夢をカタチに!和食を世界に!
片平雅之氏:G−FACTORYの片平です。本日はお忙しいところご覧いただき、ありがとうございます。2024年第2四半期の決算についてご説明します。
まず、私たちのビジョンです。「夢をカタチに!和食を世界に!」を実現するために、飲食店経営の課題を解決するソリューションカンパニーを目指しています。
私たちの夢は、世界中においしい和食を楽しめる環境を作ることです。日本文化と日本食の魅力を広めれば、人々の交流を生むことができると考えています。食を通じて、人・コト・物をつなぐ架け橋となることを目指します。
沿革
沿革を簡単にご説明します。2003年にうなぎのファストフード「名代宇奈とと」の運営を目的にスタートしました。2007年には、私たちも出店時の課題としてきた物件情報のリサーチ、条件交渉、資金調達などに他社も同じ悩みがあると考え、経営サポート事業を開始しました。その結果、順調に成長し、2016年には東証マザーズ(現グロース市場)に上場することができました。
上場後は少し伸び悩み、迷走する中でコロナ禍となり、飲食業界の営業自粛、アルコール提供禁止などの課題に直面しました。
直営のアルコールメインの店は壊滅的になりましたが、「名代宇奈とと」のデリバリー・テイクアウトが非常に好調に伸びました。これがお客さまの課題解決につながると考え、「名代宇奈とと」のライセンス展開をスタートさせました。
現在は第2創業期として、経営サポート事業と飲食事業を連携させることにより、飲食業の課題解決に取り組み、外国人材紹介サポートなどのサービスを拡充させ、プラットフォームとして確立させています。
経営サポート事業の顧客と対象サポート
経営サポート事業における顧客と対象サポートについてご説明します。もともとは独立開業から30店舗くらいまでの企業を中心に出退店サポートを提供していましたが、人材紹介、海外進出、「名代宇奈とと」のライセンス展開などを始めたことにより、すべての層の課題解決が可能となっています。詳しくは9ページをご覧ください。
第2四半期 決算ハイライト
次に、2024年第2四半期の決算概況をご説明します。売上高は前期比プラス17.1パーセントの31億7,200万円、営業利益は前期の赤字から4,800万円の黒字になりました。
売上高の構成は、飲食事業が53.2パーセント、経営サポート事業が46.8パーセントとなっています。営業利益は3億1,700万円で、経営サポート事業が85.1パーセント、飲食事業が14.9パーセントでした。
第2四半期 業績サマリー
次に業績サマリーについてご説明します。売上高の増加要因としては、経営サポート事業における出店案件の増加と、飲食事業におけるインバウンド需要の高まりがあります。
営業利益の増加要因は、出店と管理体制強化への投資回収が進んだことと、のれん償却終了によるものです。
当期純利益の増加については、子会社であったMITの合併による税務メリットも影響し、最終利益は9,400万円の黒字になりました。詳しくはスライドをご覧ください。
全社売上高(四半期推移)
全社売上高の四半期推移です。プラス14.6パーセントと好調を維持しています。
経営サポート事業売上高(四半期推移)
次に、部門ごとの推移をご説明します。経営サポート事業は、ストック型収益として出退店サポートが順調に増加し、フロー型収益として外国人材紹介サポートが動き始め、プラス10.6パーセントとなりました。
飲食事業売上高(四半期推移)
飲食事業の「名代宇奈とと」は、インバウンド需要を取り込んで好調を維持しています。また、レストラン業態は昨年オープンした店舗が通年営業になりましたので、売上が増加し、プラス18.1パーセントとなっています。
営業利益増減(対前同期推移)
営業利益の増減要因をご説明します。第2四半期までの累計の営業利益は前期比プラス6,600万円の4,800万円の黒字となりました。
売上総利益の増加は、経営サポート事業の外国人材紹介サポートの本格稼働や、飲食事業での店舗の増加、セットメニューなどのキャンペーンによる原価コントロールの結果です。
販管費の増加については、全社で人件費の増加があり、飲食事業で新店舗の固定費の増加となりました。また、本部ではオフィス拡大分で固定費が増加し、四半期推移でプラス12.4パーセントとなっています。
バランスシート
