2024年10月期3Q決算説明資料

高橋和久氏(以下、高橋):tripla株式会社の代表取締役CEOの高橋です。2024年10月期第3四半期の決算説明会を始めます。よろしくお願いします。

まず、本日のアジェンダです。財務ハイライト、会社概要、サービス概要、2024年10月期第3四半期の決算概要、経営戦略の順にご説明します。

財務ハイライト

財務ハイライトからご説明します。1つ目に、営業収益は第3四半期までの予算を達成し、昨年比55.5パーセントの増加となりました。特に「tripla Book」が追い風となり、昨年比60.7パーセントの増加となっています。

2つ目に、営業利益においても第3四半期までの予算を達成しました。この予算とは、昨年12月にガイダンスで公表した業績予測のことです。収益増と費用減で、営業利益は予算を大きく超過しています。特にこの第3四半期は、昨年の第3四半期の約4倍となりました。

3つ目に、M&Aシナジーについてです。BookandLink社の株式を追加取得し、完全子会社化を達成しました。また、「tripla Page」「tripla Analytics」「tripla Link」というサービスに関しても、日本での展開を開始しました。

2024年10月期3Q結果(連結)

連結の業績についてです。まず、営業収益は18億4,100万円の計画に対し、第3四半期終了時で12億9,000万円で推移しています。また、第3四半期は子会社であるSurehigh社とEndurance社のP/Lの連結を開始しました。連結の営業利益は、2億3,800万円の予算に対して1億2,100万円で推移しています。

2024年10月期3Q結果(営業収益・単体)

単体の営業収益です。昨年度の年度累計実績11億7,600万円に対し、今年度は16億2,800万円を計画しています。第3四半期終了時までで11億5,300万円と、ほぼ順調に推移しています。

2024年10月3Q結果(営業利益・単体)

単体の営業利益です。第3四半期終了時の累計で、1億7,000万円となりました。第3四半期に8,200万円積み上がっています。

これまで、「8月に旅行需要が特に高まるため、第4四半期の利益が強くなる」とご説明してきました。今回、8月の単体実績を締めていますので、速報値としてみなさまにお伝えします。8月の単体実績は、営業利益が5,500万円、8月までの累計で2億2,600万円です。進捗率は77.6パーセントとなっています。

2024年10月期3Q結果(BookandLink社)

BookandLink社に関しては、第2四半期からP/Lを連結しています。したがって、第2四半期、第3四半期、第4四半期の3つの四半期で今期の目標を立てており、営業収益は1億100万円の計画となっています。

第2四半期、第3四半期が終わり、3分の2が終わった段階になりますが、累計実績は7,900万円、進捗率は78.5パーセントとほぼ予定どおり進捗しています。

営業利益は予算をゼロで織り込んでいましたが、マイナス1,400万円となりました。理由としては、インドネシアでtripla側のエンジニアの採用を進めているためです。その費用がこの中に含まれており、インパクトは610万円となっています。

さらに現在、BookandLink社と当社でPMIを進めていますので、コストの細かい入り繰りがあります。本来であればそちらも開示したいのですが、今のところはこのような開示となっています。

2024年10月期3Q結果(Surehigh社)

Surehigh社に関しては、第3四半期からP/Lの連結を開始しています。第3四半期、第4四半期合計の営業収益の予算は、1億1,100万円です。第3四半期のみの実績は5,300万円で、こちらも予定どおりに推移しています。営業利益に関して予算はゼロとなっていますが、結果的にマイナス500万円となりました。

BookandLink社、Surehigh社ともに日本の会計基準を適用していますので、のれん代がしっかりかかってきています。そのため、のれんを償却するかたちで営業利益の予算を出しています。したがって、のれんがない場合、Surehigh社、BookandLink社ともにしっかりと利益が出ているとご理解ください。

2024年10月期3Q 業績概要(連結・内訳)

連結の業績概要です。営業収益は、約18億4,100万円の予算に対し、約12億9,000万円の実績で推移しています。営業利益は約1億2,100万円の実績で着地しました。

2024年10月期3Q 業績概要(単体)

