個人投資家・機関投資家合同IRセミナー

中山博登氏(以下、中山):本日もオンライン決算説明会へご参加いただきまして、誠にありがとうございます。これまでの決算説明会では、補足説明をしないと足りないことも多いことから、決算を出した当日に決算説明会も行うということで開催しています。

本日に関しては、非常に順調で良いことではありますが、細かな補足説明を必要とするものが、特段はないと感じています。そのため、質疑応答の時間が非常に増えると思います。どのような細かいことでも構わないので、積極的にご質問をいただければうれしいと思います。よろしくお願いします。

23年10月期3Qマネジメントメッセージ

今期の決算に対するコメントをスライドに記載しています。リーガルメディア、派生メディアともに非常に好調です。第2四半期に上方修正しましたが、中期経営計画に対して非常に順調に進捗している状況です。後ほど数字でもご説明します。

HR事業に関しては、若干足踏みしている部分はあります。しかしながら、細かくKPI等も見ており、しっかり立ち上がっていくように粛々と準備を進めており、特に大きな問題はないと思っています。

転職支援事業ですので、転職を支援するコンサルタント人材が採用できないと売上を上げていくことは難しいのですが、先日増床のリリースをお出ししたとおり、人員の確保も着々と進捗しています。

投資については、第3四半期に「ベンナビ」のTVCMやYouTube広告、また、転職支援のHR事業では、9月から都内JR各線において「BEET」の電車内広告を実施しています。ご覧いただいた方もいるかもしれませんが、このように広告も開始しています。

各事業とも、従来はインターネット広告が中心でしたが、「インターネット以外のさまざまな媒体で発信したらどのようになるのか? PDCAサイクルをしっかり回し、どのような結果が出るのか?」ということを観測しているところです。

来期の予算についてです。中期経営計画でお出ししているとおり、2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円という数字を、まずはしっかり踏みたいと思っています。さらに、現在の数値目標にとどまることなく、桁を変えて売上収益100億円と成長することを目指しており、より早く達成するためには何をすればいいかという議論を開始しています。中期経営計画にもご期待いただきたいと思います。

事業内容

事業内容等では特に何か増えたことはないのですが、「ベンナビ」の取り扱い分野で「ベンナビ不動産」という、主に不動産の法律相談を行うサービスが増えました。例えば不動産オーナーから、いろいろな法律相談をいただくことをメインとする分野です。

本日ご参加の方で、株だけでなく不動産投資もしている不動産オーナーがいらっしゃれば、ぜひ「ベンナビ不動産」のサービスを使っていただけたらうれしいです。

ビジネスモデル

ビジネスモデルのご説明は、今期は省略させていただきます。ご覧いただければと思います。

23年10月期3Q(23年5月-23年7月)決算サマリー

決算サマリーです。売上収益は前年同期比150パーセントと、YoYでしっかり成長しています。営業利益については投資期間というところで減益ですが、かねてからの計画どおりです。

当社にはHR事業および派生メディアの「キャリズム」という転職系のサービスがあるのですが、転職者は3月から4月に多いため、第2四半期は特に売上が伸びやすくなっています。それでも、QonQで第2四半期以上に売上成長しており、しっかり伸びているとご理解いただいて問題のない決算サマリーです。

23年10月期3Q累計(22年11月-23年7月)事業別サマリー

事業別サマリーです。スライドに記載したとおりですので、数字をご確認いただければと思います。

23年10月期3Q累計 通期予想進捗率

通期予想進捗率です。売上収益は第2四半期に上方修正していますが、修正後予算に対しても進捗率73.8パーセントと非常に順調に進捗しています。当社の場合、ストックビジネスのリーガルメディアが中心事業ですので、売上は尻上がりに上がってくる傾向です。そのため、73.8パーセントという進捗率は非常に良い数字だと思っています。

営業利益ですが、予算8,000万円に対して大幅に超過しています。基本的に今期は、お約束どおり投資期間ということで、予算どおりに着地したいと考えています。

売上収益(事業別 四半期推移)

売上収益です。特にYoYでわかりやすく伸びた事業が派生メディアです。コロナ禍は収束と言って良いかはわかりませんが、影響がかなり収まってきて、派生メディアの中心の「キャリズム」が非常に好調に伸びているため、YoYでも150パーセントの成長と非常に順調です。

(参考)月次ストック収益(月次推移)

月次ストック収益です。一部、保険事業等もありますが、メインはリーガルメディアの掲載料です。MRRが1億4,800万円、ARRが17億7,000万円という数字で、MRRがしっかり積み上がってきています。この数字がストック収益ですので、ここが安定すれば経営も安定します。

