アジェンダ
嘉屋雄大氏:みなさま、こんばんは。株式会社キットアライブ代表取締役社長の嘉屋雄大です。本日は、遅い時間からご参加いただき誠にありがとうございます。それでは、弊社の2024年12月期第1四半期決算説明を始めます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日のアジェンダはスライドのとおりです。
北海道から日本のクラウドビジネスを支える Kitalive Inc.
弊社の事業概要についてご説明します。キットアライブは、北海道から日本のクラウドビジネスを支えることを社是としています。本社は北海道にありますが、日本全国のお客さまに対し「Salesforce」というクラウドシステムの導入支援や製品開発などを行っています。
株式会社キットアライブについて
弊社のプロフィールです。本社は北海道札幌市にあります。東京事業所は日本橋にありますが、社員63名のうち5名が東京、残りが北海道に所属しています。従業員の平均年齢は33.8歳で、設立からまもなく8年のまだ若い会社です。
サービスの特徴
サービスの特徴についてご説明します。1つ目は「Salesforce」の導入支援です。現在あるクラウドサービスのうち、特に業務系の顧客管理や営業支援に関しては「Salesforce」の名前が必ず挙がります。
弊社は、各企業への「Salesforce」の導入と、オーダーメイド型のシステム開発を行っています。ITコンサルティング・要件定義・設計・開発・システムテスト・運用保守までを、ITエンジニアがワンストップでご提供できるのが特徴です。
2つ目は「Salesforce」の製品開発支援です。こちらは、ビジネス版の「App Store」のアプリ開発をイメージしてください。「Salesforce」には「AppExchange」という「App Store」と同じようなマーケットプレイスがあり、そちらでアプリケーションを展開することができます。
例えば、企業が「名刺管理」というキーワードを打ち込んでアプリを見つけ、そこから何度かクリックするだけで、企業は名刺管理のアプリケーションがすぐに使えるようになります。弊社は、このような展開を支援しています。
ビジネスの流れ
スライドの系統図はビジネスの流れを表しています。案件やお客さまは一番左のセールスフォース・ジャパンからご紹介いただくこともありますが、弊社が大きな強みだと思っているのは、右から2列目の製品開発委託元企業とのつながりです。
先ほどお話ししたとおり、弊社はビジネス版「App Store」でアプリケーションを作るお客さまを支援していますが、アプリケーションの導入支援ビジネスに、製品開発委託元企業が加わることがあります。
彼らとともに動くことで「Salesforce」の導入支援と製品開発支援の両ビジネスにお客さまや案件をご紹介いただける点が、弊社の強みとなっています。
現在、弊社は多くの製品を作っていますが、製品開発委託元企業とのつながりを増やすことで弊社のビジネスも大きくなります。当然ながら、同時にセールスフォース・ジャパンともつながりを持ちながらビジネスを行っています。
当社の市場ニーズ
弊社の市場ニーズは「クラウドを活用し、全国のお客様の生産性向上に北海道から貢献すること」です。
2024年12月期 第1四半期累計 業績ハイライト
2024年12月期第1四半期の業績についてご説明します。まずは業績ハイライトです。
前年比の増減額および増減率がすべてマイナスとなり、ご心配をおかけして申し訳ございません。こちらは、前期第1四半期に大型案件の検収があり、大きな売上高および利益が出たためで、そちらと比較するとこのような増減額および増減率になるということです。
今期第1四半期は、売上高が約2億円、営業利益が4,300万円となりました。
2024年12月期 第1四半期 貸借対照表
貸借対照表は堅調に推移しました。自己資本比率は5.3ポイント増加し、89.8パーセントとなっています。
売上高/経常利益の推移
スライドのグラフは、左側が第4期からの売上高推移、右側が第4期からの経常利益推移です。売上高は順調に階段を上がるかたちになっており、今期も同様の動きを予定しています。
純利益、1株当たり純利益の推移
純利益も似たような傾向です。当期純利益率は15.2パーセント、1株当たりの当期純利益は23.8円という結果になりました。
純資産額/総資産額、1株あたり純資産額の推移
純資産額、総資産額、1株あたり純資産額の推移はスライドのとおりです。
売上総利益・売上総利益率の推移
