2025年3月期第2四半期 業績サマリー(連結)
武野貞久氏:こんにちは。代表取締役社長の武野です。これから、2025年3月期中間期の決算報告を始めます。
まずは、2025年3月期第2四半期の決算概要です。売上高はソリューションサービスの増加、および昨年取得したリーボ社の連結子会社化により、前年同期比26.1パーセントの増加となりました。
営業利益は、売上高の増加および粗利率の改善により、前年同期比116.9パーセントの増加です。スライドをご覧いただくとわかるとおり、売上高、経常利益、営業利益、中間純利益ともに増加となりました。
昨年はかなり厳しい中間期を迎えたため、昨年と比べるとある程度は巡航速度並みの成績となっています。
2025年3月期第2四半期 サマリー
各会社のサマリーです。スライド左側に2025年3月期の計画、右側に中間期の実績を掲載しています。
まず、プロパティデータバンクです。売上高は13億5,400万円と、5割弱の進捗となりました。昨年度から継続的に取り組んでいる大型案件の積み上げに加え、今年度は「原点継承」ということで、大型プロジェクト以外の小型・中型プロジェクトに対しても注力していこうという活動を行っています。その成果も実り、売上高はこのような数字となりました。
続いて、プロパティデータテクノスです。売上高の目標は3億円です。こちらは、買収時点より印刷事業からデジタル事業、BPO事業に事業を転換していこうというプロジェクトを進めています。ますます衰退していく印刷事業に対し、デジタル事業をさらに増やしていくかたちで進めているところです。
売上高は中間期で1億2,600万円となりました。当然ですが、印刷事業がどんどん下がっていく中において、デジタル化のところが伸びています。ここを想定以上に伸ばしていこうと活動しています。
さらに、最近バージョンアップした「@knowledge」という文書管理ソリューションのサービスでは、プロパティデータテクノスを通じて、デジタル化したデータをお客さまが管理するサーバーに収めるのではなく、弊社グループが管理するクラウド型のデジタルデータストレージに収めて活用していただく大型プロジェクトも進んでいます。このあたりを合わせて、予定どおりにしっかりと取り組んでいこうと考えています。
次に、プロパティデータサイエンスです。スライドに記載の数字をご覧いただくとわかるとおり、かなり苦戦しています。当初は売上高3億円の着地を計画していましたが、現状では1,100万円となっています。
大きな要因の1つは、「@commerce」という主力サービスのローンチがかなり遅れたことです。本来は昨年夏頃に稼働を始めて、昨年度中に半期程度営業することを想定していましたが、実際のローンチは今年の2月、3月となりましたので、半年ほど遅れています。
それを挽回すべく、体制を立て直しながら営業活動を行っています。かなり大きな規模のお客さまからもお話をいただくようになり、引き合いの件数も増えていますが、まだ成約に至っていないところがあり、このような厳しい数字となっています。
最後に、それ以外の新規サービスへの取り組みです。こちらには、先ほどご紹介したリーボ社の売上も入っています。全体で3億5,000万円ほどの事業と見ていますが、現状では中間期で7,700万円となっています。
リーボ社はどちらかというとオンプレミス型で、お客さまのところにシステムを納めるという事業形態でした。しかし、PDBグループになり、我々の「@property」「@commerce」といった他のサービスと連携するようなサービスをいくつか開発しています。
実際に、プロパティデータバンクがメインでお付き合いしているお客さまのエンドユーザーが使うアプリケーション部分を、リーボ社が受注し、開発などを行っています。今、ここの部分を伸ばしていこうと取り組んでおり、このような結果となりました。
2025年3月期第2四半期 業績ハイライト(前期比)
今お話しした数字について、前年同期比の割合を掲載しています。売上高はスライドのとおり、お話しした内容と大して変わりません。
大きなところとしては、プロパティデータバンクのクラウドサービスは、申し込み後、利用料をお支払いいただくとすぐに使い始められるため、中間期で目標の半分程度まで達成できるイメージです。
ソリューションは期末に売上が上がる傾向にあるため、この段階ではまだ目標値の半分以下の数字になっていると思います。請負型のビジネスではそのような傾向にあることが、数字にも表れています。
