決算ハイライト
新井賢二氏(以下、新井):株式会社デコルテ・ホールディングス代表取締役の新井です。本日は決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。それでは、当社の2024年9月期第2四半期の決算説明会を始めます。
2024年9月期第2四半期の決算ハイライトです。当期の業績の主な項目についてご説明します。売上収益は前期比マイナス5.9パーセントの27億9,000万円、営業利益は前期比マイナス66.5パーセントの1億8,000万円、当期利益は前期比マイナス72.6パーセントの9,000万円となりました。
売上収益は、フォトウエディングサービスにおいて、国内婚姻組数の回復の遅れや小規模事業者を含めた新規参入の増加などの影響もあり、前期比マイナス5.6パーセントとなりました。アニバーサリーフォトサービスは、前期比で若干の増収となりましたが、連結では前期比マイナス5.9パーセントの減収となっています。
営業利益は、プロフェッショナル人材の採用促進と給与制度改定による人件費の増加、また店舗数増加に伴う固定費の増加の影響を受けたことが主な要因となり、前期比66.5パーセントの減益となりました。
新規出店は、アニバーサリーフォトサービスにおいて、1月に兵庫県西宮市にHAPISTA阪急西宮ガーデンズ店、3月に東京都台東区にHAPISTA浅草店を出店しています。
2024年9月期第2四半期連結包括利益計算書(IFRS)
スライドには、2024年9月期第2四半期の連結包括利益計算書を前期の業績と対比して記載しています。
決算ハイライトでもお伝えしたように、売上収益が前期と比べて減少しています。営業利益は、人材の採用促進と給与制度改定による人件費の増加、店舗数増加に伴う賃貸料を含めた固定費の増加などの影響を受けて減益となりました。
売上収益の変動要素分析
売上収益の前期からの増減内訳です。前期29億6,500万円から1億7,400万円の減収となりました。
内訳は、フォトウエディングの売上減少が1億5,500万円、アニバーサリーフォトサービスのHAPISTAは売上が400万円増加しましたが、フィットネス事業における1店舗の閉店があり、その他売上が2,200万円減少しています。
営業利益の変動要素分析
営業利益の前期からの増減内訳です。前期5億5,400万円から3億6,900万円の減益となりました。内訳をご説明すると、最も主な要因は、売上原価の増加による影響が2億2,600万円となりました。
売上が減少したこともあり、原価率が前期から8.2パーセント上昇しています。増加した主な費用は、採用促進と給与制度改定に伴う人件費の増加が4,600万円、店舗数増加に伴う家賃を含む減価償却費の増加が4,500万円、店舗運営にかかる各種費用の増加が2,100万円、衣装メーカーとの協業による、ハイブランド衣装のレンタル費の増加が1,200万円となりました。売上収益の減収による影響の7,300万円と合わせて、売上総利益は3億円減少しています。
販管費は、店舗数の増加と出店地域の拡大に加えて、集客活動を強化したことに伴う広告宣伝費の増加が5,000万円、本社部門の人件費の増加で2,100万円、前期と比べて6,900万円増加しています。その結果、2024年9月期第2四半期の営業利益は1億8,600万円となっています。
四半期業績推移データ
四半期ごとの業績推移データです。当社の業績は四半期ごとに繁忙期と閑散期の波があり、紅葉シーズンの秋にかかる第1四半期と、桜が咲く春から初夏にかかる第3四半期が繁忙期となっています。
当第2四半期の売上収益は、フォトウエディングサービスにおいて、撮影単価は前年を上回って推移したものの、撮影件数が大きく減少し、過去最高だった前期と比べて1億6,400万円の減収となりました。また、本社機能に係る費用を除いた調整後営業利益については、マイナス8,000万円となりました。
KPI(前年比)
スライドには、フォトウエディングサービス全体の売上高、撮影件数、撮影単価の前年比推移を表示しています。
当第2四半期までの累計では、件数は前期比マイナス7.9パーセント、単価は前期比マイナス0.6パーセントと、いずれも前期を下回ったことにより売上高は減少し、前期比マイナス8.5パーセントとなっています。
撮影単価は、1回の撮影で複数の衣装を着用されるお客さまの増加や、国内外のハイブランドとの提携により展開している高価格帯衣装の利用増加などに加え、平均単価がスタジオ撮影より高いロケーション撮影の比率の上昇などが定着してきたことを受け、安定して推移しています。
