AGENDA
金大仲氏(以下、金):株式会社グローバル・リンク・マネジメント代表取締役の金大仲です。2024年12月期決算および2025年12月期の業績の見通しについて、ご報告します。どうぞよろしくお願いします。
本日はこちらのアジェンダに沿ってご説明します。まずは、2024年12月期の決算ハイライトおよび今期の見通しサマリーについてです。
グループ理念及びカンパニー理念
当社グループの企業理念体系です。
グループミッション「投資により未来価値を創出する」。人と事業に積極的に投資し、未来の価値を創出していきます。
グループビジョン「世界をリードするサステナブルな企業グループへ」。
そして、グループバリューは3つ「No.1・挑戦・共創」です。
グループカルチャーは4つです。当社グループが継承・醸成したい文化として「Respect・Speed・Open・Clean」としています。
グループ理念のもと、持続可能な企業成長をすべく経営に取り組んでいきます。
グループ方針 GLM1000 世界をリードするサステナブルな企業グループへ
グループ理念の実現を目指し、2040年に向けて、グループ方針「GLM1000」を策定しました。「1000」は経常利益1,000億という目標額を指しています。
当社は、上場した2017年から2024年にかけて、年平均成長率25パーセントを維持しています。中長期的にも、年平均成長率25パーセントを利益ベースでしっかりと継続し、持続的な企業価値の向上を実現したいと考えています。
2024年12月期 決算ハイライト
2024年12月期の決算ハイライトです。2024年12月期は、通期計画および中期経営計画を達成しました。また、売上高、経常利益ともに過去最高を更新しています。
10期連続の増収、4期連続の増益、そして3期連続の増配に加え、財務面の改善も進み、自己資本比率は31.8パーセント、ROEは33.3パーセント、配当性向は30.5パーセントとなっています。
また、2040年の経常利益1,000億円を目標とした長期方針「GLM1000」と、2027年の経常利益100億円を目標とした中期経営計画「GLM100」を開示しています。
2024年12月期は、売上高644億8,200万円、前年比56.3パーセント増でした。経常利益は51億3,800万円、前年比20.6パーセント増となりました。
不動産事業においては、開発事業が決算時期のスライドにより若干計画を下回りましたが、再生事業が計画どおりの販売を実施し、土地企画事業が追加1件の販売を実施した結果、通期計画どおりの売上・利益の着地となっています。
DX事業においては、先行投資の結果、2億円程度の赤字で着地しましたが、順調に引き合いを獲得しており、2025年12月期は単体黒字化を見込んでいます。
2025年12月期 見通しサマリー
2025年12月期の見通しです。「GLM100」の1年目として、過去最高の売上・利益をKGIに設定しています。売上高720億円、売上総利益114億円、経常利益60億円と計画しています。
株主還元については、1対2の株式分割と20周年記念優待の実施を発表しました。1株当たりの配当金は72.5円となり、分割前の換算額では、前期から15円増配の145円となります。また、今期より累進配当とする方針を決定しています。
財務方針に関しても、自己資本比率30パーセント以上、ROE25パーセント以上、配当性向30パーセントを計画しています。
開発事業においては、レジデンスに加え、ホテルや商業テナントビルの開発を始める計画で、今期新築レジデンスの販売目標1,100に対し、すでに1,118戸の仕入を完了しており、649戸の販売に関する売買契約が締結済みです。
今期は、土地企画事業と再生事業の割合が高まることにより、売上総利益率および経常利益率が改善する見通しです。土地企画事業は前期と同水準の18件、再生事業は前期比プラス3件の7棟の販売を計画しています。
業績推移
次に、2024年12月の決算状況についてご説明します。まずは、業績推移です。決算ハイライトでご説明したとおり、売上高、経常利益は順調に増加しました。
収益構造
こちらのスライドには収益構造を記載しています。2024年12月期は、固定費の40.5パーセントをストックの粗利によってカバーしています。長期的には、ストック粗利から固定費をカバーしたいと考えています。
このストックフローによる収益構造の改善は、当社のマテリアリティにも設定しています。業績拡大によるフロー収益の増強とストック収益の比率向上により、安定した経営を実現するために、最適な収益構造を目指します。
費用構造・四半期推移
費用構造についてです。例年どおり賞与が発生したことにより、第4四半期の人件費が増加しました。2025年12月期第1四半期に向けては、例年どおりの水準に戻る想定ですが、引き続き一定の採用を実施しているため、過去との比較では増加傾向になる見通しです。
