パワーソリューションズ 知ってほしい3つのこと
高橋忠郎氏(以下、高橋):株式会社パワーソリューションズ代表取締役社長の高橋です。本日はご参加いただき、ありがとうございます。多くの方に当社のことが認知され、数名でも株主になろうと思っていただける方が現れるよう、一生懸命ご説明します。
本日、当社についてみなさまに知ってもらいたいことは3つです。
1つ目は、当社は主に金融業界向けのITのラストワンマイル領域の業務コンサルティングやシステム受託開発などに強く、DX推進が得意分野のニッチトップ企業だということです。
2つ目は、金融業界のDX推進とM&Aで着実に成長中だということです。
3つ目は、RPA関連の成長の伸びも強く、金融以外の多業種展開も進行中ということです。
目次
高橋:本日の目次です。まずは当社の紹介として特長などをご説明した後、2024年12月期の連結決算概要についてお話しします。2024年度は中期経営計画の最終年度となっているため、その振り返りと、2025年12月期の通期連結業績見通し、株主還元についてもご説明します。
会社概要
高橋:当社はBtoB、つまり企業向けのIT企業です。設立から23年が経ち、現在のグループ全体の社員数は400名超となりました。2019年に上場してから6年、現在の代表取締役は高橋と藤田です。私は上場後の2021年に創業者である佐藤よりバトンを受け継ぎ、代表取締役社長に就任しました。
沿革
高橋:沿革です。BtoBのIT企業として、ITやDXのサービスの幅をシステム開発からアウトソーシング、RPA関連サービス、インフラ、業務コンサルティングと増やしながら、証券会社や資産運用会社、信託銀行、銀行、一般事業会社と顧客層を拡大してきました。2019年10月1日にマザーズ市場に上場し、現在はグロース市場に上場しています。
グループ会社、パートナーシップの状況
高橋:スライドに、当社のグループ会社やパートナーシップの状況を掲載しています。
グループ会社には、インフラエンジニアリングを主要サービスとする株式会社エグゼクション、RPA関連サービスを主要サービスとする株式会社OLDE、業務プロセス改革やシステム開発の内製化支援を主要サービスとする株式会社イノベーティブ・ソリューションズがあります。
また、オーストラリアで各種グローバルSaaS商材に強みを持つSazaeと資本業務提携を締結しています。
パートナーシップの状況としては、RPA分野でUiPath、コラボレーティブワークマネジメント分野でSmartsheet、ETLやiPaaSの分野でBoomiなどとパートナーシップ契約を結んでいます。
パワーソリューションズとは
高橋:パワーソリューションズを端的に表すと、「ラストワンマイル領域のDX化を推進するIT企業」です。ラストワンマイルとは、顧客企業が導入している業界スタンダードな汎用パッケージやコアシステムの間にできる、スキマ領域の業務のことです。
スキマ業務は往々にして自動化ができておらず、非効率になっていることが多いため、顧客のお困り領域です。当社はこのラストワンマイル領域のDXを伴走支援しています。
事業内容
高橋:当社の事業内容です。BtoBのIT企業として、お客さまのDXを支援する事業を4つのサービスで提供しています。DX推進・DXコンサルティングおよびアウトソーシングは、パワーソリューションズが取り組んでいる事業です。
DX推進・DXコンサルティングが最も規模が大きく、堅調な成長を維持しています。新規の連結子会社となったイノベーティブ・ソリューションズも、こちらの事業です。一方、アウトソーシングは、人材をDX人材へとシフトさせているところもあるため、縮小傾向にある分野です。
その他は子会社の事業です。インフラエンジニアリングはエグゼクションのビジネスで、こちらも堅調に推移しています。RPA関連サービスはOLDEのビジネスで、全体の構成比はそこまで大きくありませんが、非常に高い成長率を実現しています。
売上高推移
高橋:スライドのグラフは、創業時からの売上高の推移を示しています。当社は創業時から継続的な成長を実現しており、売上高は創業時より安定して成長しています。前年度比で売上高が減少したのは過去2回のみです。第8期がリーマン・ショックによる影響で、第19期が新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるものとなります。
2019年の上場以降、M&Aも活用し着実に業績を積み上げ、事業領域を拡大
高橋:スライドに、上場以降の成長を表した図を掲載しています。上場後はM&Aやアライアンスも活用し、DX推進のためのサービスの幅を拡大中です。
