2025年3月期第3四半期の業績、会社概要、住宅設備DX事業のご紹介、ソリューション事業のご紹介をした後、たくさんのご質問をいただいていますので、後半は簡単にポイントだけをご説明するかたちでご質問にお答えします。
連結業績の概要(損益計算書)
佐藤:2025年3月期第3四半期の業績についてです。連結売上高は76億3,000万円、前年同期比44.4パーセント増と、非常に順調な状況となっています。
営業利益は1億4,400万円と、第2四半期まではマイナスでしたが、前年の数値が視野に入るような水準になってきました。
セグメント業績概要
佐藤:セグメント業績の概要です。現在、当社は住設DX事業とソリューション事業の2つで構成されています。
住設DX事業です。「交換できるくん」のBtoC事業が中心となっていますが、売上高が68億1,100万円、前年同期比28.9パーセント増と非常に順調な状況です。営業利益は前年同期比で10.5パーセント減と、まだマイナスの状況ですが、2025年3月期第2四半期の前年同期比はマイナス80パーセント強でしたので、そこに比べるとかなり回復してきています。
ソリューション事業は、昨年M&Aした会社のため前年同期比はありませんが、第3四半期時点の売上高は9億800万円、営業利益は3,200万円となっています。
連結業績が好調な理由としては、両事業とも非常に順調な状況であるのと同時に、M&A効果が要因となっています。
セグメント業績(住設DX事業)
佐藤:「交換できるくん」のBtoC事業を中心とする住設DX事業です。売上高と売上総利益率の推移をご説明します。
第3四半期の四半期ベースの売上高は26億1,400万円、前年同期比33パーセント増と、四半期売上高として過去最高を大幅に更新している状況です。
ご存じのとおり、社会情勢的にもコスト高の状況にありますが、売上総利益率は前年と同水準を維持しています。
セグメント業績(住設DX事業)
佐藤:住設DX事業の営業利益の推移です。2025年3月期第3四半期の営業利益は1億5,100万円となっています。
これまで当社を見ていただいている方はご存知だと思いますが、ブランディング投資を継続しながらも営業利益を確保できています。これは売上が大幅に伸びたことにより、コストの比重が下がったことが要因だと思っています。
セグメント業績(住設DX事業)
佐藤:住設DX事業の販管費の推移です。第1四半期から見ていただくと、第3四半期は最も販管費が低い水準になっています。ブランディング投資となる広告宣伝費はほぼ同水準です。
第1四半期と第2四半期はM&Aの費用などが乗っていましたが、第3四半期はこの分を投下していないため、前四半期に比べると販管費が抑えられています。
セグメント業績(住設DX事業)
佐藤:住設DX事業の工事件数の推移です。第2四半期の決算説明資料の中で、工事件数は割愛しました。その理由についていろいろとご質問をお受けしたこともあり、今回からあらためて記載しています。
これまではBtoBの比率が低かったため、「交換できるくん」のBtoC工事件数に含んだかたちで表記していました。そのBtoB比率が高まったことで、過去の件数等の整合が取りにくくなってきたため、今回から分けて表記しています。
スライドにあるグラフの緑色がBtoC工事件数を示しており、第3四半期は1万4,778件で過去最高の工事件数を達成しています。
また、BtoB工事については第1四半期から記載しています。昨年まではBtoB工事の一部を含んでいましたが、第1四半期からは別出しにしたかたちです。
スライド左側枠内の注釈の2つ目にあるとおり、2025年3月期第1四半期決算説明資料では、第1四半期の工事件数を1万2,742件と表記していました。しかし、こちらのスライドグラフにある第1四半期のBtoC工事件数は1万1,867件、BtoB工事件数は1,566件で両方を足しても数字が合わないと思います。これはこれまではBtoC工事に「交換できるくん」の交換工事と同じように管理されているBtoBの工事だけが含まれておりました。今回から別だししているBtoB工事には、子会社のKDサービス社が独自に企業からいただいた案件を合わせて表記しているためです。
ですので、この第1四半期から第3四半期が正値のBtoC、BtoBの工事件数だとご理解いただければと思います。
また、オレンジの部分は第2四半期から急激に伸びていますが、これは昨年7月にM&Aしたハマノテクニカルワークス社がメーカー修理を請け負っている件数が追加されているためです。
第3四半期のBtoBについては、賃貸管理会社、分譲マンションの管理会社、ハウスメーカーなどとの提携によって当社に依頼いただいている工事件数と、ハマノテクニカルワークス社が展開していた修理事業の工事件数を追加して1万447件となっています。
工事件数は非常に順調に伸びており、施工体制も問題なくこの件数に対応できているため、ご安心いただければと思います。
セグメント業績(住設DX事業)
佐藤:住設DX事業の第4四半期の見通しです。こちらに関してもご質問が多いため、後ほど補足します。
第3四半期、特に12月までの受注は前年同期比で大きく伸びており、12月以降は若干伸びが鈍化しています。12月以降の冬場は季節商材の給湯器が伸びる時期ですが、12月、1月は多少暖冬の影響もあり、当社が見込んでいた数値よりも伸びていないという結果になっています。
2月以降に寒さが厳しくなれば多少伸びると予想できますし、それ以外の商材は非常に好調ですので、トイレや食洗機などの販売を強化しています。
セグメント業績(ソリューション事業)
佐藤:ソリューション事業です。売上高は9億800万円、営業利益は3,200万円となりました。
ソリューション事業は、当社の開発および従来から行ってきた外部のシステム開発サービスの2つで構成されていますが、まだ両サービスともに順調に推移しています。