また、再生事業におけるオフィスビルの販売増加に伴い、販売促進費が増加しています。こちらは、今期も再生事業の売上計上に応じて増加する見通しです。
2025年中期経営計画「GLM100」財務目標(2027年12月期KGI)
次に、2025年中期経営計画「GLM100」のサマリーと成長戦略についてご説明します。
こちらのスライドは「GLM100」のKGIです。2027年12月期において、売上高1,000億円、売上総利益170億円、経常利益100億円をKGIとして設定しています。開発・土地企画・再生事業の収益内訳も明確に開示し、KGIの達成を目指していきます。
2025年中期経営計画「GLM100」財務目標(2027年12月期KPI)
「GLM100」のKPIです。先ほどのKGIを達成するために、事業ごとにKPIを設定しています。財務関連については、安全性、効率性および株主還元を設定しました。人的資本関連については、1人当たりの生産性とそれに伴う社員還元を重視して設定しています。
2025年中期経営計画「GLM100」売上総利益の目標
「GLM100」における売上総利益の目標です。
不動産事業領域においては、開発事業を基盤に、土地企画事業と再生事業を成長ドライバーとすることで、売上総利益額の拡大と売上総利益率の改善を図り、「GLM100」で25パーセントを超える利益成長を実現したいと考えています。
DX事業領域においては「GLM100」には数値的には織り込んでいませんが、不動産事業領域全体の生産性向上に大きく貢献する計画を考えています。
2025年中期経営計画「GLM100」PL及び主要指標
「GLM100」のPLです。土地企画事業と再生事業の成長が加速することで、利益率を向上させていくことがポイントです。
2025年中期経営計画「GLM100」-成長戦略ハイライト
「GLM100」の成長戦略です。この3年間で4つの成長戦略を推進します。
1点目は「投資家のニーズ起点のビジネスモデル構築」。2点目は「アセットタイプと収益モデルの拡充」。3点目は「DXの活用拡大」。4点目は「人的資本経営の体制構築と推進」です。
以下、それぞれの成長戦略について、詳細をご説明します。
GLM100 成長戦略01-投資家のニーズ起点のビジネスモデル構築 日本不動産への投資予算
成長戦略1点目の「投資家のニーズ起点のビジネスモデル構築」です。2022年中期経営計画の施策である1棟バルク販売により関係を築いた販売先投資家に対して、今後3年間の投資計画に関するヒアリングを実施しました。
回答いただいた12社の日本不動産への今後の投資予算は、3年間で3兆3,000億円であるということがわかりました。
それに対し、当社の「GLM100」での供給計画は3年間で2,500億円です。販売先投資家のニーズにはまだ応えきれていない状況であるということがわかり、「GLM1000」の達成に向けた余地は大きいと考えています。
GLM100 成長戦略01-投資家のニーズ起点のビジネスモデル構築 投資家とのリレーション強化
ヒアリングではアセットタイプやエリア、組成金額等も併せて回答いただいており、今後は投資家との共同プロジェクト等も模索しながら、投資家のニーズに一層応えられるよう、アセットタイプの拡充と事業規模の拡大を図っていきます。
さらに、投資家のニーズにお応えする過程で、より強固なリレーションを築くことで、投資家のニーズを起点としたビジネスモデルの構築を目指していきたいと考えています。
それらと並行して、販売先となる、より多くの投資家さまからニーズを回収することで、販売先投資家の基盤も拡大・強化していきたいと考えています。
GLM100 成長戦略02-アセットタイプと収益モデルの拡充 開発事業
成長戦略2点目の「アセットタイプと収益モデルの拡充」です。まずは、開発事業についてご説明します。
開発事業では、前中期経営計画の3つの戦略であるオフバランス開発・1棟バルク販売・ESG型不動産を基本としつつ、ホテルや商業テナントビルなど、新たなアセットの拡大を図っていきます。また、AP-AIの活用により、企画・開発の効率化に取り組みます。
GLM100 成長戦略02-アセットタイプと収益モデルの拡充 開発事業 アセットタイプのラインナップ
自社ブランド「ARTESSIMO」(アルテシモ)シリーズに加え、都心型ホテル「THE RESITEL」(ザ・レジテル)、商業テナントビル「Frame」(フレーム)など、投資家のニーズに合わせて新たなアセットタイプを拡充していきます。
GLM100 成長戦略02-アセットタイプと収益モデルの拡充 開発事業 仕入・販売状況
開発事業のパイプラインの仕入および販売状況です。今後はこちらにさまざまなアセットを追加していきます。