2021年にはエグゼクションがグループジョインし、インフラエンジニアリングサービスの提供を開始しました。
2023年にはオーストラリアのSazaeと資本業務提携を行い、DX推進におけるSaaSのノウハウを補完しています。RPA関連サービスは、グループジョインしたミニコンデジタルワークに元パワーソリューションズのRPA事業を合流させ、カーブアウトしてOLDEとすることでサービスを強化しました。
2024年には、イノベーティブ・ソリューションズがグループジョインし、コンサルティング機能を強化しています。
関本圭吾氏(以下、関本):企業規模に対してグループ会社がたくさんあるという印象を受けます。どのような考えでグループの数を増やしているのかを教えてください。
高橋:BtoBのIT会社として、もともとはアプリケーション開発に強みを持っていましたが、サービスの幅を拡大するために、エグゼクションを最初に子会社化しました。これにより「AWS」や「Microsoft Azure」が使えるようになり、アプリケーションとインフラを一体で提供できるようになりました。
また、現在UiPathとパートナーシップ契約を締結していますが、横串を刺せるSaaSをグループ内できちんと拡充していこうということで、Sazaeと業務提携を行いました。イノベーティブ・ソリューションズは「GeneXus」という製品の開発支援を行っていますので、新しいSaaSの取り扱いを増やすことを企図し、M&Aを実行しています。
関本:プロダクトを増やしていくイメージですか?
高橋:おっしゃるとおりです。人を増やす目的と、サービスの幅を広げるためにプロダクトを増やす目的で、小さいながらもM&Aを継続して取り組んでいる状況です。
関本:エグゼクションはクラウド基盤の構築を行っていますが、イノベーティブ・ソリューションズはどのような貢献があったのか、またどのような位置づけになるのかを教えてください。
高橋:冒頭にもお伝えしたとおり、当社は金融業界に強いイメージがあります。しかし、イノベーティブ・ソリューションズがグループジョインしたことによる変化として、イノベーティブ・ソリューションズは物流や製造業に強いため、ビジネスポートフォリオが金融に偏らないようになりました。
また、先ほどお伝えした「GeneXus」によるローコード開発は、まさに当社がこれからも力を入れていきたいところです。そこで、当社の社員を派遣し、ノウハウを獲得して、グループ全体でビジネスの規模を拡大していくことを進めています。
関本:そのような考えの下、今後もM&Aに取り組んでいきますか?
高橋:大型のM&Aではありませんが、中小企業の人材を獲得したりサービスの幅を広げたりするために、継続して定期的に行っていこうと考えています。
成長に向けた両利き経営を実践
高橋:当社のポジショニング、および成長戦略についてです。スライドの図の右上に記載しているとおり、金融・資産運用業界に特化したDX推進・DXコンサルティングで、得意分野を進行していきます。同時に、スライド左下に記載しているとおり、業界を問わずDXに必要な技術・ノウハウを提供するという「両利き経営」を実践しています。
スライド右上の「深化」のターゲットは、金融・資産運用業界のスタンダードのアプリケーションでは解決できないラストワンマイル領域です。当社はその領域を埋める役割を果たすことで、強固な顧客基盤の確立と安定した成長を実現しています。
左下の「探索」は、DXに必要な技術やノウハウを探索し、幅広い産業分野のDXニーズに応えることが目的です。こちらでは、先ほどお伝えしたM&Aも活用しています。
深化では「貯蓄から資産形成」の追い風、探索では業界を問わないDXテーマである「業務自動化」の追い風という2つの追い風を受けていると認識しています。
参考:金融・資産運用業界の取引実績
高橋:特にNISA改革で脚光を浴びている、金融・資産運用業界での具体的な取引実績です。ロゴの掲載許可をいただいた企業のみ掲載しています。
関本:金融業界の中でも資産運用会社を主要なクライアントとしている背景を教えてください。私自身、もともと運用会社にいたため気になっています。
高橋:創業から23年の歴史がありますが、創業社長である佐藤は、もともと大手SIerに勤めていました。そちらでは、資産運用分野に対するサービス、具体的にはデファクトとなっている投資信託の基準価格を計算するシステムに関連するサービスを手がけていました。
スピンアウトして当社を創業した時に、最初の顧客としてターゲットにしたのが資産運用会社だったため、創業時から継続的に取引があります。
関本:その後は、お客さまや知見を活かせるところを開拓していったということですね。
高橋:おっしゃるとおりです。
関本:主要な企業はありますか?