スライドのグラフは、左側が売上総利益、右側が売上総利益率の推移を示しています。売上総利益は、約9,300万円となりました。売上総利益率は、47.4パーセントと若干下がっているものの、高い利益率を維持しています。
都道府県別取引先と累積取引先社数の推移
現在は全国18都道府県にお客さまがおり、北海道以外のお客さまも少しずつ増えてきています。
スライド右側のグラフのとおり、第1四半期を終えて新規のお客さまが若干増えました。北海道のお客さまが1社増えて41社、北海道以外が77社、合計で118社とのお取引があります。
主たる取引実績
弊社の取引実績をご紹介します。今回からこちらのスライドを加えました。弊社ホームページからの転載になりますが、掲載許可をいただいた企業のロゴを並べています。
スライド左上にろうきん(労働金庫連合会)とあるとおり、金融機関をはじめとして上場企業や北海道大学など、多くの会社とともにビジネスを行っています。
2024年12月期 通期 業績予想
2024年12月期の業績予想についてご説明します。当初予想から変更なく、開示済みのものと同一となっています。
売上高は9億1,000万円、営業利益は1億2,000万円、経常利益は1億3,000万円を見込んでいます。営業利益の増減率が前期比マイナス38.1パーセントで、営業利益以下の増減率もマイナスとなっていますが、こちらは弊社の成長基盤構築のため、主に人材への投資を予定しているためです。
2024年12月期 通期 業績予想
売上高は段階的に上がりますが、経常利益は一度下がって約1億3,000万円になると想定しています。
2024年12月期採用施策
採用施策についてです。今期は19名のエンジニア採用を予定していましたが、この5月までに11名が入社し、残りは8名という状況です。
広告手法としては、セグメント型の広告を大幅に増やしています。また社内では、社員にも採用に協力をしてほしいと強くお願いしており、リファーラル紹介料も10万円から30万円に増やしました。
11名の内訳は、中途エンジニアが2名と新卒エンジニアが9名です。そのうち、中途の2名はリファーラル経由のため、取り組みの効果が少しずつ出てきたと感じています。引き続き、リファーラル活動の強化と知名度向上に取り組んでいきます。
今後の成長イメージ
来季以降の成長イメージについてです。スライド左側の売上高は階段状に成長しますが、右側の経常利益も、今期の落ち込みに対して来期以降は回復を見込んでいます。
国内パブリッククラウドサービス市場予測
市場性についてご説明します。新聞などでも報道されているとおり、パブリッククラウドサービス市場は非常に引き合いの強い状態が継続しており、弊社への案件の引き合いも続いています。
市場予測も伸びており、この数値のままであることを実感しています。
国内CX関連ソフト/CRMアプリケーション市場予測
「Salesforce」が最も強いCX関連やCRM(顧客関係管理)関連の市場も伸びており、こちらも予測と弊社の実感値が合っていると考えています。
少人数プロジェクトの特徴
弊社の取り組みについてご説明します。弊社は「Salesforce」を扱っていますが、少人数のプロジェクトが多いことが特徴です。1チームのメンバーが3名というプロジェクトも多くあります。
ITプロジェクトは、1チーム50人や100人で回す大型プロジェクトになることも多いのですが、弊社はそうではなく少人数で回しています。その場合、リーダーの数が必要になるため、リーダーをいかに早く育成するかがポイントになります。
そのために、メンバーには複数の工程を経験させています。例えばプログラムだけ、設計だけなどの完全分業ではなく、1人のプロジェクトメンバーが複合的な役割を担うことにより、上流工程の業務を早期に担当できる力を身につけていきます。
「② 業務理解度の向上」についてです。弊社はWeb会議を使って全国のお客さまとビジネスを行っていますが、Web会議は新卒メンバーや勉強中のメンバーも同席させやすいため、お客さまとの直接的なコミュニケーションにも早期に参加できます。このことは、彼らの業務理解度の向上にもつながっています。
採用・育成
弊社は若手を多く採用しており、平均年齢は33.8歳です。育成支援制度を用いて、業務理解度の高いITエンジニアを早期に育成しています。また、Web会議を活用し、全国のお客さまに「Salesforce」の導入支援を行っています。
全社員のうち27%が北海道大学出身
若手メンバーの多くは新卒採用ですが、現状は全社員のうち27パーセントが北海道大学の出身者です。
北海道大学は、弊社から歩いて10分ほどのところにあります。地場の企業として、地場の大学から選んでいただけるようになってきたことが、この数字に少しずつ現れてきていると考えています。