このスライドは四半期ごとに更新しており、今期販売を予定している新築レジデンスのパイプラインにおいては、11棟649戸・計画の約6割がすでに販売に関する売買契約を締結済です。
GLM100 成長戦略02-アセットタイプと収益モデルの拡充 土地企画事業
続いて、土地企画事業です。土地企画事業は2つの事業モデルから成ります。1つは、複数の地権者と権利調整を行った後に販売するモデルです。もう1つは、当社で土地を仕入れ、建築確認を取った後に販売するモデルがあります。
この土地企画事業も仕入担当者を増やすとともに、AP-AIの活用により相続関連の需要へのアプローチを効率化し、仕入の拡大を図ります。
GLM100 成長戦略02-アセットタイプと収益モデルの拡充 土地企画事業における状況
2024年12月期の土地企画の実績をスライドに記載しています。土地企画19件を15社に販売しました。販売先は主に不動産デベロッパーや不動産のファンドとなります。土地企画は相続が絡むケースが多いため、相続データをもとに効率的に営業し、事業の効率化を図ります。
GLM100 成長戦略02-アセットタイプと収益モデルの拡充 土地企画事業 事例
土地企画事業にて、実際に取り組んだ事例です。
相続を起点に、3地権者の権利関係をまとめましたが、土地の真ん中には新築の戸建ての所有者が存在しました。土地の交換により、最終的に3つの土地の価値の最大化を図ることができたといった事案になります。
このような相続をきっかけとした売却は、今後、日本全国でますます増えていくと想定されています。
GLM100 成長戦略02-アセットタイプと収益モデルの拡充 再生事業
続いて、再生事業についてご説明します。再生事業は潜在価値を秘めた物件を仕入れた後、当社でバリューアップを施し、適正価格で再販するという事業モデルになっています。仕入担当者を増やすとともに、こちらもAP-AIによるデータを活用し、仕入や販売の効率化を図っていきます。
GLM100 成長戦略02-アセットタイプと収益モデルの拡充 再生事業 進行中プロジェクト一覧
再生事業の進行中のプロジェクト一覧です。今後も四半期ごとに更新する予定です。今期は10棟の仕入と7棟の販売を計画しています。
GLM100 成長戦略03-DXの活用拡大 不動産事業領域×DX事業領域のシナジー
成長戦略3点目の「DXの活用拡大」です。不動産×DXにより事業を効率化し、生産性を上げていきます。不動産に関するさまざまなデータを活用し、開発・再生・土地企画の3つの不動産事業の営業を効率化し、事業成長を加速させていきます。
また、投資家のニーズを集めることにより、AP-AIが学習し、最適なアセットプログラムを構築できるシステムを目指します。
GLM100 成長戦略04-人的資本経営の体制構築と推進
成長戦略4点目の「人的資本経営の体制構築と推進」です。「GLM100」に向けて、評価制度やインセンティブ設計を見直しました。社員の生産性向上・エンゲージメントの向上・還元をKPIに設定しています。
公平公正な人事評価制度の運営や、全社員に対してのインセンティブ制度の設計等、さまざまな施策を行い、人材投資により企業価値を高めていく方針です。
現在、離職率も業界平均より低く、定着率およびエンゲージメント率は非常に高い状態です。1人当たりの売上・利益を向上させることにより、結果、社員平均給与の業界ランキングNo.1を目指していきたいと考えています。
2025年12月期 業績予想
最後に、今期の見通しについてご説明します。こちらのスライドは今期の業績予想です。
2024年12月期と比較し、売上高は644億円から720億円、売上総利益は97億円から114億円、経常利益は51億円から60億円へと成長を見込んでいます。
2025年12月期 見通しサマリー(再掲)
今期の見通しサマリーです。こちらのスライドについては冒頭でご説明しました。
開発事業・土地企画事業・再生事業の契約・決済状況について
次に、各事業の契約・決済状況と四半期の業績見通しについてご説明します。こちらのスライドは、開発事業・土地企画事業・再生事業の契約・決済状況です。
開発事業においては、通期で1,118戸の販売を計画しており、すでに649戸の販売に関する売買契約を締結済みです。
土地企画事業においては、18件の販売を予定しており、現時点では1件の販売に関する売買契約を締結済みです。
再生事業においては、7棟の販売と10棟の仕入を予定しており、現時点では1棟の仕入に関する売買契約を締結済みです。
売上計上される「決済予定時期」に表しているとおり、2024年12月期に比べ、今期は四半期での業績がおおむね平準化されるという計画になっています。
2025年12月期 四半期業績見通し
四半期の業績見通しです。前期の課題であった四半期ごとの業績の平準化に向け、販売計画を戦略的に策定しています。