高橋:売上高の上位グループとしては、野村アセットマネジメントをはじめとする野村ホールディングスや、三井住友信託銀行や三井住友トラスト・アセットマネジメントなどの三井住友トラストグループが、2大主要顧客グループとご認識いただければと思います。
関本:大手グループが揃っているのですね。
高橋:おっしゃるとおりです。
パートナーシップの推進:UiPath社のプラチナティア
高橋:先ほどは深化のところで金融・資産運用分野についてお話ししましたが、ここからは探索に関連する内容についてご説明します。
業界を問わないDXに必要な技術やノウハウの1つに、RPAがあります。当社グループはRPA市場を牽引するUiPathのプラチナティアに位置づけられています。UiPathはグローバル企業ですが、日本市場に力を入れており、国内RPA市場のシェアトップの会社です。
UiPathのプラチナティアのアドバンテージを活かし、金融・資産運用分野だけではなく、業界を問わず幅広い業種に対して着実にライセンス数を増加させています。
2023年度は、UiPathのグローバル表彰において「Industry Solutions Partner of the Year賞」を受賞しました。2023年度の受賞では、日本法人で唯一の受賞です。2024年4月には、「UiPath Japan Partner Awards 2023」でグローバルと同様の賞を受賞しています。
関本:私はけっこういろいろ見ているつもりですが、UiPathのパートナーであることを出している企業は珍しいと思います。UiPathはグローバル企業でトップティアですが、国内RPA市場においてはどのようなプレーヤーで、何を行っているのでしょうか?
高橋:先ほどからお話ししているラストワンマイルは、既存システムに足りないスキマ業務を指しています。例えば金融機関であれば、いろいろなシステムが乱立して導入されています。そこに対するデータの入力や転記が手作業で行われているところを、UiPathのプロダクトを使うと、ソフトウェアロボットで自動化できます。
2016年から2018年くらいは、ラストワンマイルに現れた新しいイノベーションがRPAでした。最初からRPAという横串を刺せるSaaSプロダクトには非常に興味を持っており、そこからお付き合いが始まりました。そして、当社のサービスが金融機関以外にも使われていき、現在プラチナティアで継続してビジネスを行っている状況です。
関本:アプリケーションがそれぞれ相互に動くところをつないでいるということでしょうか?