この4月も、北海道大学の出身者が5名入社しました。北海道の地で優秀な人材を確保していく取り組みが、少しずつながら出来上がってきています。
Salesforce認定資格保有者数一覧
「Salesforce」には多くの認定資格があり、スライドには4月1日時点での当社の資格保有者数を記載しています。上2つの「アプリケーションアーキテクト」と「システムアーキテクト」はかなりの難関資格ですが、これらの資格保有者も増えてきています。
地域とともに成長を
弊社は「Kids Alive」という寄付活動も行っています。お子さんがいる社員には月1万円の手当を出していますが、それと同じ金額を四半期に一度、地域に寄付しています。地域の成長が私たちの成長につながっていくと考え、この制度を実施しています。
従業員持株会の設立
先日、従業員持株会を設立することを発表しました。拠出金は1口1,000円で上限は50口、奨励金付与率は20パーセントです。拠出時期は、2024年6月に開始する予定としています。これにより、弊社の株式を継続的に購入していきます。
私たちのミッション
弊社のミッションは「Challenge together.」です。具体的には「Salesforce」を用いて、お客さまのビジネスを改革していきます。
ただし、その改革は非常に難しいことであると私たちも認識しています。お客さまとともに取り組むことができなければ、最終的な目標は達成できません。「お客さまとともにビジネスを改革していく」という思いで、このミッションを掲げています。
質疑応答:テラスカイとNTTデータの提携による影響について
「テラスカイとNTTデータが資本業務提携するというニュースを拝見しました。この提携により、御社にどのような影響が出てくるのでしょうか? 前向きに捉えていますが、現時点の想定を教えてください」というご質問です。
弊社とテラスカイは昨年度のみで1億円程度の取引があり、こちらは有価証券報告書でも開示しています。今後、テラスカイとNTTデータの提携が進むことにより、例えば弊社にも案件の引き合いが増える可能性はあるかもしれませんが、現時点で正式に開示している事項はないことをご了承ください。
質疑応答:新規採用人材の育成期間について
「採用に注力されていると思いますが、戦力化までの期間を教えてください」というご質問です。
この4月に9名が新卒で入社し、今は新人研修を行っているところです。例年、新卒のメンバーは4月から7月中旬までの3ヶ月半、ITやプログラミングの基礎研修を受けます。この期間は「Salesforce」ではなく、一般的なITの基礎研修が主となります。
私たちは「『Salesforce』のみができればよい」とは考えていません。「Salesforce」以外にも広くITの知識が必要になるため、それらの知識獲得を目的として研修などを行っています。
それが終わると、7月中旬以降から「Salesforce」の研修を行います。実際にプロジェクトへ配属となるのは、入社から4ヶ月後の8月以降となります。ですので、売上につながるのも8月以降になる見込みです。
質疑応答:道内の大学における広告・PR活動について
「北海道の大学で広告や人材プログラムに参加されているとのことですが、手応えはいかがでしょうか?」というご質問です。
弊社は道内の国立大学において、食堂のトレーを使って広告を出稿しています。トレーを持って食事を受け取りに行くと、必ずその広告が目に入るイメージです。これにより、広告を見た方に、弊社のワンデーインターンシップに申し込んでもらえる流れが出てきました。少しずつですが、広告の効果を実感しています。
また、プロダクト開発やアントレプレナーシップの教育育成を目的とした「北大テックガレージ」へのプログラム支援・寄付も行っています。「北大テックガレージ」を広く周知することにより、北海道新聞などのメディアにも取り上げられました。こちらも、少しずつですが知名度の向上につながっていると感じています。
質疑応答:配当方針と今後の見通しについて
「配当方針と今後の見通しを教えてください」というご質問です。
配当は、株主のみなさまへの利益還元となるため、その重要性は大変理解しています。しかし、現在は「弊社の成長へ投資するフェーズである」と考えているため、配当の開始時期について現時点での決定事項はありません。
質疑応答:中途採用について
「前期は中途採用に苦労されていましたが、新卒採用を含めて今期の3ヶ月間で変化はありましたか?」というご質問です。