一方で、撮影件数については、冒頭お伝えしたように、国内婚姻組数の回復の遅れや小規模事業者を含む新規参入の増加などの影響を受け、回復に遅れが見られる状況です。特に1月、2月は、前年に件数が伸びていたこともあり、減少幅が大きくなりました。3月以降は徐々に改善傾向が見られ、4月の結果では前年を超える件数となっています。
連結財政状態計算書
連結財政状態計算書です。スライドには前期末との比較をダイジェスト版で掲載しています。
フォトウエディングサービスで1店舗、アニバーサリーフォトサービスで2店舗の新規出店を行った結果、現金および現金同等物が3億1,000万円減少しました。
借入金は、昨年11月に、これまでのシンジケートローンから各銀行との相対取引へのリファイナンスを実施したことで、短期借入金から長期借入金に振り替えています。このリファイナンスにより、借入金利を大幅に引き下げることができました。
なお、のれんについてのご質問をいただきますが、スライド最下部に記載しているように、総資産に占めるのれんの割合は42.0パーセントとなっています。しかし、当社が毎年実施している減損テストの結果から見ても、減損の可能性は低いと考えています。
今後、利益を積み上げていくことで資本に厚みを持たせ、見た目の安心感も高めていきたいと考えています。
連結キャッシュフロー
当期における連結キャッシュフローの増減です。
前期末の現預金残高8億800万円に対し、営業キャッシュフローは3億9,000万円のプラスとなりました。投資キャッシュフローは、ウエディングフォトスタジオ1店舗、アニバーサリーフォトスタジオ2店舗の出店に伴う有形・無形固定資産の取得、並びに新店の出店に伴う差入保証金等の支出等により、1億8,300万円のマイナスとなりました。
財務キャッシュフローは、借入金の返済、およびリース負債として計上している賃貸借契約に伴う家賃の支払いなどにより、5億2,100万円の支出となりました。
これらの結果、当期末の現預金残高は、前期末から3億1,000万円減少し、4億9,400万円となりました。業績に関するご説明は以上となります。
2024年9月期第2四半期 主な取り組み
ここでは、当期に取り組んできた事業成長のための施策の中から、3点をピックアップしてご説明します。
1つ目は新規出店です。アニバーサリーフォトサービスにおいては、2024年1月に、関西有数のショッピングセンターである阪急西宮ガーデンズにHAPISTA阪急西宮ガーデンズ店を、3月には雷門などのロケーション撮影でも人気が高い東京の浅草にHAPISTA浅草店を出店しました。
この2店舗からスタジオの一部に新たなコンセプトを取り入れていますが、ここまでのところお客さまの反応は良好で、状況を見ながら既存店にも取り入れていく予定です。
2つ目はインバウンドです。コロナ禍で中断していた香港のブライダルフェアへの出展を昨年6月より再開しています。積極的に集客を行った結果、問い合わせ件数は前年同期比プラス41.1パーセントと、引き続き前年を上回って推移しています。
撮影件数は、前年同期比プラス92.3パーセント、約2倍となっています。今後も定期的に香港に出展し、今期中にコロナ禍前の水準に回復させることを目指しています。
3つ目は新サービスの開始です。当社がフォトウエディングで提供している衣装を、結婚式で着るためレンタルしたいというご要望を、以前よりお客さまからいただいていました。
そのご要望にお応えし、「ATELIER Purete」というブランド名で、当社オリジナルや海外のハイブランドなどのドレス、和装の中から衣装をレンタルできるサービスを開始しました。取引件数は順調に増加しており、引き続き認知度の向上と事業の拡大を図っていきます。
2024年9月期 業績予想の修正
5月7日に開示した2024年9月期の業績予想の修正についてご説明します。まず修正内容についてご説明します。
スライド中段の表のとおり、売上高は当初予想の67億5,900万円から、前期比4.6パーセント減の55億8,300万円、売上総利益は26億5,600万円から、前期比24.6パーセント減の17億6,000万円、営業利益は10億1,600万円から、前期比79.3パーセント減の1億8,400万円、当期利益は5億8,100万円から、前期比89.0パーセント減の5,400万円に修正しました。
下方修正に至った背景を外的要因と内的要因に分けてご説明します。外的要因ですが、主に2つの要因が集客と撮影件数の減少に影響を与えていると考えています。