高橋:おっしゃるとおりです。違う会社から提供されているシステム同士をつなぐ時に、誰が行うのかといった話になりますが、そちらを埋めるポジショニングをとっているのが当社のような会社です。相互に足りない部分についてはRPAを活用して埋めています。
パートナーシップの推進
高橋:先ほどお話ししたUiPathに加え、当社はDX推進に有用なグローバルSaaS企業とのパートナー契約をマルチで締結していくことを進めています。スライドに記載しているとおり、現時点ではSmartsheetおよびBoomiとパートナーシップ契約を結んでおり、今後も当社ビジネスに有用な武器となるIT商材を取り入れていきたいと考えています。
ミッション / ビジョン
高橋:当社のミッションとビジョンをご紹介します。ミッションは「あらゆるラストワンマイルに、ITで立ち向かう」です。ユーザー目線で見ると「あと一歩足りない」という領域を、丁寧に埋めていきます。「ラストワンマイル」という言葉は当社の事業を象徴する言葉のため、ぜひ覚えていただければと思います。
当社が目指す未来は、一歩足りない領域を埋めることにより、「誰もが新たな一歩を、踏み出せる社会」です。ラストワンマイル領域は非効率になっていることが多く、ITを活用した最適解を提供することができれば、人はもっと創造的な仕事に挑戦できると考えています。「人間の力をもっと、創造すること」に使うため、私たちは力を尽くしていきます。
大手ITベンダーとの違い
高橋:当社の特長について、大手ITベンダーとの違いという観点でご説明します。スライド左側に掲載している図をご覧ください。企業A、企業B、企業Cは、それぞれIT課題を抱えています。続いて中央の図をご覧ください。大手ITベンダーは、各社に共通する課題(最大公約数)を解決するコアシステムを作って提供しています。
右側の図が当社の領域です。当社は個々のニーズが存在する領域をラストワンマイル領域と呼び、課題解決を行っています。
大手ITベンダーとの違い
高橋:スライド左側のグラフは、先ほどの企業Aが抱える課題について、エンドユーザー、つまり実際にITシステムを利用する方までの領域を表現したものです。
企業Aは、さまざまなコアシステムでITの課題を解決しようとします。しかし、解決できるのは青色で塗りつぶされた領域であり、どうしても赤枠部分が隙間として残ります。この隙間こそが、ニーズが満たされていない部分です。
さらに、この領域は実際にシステムを現場で利用するユーザーに近いところにあります。現場の最前線の特長は、常に変化が求められることや、相互に連携したい多くのデータを抱えていることが挙げられます。
そのため、隙間があると多くの弊害が出ます。当社のソリューションはこの隙間に横串を通して埋めるものです。先ほどからご説明している「UiPath」「Boomi」「Smartsheet」といったグローバルSaaSは、横串を通すソリューションとして当社が選定し、ビジネスに活用しています。
大手ITベンダーとの違い
高橋:あらめて大手ITベンダーとの違いを簡単に整理すると、まずビジネス領域が違います。大手ITベンダーが各社の共通領域をビジネス領域とするのに対し、当社は各社の現場業務の最前線をビジネス領域としています。
また、顧客から求められている価値も異なると考えています。大手ITベンダーが求められる価値は、堅牢性です。セキュアで安心・確実、24時間365日止まらないシステムの提供が求められています。一方、当社に求められる価値は、スピードや利便性といった機動性や柔軟性です。
したがって、プロジェクト規模・期間にも違いがあります。大手ITベンダーは大規模で複数年かかるプロジェクトが多く、当社は中小規模で、期間も数ヶ月から1年です。そのため、当社の特長の1つは、プロジェクトの完遂経験数と裁量を持つマネージャによる現場での意思決定の早さだと考えています。
高いプライム案件比率
高橋:その他の特長としては、高いプライム案件比率が挙げられます。一般的に、システムインテグレーション業界はゼネコン構造と似ています。一部の大手システム会社が顧客から非常に大きなシステム開発を請け負い、下請け業者を率いてシステムを完成させる役割を担っています。スライドの図のとおり、ピラミッド構造になっているということです。
人材育成
高橋:当社グループの企業価値の源泉は人であると考えており、人材育成にも力を入れています。人材育成を支える仕組みとして、2023年1月からグループの社内大学「Next Mile University」を開校しています。
今後の人員規模拡大をサポートするために、階層別研修による優秀なマネージャの育成や、顧客業務についての体系的な学びの機会の提供、さらに新技術リサーチにより得た知見を提供し、IT人材からDX人材への育成を行っています。
関本:「Next Mile University」はとてもおもしろい取り組みだと思います。従業員の教育・育成を行っていく中でどのような効果があったか、採用・育成・離職についてどのように考えているかを教えてください。
高橋:「Next Mile University」は、本当の大学のようにシラバスを作り、毎年100時間くらいの教育コンテンツを提供しています。しかし、普通の大学と違うのは、提供されてイチから順に受けていくわけではないことです。
基本的にはお客さまに価値を届けることがミッションのため、現場で仕事をする中で足りないラストワンマイルを見つけ、そちらに合う講義を選ぶことで、反転学習のように学んでいきます。
また、「自分の知見を共有したい」といった思いを強く持っているメンバーが非常に多いです。社内の有識者がプロジェクトで得た知見を講師として提供することで、教えることが新たな学びになることもあります。学びと教えることの両輪で対応しています。
関本:育成においてもラストワンマイルということですか?
