業績ハイライト

髙橋博史氏:専務執行役員の髙橋です。私から2024年3月期決算概要をご説明します。

まず、業績ハイライトです。2024年3月期はパチンコ機・パチスロ機の販売台数を伸ばし、前期比で増収増益となりました。近年向上している当社グループのブランド力を追い風に、パチンコ機・パチスロ機ともに販売が好調に推移しました。

決算サマリー

通期の振り返りです。遊技機市場全体では、引き続きパチスロ市場が好調である一方、パチンコ市場はパチスロ人気に押され、稼働・販売ともにやや低調に推移しています。

このような中、パチンコ機関連事業では主力シリーズ機を中心に販売台数を積み重ね、パチンコ機販売シェアは30パーセントを超え、2期連続でシェアナンバーワンを獲得しました。

また、パチスロ機関連事業ではスマスロを積極的に投入し、時流を捉えた商品で複数の高稼働機種を創出するなど、ブランド力・販売シェアの向上を果たしました。

決算サマリー

実績サマリーです。パチンコ機関連事業およびパチスロ機関連事業ともに業績を伸ばし、前期比で増収増益となりました。

売上高の増減要因

連結売上高の増減要因の内訳については、スライドのとおりです。

営業利益の増減要因

連結営業利益については、主にパチンコ機・パチスロ機関連事業の売上総利益が増加し、伸長しました。

費用構成

費用構成です。販売手数料は約32億円の増加となりました。主にBistyブランドのパチンコ機販売が好調に推移したことによるものです。

B/Sサマリー

連結貸借対照表です。資産合計が約738億円の大幅な減少となっていますが、2回にわたり実施した、計965億円の自己株式の取得が大きく影響しています。

自己資本比率は前期から1.2ポイント増加し、85.5パーセントとなりました。

パチンコ機関連事業

事業の概況についてご説明します。まずパチンコ機関連事業の売上高増減要因です。Bistyブランドの数量増加の効果とともに、SANKYO・Bistyブランドの販売価格の上昇が売上高の押し上げ要因になりました。

パチンコ機関連事業

パチンコ機の販売タイトルです。今年度は前年度と同様の10タイトルとなりました。

パチスロ機関連事業

パチスロ機関連事業の主な増収要因です。販売タイトルの充実と商品力の向上により、販売数量が伸びたことが寄与しました。

パチスロ機関連事業

通期の販売タイトルです。本年度はスマスロを中心に5タイトルを販売し、高稼働機種を創出しました。

パチンコ機販売シェア(台数ベース)

マーケットシェアです。後ほどご説明する中期経営計画のパートと重複するため、15ページについてはご説明を割愛します。

パチスロ機販売シェア(台数ベース)

16ページについても同様に割愛します。

パチンコ市場

2025年3月期の予想についてご説明します。まずパチンコ市場の見通しです。2024年度は前年度に引き続き厳しい市場環境を想定しますが、ラッキートリガー搭載機やスマートパチンコ機などのヒット機種の登場で、状況が好転する可能性もあると考えています。

パチスロ市場

パチスロ市場の現況です。前年度に続き、好調に推移すると見込んでいます。

業績予想ハイライト

2025年3月期の業績予想のハイライトです。厳しいパチンコ市場を反映し、パチンコ機販売台数は減少を見込んでいます。一方、パチスロ機関連事業では近年導入した商品の評価が高く、パチスロ市場における当社グループの存在感が増しており、販売台数の伸長を見込んでいます。

2025年3月期予想サマリー

スライド21ページから28ページにかけては、サマリーや事業見通しを示しています。当説明会では時間の都合上説明を割愛します。お時間のある際にご確認ください。

なお、新規販売予定タイトル数は、26ページ・28ページに記載のとおり、パチンコで9タイトル、パチスロで7タイトルを予定しています。

2025年3月期:当社の取り組み

2025年3月期における当社の取り組みです。パチンコ機関連事業については、スマパチ・現行機問わず、稼働を牽引するタイトルを創出するとともに、スマパチや新機能ラッキートリガー搭載機においても、当社グループの開発力を発揮し、市場活性化に寄与する商品を投入していきたいと考えています。

一方、パチスロ機関連事業については、前期の商品実績・信頼を足掛かりに、さらなるシェア伸長を実現するため、販売タイトル数の充実を図り、販売台数の伸長を図っていきます。

株主還元について

当社の株主還元についてです。昨年9月に配当方針を変更し、配当性向40パーセントの業績連動型配当を基本方針としています。

当該方針に沿い、2024年3月期のすでにお支払い済みの中間配当は、1株につき150円です。期末配当については1対5の株式分割を行っているため、1株につき50円の予定です。なお、株式分割を考慮した年間配当金は、1株につき80円となります。