1つは国内婚姻組数の減少の影響です。厚生労働省が発表している人口動態統計の速報値では、2023年の国内婚姻組数は前年の2022年から約3万組、5.9パーセント減少して48万9,000組と、戦後初めて50万組を割り込んでいます。フォトウエディングの実施率自体は各種の外部調査結果によると上昇していますが、母数となる婚姻組数のコロナ禍からの回復の遅れを当社も受けていると考えています。
もう1つは、フォトウエディングはこれまで新たな結婚式のかたちとして注目を集めてきましたが、コロナ禍において規模の大小を問わず、新規参入を試みる事業者が急激に増えてきました。
特に大きな競合先が現れたわけではありませんが、低価格を武器とする小規模事業者などが増加し、以前に比べ少しずつお客さまが分散している傾向があります。
先日開示したように、4月以降の撮影件数は前年比で回復傾向にありますが、これらの外的要因を鑑みて、売上収益の予想を見直しています。
次に内的要因です。こちらは当社の費用面の課題です。前期から今期にかけての新店10店舗の出店にともなう、賃借料や広告費などの増加、人材の採用促進と社員の給与制度の改定による人件費の増加などにより、売上原価、販管費が増加し、第2四半期までの営業利益が前年を66.5パーセント下回りました。
現在取り組み中の施策も含め、次のページでご説明する撮影件数回復に向けたさまざまな施策と費用圧縮に努めていきますが、現時点の予想としてこのような数値へ修正させていただいています。
2024年9月期 業績予想の修正
14ページと15ページでは、業績改善に向けた取り組み施策についてご説明します。14ページはフォトウエディングサービスに関するご説明です。前のページでご説明した、業績修正の外部要因と内部要因のうち、特に内部要因については、店舗のオペレーションレベルまで細かく分けたものに対する、改善のための重点対策内容をスライド右側に記載しています。
また、対策の進捗状況を検討中、準備中、実行中の3段階で色分けして表示しています。撮影件数の増減に直結する集客については、先ほどもご説明したとおり婚姻数組数の減少、新規参入事業者の増加などの影響を受けていますが、その環境下でいかにお客さまの目に触れる機会を増やすか、そこでいかに当社の強みをお伝えするかが非常に重要となります。
今まで以上に広告宣伝が重要になりますが、単純に広告費を増やすのではなく、これまで十分ではなかった主に3つの点に注力していきます。
重点対策の1つ目として、これまで以上にSNSを積極的に活用します。さまざまな調査を見ますと、お客さまが当社のような事業者を選定する際の手段として、Webサイトはもちろん十分高い数値ですが、徐々にSNSを使う方が増えてきています。
当社や当社の社員アカウントによる投稿のレベルアップをするだけではなく、お客さまの口コミ情報やお客さまご自身でのSNSへの投稿、いわゆるUGCをこれまで以上に促進する施策を実施し、SNS経由での認知度の向上と集客をより効果的に広げられるよう強化していきます。
2つ目として、後ほどご説明する出店戦略とも関連しますが、未出店地域でのタッチポイントを拡大することで、受注を促進していく施策を進めていきます。
これまで当社の店舗は、2つ以上のスタジオに多数のメイクルーム、衣装をご覧いただくスペースや接客スペースなどを備えた、約150坪の大型店が基本となっていましたが、自社の店舗間でのカニバリゼーションを避けるため、新店を出す場合はそれなりの距離を置く必要がありました。このため、当社のお客さまの分布をエリア別に細かく調べると、どうしても店舗間の狭間ではお客さまを獲得しきれていないエリアが生じています。
狭間となっている地域に、昨年千葉県船橋市に出店したような、10坪から20坪の程度のスタジオを持たない接客専用の相談カウンターを出店し、受注後の撮影は既存店のスタジオやロケ地で行っていただきます。
あるいは常設ではなく期間限定のスペースを使い、フォトウエディングの紹介と接客を行うフェアを開催するなど、店舗でお客さまを待つのではなく、自らお客さまの近くに出ていくことによってタッチポイントを増やし、フォトウエディングの認知度を高めつつ、受注の機会を拡大していきます。
3つ目として、検討中のため具体的な社名はお伝えできませんが、挙式場運営会社などさまざまな他業態の企業との業務提携により、Web経由以外の集客チャネルを増やしていく取り組みを進めています。