高橋:そのような点を意識して、次の挑戦に一歩踏み出すための大学であることから「Next Mile University」と名づけています。
関本:社員教育などの取り組みは、他にどのようなものがありますか?
高橋:他には、新技術リサーチによって得た知見や、他のグループが使っているプロダクトの内容をきちんと還元し、IT人材からDX人材に変わるための研修を行っています。このようなことでリスキリングが行われ、新しいソリューションを使った提案ができるようにつなげています。
SaaS活用DXのオウンドメディア開設
高橋:「Next Mile University」について補足しますと、産学連携で千葉大学とも協働しています。千葉大学では「Next Mile University」の一部を学生や社会人向けに提供しています。
その活動の一環で、オウンドメディアによる情報発信も行っており、現在、千葉大学と共同でDXデザイン研究室を開設して、DX人材の育成やエンジニア人材の確保、採用強化に取り組んでいます。スライドに掲載しているQRコードからぜひご覧ください。
2024年12月期 連結決算ハイライト
高橋:2024年12月期の連結決算についてご説明します。まずは連結決算のハイライトです。前年同期比で売上高、営業利益は2桁成長を実現しました。なお、経常利益、純利益が前年同期比で減少している理由は、前期にVCファンドから多額のリターンが生じていたためです。
このように、事業としては順調に成長したものの、2024年2月14日に公表した業績予想を下回る結果となりました。
その要因としては、2024年にイノベーティブ・ソリューションズを連結したことにより販管費が増加して、営業利益が伸び悩んだことが挙げられます。また、計画していたVCファンドからのリターンの延期や評価損の計上が生じたため、経常利益が減少しました。
P/Lサマリー
高橋:P/Lサマリーです。経常利益や純利益は、前年度にVCファンドの多額の投資運用益が発生した影響で、前年同期比で減少となりました。その影響を除いた経常利益は、前年同期比8.4パーセント増と堅調に成長しています。
売上高 サービス別増加要因
高橋:売上高のサービス別増加要因です。当社の主要注力ビジネスであるDX推進・DXコンサルティングは、着実に成長しています。RPA関連サービスは成長性が高く、これら2つの事業が当社の売上を牽引しています。
中期経営計画(2022年~2024年) 業績の推移
高橋:2024年度は中期経営計画の最終年度のため、中期経営計画の結果をご説明します。まず、中期経営計画の3年間における業績の推移についてです。
売上高は中期経営計画数値をすべての年度において上回り、数値目標として掲げたCAGRを上回って着地しました。経常利益は最終年度の利益額が未達となりましたが、3年間の合計では計画を上回る利益を上げています。
中期経営計画(2022年~2024年) 数値目標の振り返り
高橋:その他の目標数値も含めて評価したものがスライドの表です。先ほどお伝えしたとおり、売上高は各種数値を上回って着地しました。経常利益は最終年度で未達となりましたが、3年間の合計では計画数値を達成しています。ROEと総人員数はともに目標値を上回り、中期経営計画の目標値は達成したと考えています。
中期経営計画(2022年~2024年) 事業別売上高推移
高橋:スライドのグラフは、売上高の事業別の計画値と実績値を示しています。DX推進・DXコンサルティングの着実な成長およびRPA関連サービスの高い成長により、全体として計画値を達成しています。
関本:RPA関連サービスが非常に上振れた印象ですが、需要が大変強かったのでしょうか?