プロパティデータテクノスも同様です。プロパティデータテクノスも作業を請けるかたちのビジネスモデルであるため、期末に向けて伸びてくる売上構成になっています。
そのような中、前期と比べて、どの会社も成長していることがスライドから読み取れると思います。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益も確実に伸ばしています。
通期業績予想に対する進捗率
通期業績予想に対する進捗率です。基本的には、プロパティデータバンクのクラウドは5割弱という例年どおりの伸びで、それ以外は期末に向けて追い込んでいくというモデルのため、スライドのような数字になっています。
スライドにも記載がありますが、プロパティデータサイエンスの「@commerce」は、なかなか案件化が進んでいない状況です。
営業利益増減要因のグラフ
スライドのグラフは営業利益増減要因を示しています。昨年から見ても、売上が伸びていますので、当然利益も伸びています。
昨年の場合、待機している社員の部分がプロジェクトに転嫁できず、コストとして表れていました。今年は順調にプロジェクトも消化できているため、売上に応じてしっかりと原価が反映されています。
また、開発も順調に進んでいます。固定資産側に振り替わっていくことで、利益が増えるかたちになっています。このような構造で着実に増加しています。
@property 解約率
我々はクラウド事業の会社であるため、解約率は大事なKPI、指標となります。スライドのグラフからわかるように、件数ベース、金額ベースともに、これまでどおりの傾向です。
若干解約は出ますが、売上、金額ベースに影響があるような解約ではなく、様子見だったり、検討のために契約していたお客さまが解約したりするケースです。これは、一定数出るのは仕方がないと思っています。そのような結果としての数字になっています。
クラウドサービス月額利用料(Q平均)
クラウドサービス月額利用料の四半期平均です。こちらも、解約はほぼ金額に影響のないお客さまです。また、大型のお客さまが増え、進捗していることを反映し、クラウドサービスの月額利用料はこれまでと同様に少しずつですが増加傾向にあります。
1社当たりのクラウドサービス月額利用料単価
1社当たりのクラウドサービスの月額利用料単価です。こちらも増加傾向は同じです。
今年は「原点継承」ということで、小型案件のお客さまや、棟数が1棟や10棟と少ないお客さまに対しても営業を行い、受注を増やしています。しかし、主力の部分は、何十棟何百棟と持っている、あるいは海外にも資産を持っているお客さまです。このようなお客さまが増えると、1社当たりの単価にはインパクトがあります。
こちらも売上と同じように、1社あたりの月額の利用単価は、着実に上がっていく傾向を継続しています。
四半期毎の進捗率
四半期ごとの進捗率です。スライドのグラフは2021年3月期から記載がありますが、傾向を見ていただくと、第1四半期、第2四半期はどちらかというと冴えない感じで、第3四半期はイーブン、第4四半期に盛り上がるという傾向があります。
プロパティデータバンクでいうと、ソリューション事業が売上の約4割を占めているため、4割のインパクトが十分に出てくるということで、このような傾向が出ています。今期は第1四半期、第2四半期でしっかりと踏みとどまっています。第3四半期、第4四半期が楽しみな数字になるのではないかと期待しています。
しかしながら、プロジェクトはどうしても水物です。我々の取り組みだけでなく、いろいろな環境にも影響されます。前回ですと、新型コロナウイルスの影響などさまざまありました。なかなか楽観視はできませんが、このような傾向から、下期はさらにプラスに進捗率を増やしていくような流れになると思っています。
@property シェア
参考資料です。『月刊プロパティマネジメント』誌が毎年行っているアンケート結果のご紹介です。おかげさまで「@property」は、「Excel」を除いた業務管理システムの採用比率で1位となっています。
大型案件の受注継続
大型案件の受注継続についてです。大型案件の受注ストックは第1四半期から導入した指標で、大型案件の受注状況がどのようになっているかを示すものです。大型案件は、営業し、受注して、金額が大きければ大きいほど、売上が上がっていく期間が長くなります。
