目次

清水亘氏:ユミルリンク株式会社の代表取締役社長の清水です。当社の決算についてご説明します。資料の構成はスライドのとおりです。

メッセージングソリューション事業

事業概要について、簡単にご説明します。当社グループでは、法人のマーケティングコミュニケーション活動を支援するメッセージングソリューションサービスを提供しています。

Cuenoteシリーズ

「Cuenote」というブランドのもと、主にクラウドサービスとして提供しています。メール系のサービスが2種類、SMS系のサービスが2種類、このたびリリースしたWebプッシュ通知サービス、アンケートサービスや安否確認サービスなどがあります。

当社収益構造とSaaSの特長

当社の収益構造とSaaSの特長です。1点目は収益構造です。スライド左側の円グラフが示すとおり、当社の収益の95パーセントはサービス利用料で成り立っています。

2点目はSaaSの特長です。スライド中央の棒グラフが示すとおり、SaaSは継続性の高いストック型収益ビジネスモデルです。お客さまの継続率の向上、つまり解約率の低減によって、より高い成長を期待できます。

3点目は当社サービスの解約率です。スライド右側の折れ線グラフが示すとおり、月平均0.41パーセントと、非常に低い解約率を維持できています。

Cuenoteの活用例

スライドのとおり、日常生活のさまざまなシーンで「Cuenote」のサービスをご活用いただいています。

Cuenoteの顧客

スライドは、当社サービスをご利用いただいているお客さまの一例です。2024年12月末現在の有効契約数は2,500契約を超えています。

連結決算への移行

2024年通期決算についてご報告します。当社は昨年9月に株式会社ROCを子会社化しました。そのため2024年第4四半期から連結決算に移行しています。

なお2024年12月期においては主に資産・負債の連結であり、売上と損益の連結は2025年度からとなっています。

業績サマリー : 売上・利益ともに最高額を更新

業績サマリーです。売上高は前期比15.3パーセント増収の26億6,900万円、営業利益は7.6パーセント増益の6億3,700万円と、いずれも過去最高の計上額となりました。

各サービス別の指標です。Mailサービスの売上は前期比13.3パーセント増収の22億5,700万円、期末MRRは1億8,900万円となりました。SMSサービスの売上は前期比32.6パーセント増収の3億5,000万円、期末MRRは3,000万円となりました。

アンケートサービスの「Survey」やその他サービスの売上は、前期比5.3パーセント増収の6,100万円となりました。

サービス実績値

サービスの実績値です。SaaSの指標であるARR(年間経常収益)は27億1,000万円、解約率は月平均0.41パーセント、スライド中央下段のNRR(売上維持率)はMail、SMSともに100パーセントを超える結果となりました。

通期売上高推移(計上種別)

通期の売上高推移グラフです。売上の収益型によって分類しています。青いグラフで示したストック型収益の積み上がりにより、10期連続の増収を遂げました。

通期売上高推移(サービス別)

サービス別の売上高推移グラフです。すべてのサービス区分で、前期比で増収となっており、Mailサービスの底上げが大きく影響しています。Mailサービスは2003年のサービス開始以降、連続で増収を遂げています。

通期営業利益推移

営業利益の推移です。増収を背景に、営業利益や各段階利益も最高額の計上となり、営業利益としては6期連続の増益となりました。

主要サービスハイライト Mail

Mailサービスのハイライトです。当期は、銀行やクレジットカード企業、運輸系の団体、チケットサービスなどで、エンタープライズプランを採用いただきました。

昨年上半期6月をめどに、Gmailのポリシー変更があり、それに伴う特需がありました。ポリシー変更後は特需はいったん落ち着きを見せていますが、メール送信技術やメールへの知見など、これまで以上に高い専門性が求められることから、当社のような専門事業者への需要が高まっている状況です。

導入事例として、CCCMKホールディングス株式会社、株式会社埼玉りそな銀行の事例を公開しています。また、株式会社三菱UFJ銀行へのサービス導入のプレスリリースをしています。