高橋:RPA関連サービスは、業務自動化の追い風を受けて非常に引き合いが多いです。リーディングカンパニーであるUiPathのシェアも伸びているため、他のプロダクトからの置き換えも含め、需要が旺盛でした。
UiPathの新しいプロダクトとして、AI‐OCRやプロセスマイニングのソフトウェアもあるため、そのようなところの影響も出て、引き合いが多くなっている状況です。
中期経営計画(2022年~2024年) 取り組みと成果
高橋:中期経営計画の基本方針は3つありました。「人的資本への投資強化」については、人材獲得として元SEの主婦の採用や未経験人材など、眠れる人材へアプローチしながら、人員増を行いました。また、社内大学や産学連携などを通じて、人材育成の基盤固めができたと考えています。
「マネジメント強化」については、本部制によるビジネス推進で、主要な既存顧客の継続受注を拡大しました。
「R&D投資」については、M&Aやアライアンスを活用し、取り扱えるグローバルSaaS数を増やすことができたと考えています。いわゆる兵站(へいたん)が整備されたと総括できると思います。
2025年12月期 通期連結業績見通し
高橋:2025年12月期の通期連結業績見通しです。2025年度も引き続きDX推進・DXコンサルティングおよびRPA関連サービスを中心に、売上高と営業利益は着実に成長する見込みです。経常利益は2桁成長を見込んでいます。2025年度を含むこの先の見通しについては、今後発表する中期経営計画にてあらためて公表する予定です。
関本:売上高と営業利益は2024年度の2桁成長に対し、2025年度は1桁成長というところが気になります。どのように考えたらよいでしょうか?
高橋:「中規模から小規模で定期的にM&Aを行う」とお話ししましたが、そこは良縁あってのことです。M&Aによる成長は度外視して見通しを作成したのが1つの要因だと考えています。
関本:あくまでオーガニックをベースにしているということですね。M&Aを1社見込んだとしても規模感もわからないですからね。
高橋:そうですね。何月にM&Aを実施するかによっても売上高のずれがあります。
関本:何ヶ月間貢献するのかもありますね。また、今回の中期経営計画が2024年12月で終わっていますが、新しい計画はいつ頃出るのでしょうか?
高橋:社内で計画値を作っていますので、きちんとご説明できるように、2月末あるいは3月頭くらいに公表したいと考えています。
関本:楽しみにしています。
株主還元
高橋:株主還元についてです。当社は2024年4月に株主還元方針の変更に関するお知らせを公表しました。従来は事業拡大のために内部留保を重視する方針でしたが、中期経営計画に掲げたとおり、株主に応援される企業を目指すために、株主還元方針を変更しています。
2024年度は、新たな株主還元方針に基づき、株式の流動性向上などを目的として株式分割を実施しました。また、創業以来初となる中間配当を実施し、期末配当も実施予定です。
なお、2025年度も継続して配当予定であり、年間配当は1株当たり3円増配の25円を予定しています。今後も株主のみなさまから応援されるような会社であるように努めていきます。
関本:配当が出てくるとうれしいと思いますが、今後の見通しとして、安定的に見るのか、少しずつ増配していくのかを教えてください。
高橋:具体的な数字は差し控えますが、基本的な考え方としては、安定して継続的な増配を目指すことを1つの方針としています。
パワーソリューションズ 知ってほしい3つのこと
高橋:最後に、知ってほしいことのおさらいです。1つ目は、当社はラストワンマイル領域のDX推進が得意分野であることです。M&Aやアライアンスでサービスの幅を拡大中です。
2つ目は、NISA改革で脚光を浴びる金融・資産運用分野で、DX推進を伴走支援するニッチトップ企業として、安定して成長中だということです。
3つ目は、オーダーメイド開発だけでなく、マルチSaaSを組み合わせたローコードなソリューション提案で、幅広い産業分野の業務DXを進行中ということです。
以上で会社説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:独自の技術や特長について
飯村美樹氏(以下、飯村):「DX関連事業は類似の競合が多数あるため、その違いや特長などがわかりづらいです。他社にはない御社独自の技術や特長などについて、詳しく教えてください」というご質問です。
既に会員登録がお済みの方はログインして下さい。