バランスシートです。事業拡大により総資産が増加しています。
売上進捗
2024年通期の見通しをご説明します。売上高の進捗率は50.7パーセントと、おおむね予定どおりに進んでいます。
2024年12月期見通し(2024年2月公表を据え置き)
通期の見通しについては、2024年2月に公表した予定どおりでの着地を見込んでいます。営業利益に関しては、経営サポート事業・飲食事業ともに人員の増加を計画しています。また、大阪オフィス拡大移転やシンガポールの新店舗の初期費用を見込んでいます。
セグメント別の概況(経営サポート事業)
セグメント別の概況をご説明します。まずは経営サポート事業です。進捗率は売上高で50.3パーセント、営業利益で51.4パーセントと順調に進んでいます。
下期には外国人紹介サポートの分野と対象国を広げ、外国人向けの生活サポートも開始します。また、大阪オフィスを10月1日に拡大移転し、営業人員を積極的に採用していきます。新型コロナウイルスで中断していた海外進出サポートも再開していく予定です。
セグメント別の概況(飲食事業)
飲食事業の進捗率は、売上高で51パーセント、営業利益で157.5パーセントと順調です。下期は7月が「名代宇奈とと」の、12月がレストラン業態の、それぞれ繁忙期にあたりますので対応していきます。
また、インバウンド需要への対策として、予約システムの改善を行います。そして外国人採用サポートの課題確認のため、ベトナムだけではなく他国の特定技能研修生の採用受け入れを強化していきます。さらに、シンガポールでは新店舗の焼鳥「鳥カミ」を7月25日にオープンしています。
株主優待制度の再開
株主還元についてご説明します。1単元100株以上を所有していただいている株主さまに3,000円分のお食事券の電子優待券を発行します。国内の「名代宇奈とと」の直営店と一部ライセンス店、「中目黒いぐち」や「米ル」などの直営店で使えます。順次となりますが、取引先でも使えるようにし、全国に拡大していく予定です。現状の利用可能店舗に関しては、ホームページやQRコードでご確認ください。詳しくはスライドをご覧ください。
プラットフォームから創出されたサービスと概況
成長への取り組みについてご説明します。成長戦略として、プラットフォームのサービス拡充や出退店サポートの強化、外国人材紹介サポートの確立、海外進出サポートの再開に注力していきます。詳しくはスライドをご覧ください。
出退店サポート 拡大の背景
サポートごとの成長への取り組みをご説明します。まずは出退店サポートです。国内での成長ポテンシャルについてですが、日本国内には55万店舗以上の飲食店があり、そのうち関東エリアだけでも17万店舗以上あります。そして、私たちの主要エリアである東京都だけでも7万店舗以上の飲食店があります。これらのデータから、今後のシェア拡大の余地が非常に大きいと考えています。
また、飲食店の開業・廃業の状況についてですが、廃業率は6パーセントと、すべての業種の中で最も高い業界となっています。一方で開業率も17パーセントと、業種別でも圧倒的に高く、入れ替わりが非常に活発な業界です。これは飲食業界が常に新しい挑戦と機会にあふれていることを示しています。
出退店サポート
開業も廃業も多い飲食業には、出退店に関する大きな課題が3つあります。
1つ目は、店舗物件の確保の困難性です。飲食店に適した物件は少なく、競争も激しく、良い物件を確保することが非常に困難です
2つ目は、高額な初期設備投資です。厨房機器、内装設備などの初期費用が高額で、資金調達も難しいことが多く、独立開業・多店舗展開を目指す方々にとって大きなハードルになっています。
3つ目は、退店時も多額のコストがかかることです。物件を元の状態に戻すための解体費用や賃貸契約解除による違約金などが発生します。
私たちは過去、同じ課題を抱えて非常に苦労してきました。これらの課題を解決するために、居抜物件の情報提供、設備投資の圧縮支援、退店費用の圧縮支援などを行い、出退店のコストを削減しています。
私たちのサポートによって、飲食企業がよりスムーズに出退店を行い、ビジネスを成功させることができるよう全力で取り組んでいきます。
外国人材紹介サポート 新設の背景