Mail 期末MRR / 通期ストック売上

Mailサービスのストック売上指標です。スライド左側のグラフのとおり、期末MRRは一昨年末から比べて11.3パーセント増加の1億8,900万円となりました。MRRが堅調に積み上がっていることに伴い、スライド右側のグラフのとおり、年間のストック売上は前期から12.8パーセント増加の21億8,200万円になりました。

スライドは年度単位のグラフになっていますが、四半期ごとの発表では毎回、四半期単位の推移グラフを示しています。Appendixに収録していますので、ご機会がありましたらご覧ください。

Mail 平均利用額 / 月次解約率

Mailサービスの平均利用額と解約率です。スライド左側は平均利用額で、エンタープライズ向けプランの新規受注が好調であったことが起因し、前期より6.2パーセント伸長しています。スライド右側のグラフは解約率です。月平均0.41パーセントと低い水準を保っています。

主要サービスハイライト SMS・Auth

SMSサービスのハイライトです。SMSは新規利用者の増加に合わせ、共済事業者、人材紹介業などの配信が増加しました。前年同期比では32.6パーセントの増加となりました。導入事例として、イワイ物流株式会社の「配送時間の見える化」による電話サポート業務の削減事例など、いくつかを公開しています。

SMS・Auth 期末MRR/通期ストック売上

SMSサービスのストック売上指標です。スライド左側のグラフに示したとおり、MRRは前期末から22.2パーセント増加の3,000万円となりました。スライド右側のグラフに示したとおり、通期のストック売上は32.6パーセント増収の3億5,000万円となりました。

SMS 平均利用額 / 月次解約率

SMSサービスの平均利用額と月次解約率です。スライド左側の平均利用額は、小規模配信顧客が多数ご契約いただいたことに伴い、前期比では12.8パーセントの減少となっています。スライド右側のグラフに示した解約率は、月平均0.31パーセントと低い水準を維持しています。

損益計算書

損益計算書です。売上高は前期比15.3パーセント増収の26億6,900万円です。これに対し、売上原価は前期比20.3パーセント増加の8億7,200万円となりました。売上原価の増加は、主にSMSの売上変動費ならびに人件費のうち労務費の増加によるものです。

結果として、売上総利益は前期から13パーセント増加の17億9,600万円、販管費は主に人件費の増加により前期比16.2パーセント増加の11億5,800万円となりました。

営業利益は前期比7.6パーセント増益の6億3,700万円、経常利益も同率同額の6億3,700万円、当期純利益は前期比14.7パーセント増益の4億6,900万円となりました。当期純利益の伸長率が高いのは、賃上げ促進税制による税額の減少が要因となっています。

営業利益増減要因

営業利益の前期比での増減要因です。増益要因は、主にMailサービスとSMSサービスの増収です。減益要因は、人件費ならびにデータセンター費用、M&Aに関連する費用の計上が主なものとなっています。

人件費の増加要因は、主に増員と昨年2024年の1月から取り組んだ待遇改善、上期における特需を背景とした時間外労働の増加です。データセンター費用については、SMSサービスの売上増加に伴う売上変動費の増加が主な要因となっています。

当社のコスト構造(主な営業費用と原価、販管比の推移)

当社のコスト構造です。スライド左側のグラフは、売上高、営業費用、営業利益を年単位で表しています。当社の営業費用は人件費が過半数を占めており、続いてサーバ・DC・仕入費用、家賃光熱費、減価償却費となります。いずれも、比較的見通しが立てやすい費用です。

中央のグラフは、売上原価と原価率の推移です。SMSサービスにおいて売上変動費が生じていますが、原価率はおおむね横ばいでコントロールできています。

右側のグラフは、販管費と販管比率です。販管比率は主に増収効果が大きく、年々低下傾向にあります。

従業員数(連結)

従業員数です。2024年末は連結で152名と、前期から27名の増員となりました。単体は133名で、前期から8名の増員です。

貸借対照表

貸借対照表です。2024年12月期の資産合計は、当座資産4億5,800万円の増加など、前期より6億5,400万円増加の34億3,500万円となりました。負債合計は、買掛金、未払費用、未払税、前受金等の増加と長期借入金5,000万円の増加により、前期から1億8,100万円増加の5億8,800万円となりました。結果、純資産合計は前期末より4億7,200万円増加の28億4,600万円となりました。