先ほどまでのご説明と重複するところもありますが、2024年5月までに、中途社員2名と第二新卒を含む新卒9名の合計11名が入社しています。
中途採用についてはリファーラルを強化しており、その成果を少しずつ感じているところです。今後もリファーラルの取り組みを強化していきたいと考えており、社員からの協力も得ていくことを予定しています。
質疑応答:営業方法の変化について
「対面営業を復活させる企業も増えているようですが、オンラインのみで納品まで完結する御社の手法に変化はありますか?」というご質問です。
先ほどもお話ししたように、弊社ではWeb会議を中心としたビジネスを行っており、Webでの営業活動を多く行っています。その分、時間効率は良くなりますが、やはり直接お会いできる機会が一定数減ることはオンラインの難点でもあると認識しています。
現時点では対面営業を増やす予定はなく、Web会議を中心とする方針に変更はありません。確かに、対面営業を増やしている会社が増えていることは感じ取っています。しかし弊社としては、対面営業を増やすメリットよりも、Web会議を使って距離の壁を取り払い、商圏を北海道から日本全国に広げていくほうがプラスのインパクトが大きいと考えています。
したがって、当面はこちらの手法を継続していく考えです。
質疑応答:競合と比較した際の技術的な強みについて
「『Salesforce』導入や、その関連開発は競合も多いと思います。御社の技術的な強みは何ですか?」というご質問です。
これまでのご説明と重複する部分もありますが、弊社では通常の導入支援に限らず、「AppExchange」というマーケットプレイスでの製品開発に関する知見も非常に多く持っています。
技術的なことになるため説明が難しいのですが、通常の導入支援と製品開発は、技術分野が少し異なります。例えば、製品の導入では、1人で使うこともあれば1,000人あるいは1万人の会社で使うこともあるため、非常に多くのパターンを想定して設計しなければなりません。
また、お客さまの要望によって製品をアップデート・アップグレードしていくため、そのようなことにも耐えられる設計を行わなければなりません。多くの構成要素がある中で、私たちには長く取り組んできた知見があり、実行できるメンバーも揃っています。
つまり、導入支援と製品開発の2つをうまくミックスし、「Salesforce」の各社パートナーともタッグを組みながら「Salesforce」の分野でビジネスを行っていることが、弊社の強みとなっています。
質疑応答:AIなどの先端技術の導入について
「IT業界では生成AIがトレンドとなっています。AIなどの先端技術について、研究開発やシステムへの導入を実施されていますか?」というご質問です。
私も先日「ChatGPT-4o」について「YouTube」での紹介などを拝見しました。目を見張るほど進化のスピードが速く、人間がやるべき領域が本当に減ってきていると感じます。
「ChatGPT-4o」はもちろん日本語に対応していますが、英語のほうが直接人間が話しかけた時のリアクションのスピードが速く、少し陽気な感じで話しかけてくるといった感情表現まで可能です。しばらく経てば、日本語でも同じことができるようになると思います。
これらをビジネスにどのように適用していくのかについては、例えば、フロントとして話す人が不要になるかもしれません。とは言え、フロントから何でも話せばよいということではなく、各企業にパーソナライズされたデータ、つまりお客さまごとの特別なデータが必要になってくると思います。
そのデータをどのように保持し、どのようにアウトプットしていくかを、AIとともに進めていかなくてはならない時代になってきていることを強く感じています。おそらく今後数年のうちに、さまざまなビジネスが変わるとは認識していますが、その反面、セキュリティのリスクなどを考えなくてはならないとも感じています。
例えば、話しかけた内容がお客さまの機密情報であった場合、その情報が教師データとして使われたり他のところに紛れ込んでしまったりすれば、誰もAIを使ってくれず、弊社の提案が誰にも採用されないこともあり得ます。そのようなセキュリティリスクについても、利便性とともに検討していかなくてはならないと考えています。
Salesforce社にも「Einstein」というプラットフォームがあります。現在は、そちらをもとに、セキュリティリスクをなくしてデータを使うための準備が行われているところです。弊社としては、そのようなビジネスを展開していくことが第一です。
今後のAI時代に向けて、弊社でもそれらの案件に対応できるよう取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:第1四半期の減収に対する課題感について