億単位になってくると、1年で売上が上がるもの、2年、3年かかるもの、中には工事進行基準で計上するもの、納品基準で計上するものなど、いろいろあります。だいたいどれぐらいの規模のものを実際に契約して動いているのかという数字を前期からお出ししていますが、現状では約15億円のストックがあります。
今、実施している手持ちの案件は15億円程度で、その中には1年で終わる方もいれば、3年かけてというお客さまもいらっしゃいます。この手持ちの数字は、ここから毎年どんどん増えるかというと、そのようなことはありません。
これが増えると、結局みなさまに待っていただくということになりますので、ある一定のところで頭打ちになると思うのですが、今の我々の考えとしては、この手持ちのストックを15億円から20億円ぐらいの間でしっかりと持っておけば、予定どおりの成長の数字を出せるだろうと考えています。
さらに目標が大きくなれば、当然15億円ではなく、20億円から25億円のストックを持つというような考えになりますが、今はどうしても我々の開発パートナーや社員数などいろいろなものと兼ね合いがありますので、現状ではストックは15億円から20億円程度が適正と判断しています。
2025年3月期第3四半期以降の取り組み
今後の取り組みについては、特に変えるつもりはありません。
プロパティデータバンクは基本的にプロジェクト後半に十分に納めなければ売上が足りなくなってしまいますので、ここをしっかりと取り組みます。おかげさまで受注は十分に取れていますので、それを予定どおりに納品して売上を上げていくということを続けます。
また、来期以降の営業活動では、先ほどのストック15億円を減らさないようにします。売上が上がっていくと当然15億円がどんどん減っていきますので、さらに契約を取り、15億円以上の手持ちを持つという活動をしっかりと行っていきます。
プロパティデータテクノスも同様です。こちらは印刷事業からデジタル事業へということで、業務もかなり変わってきています。さらに、BPO事業ということで、お客さまに成り代わり、関連委託先のお客さまの業務管理をしています。
さらに、クラウドで「@knowledge」というサービスも、彼らが営業しながらお客さまに提供しています。かなりハードルは高い状況ですが、体制も組んでいますので、しっかりと取り組んで、この目標を継続的に達成していこうと考えています。
プロパティデータサイエンスは、冒頭で苦戦しているとお伝えしましたが、2月にでき、そろそろ商品としてもしっかりとお客さまに見ていただけるような状況になっています。ここから挽回すべく、営業メンバーも増員をかけていますので、しっかりと営業活動を行い、なるべく目標に近い数字に持っていけるように取り組んでいます。
また、プロパティデータサイエンスという名前のように、データを解析したり、いわゆるコンサルティング業務も行ったりしており、実はこの受注もいくつか出始めています。みなさまもよくご存じの大手のお客さまのデータをお借りし、解析して、いろいろなことをするというような事業も最近受注し始めています。
社名にあるようなデータサイエンス事業、また、データサイエンスの知見を使った「@commerce」というサービスをしっかりと進めていこうと思っています。
スライド最下部の新規サービスについては、みなさまからはよく見えない部分もあると思いますが、リーボ社とPDBグループでしっかりとコラボしていきます。
我々は、クラウドではなかなかお客さまの個々のニーズを捉えきれず、「そこはお客さまがご自由にお作りください」という対応になってしまった部分もありますが、リーボ社はそのようなところが得意です。
お客さまに対してエンドユーザー側のサービス機能開発に注力したり、昨年取得したAI絡みのプラットフォームについても、いくつか弊社の商品の組み込みも始めています。このあたりをしっかりと取り組んで、売上目標を達成していけるようにと考えています。
プロパティデータバンクグループロードマップ
ロードマップです。プロパティデータバンクは「@property」という商品の1本足で運営してきましたが、おかげさまで、サービスがたくさん増えてきました。
売上の中核は、圧倒的に「@property」です。それ以外に「@commerce」や、3次元データと建物データを管理する「@cmms」に加え、「@iwms」という海外では当たり前になってきている機能も昨今リリースしています。
このあたりのサービスをしっかりと育て、中期経営計画目標を達成できるようにしたいと考えています。