2024年度 トピックス

当期のトピックスです。当社は成長戦略の一環として、メッセージングチャネルの拡充とプラットフォーム構想を掲げています。

このたび、チャネル拡充の一環として、ブラウザにプッシュ通知する「Cuenote Push」というサービスをリリースしました。ユーザー、消費者の承諾を得ることで、スマートフォン等にメッセージを通知でき、即時性の高いサイト誘導等が行えます。

SMSサービスにおいては、利便性の向上やエコシステムの一環として、Salesforce, Inc.の「Service Cloud」「Sales Cloud」との連携、サイボウズ株式会社の「kintone」と連携するサービスをそれぞれリリースしています。

2024年度 トピックス

当期の主な導入事例です。

2024年度 トピックス

その他情報公開関連のトピックスをご紹介します。株式会社ROCを子会社化しました。株式会社ROCは、SNSを使ったマーケティング支援を手がける会社です。当社の成長戦略と合致すること、当社と株式会社ROCの顧客層が近いことから、相乗効果を生み出せると判断し、子会社化しました。

統合報告書2024の公開についてです。当社への理解を深めていただくことや企業価値向上を目的として、統合報告書を作成していますので、ぜひご覧ください。

配当方針の変更と、期末配当における記念配当の実施についてです。おかげさまで、当社の業績は好調に推移しています。このたび、成長投資と内部留保、株主のみなさまへの利益還元、それぞれが継続して実現可能だと判断して、配当方針を変更しました。

また、2024年は創業25周年ならびに初の子会社保有の年となりました。これらを記念して、記念配当の実施を決定しています。

2025年12月期 連結業績予想

2025年12月期の業績予想です。2025年12月期は、売上高が前期比18.2パーセント増加の31億5,600万円、営業利益は9.8パーセント増加の7億円、当期純利益は2.3パーセント増加の4億8,000万円を見込んでいます。

2025年12月期 主要サービスの指標

主要サービスの指標です。Mailサービスは、通期ストック売上が前期比10パーセント増収による24億円を見込んでいます。SMSサービスは、通期ストック売上が前期比19.4パーセント増加の4億1,800万円を見込んでいます。

メッセージングチャネルの拡充とプラットフォーム化により持続的な成長を遂げる

成長戦略です。メッセージングチャネルの拡充とプラットフォーム化による持続的な成長を計画しています。

メッセージングプラットフォームの役割

背景としては、企業と消費者のコミュニケーション手段が多様化している点です。

メッセージングプラットフォームの役割

これらを効率よく統合管理できるようなプラットフォームを提供することで、法人のマーケティング・コミュニケーション活動の高度化に寄与したいと考えています。

メッセージングプラットフォーム概念図

スライドは、プラットフォーム化の機能を図式化したものです。青く塗りつぶしている箇所は、当社がサービスや機能としてすでに有しています。白抜きの箇所を今後開発、実装ないしはM&Aによって補っていきます。

成長イメージ

成長イメージです。ここ2ヶ年で、収益軸であるMail・SMS市場でのシェアを拡大させます。それと同時に、人材とソフトウェア開発への投資、マーケティング活動の強化ならびに資本業務提携の推進によって、成長速度を高めていきたいと考えています。

当社が属する市場と関連市場

現在、当社が属する市場です。主要サービスであるメール送信市場は約208億円、SMS送信サービス市場は283億円、合わせて500億円弱の市場です。その中で、当社の売上はまだ26億円ほどで、約5パーセントのシェアです。この市場でシェアを拡大していく余地が大きいと考えています。

また、プラットフォーム化により、新たな顧客接点/CX市場等が見込めると考えています。その市場規模は3,700億円以上と、大きく広がりを見せると考えています。

株主還元方針

株主還元方針についてです。成長投資と内部留保、株主のみなさまへの継続的な利益還元が実現可能と判断しており、配当性向15パーセントを定めました。2025年度は、期末に普通配当19円を見込んでいます。