「1月から3月の売上高が、前年同期比で減収であることが気になります。ここまでは会社の想定どおりなのでしょうか? 想定どおりではない場合、持っている課題感について教えてください」というご質問です。
ご心配をおかけして申し訳ございません。先ほどご説明したように、1年前に大型案件の検収があったため、今四半期は前四半期に比べて売上、利益とも大きく減少しています。やはり、このような状況は投資家のみなさまにご心配をおかけすることになると、強く反省しています。不安を与えることがないように、会社としても考えていきます。
質疑応答:システムエンジニアの獲得や教育について
「『Salesforce』の導入や製品開発支援がメイン事業となると、システムエンジニアを多く抱える必要があると思います。人材獲得や教育面について詳しく教えてください」というご質問です。
人材獲得は北海道を中心に行っており、北海道大学や道内の理工系国立大学をはじめとした教育機関が主となっています。学生の多い土地ですので、人材確保には地の利があると考えています。
また、北海道以外から北海道大学等に進学した方の中には、実際に住んでみると「北海道はすばらしい」「北海道から出たくない」となり、そのまま北海道に住んで働くことを決め、弊社に入社した方も多くいます。加えて、Uターン就職の方ももちろんおり、このような方を多く取り入れていこうと思っています。
先ほど「北海道に地の利がある」と言いましたが、同じことを東京でやろうとしても、人材の数は多いものの競争が非常に激しいため、なかなかうまくいかないだろうと考えています。そのため、まずは北海道で勝ち切るべく、北海道の優秀な人材を取り切っていきます。
教育に関しては、新人向けの基礎研修や「Salesforce」の研修をしっかりと行った後、少人数プロジェクトに配属し、OJTを通してプロジェクトマネジメント力をつけていきます。
質疑応答:東証グロースへの上場予定について
「札証アンビシャス市場は、どうしても出来高が薄く投資がしづらいと感じています。今後、東証グロースへの上場などはお考えでしょうか?」というご質問です。
こちらについては本当にお詫びを申し上げます。株価の件に加え、流動性が低く投資がしづらいという状況には、私自身が一番課題感を感じています。また、市場変更が課題解決につながることも当然ながら理解しています。しかし恐れ入りますが、現時点で開示できる事項はありません。
ただし、何度か説明会でもお話ししているとおり、札幌証券取引所アンビシャス市場は「ステップアップ市場」という位置づけであることは強く認識しています。また、グロース市場は基準変更の話も出ていますので、弊社としても、今後はすべての可能性について情報収集を行っていこうと考えています。
質疑応答:札幌証券取引所への上場理由について
「札幌証券取引所に上場した理由を教えてください」というご質問です。
こちらは先ほどの採用のお話にもつながりますが、北海道内での知名度や信用度の向上を目的として上場しました。上場後は北海道新聞等の各種メディアに取り上げていただくなど、知名度向上には一定程度の効果があったと感じています。
社会的信用度の向上についても、先ほど取引実績でお伝えしたとおり、上場企業との取引が増えてきました。したがって、上場した意味は一定程度あったと考えています。
質疑応答:「Salesforce」の値上げ影響について
「『Salesforce』の値上げによる影響はありますか?」というご質問です。
「Salesforce」のうち、最も売れているライセンスは「Sales Cloud」と「Service Cloud」です。こちらの月額料金が、1ライセンス1万8,000円から10パーセント値上げされて1万9,800円となりました。他のライセンスも順次値上げされています。
実は、ご提案にあたり、値上げが要因で弊社がマイナスを被ったことはありません。そのため今回の値上げにおいても、値上げの影響は限定的だろうと考えています。
あくまでも想像ですが、値上げの大きな理由は円安です。その意味では、10パーセントの値上げよりも円安の為替差益が小さいことをご説明すると、非常にご理解いただけると実感しています。
質疑応答:上場後の株価変動が大きい理由について
「上場以来、株価のアップダウンが激しいですが、何か思い当たる理由はありますか?」というご質問です。
こちらもお詫びを申し上げます。株価変動が大きいことについては投資家のみなさまにご心配をおかけする場面が多く、申し訳ございません。