連結業績の概要(貸借対照表)
佐藤:貸借対照表です。住設DX事業のシステム開発への投資を積極的に展開しており、それが反映されているため固定資産が増加しています。
資産、負債のその他増分は、売上拡大に伴う営業債権債務の増加によるものですので、特段大きな要因があるわけではありません。B/Sも順調です。
トピックス
佐藤:トピックスです。第三者割当増資と業績連動型ストックオプション発行を昨年末からリリースしています。
伊藤忠エネクスホームライフ株式会社との資本提携における第三者割当増資について、この期は後発事象というかたちになると思いますが、割当株数が10万株、調達額が3億1,500万円となっています。1月17日にクロージングしていますので、1月以降は資本金が増えています。
業績連動型有償ストックオプションについては、すでに確定しています。対象者の人数などはスライドのとおりです。
ポイントは業績条件です。2026年3月期から2028年3月期にスライド右下に記載の業績を達成すると、ストックオプションの権利が付与されます。業績条件については現段階で努力目標となりますが、このラインをベースに中期3ヶ年計画を考えていくことになると思います。
トピックス
佐藤:BtoB関連のトピックスです。野村不動産さんとの業務提携と、大手家電量販店の社長経験者である宮嶋氏の顧問招聘の2点になります。
野村不動産さんは、自社で販売した戸建て・マンションにお住まいの方に住宅保証サービスを展開しています。たくさんの戸建てやマンションをお売りになってきた結果、故障交換のニーズが増えてきているという事情があります。品質よく、お客さまに気持ちよく対応していくにはどのようにすればよいかを考えた結果、当社のサービスをご評価いただき、野村不動産さんの保証サービスの設備交換に当社をお使いいただくことが決まったため、今回提携を結んでいます。
宮嶋氏は、家電量販店にプロパー社員として入社されました。もともと秋葉原で販売する家電屋さんが主流だった時代から、大手家電量販店が規模を拡大して成長を遂げてきましたが、その期間を実務メンバー、社長として切り盛りされたというご経験があります。当社もこれから大きく成長していこうとしており、事業基盤の強化やいろいろな会社とアライアンスを組む上で、そのご経験やノウハウを活かせるのではないかと考え、今回顧問として来ていただきました。
今、BtoB事業は当社の成長戦略の柱の1つとなっており、毎回なんらかのかたちでご説明していますが、今回は整理してスライド右側にBtoB事業の成長シナリオをまとめています。不動産会社に限らず、野村不動産さんや伊藤忠エネクスホームライフさんをはじめとする社会インフラや住まい関連企業との業務提携、包括契約を進めています。
BtoBの営業は法人営業部隊が対応しますが、1件1件交換の案件を取るのは非常に効率が悪いため、大手企業との包括的な枠組みの中でBtoB事業を伸ばすという営業方針でこのような活動を行っています。その中で賃貸物件の設備交換や、分譲戸建てリフォームの小工事案件、住設メーカーの施工、修理などを請け負う業務でBtoBの成長を遂げようとしているのが今のステージです。
昨年、伊藤忠エネクスホームライフ社関連でリリースしていますが、住設交換マーケットにおいてDX化も進めていきたいと考え、「Replaform(リプラフォーム)」というプラットフォームを開発しています。BtoB向けにおいても住宅設備をインターネット上で販売できるプラットフォームを設けて、当社が提携している多くの会社に使っていただくことが狙いです。このマーケットが活性化されて成熟すれば、当社のBtoC事業においてもネット見積を使うお客さまが増えてくると考えてDXの活性化を進めています。
最終的には、当社はBtoC事業とBtoB事業で同じゴールを目指しています。住宅設備交換におけるリーディングカンパニー、住宅設備交換と言えば「交換できるくん」という代名詞になるようなポジションを確立したいと思っています。
グループ概要
佐藤:グループ概要です。M&Aなどについて再度ご説明します。
「交換できるくん」という会社には、2つの側面があります。1つは、住宅設備に関する情報提供を行うデジタルメディアと住宅設備のEC販売という位置づけです。
もう1つは施工の部分です。当社は販売するだけでなく、設置工事も提供し、ワンストップで提供することによって付加価値を出しています。
それを下支えするグループ会社としてKDサービスとアイピーエスがあります。KDサービスは、「交換できるくん」から分社化した、「交換できるくん」の施工を請け負う会社です。
アイピーエスは昨年M&Aしてグループ化したITの会社で、「交換できるくん」のシステム開発を担っています。
ただ、それぞれが会社として成長し、収益をきちんと上げていく必要性があります。先ほどからご説明しているBtoB事業は、KDサービスのもう1つの事業の柱として拡大するために展開しているものです。
一方、アイピーエスも当社の下支えだけでなく、そこで得たノウハウを外部企業に販売、提供するビジネスによって自走できるようにしたいと思っています。もともと開発サービスを提供しているため、ある程度外販事業を持っていますが、「交換できるくん」のノウハウをうまく活かすことで、さらに付加価値を高めて利益率を上げていけるのではないかと考えています。
「Replaform」という新規事業は、KDサービス、アイピーエスも含めてグループ一体となって取り組んでいます。
質疑応答:物価高の影響について
荒井沙織氏(以下、荒井):「最近の物価高について、マイナスの影響とプラスの影響があれば教えてください」というご質問です。
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