2025年3月期の配当については、当期純利益が約117億円の減少を見込んでいます。しかしながら、昨年度に実施した自社株買いの効果で期中平均発行済株式数が減少することから、配当性向40パーセントを目安として、前年度並みの80円の予想とします。

今後の株式還元の方針については、後ほど中期経営計画のパートにおいてご説明します。

以上で、私からのご説明を終わります。

中期経営計画の骨子(2025/3期~ 2027/3期)

石原明彦氏:本日はお集まりいただきありがとうございます。代表取締役社長CEOの石原です。このたび、2025年3月期を起点とした3ヶ年の中期経営計画を策定しました。

中期経営計画のサブタイトルとして設定した「持続的成長への号砲」には、「主力事業であるパチンコ・パチスロ機関連事業の成長への取り組みのみならず、ESG・サステナビリティの取り組みを推進し、株主・投資家のみなさまをはじめとするすべてのステークホルダーから信頼され、永続する企業を目指していく」という思いを込めています。

また、パチンコ業界の将来展望に対し厳しい見方も少なくない中で、2027年3月期までの3ヶ年におけるさらなる企業価値向上の道しるべを示し、当社へのご理解を深めていただくために、中期経営計画の策定に至りました。

スライドは中期経営計画の骨子です。ESG・サステナビリティへの取り組みと、企業としての利益成長を両立させ、パチンコ機関連事業においては盤石な体制を構築し、パチスロ機関連事業においては成長を加速させていきます。

重要な経営課題である財務戦略については、資本コストを上回るROEを意識した適切な投資および株主還元に取り組み、産業を牽引していきたいと考えています。

中期展望(3年後の姿)

中期経営計画最終年度の数値計画です。パチンコ機関連事業では販売シェア30パーセント以上を盤石にし、圧倒的なナンバーワンの座を堅持していきます。伸びしろの大きいパチスロ機関連事業では販売シェア15パーセントを獲得し、上位グループの仲間入りを目指します。

両事業の成長のあかつきには、連結売上高2,200億円、連結営業利益880億円と、適切な財務戦略を交えながら、ROE15パーセントから20パーセントの水準の維持が可能であると考えています。

パチンコ・パチスロ事業の競争優位性

パチンコ・パチスロ機関連事業における当社の競争優位性について説明します。当社が長年にわたりトップメーカーとして走り続けてきた背景には、「開発」「製造」「販売」の3つの礎があります。

「開発」については、SANKYO・Bisty・JBの3ブランド展開による多種多様な商品開発と、メーカートップクラスの販売タイトル数を誇っています。

「製造」については、フルオートメーション化により多台数の全国一斉納品に対応できる効率的な生産設備や、コロナ禍の部材不足で販売スケジュールの見直しを余儀なくされるメーカーが多い中、計画どおり進めることができた部材調達力についても、メーカー随一であると自負しています。

「販売」については、eコマースがもてはやされる時代ではありますが、全国23ヶ所の支店・営業所で多くのパチンコパーラーをカバーし、きめ細かく迅速に対応できる営業ネットワークを構築しています。

これらの「総合力」が、当社の競争優位性となっています。

経営数値目標

中期経営計画3ヶ年の経営数値目標です。厳しいパチンコ市場を反映し、2025年3月期は減収減益の数値目標としていますが、2026年3月期・2027年3月期は、市場の回復とともに当社業績も増収増益を描き、最終年度には営業利益で880億円と、最高益を目指します。

経営数値目標(パチンコ機関連事業)

パチンコ機関連事業における経営数値目標です。中核事業のパチンコ機関連事業は、多種多様な商品展開や新規タイアップ機を積極的に展開し、販売シェアを盤石なものとするとともに、安定した収益を確保していきます。

経営数値目標(パチスロ機関連事業)

パチスロ機関連事業における経営数値目標です。パチスロ機関連事業は、当社グループの成長事業と捉え、開発体制の拡充を図り、販売タイトル数の充実に取り組みます。

また、スマスロの特性を活かし、時流を捉えた商品開発に加え、パチンコと同様に新規タイアップ機も積極的に展開し、トップグループへの躍進を目指します。

市場環境予測(パチンコファン人口の推移)

中期経営計画3ヶ年における市場環境予測です。パチンコファン人口の推移については、2020年のコロナ禍をボトムに、回復トレンドが継続すると見ています。

パチンコ産業の発展にファン人口の増加は不可欠であり、遊技機メーカーとして、スマート遊技機の普及促進、多種多様な商品展開、新規タイアップ機の積極展開、テレビCM・Web広告の有効活用により、若年層を中心とする新規ファンの獲得・休眠層の回帰につなげていきます。

