株式会社インターメスティックについて

会社概要
社名:株式会社インターメスティック
設立:1993年5月20日
事業内容
1.眼鏡レンズ、眼鏡フレーム、サングラスの製造販売及び輸出入
2.眼鏡・コンタクトレンズのケース、クリーナーその他の眼鏡・コンタクトレンズ付属品の製造販売及び輸出入
3.メガネブランド「Zoff」を運営

主要ブランド「Zoff」の概要
2001年に東京・下北沢に1号店をオープンして以来、国内外で300店舗以上を展開するメガネブランド。企画から製造、販売までを一貫して行うSPA方式を業界に先駆けて導入し、品質を維持しながらメガネの適正価格化を実現している。累計870万本の売上を誇る「Zoff SMART」など、機能性とデザインに優れたメガネやサングラスを常時1,600本以上取り揃えている。

質疑応答:テクノロジーに関する考え方

司会者:では、これより質疑応答に移ります。

質問者:2点あります。4年ほど前にQDレーザ(6613)さんとロービジョン向けの眼鏡を作られていたと思いますが、ああいったテクノロジーに関する考え方と、今後どんなことができればいい、みたいなものがもしあれば。

上野博史氏(以下、上野):そうですね。将来目指す道として、独自の価値のある商品で、独自の顧客を作って、独自の種を作り出していくという企業ブランディングをしっかりとしていきたいなと思います。

お客さま目線から見ると、たぶん価格の安い眼鏡ブランドで、ほかとも一緒だよという感覚が非常に強いと思いますが、我々は今後しっかりとした独自商品を作っていく。シナジーのある企業さんとの取り組みは積極的に考えていきたいと思っています。

質問者:ありがとうございます。もう1点、素朴な疑問で恐縮ですが、EC店の売上と店舗での売上の中で今後、カニバリ(カニバリゼーション)が起きることはあるのでしょうか。

上野:ECで買われる方は、必ず既存の店舗にて、また眼鏡の度数を入れたり、サングラスにしたりするので、新規顧客、既存の新規顧客としてECを今伸ばしている最中です。

質問者:ありがとうございます。

質疑応答:日本におけるサングラスの需要について

質問者:サングラス市場についてです。日本人は欧米人と比べると、目の色素に違いがあります。そのため、欧米の人ほどUVの需要はないのかなと感じてしまうのですが、そのあたりはどう評価されていますか。

上野:欧米では主にアイケアの観点から、サングラスをかける傾向があります。日本は比較的、一般的なものはフローラ象徴のような感覚で捉えられていて、積極的にかける方はいない傾向があったのですが、コロナ禍でカラーの薄いサングラスの伸び率が非常に上がったんですね。

今、我々が売っているのも、俗に言う、サングラスと言われている色の濃いものではなく、薄いものの売上が比重に高いです。さらには、調光レンズという、室内では眼鏡、屋外で紫外線に当たると色が変わってサングラスになるというレンズの売上も非常に高いので、既存の眼鏡の観点だけではなく、そういったファッション性の高いものも含めて新たな価値を創造しているのではないかなと思います。

質問者:では、ファッション性というところでもっと展開されていく予定があるんですね。

上野:そうですね。薄くてもUVカットされているというのが我々の強みで、実は透明レンズでも紫外線カットされているものがたくさんあるので、そのあたりの認知もぜひ上げていきたいなと思っています。

質疑応答:日本におけるサングラスの普及について

質問者:サングラスについて、まだ日本は後進国だと思っています。先進国にしていく上で、今後日本の社会がどういうふうになっていってほしいか、サングラスとどういうふうに付き合っていってほしいか、そういったことへの思いをお聞かせいただけますでしょうか。

上野:海外の暑い国、例えばオーストラリアでは法律になるぐらい、非常にサングラスが必需品となっています。

公共機関や第1産業など、紫外線にすごく影響を与えられるところもあるので、その管理されてる方が積極的にサングラスを受け入れて、もっと寛容になっていくべきではないかなと思っています。

薄いサングラスでもしっかりとUVカットされています。色が濃いものだけがサングラスではないので、ぜひ積極的に子どもの頃からサングラスをかけるカルチャーを一緒に作っていければと思っています。