単体の業績概要です。スライド中央の青色で囲んでいる部分が2024年10月期第3四半期単体での概要になります。スライド左側は昨年度の実績です。

営業収益は約11億5,300万円、営業利益は約1億7,000万円で推移しています。営業収益は昨年比39パーセントの増加、進捗率は70.9パーセントとなりました。

2024年10月期における一時費用の計上について

2024年10月期における一時費用の計上については、前回ご説明した内容と変わりません。スライドの図は、M&Aなどでかかった費用が予定よりも4,000万円少なかったことを示しています。

こちらに関して一部の株主さまから「一時費用は営業費用と関係ないのでしょうか?」といったご質問をいただきましたが、一時費用も営業費用の一部であるとご認識いただければと思います。

P/L連結時期

P/Lの連結時期に関してです。BookandLink社は第2四半期から、Surehigh社とEndurance社は第3四半期からP/Lの連結を開始しています。

会社概要

会社概要です。従業員数は2024年7月末時点で、単体で85名、連結で159名となっています。前回ご説明した際は連結が149名でしたので、10名増えています。

海外でのエンジニアを積極的に増員させているため、連結での数字をより重視してご覧いただければと思います。

数値でみるtripla

triplaの人材に関して、国籍数は16ヵ国、平均年齢は34.4歳、外国人比率は76パーセントまで上がっています。男女比率は、男性が55.6パーセント、女性が44.4パーセントです。導入施設数は、7,738施設まで伸ばしています。

ミッション・ビジョン・コアバリュー

ミッション・ビジョン・コアバリューです。「イノベーションで顧客を感動させる」をミッションとして、「常に最高の顧客体験を提供する」ことをビジョンに掲げ、業務を行っています。

経営陣の紹介

経営陣に関して大きな変化はありません。

宿泊予約チャネルとtriplaのサービス利用者

サービス概要についてご説明します。スライドの表は、主な宿泊予約チャネルとtriplaのサービス利用者の関係図を示したものです。triplaは、オンライン・トラベル・エージェンシー(OTA:旅行予約サイト)という部類に属しています。

その中でも、公式サイト経由のオンライン・トラベル・エージェンシーというかたちで、個人旅行、法人旅行、国内旅行、インバウンド旅行をカバーしたサイトを運営しています。

triplaのサービス展開と開発の進捗状況

具体的なサービスをご紹介します。スライドに記載のとおり、「tripla Book」を中心として、「tripla Bot」「tripla Connect」「tripla Boost」「tripla Link」「tripla PMS」「tripla Pay」「tripla Analytics」「tripla Page」などの11のサービスを現在提供しています。

triplaが提供するサービス

スライドに、各サービスの展開国を記載しています。サービスによって展開国にばらつきがありますが、今後はすべての国ですべてのサービスを展開していくことを掲げて開発を行っています。

tripla Book サービス概要

「tripla Book」のサービス概要です。簡単なUI/UXで、すべてのお客さまが簡単に予約できることをコンセプトに作っている予約システムになります。

サービスの特徴として、現在は全部で8言語に対応しています。増えた3言語は、タイ語、インドネシア語、アラビア語です。そのほかに、会員獲得機能、ポイント/クーポン機能、ベストレート機能を備えています。

tripla Bot サービス概要(1/2)

「tripla Bot」についてです。こちらに関しても、タイ語、インドネシア語、アラビア語の3言語が増えて、8言語対応でサービスを提供しています。アラビア語は、右から左に言語が表示できるようになっています。

tripla Bot サービス概要(2/2)

「tripla Bot」は、最近注目度が高い「LINE」や「Facebook Messenger」のようなメッセージングアプリと連携して使用していただくホテルが増えてきています。

tripla Guide サービス概要

「tripla Bot」の付帯サービスとして提供している「tripla Guide」についてです。「お風呂は何時まで開いているかな」「マッサージの受付は何時までだろう」など、館内の必要な情報が「tripla Guide」にアクセスすることですべてわかるサービスになります。

tripla Connect サービス概要(1/2)

「tripla Connect」についてです。こちらは、ファーストパーティ・クッキーデータを軸にお客さまの情報を集約し、会員情報や宿泊情報などを組み合わせてお客さまの行動ログからセグメント化していきます。そして、セグメントごとに広告を配信したり、宿泊プランを掲載したり、メールマガジンを作成するといったアクションを行っていくサービスです。

