ご説明の流れ

西村幸浩氏:ダイワボウホールディングスの西村でございます。2024年3月期第2四半期決算についてご説明申し上げます。

本日はこちらの項目に沿ってご説明いたします。

ダイワボウホールディングス株式会社

当社の概要です。3つの事業を有するグループですが、パソコンを主体としたIT関連機器の専門商社であるダイワボウ情報システムが売上の約90パーセントを占めていることから、東証プライム市場での業種も卸売業となっております。

連結決算ハイライト

それでは、2024年3月期第2四半期決算についてご報告いたします。

当期は、主力のITインフラ流通事業で、企業・官公庁向けを中心に安定的に需要を獲得し、大幅に増収増益となりました。各事業の状況については後ほどご説明いたします。

2024年3月期 2Q累計 売上高

こちらは連結売上高の推移です。第2四半期売上高は4,459億円、前期比で9.0パーセントの増収、計画比101.7パーセントの結果となりました。

売上高としては、Windows更新や消費増税による需要があった2020年3月期に次ぐ、過去2番目の上期実績となりました。

2024年3月期 2Q累計 営業利益

次に営業利益の推移です。第2四半期は127億円、前期比16.7パーセントの増益となりました。上期計画比は102.8パーセントの結果となりました。

2024年3月期 2Q累計 連結決算概況

第2四半期の連結決算概況はご覧のとおりです。経常利益は前期比15.3パーセント増の129億円、純利益は前期比11.2パーセント増の85億円、1株当たり四半期純利益は91円となっております。

連結財政状態について、総資産は受取手形及び売掛金の減少により前期比48億円減の4,018億円、純資産は利益剰余金の増加などにより前期比77億円増の1,517億円となっております。

なお、自己資本比率は37.5パーセントとなっております。

2024年3月期 2Q累計 セグメント別業績

続きまして当期のセグメント別業績です。第2四半期累計での売上実績になりますが、ご覧のとおりITインフラ流通事業が大きく牽引する結果となりました。

セグメント構成割合

セグメントの構成割合はご覧のとおりです。ITインフラ流通事業の売上構成比は91.8パーセント、営業利益では90.6パーセントとなっています。

ITインフラ流通事業

セグメント別の実績をご説明いたします。まずはITインフラ流通事業です。企業・官公庁向けを中心に、中型から大型のIT投資案件を安定的に獲得し、実績が増加しました。また注力している「iKAZUCHI(雷)」についても、順調に契約を伸ばしております。

一方で文教市場は、小中学校向け端末導入の谷間の年度であり、前年実績を下回っております。

コンシューマ向け市場では、個人消費の低迷により減収となりましたが、商品の収益改善により増益となりました。

以上の結果、ITインフラ流通事業の売上高は、前期比10.1パーセント増収の4,092億円となり、営業利益は前期比19.0パーセント増の115億円となりました。

国内PCマーケットシェア・商品カテゴリ構成

こちらは国内PC出荷台数における当社のマーケットシェアとカテゴリ別の取扱高推移です。スライド中央のグラフをご覧ください。

上期のPC出荷台数は137万8,000台で、シェアは全体で25.5パーセント、法人向けの市場に限れば34.4パーセントとなりました。

出荷台数は前期を若干下回りましたが、金額で見ますと、PC単価の上昇により伸長しております。

サブスクリプションビジネス実績

こちらはサブスクビジネスの実績です。上期の取扱高は、前期比17.8パーセント増の489億円となりました。スライド左側の青いグラフで示しているとおり、継続課金による取り扱い規模は着実に拡大しています。

またDISオリジナルの管理ポータルである「iKAZUCHI(雷)」ですが、取り扱いベンダー数やサービスメニューの件数も着実に増え、上期の販売パートナーへの販売総額は、前期比42.9パーセント増の137億4,000万円となりました。

繊維事業

続いて繊維事業です。合繊・レーヨン部門では、制汗シートやコスメ分野等の販売が堅調に推移し、機能性レーヨンも伸びを示しましたが、米国向け建材の需要回復が鈍いことや原燃料価格の高止まりもあり、苦戦が続いております。