出店戦略についてです。この1年、2年ほどの間の新店において、すべての店舗ではありませんが、出店時の事業計画の精度不足により、収益性が想定より低くなる店舗が見られています。これに対して、もちろん出店前の調査の精度向に取り組んでいますが、今後の出店形態を多様化させることで、投資効率を改善していく取り組みも進めていきます。
先ほどの集客対策でもご説明したような接客専門の店舗や期間限定店舗は出店コストも低く、出店により既存店の売上向上に寄与し、投資効率の改善に貢献します。
また、衣装のセンター化やオンライン接客の定着などにより、店舗面積の縮小などが可能になっていることを受け、特に地方都市や首都圏の郊外では150坪を超えるスタジオではなく、ダウンサイジングした店舗を出店して投資金額を抑えたり、アニバーサリーフォトを併設するなど新たな店舗形態を取り入れたりすることにより、投資効率の改善を図っていきます。
内部要因として、店舗オペレーションの課題に関する対策についてご説明します。1つ目は人材配置の最適化による店舗間の偏りの修正と積極的な新卒採用です。出店地域が拡大したことにより、地域と店舗によっては大きく人員が偏っています。一部の店舗においては、特にヘアメイクアップアーティストの人員が不足しており、繁忙期の撮影に対応しきれない状況が起きていました。
こちらについては、早々にエリア間の人事異動や採用による人材配置の最適化を図り、店舗間の偏りを解消していきます。加えて、当社の強みの源泉ともなっているプロフェッショナル職の充実に向けて、積極的な新規採用を継続しています。
2つ目はプログラム改良による育成期間の短縮です。プロフェッショナル人材を内製化していることが当社の強みの1つではありますが、短期間での出店の加速により、高いスキルと経験を持つ社員が分散してしまい、特に新店では稼働率を十分に高められなかった店舗が生じたことも、収益性の低下要因となったと考えています。
こちらについては、すでに昨年度から進めていますが、教育プログラムを改良し、スタジオ撮影やロケーション撮影を一通りこなせるようになるまでの育成期間を短縮しています。
具体的には、これまで2年間かけて実施していた研修プログラムを1年間に凝縮しています。育成のスピードを速めることで、店舗を支える高いスキルを持った社員の層を厚くしていく取り組みは、今後も継続して強化していきます。
主要なものをスライドに記載しましたが、記載したもの以外にも、業績改善につながる取り組みを進め、来期の業績回復に向けて取り組んでいきます。
2024年9月期 業績予想の修正
アニバーサリーフォトサービスの課題およびその対策についてご説明します。課題としては、過去の開示資料でもご説明しているとおり、開店から想定売上高に到達するまでの期間が、計画に対し長引いていることが挙げられます。
この課題の解消には、集客の強化、撮影件数の向上が必須です。これまで、集客を伸ばすために、「Instagram」を中心とした店舗ごとのSNS広告の活用を柱として、広告・宣伝を強化する対策を取ってきました。
また、各出店地の近隣における認知度向上のため、地域での地道な販促活動や広告宣伝活動も行っています。これらにより少しずつ改善していますが、引き続きさまざまな打ち手を検討・導入していく必要があります。
当面、新たに取り組む施策と強化していく施策について3つご説明します。
1つ目として、現在行っている各出店地での販促活動に関して、従来の取り組みに加えて、広告だけでは伝わりにくい、同業他社との差別化ポイントでもある撮影体験そのものの楽しさをお客さまに実体験してもらうことを考えています。
スタジオ内での撮影体験イベントを開催する取り組みを強化し、店舗近隣からの新規顧客の獲得や、お客さまからの口コミ情報の獲得を進めていきます。
2つ目として、大株主であるMIXIグループが展開する写真共有アプリ「みてね」との連携を、今年の夏からいよいよ開始します。具体的な日程・内容については、確定次第ご案内しますが、資本事業提携を開始する際にお伝えしていたとおり、アニバーサリーフォトサービスの集客と活性化に結びつく、新たな取り組みの第一歩として積極的に進めていきます。
3つ目として、当社のフォトウエディングサービスをご利用いただいたお客さまに対するアニバーサリーフォトサービスの提案を強化し、お客さまのライフタイムバリューの最大化につなげていきます。