スライド記載のグラフにてグレーで示しているとおり、今期は売上および利益が四半期で安定した推移を示す想定になっています。
外部環境の影響 為替・建築コスト
外部環境の影響です。1つ目は為替の影響、2つ目は資材高騰および建築コストの影響です。
まず為替の影響について、2024年11月に日銀の追加利上げによる観測から一時150円割れまで円高が進みましたが、現在は155円近辺で推移しています。海外投資家からの需要は依然高く、為替変動に対する大きな懸念は現在ありません。今後の動向は、引き続き注視していきたいと考えています。
資材高騰および建築コストの影響に関しては、外部環境を背景に2021年から上昇していた資材価格が、現在も引き続き高騰を継続しています。加えて、2024年問題による人手不足を背景に、建築費だけではなく人件費も上昇しています。
価格転嫁の動向や建築のタイミング次第で利益率に影響を及ぼす見込みではありますが、一部では建築コストの上昇を受けて建築を遅らせる動きがあるため、今後は新築レジデンスの供給戸数がタイトになるにつれ、需要に対して当社のプレゼンスが上昇するといったポジティブな側面もあります。
外部環境の影響 金利動向について
金利動向についてです。2025年1月、日銀の金融政策決定会合において、政策金利が0.5パーセント程度に引き上がることが発表されました。
また、月6兆円の国債購入については、2025年度末まで減額計画が策定され、2026年1月から3月につき3兆円程度にまで半減させる見通しとされています。
長期金利は現在1パーセント程度で推移しています。
これらが市場に与える影響について、金利上昇は不動産価格に対してネガティブな側面がある一方で、その背景の1つであるインフレは不動産価格にポジティブな影響もあるため、全体としては中立的な印象です。
現状、不動産市況や機関投資家は一定の利上げをすでに織り込んだ印象で、引き続き金利動向を注視しています。日本の金利は諸外国に比べるといまだ低いため、投資対象としての不動産の魅力は依然として健在であるという認識です。
当社における短期から中期的な方針としては、環境認証や1棟バルク販売などを通して差別化・高付加価値化を図り、投資家にとっての魅力を最大化していきたいと考えています。
長期的な対応としては、ストック収益を積み上げることにより、固定費をカバーできる体制を目指し、景気変動等、外部環境の変化に対応可能なビジネスモデルの構築に取り組む方針です。
今期の業績については、直近の状況を踏まえた計画になっていますが、引き続き状況を注視し、必要に応じて計画を見直していきたいと考えています。
2月14日発表のコーポレートアクションについて
今回の決算開示と同時に決議したコーポレートアクションについてご説明します。まず、株式分割と20周年記念優待の実施を発表しました。
株式分割は1株につき2株の割合で実施し、2025年3月31日を基準日として、2025年の4月1日より効力が発生します。
また、当社は今期で創業20年を迎えます。お客さまをはじめ、株主のみなさまやすべてのステークホルダーのみなさまへの感謝の気持ちを込め、このたび20周年記念の株主優待を実施します。基準日は2025年6月末日と12月末日で、分割前の株数は括弧内に記載しています。
株主還元
株主還元についてです。2025年12月期の配当金予想は72.5円です。株式分割前の換算額では145円となり、実質的には、2024年12月期の配当金から15円の増配予想になります。
当社では、2017年の上場以来、配当金の減配をしていません。今後も減配は考えておらず、従来掲げている配当性向30パーセントに加え、新たに累進配当を基本方針としました。
長期方針「GLM1000」、そして中期経営計画である「GLM100」を着実に達成し、企業成長とともに総合的な株主還元を実現していきたいと考えています。
流通株式時価総額に関する認識
流通株式時価総額についてです。当社はプライム市場を選択していますが、現状、流通株式時価総額が上場維持基準に達していません。今期の業績をしっかりと達成し、IR活動の充実などさまざまな活動に注力することにより、今期末にはプライム市場の上場維持基準をしっかりと達成していきたいと考えています。
そして、グループ方針である「GLM1000」の達成に向け、持続的に利益成長し、企業価値を高め、株主のみなさまへの還元を実現します。
質疑応答:業績の平準化の要因について
司会者:「2024年12月期は、業績が第4四半期偏重でしたが、2025年の計画を見ると、以前、課題だとおっしゃっていた平準化ができる見通しに見えます。そのように計画できた要因を教えてください」というご質問です。
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