最近では、「tripla Book」をお申し込みいただくほとんどのホテルが「tripla Connect」にもお申し込みいただいており、クロスセルが達成できているサービスになっています。

tripla Boost サービス概要

「tripla Boost」についてです。こちらも最近「tripla Book」との同時申し込みが増えてきているサービスで、当社がメタサーチ広告、リスティング広告、SNS広告といった広告の運用代行を行っています。

現在は日本語が中心ですが、これまでのM&Aで得た海外展開拠点などをうまくレバレッジさせることにより、今後は日本語だけでなく韓国語、台湾語、英語といった多言語で広告運用代行サービスを展開していこうと考えています。

tripla Pay サービス概要

「tripla Pay」についてです。URLのリンク決済サービスで、宿泊施設はキャンセル料を容易に請求することができます。

tripla Analytics サービス概要(1/2)

「tripla Analytics」についてです。BI(ビジネス・インテリジェンス)の帳票を見ることができるサービスです。

tripla Analytics サービス概要(2/2) ‒ ダッシュボード例

一番人気のあるサービスとしては、「じゃらんnet」「楽天トラベル」「Booking.com」「Agoda」などのOTAサイトに掲載されている価格と公式サイトの価格を取得することができます。さらに、ホテルの競合相手である施設の価格も取得することができます。

したがって、「tripla Analytics」は、価格差の有無などをホテルのレベニューマネージャーが確認できるといったサービスになります。

tripla Success サービス概要

「tripla Success」についてです。特に旅館などの宿泊施設では、「IT人材をなかなか確保できない」「OTAを設定できる人材がなかなか見つからない」などのITやオンライン掲載に関する困り事があります。それを当社が代わりに行うといったソリューションサービスです。

日本では、地方創生も含めてこのようなサービスが非常に訴求しやすいのですが、実は東南アジアでも同様のことが起きています。やはりどこのホテルもIT人材が不足しているため、「tripla Success」をうまく活用した上で、世界中にコンサルティングサービスの輪を広げていければと思っています。

tripla Link サービス概要

最近ローンチした「tripla Link」についてです。BookandLink社の「CHANNELKU」というサービスを元に、チャネルマネージャーとしてサービス展開を開始しました。

具体的には、公式サイトや「じゃらんnet」「楽天トラベル」「Booking.com」などのOTAサイトから入ってきた予約を一元管理し、ホテルの基幹システムであるPMSに予約情報を送り込んでいくといったサービスになります。ダブルブッキングの防止や、料金を一元管理するところに主眼を置いています。

tripla Page サービス概要

「tripla Page」についてです。買収したSurehigh社が持っていたホームページのWebビルディングサービスを改良し、「tripla Page」としてローンチしました。すでにたくさんのホテルに導入していただいています。

主要サービスのプライシングモデル

主要サービスのプライシングモデルです。その国のローカルニーズに合わせて、固定料金プラス従量課金など、料金体系を変えています。

四半期ごとの営業収益の偏重

2024年10月期第3四半期の決算概要についてご説明します。四半期ごとの営業収益には偏重がありますが、第3四半期の営業収益は4億2,700万円で、26.2パーセントの進捗となりました。季節性として、8月を含む第4四半期に従量収益が多く出てくると思っています。

また、スライドの棒グラフで青丸で囲んでいる「tripla Book」の従量収益に関しては、第3四半期で2億2,800万円と過去最高を記録しました。

営業収益-セグメント別(tripla Book)

「tripla Book」についてです。導入施設数は2,836施設、営業収益は3億1,900万円となりました。直近では、取扱高(GMV)が非常に上がってきています。もちろん施設数や営業収益も増えていますが、GMVが非常に大きくなってきていることにも注目していただければと思います。

第3四半期のGMVは319億円で、5月・6月・7月の各月において100億円を達成できている点も大きいと思っています。

Book従量収益の収益構造とtake rate

第3四半期のtake rateは、第2四半期に引き続き1.1パーセントで推移しています。take rateは、しきい値を超えた予約実績の3パーセントをいただく宿泊従量課金と、決済の従量課金を合わせた数字です。

