アジェンダ

関谷幸男氏:みなさま、こんにちは。株式会社四電工社⾧の関谷でございます。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。本日は、2023年度決算についてご説明いたします。

資料の構成は、2023年度実績、2024年度業績予想、資本収益性・株主還元、中期経営指針の進捗、トピックスとなっております。

経営成績(連結)

はじめに、2023年度実績についてご説明いたします。2023年度の事業環境は、設備投資や公共投資に持ち直しの動きが続くなど、受注環境は比較的良好でありました。

一方で、資機材の価格上昇や調達遅延などにより、受注判断や工事原価、工事進捗への影響に留意が必要な状況にありました。

こうした中、当年度の受注高は、四電工単体の大型工事受注などが寄与し、977億円となり、前年度に比べ65億円の増加となりました。また、資機材の安定調達や徹底した原価管理などにより、売上高が921億円で前年度比29億円の増収、営業利益が64億円で前年度比14億円の増益、経常利益が70億円で前年度比14億円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益が45億円で前年度比8億円の増益となりました。

なお、連結業績の開示を始めた1999年度以降でみて、受注高および各利益はすべて過去最高となり、売上高も2021年度に次ぐ2番目に高い水準となっております。

売上高増減要因(連結)

次に、売上高の前年度に対する増減内訳をご説明いたします。ブルーが増加要因、グレーが減少要因を示しております。電気・計装工事や情報通信工事などで減収となりましたが、空調・管工事、配電工事、送電・土木工事で増収となり、前年度比29億円の増収となりました。

主な経営指標の推移(連結)

続いて、主な経営指標の推移でございます。スライド上段の折れ線グラフの売上高総利益率は、原価管理の強化などに努めたことから、前年度比1.8ポイント増の17.5パーセントと、高い水準を確保することができました。

中段の営業利益率も、前年度比1.4ポイント増の7.0パーセントとなりました。下段のROEは、増益により7.8パーセントとなりました。

受注高の推移(単体)

続いて、四電工単体の業績についてご説明いたします。初めに、受注高でございます。前年度と比べ78億円増加し、835億円となりました。

工事種類別では、物流施設や高速道路関連の情報通信工事などの大型工事の受注が寄与し、 高水準の受注高を確保できました。また地域別では、すべての地域で増加いたしました。

売上高の推移(単体)

次に、売上高でございます。資機材の安定調達やきめ細かな工程管理などにより、再開発案件や高速道路の情報通信工事などの大型工事の進捗が堅調だったことが寄与し、前年度と比べ28億円増加し、772億円となりました。

工事種類別では、空調・管工事、配電工事、送電・土木工事が増加しており、地域別では、主に四国で増加いたしました。

繰越工事高の推移(単体)

次に、2024年度以降の収益に寄与する繰越工事高についてご説明いたします。前年度末と比べ63億円増加し、過去最高水準の541億円となりました。

工事種類別では、特に電気・計装工事、情報通信工事が増加し、地域別では、すべての地域で増加いたしました。

財政状態(連結)

続いて、連結の財政状態です。資産は前年度末に比べ、現金預金の増加などにより61億円増の1,032億円となりました。純資産は、当期純利益45億円の計上に加え、その他の包括利益30億円が上乗せされたことにより、前年度末に比べ、58億円増の617億円となりました。

これにより、自己資本比率は前年度末より2.3ポイント増加し、59.8パーセントとなりました。

キャッシュ・フロー計算書(連結)

続いて、連結のキャッシュ・フロー計算書です。2023年度期中において、営業活動によるキャッシュ・フローは純利益の計上などから60億円の資金収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出などから5億円の資金支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは⾧期借入金の返済による支出や配当金の支払いなどから31億円の資金支出となりました。

その結果、現金及び現金同等物の期末残高は期首残高から24億円増加し、223億円となりました。

施工物件情報

こちらは2023年度の主な完成物件でございます。

業績予想

次に、2024年度業績予想についてご説明いたします。2024年度の業績予想につきましては、戦略的な営業活動や営業・工事・原価管理の連携強化により受注高・売上高を積み増すことで増収を見込んでおります。