産業資材部門では、電子部品業界向けカートリッジフィルターの需要回復が、期初の予想に比べて大幅に遅れたものの、建設シートやベルト関連、ゴムスポンジが堅調に推移したこともあり増収増益となりました。

一方で衣料製品部門では、国内アパレルの受注回復と価格改定の浸透により一定の採算改善を行い、増益となりました。

以上の結果、繊維事業の売上高は、前期比5.3パーセント減の296億円、営業利益については、事業全般で原燃料高や円安によるコストアップの影響を受け、前期比13.7パーセント減の6億円となりました。

産業機械事業

産業機械事業です。工作機械部門においては、中国の風力発電業界への出荷が好調に推移したことや、米国向けに大型機の販売もあり増収増益となりました。

主力の航空機業界ですが、徐々に引き合い件数が増加しており、回復基調にあります。

自動機械部門では、多様化するユーザーニーズに対応し、本体出荷が堅調に推移した結果、増収となったものの、資材価格高騰の影響等を受け減益となりました。

以上の結果、産業機械事業の売上高は、前期比15.1パーセント増の66億円、営業利益は、前期比19パーセント増の5億円となりました。

2024年3月期 2Q 連結貸借対照表(決算短信P4-5)

続きまして、貸借対照表について補足させていただきます。

資産の部です。現預金残高は、前期比46億円増の567億円となっております。受取手形及び売掛金は、前期比186億円減の1,980億円となっております。商品及び製品は、前期比89億円増の481億円となっております。

負債・純資産の部です。支払手形及び買掛金は、前期比132億円減の1,793億円となっております。借入金は短期借入金と長期借入金合計で245億円と前期比で15億円減少しております。

2024年3月期 2Q累計 連結損益計算書(決算短信P6)

同じく損益計算書となります。売上高、各利益についてはサマリーで報告したとおりですが、売上総利益については、前期比47億円増の362億円となりました。

売上利益率は、前期の7.7パーセントから0.4パーセント向上し8.1パーセントとなっております。

販売費及び一般管理費は、従業員に対する給与のベースアップ等により、前期比29億円増の234億円となりました。

2024年3月期 通期業績予想

続きまして、 2024年3月期の業績見通しについてご説明します。

2024年3月期の通期業績予想です。好調なITインフラ流通事業の牽引により、連結売上高を9,695億円に修正いたしました。

営業利益については、繊維事業において高止まりする原材料価格や海外需要の低迷などの要因が影響しており、307億円と据え置きしております。

ITインフラ流通事業の重点施策

次に各事業における2024年3月期の重点施策についてご説明します。まずはITインフラ流通事業です。既存のビジネス領域の拡大とあわせて、クラウドをはじめとした成長分野におけるマーケットの創造と、サプライチェーン全体につながる生産性向上に取り組みます。

また、来年度に本格化するPCリプレイスの情報を確実に収集し、需要を獲得して着実な成長につなげてまいります。

繊維事業の重点施策

続いて繊維事業です。市場環境としては、厳しい状況が続いていますが、コーポレートガバナンスの強化により、しっかりとした管理体制を整えた上で、研究開発機能の拡充、経営資源の最適配分を意識して事業活動に取り組んでおります。

産業機械事業の重点施策

次に産業機械事業です。主力の航空機業界が回復基調にあり、海外市場での営業体制を強化しております。

また、中国市場での自動機械の需要取り込みのため、現地サービス会社とのアライアンスを強化し競争力向上を図っております。

中期経営計画(2021/5/13発表)