[参考] 下期偏重型の収益モデル

当社のビジネスモデルは、第4四半期に収益が増える傾向がありますので、下期偏重型の収益モデルになります。

Book従量収益の季節性について

「tripla Book」の従量収益の季節性についてです。第3四半期の従量収益は2億2,800万円まで伸びており、観光庁の統計データを見ると、市場全体の宿泊者数も1億6,300万人に伸びています。

営業収益-セグメント別(tripla Bot)

「tripla Bot」の営業収益は9,000万円、導入施設数は1,714施設です。もともとあった変動収益の部分を削ぎ落として固定にシフトしていますので、営業収益が減っているように見えますが、導入施設数は増加しており、ビジネスは拡大しています。

四半期ごとの営業費用の推移(単体)

四半期ごとの営業費用の推移です。従業員数は85名で、そのうちエンジニアが38名となっています。冒頭でもお伝えしたとおり、インドネシアでエンジニアの数が増加しているため、全体的な開発能力に関してはグローバルレベルで上がっている状況です。

インドネシアでエンジニアの数を増やしている背景についてご説明します。インドネシアにはBookandLink社があり、Philippe Raunet氏をはじめとするマネジメント層がしっかりグリップすることができるということで、ブリッジもPhilippe氏が行い、その中で人員を採用しています。

インドネシアの人件費で日本と変わらないエンジニアをしっかりと採用することができるため、非常にコスト効率が良いです。そのような背景から、インドネシアでの採用を拡大しています。

triplaが実現する新たな宿泊業界の世界

最後に、経営戦略についてご説明します。これまでと同様に、当社がホテルに対して公式サイト経由の売上比率を上げていくお手伝いをして、そのメリットを当社とホテルの両方で享受していくという戦略になっています。

公式サイトであればお客様の見える化が実現できる

公式サイト経由の売上が増えることにより、ホテル側はお客さまの情報が見える化できます。そのお客さまの情報を使って販促アクションを行っていただくという点にサポートの主眼を置いています。

triplaの経営戦略

「サービスの重層化」と「海外展開の加速」が今期の経営戦略です。

公式サイト経由売上の最大化の方法

公式サイト経由の売上の最大化の方法についてです。見込み客の獲得に関しては「tripla Boost」、新規顧客の獲得に関しては「triple Bot」や「triple Book」、リピーターの形成に関しては「triple Connect」、ファンの形成に関しては「triple Analytics」で分析してファン層をさらに獲得していくことで、ライフタイムバリューを高めていきます。

新規顧客を最大化させる方法

新規顧客を最大化させる方法としては、「認知」「興味関心」「比較検討」「行動」といったお客さまが旅行を決めるフェーズにおいて、当社のサービスを横串で刺していくところを主眼にサービスを組み立てています。

[参考] 旅行業界におけるネット広告需要

参考として、旅行業界におけるネット広告需要についてです。現在、「tripla Boost」の人気が高まってきています。アフターコロナで広告市場規模が旅行業界でも拡大してきているため、このようなところをうまく拾いながらビジネスを拡大していきたいと思っています。

お客様の会員化を促進

お客さまの会員化を促進することも、ファン層を作っていくためには重要です。「会員ならこの価格で予約できる」「チャットの吹き出しから会員登録のメリットがわかる」など、さまざまな機能を用意しています。

リピート顧客の最大化を実現する

リピート顧客の最大化を実現するために、セグメントごとにメールマガジンを送ったり、アクションを行うことができます。

自社予約最大化のためのキー・サクセス・ファクター(KSF)

公式サイトの認知拡大やプライシングをシャープにすることに加え、公式サイトであれば最後まで在庫が残っていること、公式サイトへのリピーターを創出することをキー・サクセス・ファクターとして、当社がサポートしています。

以上が、第3四半期の決算資料の説明となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:タイとベトナムでの事業展開について

「2023年12月発表の『事業計画及び成⾧可能性に関する事項』では、今後の展開を検討している国としてタイ、ベトナムが挙げられていました。この2ヶ国は、観光の市場規模を考えると、御社の今後の発展にとって非常に重要になると考えています。

現在、これらの国への事業展開はどのように進めていますか? また、現在までの感触としてこの2ヶ国への展開の成功の見込みはいかがでしょうか?」というご質問です。

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