質疑応答:初値の受け止めについて

質問者:上場されて初値は2038円で付けました。公開価格比で25パーセント高いところでつきましたが、今回の初値に対しての受け止めと、2007年のヘラクレス上場から17年ぶりに再申請されて上場を果たされたことについてご見解をうかがえたらと思っています。

上野:2007年当初は、ファンドが入っていて、その中でのファンドのエグジットという意味で上場を進めていたという経緯があります。直前になり、あまり良い業績ではなかったので、その点で断念せざるを得なかったという背景があります。

今回に関しては、やはり先ほどお話しした社会環境の変化、さらにはこの眼鏡市場は6,000億円ぐらいあったんですね。もともと2001年には6,000億円ぐらいありましたが、今は5,000、5,500億円ぐらいの規模になっています。

創業した2001年当初、我々は「メガネをもっとTシャツのようにかけかえる社会」が作れるものだと思っていたのですが、実際蓋を開けてみると、もちろん我々の低価格市場は伸びてはいるものの、「お客さまが頻繁にTシャツのように毎日メガネをかけかえるような社会」が作れているかというとそうではなかったんですね。

なくした、壊した、ぼやけた、これが眼鏡を買うだいたいの理由で、そこの点も含めて我々がもっと市場に対して訴求力上げて、プライベートカンパニーではなく、しっかりと上場して、みなさんにこういうPRをするという意味を込めて、今回上場を1つの手段としてやっていこうとなりました。

価格については、もちろんこれは市場が判断するものなので、決して我々が判断できるものではないと思っています。ただ、25パーセント高く評価いただいたことに関しては、本当にありがたく思っています。

質疑応答:店舗数拡大における具体的な施策

質問者:2024年7月時点で国内には303店舗、海外ではシンガポールと香港で展開をされていて、今後は国内で500店舗、海外ではシンガポールと香港以外の東南アジア諸国にも展開されていきたいというお話をうかがいました。実際、今後の目標を達成するにあたっての、現時点で達成に向けた具体的な方法を教えてください。

あとは、スパンも30年なのか10年なのかでだいぶイメージが変わってくるとは思うのですが、どういったスパンで出店されるイメージ感なのか、そのあたりでお話しいただけるものがあればお願いします。

上野:出店に対してはご縁のようなものもあるので、なかなか確約ができるものではないのですが、最低年間で15店舗の出店を心がけていきたいなと思っています。

海外に関して申しますと、実は眼鏡市場は世界のGDPと紐づいており、例えば順番としてアメリカ、中国、ドイツ、日本みたいな順序で市場が出来上がっています。

香港市場に関しては、もうNo.1の市場を獲得しているのですが、日本の市場と比べると約7パーセントしかございません。シンガポールも3パーセントぐらいしかございません。

やはりまず日本の市場にしっかりと力を入れて、先ほどもお話ししたとおり、まず独自の価値ある商品でしっかりと独自の顧客が作れる状況を作って、さらに外に展開をしていきたいなというのが今の考えです。

スパン的には、もちろん海外も考えてはいますが、まず日本の市場をどれだけグロースさせることができるかということに、今視点を向けている次第です。

質疑応答:国内における出店について

質問者:国内500店舗について、伸長期どのぐらい、先にそこまで行ければいいとお考えでしょうか。また、日本市場での市場の基盤を固めるというところで、国内眼鏡市場No.1、サングラスでNo.1とのお話がありましたが、他にも基盤確立の指標があれば、おうかがいしたいと思います。

上野:実は我々は地方であまり知名度がないんですね。おかげさまで、全体の半数ぐらいが関東圏中心に展開していますが、地方に関しては知名度がないので、人の集め方もさらに非常に難しくなってきています。

その中で、この上場期にやはり潤沢な人を集められる企業にしていくというのが、我々の考え方の1つとしてあります。

それと、やはり地方の出店に関しては、タイミングと縁がございますので、その中でサングラスを起点とした、単純に眼鏡屋さんだけのイメージではなく、サングラスを起点としたいろいろな層を含めた展開ができれば、比較的スムーズに出店がいくのではないかなと思っています。

ここもタイミングなので、最低15店舗ぐらいの展開を考えていきたいなと思っています。

質疑応答:業の基盤を確立するための指標

上野:それと、ごめんなさい、もう1点はなんでしたっけ?