市場環境予測(パーラー店舗数・遊技機設置台数の推移)

パーラー店舗数・遊技機の設置台数の推移です。パーラー店舗数は、中小店舗を中心に縮小傾向が続いており、減少トレンドは継続すると見ています。

一方、パーラーの大型化が進み、1店舗当たりの設置台数は増加傾向にあります。パーラー店舗数の減少に比べ、遊技機設置台数の減少は緩やかになると見ており、パーラー店舗数の減少による遊技機販売台数への影響は軽微と捉えています。

市場環境予測(遊技機販売台数の推移)

遊技機販売台数の推移です。先ほどの説明にもあったとおり、2023年度の実績は推計となっており、パチンコ機が85万台、パチスロ機が79万台の販売となりました。

2024年度においては、パチスロが好調なことから、一時的にパチンコとパチスロの販売台数が逆転することを見込んでいるものの、2025年度以降、特にスマートパチンコの普及が加速し、パチンコ・パチスロともに増加に転じると見ています。

パチンコ機販売台数シェアの推移

パチンコ機販売台数シェアの推移です。2023年度は推計となりますが、他メーカーを大きく抑え、約35パーセントの販売シェアを達成することができました。

中期経営計画の3ヶ年においても、シェア30パーセントを盤石なものとし、5期連続販売シェアナンバーワンを目指していきます。

パチスロ機販売台数シェアの推移

パチスロ機販売台数シェアの推移です。2020年度は2パーセントにも満たなかった販売シェアが、スマスロ登場を商機と捉え、スマート化への対応を積極的に推進しています。『革命機ヴァルヴレイヴ』の業界最速投入を皮切りに、販売シェアを伸ばしています。

引き続き、時流を捉えた商品開発により高稼働機種を創出し、販売シェアを伸ばし、トップグループへの躍進を目指していきます。

新規事業の取り組み

新規事業の取り組みを紹介します。主力事業であるパチンコ・パチスロ機関連事業での成長に重きを置く一方、相乗効果が発揮できる新規事業にも取り組んでいます。

出版社との協業による漫画の制作や販売、アニメ、映像制作への出資参加による分配金の収入などを事業として確立させつつ、創出したIPの遊技機化なども目論んでいます。

また、当社遊技機のゲームアプリ化やグッズ化など、ライセンスアウトによる収益化にも取り組んでいます。これらの事業は緒についたばかりですが、持続的な成長に向け、着実に種をまいていきます。

資本コストについて

資本コストについてご説明します。近年、パチンコ・パチスロ機関連事業の成長とともに、自己株式取得の実施などにより、ROEは高水準を維持しています。

中期経営計画の3ヶ年においても、引き続き利益成長と適切な利益還元により、当社の資本コストを上回るROE15パーセントから20パーセントを実現していきたいと考えています。

株主還元方針

株主還元についてです。当社は、長年にわたり安定配当を方針としてきましたが、2024年3月期より、連結配当性向40パーセントを目安とした業績連動型配当を導入しました。

資本コストを上回るROE目標達成のため、売上高・利益率向上を軸に、適切な設備投資・成長投資に取り組みます。

株主還元方針は業績連動型配当を基本とし、機動的な自社株買いによる追加株主還元も視野に入れ、適切なバランスシートマネジメントを実施していきます。

サステナビリティ推進体制

最後に、サステナビリティおよびESGの取り組みについてご説明します。サステナビリティへの取り組みに先立ち、2024年4月1日にサステナビリティ委員会を設置しました。

当委員会は、社長である私が委員長を務め、委員会を中心に全社横断的なマネジメントサイクルを構築し、ESGのみならず、さまざまな経営課題を解決し、持続可能な社会と企業成長を同時に実現していきます。

サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)

当社グループのマテリアリティについてご説明します。1つ目は「創意工夫による革新的な商品の創出」、2つ目は「人材の活躍推進」、3つ目は「環境負荷の低減」、4つ目は「社会的課題への対応」、5つ目は「コーポレートガバナンス」の推進です。

これらのマテリアリティについては、中長期目標および具体策を検討し、年内を目処にあらためて公表します。

ESG方針・施策

当社グループのESGの方針・施策については、スライドのとおりです。「環境」については、気候変動に向けた取り組みと資源の有効活用に注力します。「社会」においては、当産業の課題である依存症を防ぐための取り組みや、人材開発への積極投資を行います。「ガバナンス」については、社会要請に適応したコーポレート・ガバナンスの推進に取り組んでいきたいと思います。

以上で、中期経営計画のご説明を終了します。結びとなりますが、中期経営計画の達成に向けて、全社一丸となって取り組んでいきます。引き続きSANKYOをご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。