続いて、2021年5月に発表した中期経営計画について振り返りたいと思います。

当社グループではこの3年間を「将来にわたる発展を見据えた転換期」と位置づけ、ビジネスモデルの変革やESG視点での事業運営 、人材育成に注力しております。

中期経営計画の進捗状況<収益指標>

中期経営計画の収益指標に対する進捗状況をご説明します。初年度の実績は、売上高・営業利益ともに当初計画を下回ることとなりました。

2年目となる昨期については、当初計画に対して売上は大幅増加も、営業利益は減益となりました。

最終年となる今期は、売上は増加予想ですが、営業利益は減益となる見通しです。

中期経営計画の進捗状況<グループ経営指標>

次にグループ経営指標のROEとROICについて、実績を振り返りたいと思います。ROEの2023年3月期の実績は13.7パーセントとなりました。こちらは今期14パーセント以上という目標の達成を目指しています。

またROICについては、11パーセントから12パーセントの水準を3年間維持することを目標としており、2023年3月期には11.6パーセントとなり、引き続き資本効率を意識した経営を徹底することで改善を図ってまいります。

中期経営計画 キャッシュ配分方針

キャッシュ配分方針については、1株当たりの配当を中間32円、期末32円、合計64円を予定しております。

また、今期も自己株式の取得を検討しており、株主還元の充実化を適切に図ってまいります。

株主還元

ダイワボウホールディングス設立以降の、1株当たりの配当金及びEPSの推移はご覧のとおりです。繰り返しになりますが、2024年3月期の配当については64円を予定しております。

グループガバナンス

続きまして、グループガバナンスについてご説明します。当社グループでは、各社の責任と権限を一段と明確にすることで、各事業会社3社が、それぞれの事業の中核として迅速な戦略決定と強力な業務執行の推進を担っています。

その中で、ダイワボウホールディングスは、大局的見地からグループ全体を俯瞰してグループ戦略の立案など、監督機能の強化を図っております。

また当社の取締役会は、独立社外取締役が5名、うち女性取締役が2名、そして社内取締役3名で構成されており、独立性及び多様性を確保できております。

これにより、中長期的な企業価値向上に向けて、より一層のグループガバナンスの強化を図ってまいります。

また、当社の取締役会や監査役会に求めるスキル構成を示したスキルマトリックスも公開しております。

「統合報告書2023」11月に初発行

当社として、初めての発行となる統合報告書を、今月公開いたしました。ぜひ多くのみなさまにご覧いただければと思います。

なおここで発表しております、パーパスにつきましてはこの後ご説明いたします。

次期中期経営計画での重点検討事項について

5月に発表させていただきました、「次期中期経営計画策定に向けた重点検討事項」の状況についてご説明させていただきます。

先ほど統合報告書の発行で触れましたが、まずは、当社グループの「パーパス」を策定いたしました。

社会的な時流と会社組織のDNAを踏まえて制定したこのパーパスに基づき、これからのグループ成長戦略を策定してまいりたいと思います。

パーパスについては次のページで補足説明させていただきます。

なおその他の事項については、引き続き検討を進めており、決定事項がありましたら、適切なタイミングで開示させていただきます。

パーパスの策定

パーパスについて簡単にご説明します。私たちの存在意義を示すこのパーパスは当社グループの社会的な存在意義や価値提供についての長期ビジョンを示したものであり、2030年に向けたマテリアリティを包括したメッセージとなっています。

「バリューチェーンで 人をつなぐ、社会をつなぐ、未来へつなぐ」という文言には、私たちの「想い」と「誇り」が込められています。さまざまな社会活動を構成するバリューチェーンの中で、当社グループは重要な役割を担い、ビジネスに携わる人々や企業、地域社会をつなぎ、結びつけることで価値を創出してまいります。

今後は、このパーパスを起点として、事業環境の変化に対応するエクイティストーリーの策定に取り組んでまいります。

2030年を見据えて

最後に今後の成長イメージをあらためてお伝えしたいと思います。次期中期経営計画では、先ほどご説明させていただきました3つの重点検討事項に関しての検討結果を開示する予定です。

新たな飛躍と持続的な成長を目的に、グループを挙げてステークホルダーのみなさまから長く信頼していただける会社を目指してまいります。これからもご支援を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

説明は以上となります。ご清聴いただき、ありがとうございました。