外国人材紹介サポートの新設の背景についてご説明します。飲食業を含むサービス業では、2030年に400万人の人手不足が予想されています。この深刻な人手不足に対応するために、政府は技能実習制度の改正を進め、「人材育成」から「人材確保」へと目的を移行し、2024年6月に改正案が成立しました。
また、2023年6月には外食産業も「特定技能2号」の対象となりました。これにより、最短1年で転籍可能になり、在留期間の上限がなくなり、家族も一緒に来日し、永住権取得も可能になっています。
現在の外食分野での特定技能者の推移については、2022年の5,159人から2023年には約2.6倍の1万3,312人に増加しています。今後もさらに外国人労働者が活躍することが期待されています。
外国人材紹介サポート
外国人労働者の採用には、主に3つの課題があります。
1つ目は、言語の違いにおける課題です。コミュニケーションの問題を引き起こし、業務の効率やチームワークに悪影響を与える可能性があります。
2つ目は、文化の違いにおける課題です。職場のルールや仕事の進め方に対する理解の違いにより、摩擦、誤解、対立などが発生する可能性があります。
3つ目は、ビザ手続き等の煩雑さです。雇用に必要なビザの取得や更新は複雑で、会社にとって大きな負担になっています。
私たちはこれらの課題に対応するために、2019年から直営店で80名以上の特定技能の人材を採用し、試行錯誤した結果、現在は店長などを輩出しています。そこで得たノウハウ・実績があるため、課題解決のサポートができています。
まずは特定技能外国人を紹介して、企業の人手不足を解消します。また、外国人労働者が職場でスムーズに働き、定着できるようにサポートしていきます。そして、ビザの取得や更新に関する手続きをサポートし、企業の負担を軽減します。これにより、飲食業界の人手不足問題の解決につなげていきます。
海外出店に関する取り組み強化の背景
海外出店に関する取り組み強化の背景をご説明します。海外における日本食レストラン数は、2015年の約8万9,000店舗から、2023年には約18万7,000店舗まで増えています。この増加は、日本食の人気が世界中で高まっていることを示しています。
日本政府は、日本食文化を海外に広めるためにいろいろなことを行っています。特に農林水産省は、水産物・農作物や食品加工を含む食品の輸出目標を設定し、2025年に2兆円、2030年には5兆円を目指しています。
また、日本政府は、日本の食文化を世界に発信するために、ユネスコ無形文化遺産、クールジャパン戦略、レストラン海外展開支援、日本食認証制度、輸出促進政策、食育の推進などを行っています。
海外出店
私たちが日本食文化を海外に発信する意義については、まず、日本食文化の普及です。日本各地の伝統的な料理や食材、日本文化を広めることにより、和食のブランド力を向上させます。
そして、職人技術の国際的評価の向上です。現地スタッフを採用・教育し、日本のサービス・職人技術を伝えることで、グローバルな人材育成と技術の伝承を実現していきます。
さらに、国際的なネットワークの構築です。海外直営店舗で国際的なビジネスネットワークを構築し、食材調達やマーケティングなどのノウハウを蓄積しています。
多くの失敗などの経験をもとに進出サポートを行い、海外運営のノウハウを蓄積し、日本食人材の育成に力を入れていきます。また、日本産食材の海外普及にも取り組み、海外市場へ挑戦し、日本食文化の魅力を世界に広めていきます。
2024年の取り組み事例です。海外直営店舗において、北海道のホタテ、日本酒、米、魚介類、野菜など、日本産の食材を提供しています。
ベトナムの直営店では、食育と日本食文化の発信に取り組んでいます。20年の経験を持つ鮨職人が教える子供向け寿司握り体験、流しそうめんイベント、盆踊りなどを行っています。
シンガポールでは、海外直営店10店舗目をオープンしました。この店は、日本の有名ミシュラン店舗で修業した職人が担当しています。
海外進出サポート
海外進出サポートについてご説明します。海外進出にはさまざまな課題がありますが、まず、各国の異なる法規制や税制、ビジネス慣習を理解し、それに従うことは困難です。私たちは、現地の法律や規制に詳しい専門家と連携し、スムーズにビジネスを進められるようサポートしています。
また、物件や内装設備の調達も課題となります。良い立地を選び、適切な契約交渉を行い、必要な設備を調達することは非常に難しいです。私たちは現地の不動産業者や設備業者と提携し、これらをサポートしています。