一方で利益については、昨今の資機材価格の高騰や人手不足などの影響を考慮し減益予想としておりますが、原価管理の徹底や現場サポート体制の充実等により利益の上積みを図ることで、2023年度並みの利益水準の確保に努めてまいります。

連結・単体の業績予想の具体的な数値につきましては、ご覧の表のとおりでございます。

資本収益性の向上に向けた取り組みに関する進捗状況

次に、資本収益性・株主還元についてご説明いたします。資本収益性の向上に向けた取り組みといたしましては、2023年8月に公表した基本方針に基づき、ROEの向上を図る観点から、利益の拡大に努めるとともに、資本構成の適正化に向けた株主還元の充実等の取り組みを進めてまいりました。その結果、株価指標は大きく改善し、PBRは2024年3月末時点で1.03倍となりました。

その他有価証券評価差額金や退職給付に係る調整額の増による純資産の積み増しがあった中でも、ROEは7.8パーセントに向上し、目標の8パーセントに近づきました。

今後は、株式流動性を極力低下させないことを念頭に、自社株買いや株式分割を通じた投資単位の引き下げなどについても検討してまいります。

株主還元

次に、資本収益性に関連して、株主還元についてご説明いたします。当社の株主還元方針につきましては、2023年8月に方針の変更を公表させていただいたとおり、「連結配当性向40パーセント以上」を目安に、持続的かつ業績に即した還元を行うこととしております。

これらをふまえ、2023年度の配当につきましては、2024年1月31日に公表いたしましたとおり、中間配当60円、期末配当80円、年間配当140円を予定しています。

また、2024年度の配当につきましては、今後の業績見通しや財務状況等を勘案して中間配当70円、期末配当70円とし、年間配当金を当期と同額の140円を予定しています。これによる2024年度の連結配当性向は、業績予想ベースで55.1パーセントとなる見通しです。

『中期経営指針2025』

次に、中期経営指針の進捗についてご説明いたします。2021年に策定した「中期経営指針2025」では、「チャレンジ、次なる成⾧ステージへ」という共通目標を掲げ、取り組むべき重点課題を設定した上で、売上高1,000億円、営業利益60億円、ROE8パーセントを数値目標としております。

このうち、営業利益の数値目標につきましては、2023年度に達成することができました。

連結数値目標

次に、連結の工事種類別の売上高ですが、2023年度実績は、配電工事328億円、送電・土木工事60億円、電気・計装工事249億円、空調・管工事156億円、情報通信工事72億円となりました。

2024年度の予想につきましてはご覧のとおりですが、電気・計装工事が特に大きく伸びるものと予想しております。この結果、「中期経営指針2025」の売上高目標1,000億円を、1年前倒しで達成したいと考えております。

連結数値目標

また、連結の地域別売上高につきましては、当社は東京と大阪に建築設備工事の受注・施工の拠点を設けており、2023年度実績は連結子会社を含め、首都圏が92億円、関西圏が76億円の合計168億円となっております。

2024年度の予想は首都圏140億円、関西圏100億円の合計240億円程度を見込んでおり、2025年度目標に向けて首都圏・関西圏の収益基盤強化に取り組んでまいります。

人材投資

次に、人材投資ですが、設備工事業を担う当社にとって、最も重要な資本は人材です。 このため、計画的に社員を採用し、技術者層を拡充していくこととしています。2024年4月時点で四電工単体の従業員数は2,226名、 連結従業員数は2,715名となっており、 2025年度の期初には、 連結従業員数は2,800名程度にまで増加するものと見込んでおります。

人材に関する最近の取り組みとしては、 従業員エンゲージメント調査、人材戦略会議の設置、 従業員一律1万4,500円のベースアップの実施、 教育体系の見直しを行いました。

持続可能な社会の実現に向けて

スライド24ページ以降は、2023年度のトピックスを紹介させていただいておりますので、お時間のある時に、ご覧いただけますと幸いに存じます。

以上、ご覧いただき誠にありがとうございました。

今後とも四電工グループをご愛顧くださいますよう、よろしくお願いいたします。