1つ目の理由は、先ほどもお伝えした流動性の低さです。これにより、非常に少額のお取引でも株価自体が動きやすくなっています。2つ目の理由は、今期の予算発表です。こちらの開示により株価が大きく下がったと考えています。これら2つが主な要因だと思っています。
質疑応答:オフィス拡張による従業員の満足度について
「ちょうど1年前に本社を拡張されたと思いますが、従業員の満足度はどうなりましたか? 採用にもつながっていますか?」というご質問です。
おっしゃるとおり、ちょうど1年前の2023年4月に本社オフィスを拡張しました。こちらは、新型コロナウイルスの収束を見越して、エンジニアのワークスペースを整えることを目的としています。
今回の拡張では、1on1のミーティングができるスペースを作りました。また、弊社は3ヶ月に1度、キックオフミーティングとして全社会議を行っています。その際に、オフィスに全員が集まって、ピザをとったり焼き鳥を買ったりしてパーティーを楽しんでおり、実はこちらが非常に好評です。
当初は社員数も増えたため、今後は他の会場でやることを考えていました、しかし、社員から「非常に気兼ねなく話ができ、社員同士でコミュニケーションを取れる良い場だ」という声もあり、本社でのパーティをしばらく継続することにしました。
このように、単純な「働く場所」だけではなく「コミュニケーションを取るスペース」としても、本社を使うことにつながっていると思います。
加えて、改装後のオフィスは、学生の見学や交流会や勉強会といったイベント使用など多様な使い方をしています。また、「Salesforce」をはじめとして他社へのオフィスの貸し出しも行っています。札幌駅近くのため利便性がよく、セミナーをしやすいということでご利用いただいています。
質疑応答:対面式の会社説明会の開催予定について
「対面式の会社説明会を行う予定はありますか?」というご質問です。
IR関連の活動については、より多くのみなさまにご覧いただきたいと思っているため、オンラインを中心に考えています。現時点で予定はありませんが、これからは対面での説明会も考えていきたいと思っています。
質疑応答:今後5年間での成長見込みについて
「今後5年で、どこまで会社が成長できると見ていますか?」というご質問です。
社内では作っているものの、弊社が明確に中期計画を開示できておらず申し訳ないと思っています。
まず今期は人員を増強し、コアメンバーとなるための社員育成を行います。そのメンバーは、例えば5年後に、リーダーとしてしっかりと働いていると想定されます。そして、リーダーの下には数名のチームメンバーがつくため、5年後は相当な成長ができるというビジョンを描いています。このような体制づくりを想定をしています。
加えて、外部環境としては、弊社のメインビジネスである「Salesforce」が順調に伸びていくと予想しています。Salesforce社自身もそのように開示していますので、その成長に伴って弊社も伸ばしていけると考えています。
質疑応答:受注および受注残の状況について
「売上が前期比で減少していますが、受注状況はどうなっていますか? 前期比での受注残状況とあわせて教えて下さい」といただいています。
受注状況については、既存のお客さまからの継続的な受注と新規のお客さまからの受注が順調に進捗しています。見込み案件についても順当に積み上がってきています。
質疑応答:別領域への進出構想について
「企業がある程度成長した後、別領域へ進出するなどの構想はありますか?」というご質問です。
弊社は「Salesforce」を主たるビジネスとしていますが、Salesforce社自体が「Slack」や「Tableau」などのさまざまな会社や製品を買収し、「Salesforce」と組み合わせるかたちでビジネスの提供範囲を広げています。
加えて、最近では新たに「Salesforce Data Cloud」という製品の展開を始めました。こちらは、先ほど「パーソナライズされたデータが必要」とお話しましたが、そのデータを取得するための基盤のようなものです。これにより、AIの効果が出やすくなるイメージです。
したがって「Salesforce」のビジネス分野だけでも、弊社ができる領域はどんどん広がっていきます。弊社が得意とする「Salesforce」のコアと言われる領域以外に、このような新しい領域も広げていこうと考えて取り組んでいるのが現状です。
嘉屋氏からのご挨拶
本日は、遅いお時間にご参加いただきありがとうございました。引き続き、キットアライブにご注目いただけますと幸いです。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。