さらに、現地でのスタッフの採用や教育にも課題があります。私たちは人材採用や教育プログラムの提供を通じて、現地スタッフが高いレベルのサービスを提供できるようサポートしています。
そして、日本の品質基準を満たす原材料の現地調達、物流ルートの構築、コスト管理は非常に困難です。
これらの課題を解決するために、法人設立サポート、物件取得サポート、人材採用育成サポート、サプライヤー開拓などのサポートを行っています。私たちは「和食を世界へ!」というビジョンのもと、海外市場に挑戦する飲食企業を全力でサポートします。
2024年の取り組み事例です。海外マーケット視察ツアーやセミナーを開催しています。すでに進出している日系飲食店の視察、ローカル及び日系ショッピングモールの視察、ローカル市場の視察です。また、店舗物件の視察や、当社直営店にて人材の採用と育成に関する勉強会も行っています。
これらのツアーやセミナーを定期的に開催し、視察内容も毎回オリジナルで、最大5社までの少数制で行っています。私たちはこれらの取り組みを通じ、海外市場に挑戦する企業をサポートしていきます。
職人養成スクール「飲食塾」
職人養成スクール「飲食塾」についてご説明します。職人人材が不足することは、社会や業界に多大な影響を与えると考えています。
まず、伝統技術や文化の消滅です。職人が減少すると、寿司や焼き鳥などの伝統技術が次世代に伝承されず、日本の食文化が失われる可能性があります。
次に、品質の低下です。熟練した職人が減ることで、料理の品質が低下し、顧客満足度や業界全体の信頼が低下する恐れがあります。
そして、国際競争力の低下です。高品質な日本料理が提供できなくなると、観光業に悪影響を与え、関連産業にも経済的な損失が生じる可能性があります。
「飲食塾」では、職人養成のための実践場所の提供や短期講座の開設、イベントの開催を行い、国内外での就労支援や独立支援をサポートしています。
地方創生事業
地方創生事業についてご説明します。地方過疎化がもたらす課題として、まずは人口減少が挙げられます。若者の流出と高齢化により地方の人口が減少し、地域の活力が低下しています。
また、地方の主要産業である農業・漁業などが衰退し、経済が停滞しています。
そして、地域コミュニティの崩壊です。人口減少により地域コミュニティが弱体化し、伝統文化が消滅する恐れがあります。
これらの課題に対し私たちは、地元食材の活用、地域食文化の発信、生産者や大学との連携、地域資源を活かした新店舗の開発、地元の食材を使ったメニュー、地域イベントの開催などを通じて地域を活性化させていきます。
直営店を活用した地方創生の取り組み事例です。まず、福岡県の「ITO GRAND」では、九州大学が栽培したニンニクを使用した、「九大ニンニクフェア」を開催しました。このフェアでは、地域の特色を活かした食材を活用し、地元の魅力を広めています。
次に、神奈川県唯一の過疎化地域に認定されている、真鶴町との連携を強化しています。東京・虎ノ門の横丁「小虎小路」では、真鶴のアンテナショップを展開し、特産品や魅力を発信しています。
さらに「茶寮宮坂」では、能登半島応援プロジェクトを実施しています。このプロジェクトでは、石川県の伝統工芸を応援するため、被災された作り手の器を使用し、料理と器の魅力を発信しています。
中長期成長イメージ
中長期成長イメージについてご説明します。変化の激しい飲食業界において、コロナ禍は私たちのビジネスの在り方を大きく変えました。
その中で私たちは、経営サポート事業と飲食事業が連動するプラットフォームを構築することができました。
プラットフォームの確立と展開
このプラットフォームを活用し、出店や退店、人材採用、ライセンス展開、地方創生、海外進出など、市場やニーズの変化を捉えながら、機動的かつ先行して対応していきます。
これにより、顧客と社会に対する貢献を通じて、持続的な成長を実現します。現在、国内サポート体制の再構築や、物件情報サポートの拡大を進めています。そして、外国人材紹介事業の確立、海外経営サポート事業の再開に注力していきます。
Our Vision
私たちG-FACTORYは、飲食業界の未来を見据え、常に新しい挑戦を続けていきます。
以上で決算説明を終わらせていただきます。最後までご視聴ありがとうございました。