フォトウエディングでは、毎年約2万組のお客さまを撮影させていただいていますが、アニバーサリーフォトの店舗数が少ないこともあり、これまでは十分な提案ができていませんでした。今後、お子さまだけでなく、ご家族の記念日での撮影など、撮影プランのバリエーションを増やしていくことも含めて、提案を強化していきます。
先ほどご説明した「みてね」との連携も、お客さまのライフタイムバリューの向上には大きな効果があるものと考えています。
これらの取り組みを通じ、集客の改善による売上収益の拡大を目指し、2024年9月期通期での業績予想を達成するとともに、来期以降の業績回復を目指していきます。以上が、2024年9月期の業績予想修正に関するご説明となります。
スライド16ページ以降は、カンパニー・ハイライトとして、当社の特徴や強みなどをコンパクトにまとめた資料です。こちらは決算説明資料として当社のIRサイトに掲載していますので、お時間のある時にご覧いただけると幸いです。
質疑応答:修正業績予想の達成確度について
司会者:「修正後の業績予想については、達成可能な目標と考えてよろしいのでしょうか?」というご質問です。
新井:ご説明の中でもお伝えしたとおり、1月、2月の撮影件数の大幅な減少を受けて、店舗ごとに状況を確認し、計画を再検討しています。数値としては、保守的に見積もっていますので、達成を目指して引き続き努力を続けていきたいと考えています。
質疑応答:今後の成長戦略について
司会者:「婚姻組数が伸びない中、今後の成長戦略についてはどのように考えていますか?」というご質問です。
新井:ご指摘のとおり、国内婚姻組数の回復が遅れています。フォトウエディングに関しては、地方都市を中心に未出店の地域がありますので、出店エリアを広げ、私どものサービス提供可能エリアを広げていくことを進めていきたいと考えています。
また、本日もお伝えしたように、既存店の周辺にスタジオを持たない接客専用店舗を出店していくことで集客力を高めていく取り組みも進めていきます。このような施策で成長を進めていく考えです。
加えて、インバウンドの取り込みの強化も進めており、専門部署を設置して体制を強化しています。今期はコロナ禍の前の水準に戻すことが目標です。来期以降は、そこからさらに増やしていきたいと考えており、インバウンドも重要な成長戦略の1つと捉えています。
さらに中長期的な視点では、毎年2万組のフォトウエディングのお客さまをアニバーサリーフォトスタジオの集客につなげていきます。アニバーサリーフォトはウエディングのように1回きりではなく、リピートの需要がありますので、そちらへの展開も強化しているところです。
中長期的にこれらの施策を強化することで、婚姻組数の動向に左右されずに成長を維持できる体制を目指していきたいと考えています。
質疑応答:のれんの減損リスクについて
司会者:「のれんの減損リスクはどのようにお考えでしょうか?」というご質問です。
新井:のれんの減損リスクについては、毎期テストを実施していますが、現在の水準ではまったく問題ないと考えています。金額的に大きいのれんですので、常にご質問をいただきますが、私どもとしては減損リスクについては低いと判断しています。
今後の新規出店計画について
司会者:「婚姻組数が減少している中、今後の新規出店計画は変わってくるのでしょうか?」というご質問です。
新井:今期と来期以降に分けてご説明します。まず、今期のフォトウエディングについては、150坪の大型店舗ではなく、接客専用の相談カウンターのような投資効率の高い店舗を出店し、既存店の収益性を高めていく取り組みを検討しています。
来期以降に関しては、先ほどお話ししたとおり、地方や首都圏近郊にコンパクトな店舗あるいはアニバーサリーフォトと併設するようなスタジオを出店していきたいと考えています。それによってサービス提供可能エリアを広げていく取り組みを続けていきます。
一方で、アニバーサリーフォトスタジオに関しては、今期に2店舗出店しました。もう1店舗出店予定でしたが、こちらは今期中ではなく来期に出店することを決定しています。
現状では、阪急西宮ガーデンズのようなショッピングセンターからお声がけいただいており、このような集客力の高い商業施設への出店を中心に進めていきたいと考えています。
質疑応答:中期経営計画について
司会者:「中期経営計画は変更するのでしょうか?」というご質問です。
新井:これまでは中期経営計画を毎年ローリングし、内容を更新していたのですが、昨年の発表時に「これから先は3年間、数字を固定して進めていく」とお伝えしました。ただし、今期は業績予想を修正していますので、今後の中期経営計画の数値については、現在検討を進めている状況です。