質問者:企業の基盤を確立するための指標ですね。

上野:先ほどお話ししたサングラス市場が1つと、実はみなさんのお手元にある「Galileo(ガリレオ)」という商品ですね。これはラバー製なんですね。金属を一切使用しないラバー製です。

これを作るのに3年かかりました。経緯ですが、視力の弱いお子さんは、小さな頃から行動を制限されるというお話があります。「眼鏡をかけて激しい運動ができない」というお話をうかがいました。

我々のコンセプトは、「もっと自由に、楽しく、気軽に、メガネをTシャツのように毎日着替える社会をつくること」です。なので、やはり、今までの眼鏡とは違う眼鏡を作っていかなきゃいけないと思っています。

今、市場が革靴からスニーカーになってきています。今までのように、メタルやプラスチックだと、やはり壊れることがございますので、我々はこういったものを作って、しっかりと世の中に訴求させていきたい。これでまた、新たな市場を作っていけるのではないかなと思っています。これは、小さな頃から活発な運動ができる眼鏡です。

また、日本は自然災害が非常に多い国です。その中では、プラスの1本が絶対に必要だと思うので、そのあたりに関しても市場を伸ばしていけるんじゃないかなと思っています。

質疑応答:地方出店の課題をクリアするための対策

質問者:次の出店が、駅ビル、FCということでした。大概の商業施設には他社も入っていると思います。一番難しいのは地方への出店だと思いますが、ここをクリアしていく、出店を増やすための対策はどんなことをお考えですか?

上野:今、デベロッパーさんから言われているのが、アパレルの調子が、やはりちょっとよくないんですね。その穴埋めとして、眼鏡業界を入れていくという話がすごくあります。

なので、今までは、1つの館(やかた)に対して、1店舗、2店舗という体制が主だったのですが、今後は3店舗、4店舗というのが一般的になってくると言われています。そういった点で言いますと、我々にはまだまだ可能性があるのかなと思っています。

質疑応答:株主還元策について

質問者:株主優待を含めた株主還元策についてうかがえますか?

上野:もちろん業績予想をクリアして、配当予定ではあります。そのあたりは積極的に考えていきたいと思います。今の段階では、ちょっと明言することはできません。すみません。

質問者:わかりました。もう1点ですが、FTAモデルということで、かなり古くからということですが、サプライチェーンのメンテナンスや今後については、どのようにお考えでしょうか?

上野:今、主に我々は中国と韓国で製造しています。今後は、今の円安の状況も含めて、国内市場についても国内生産することを視野に入れているので、そこあたりを含めて、しっかりとした供給ができる体制を中長期的にもしっかり考えていきたいなと思っています。

質疑応答:競合他社との差別化ポイント

質問者:やはり株式市場では、価格面やSCへ出店している点でJINS(3046)さんと比較されることが、すごく多いと思います。あと、サングラス市場に成長性を感じている点など、けっこう共通点も多いと思います。

その上で、JINSさんとの差別化のポイントになる点と、今後、成長戦略を進めていく中で、競合していくにあたって意識されることなど、もしありましたらお願いします。

上野:この上場を機に、知名度を上げて、しっかりとした人材を獲得していきたいなと思っています。やはり、この業界は、なかなか人の採れない業種です。今回を機に、新たな改革を常にもたらすことができる人材の雇用を積極的に考えて、採用活動を進めてまいりたいなと思います。

また、今の商品も含めた、市場に対して独自価値のあるもの、独自価値のあるサービスでしっかりとした独自の顧客を作って、独自の市場を作り上げていくというスタンスは、これから積極的に作ってまいります。

マーケティング投資も、商品に対する開発の投資も含めて、積極的にやってまいりますので、そのあたりでは必ず差別化ができてくると思っています。

質問者:ありがとうございます。

司会者:ありがとうございます。それでは、以上をもちまして、記者会見を終了いたします。追加でご質問がありましたら、Zoffの広報、もしくは経営企画室まで、ご質問をお願いいたします。本日はお忙しいところ、みなさまお集まりいただきまして、ありがとうございました。

一同:ありがとうございました。