安心して投資していただける環境が、さらに整ってきていると感じています。

営業利益(四半期推移)

営業利益です。スライド左側のグラフで第3四半期は2,900万円とお示ししていますが、右側のグラフの「投資額を除いた営業利益」で記載しているとおり、投資をしなければ売上に比例してYoYで53.5パーセント伸びていたという数字感ですので、数字を出そうと思えばしっかり出せるということです。

第2四半期には、「コストが常態的に上がってきてしまい、営業利益はなかなか出せないのではないか?」というご懸念やご不安があったかと思いますが、まったくそのようなことはなく、投資を止めればしっかり利益を出せる体制です。

(参考) 営業利益(事業別 四半期推移)

事業別の営業利益です。スライドに記載のとおりですので、ご覧いただければと思います。

コスト構造(四半期推移)

コスト構造です。第2四半期、第3四半期と広告費が非常に高く積み上がっていますが、広告投資を含んだ広告費のため、順調に投資が進んでいるとご理解いただければと思っています。

第3四半期、第4四半期にかけても、先ほどご説明した「BEET」の電車広告等も展開しているため、広告費が積み上がっていくとご理解いただければ思います。いろいろな認知広告を積極的に試して、サービスの地固め、ブランディングをしっかり進めていくため、広告をうまく活用できていると考えています。

また、人件費がYoYで1億2,600万円から1億9,300万円と積み上がっていますが、採用がしっかりできている証左と感じています。

(参考) 広告費についてのご説明

広告費についてです。スライドに記載のとおりですが、事業ごとに広告費のかかり方が若干異なるため、補足説明をしています。お時間があれば、ご覧いただくと各事業への理解が深まると思います。

23年10月期 3Q事業ハイライト

第3四半期の事業ハイライトです。リーガルメディアは掲載をしっかり増やして売上を伸ばし、ブランディングを行いました。派生メディアは、第2四半期が非常に伸びていく期間ですが、それに負けないレベルで、第3四半期もしっかり伸びています。

3月末に買収したビッコレという事業のPMIが完了しています。現在、ここからいかに伸ばしていくかという状態です。派生メディアチームも第4四半期および来期にかけて取り組んでいきますので、しっかり伸ばしていきたいと思っています。

HR事業に関しては、人材の教育・育成について、社内でしっかりフレームワークを組み、仕組みとして売上を上げていく部分で若干苦戦しており、そこが唯一の懸念点です。

一方で、採用やWebマーケティング、登録者への認知は非常にうまくいっています。転職支援事業は求職者の登録が圧倒的なセンターピンですが、その点は順調であり、社内での育成の仕組みさえ整えてしまえばしっかりと事業を成長させていけるため、ご安心いただければと思います。

保険事業については、事業責任者がジョインし、事業戦略を見直し、しっかり投資して粛々と伸ばしているところです。

主要KPI (掲載枠数/顧客数)

スライドは、リーガルメディアの掲載枠数と顧客数です。8月はお盆休みの影響でクライアントの営業日がなかなか確保できなかったり、またユーザーも法律相談をしていただけなかったりするため、少し夏枯れしやすい時期となっています。

第4四半期の8月の顧客数に関する月次リリースをお出ししましたが、特にご心配いただく必要はありません。新規顧客があまり増えていなくても、既存のお客さまが追加で新しい枠を発注されるなどして、枠数自体が伸びていれば売上は伸びていきます。

掲載枠数は例年どおり20パーセントから30パーセント増加しています。サービス内容が若干異なるため、絶対的に競合しているとは言いづらい場合もありますが、稀に競合サービスが伸びているとご不安やご懸念の声をいただくことがありますが、当社の場合はあえて意図的に、このペースでしか成長させていないという部分もあります。

当社のようなメディア業で急激に売上を上げすぎると、顧客やユーザーのフォローが後手後手に回り、結局はユーザーの満足度が下がって辞めてしまう、解約率が上がってしまうということになります。一度辞めたお客さまは、なかなか懸念が払拭しきれずに戻って来ないというケースもあるため、あまり急いで売上を上げ過ぎないように考えています。

事業立ち上げの頃から、一気に150パーセント、200パーセントと成長させ過ぎないようにしてきています。あえてこのくらいの成長速度でとどめているほうが、ユーザーの満足度も上がり、市場での評価も高まると思います。あまり他社を気にしていない部分もありますが、我々としてはこれが非常に良いペースだと考えています。このまま粛々と20パーセントから30パーセント増という状態を続けていきたいと思います。

収益モデル

スライドはリーガルメディアの収益モデルです。

(参考) 顧客基盤及び市場ポテンシャル

リーガルメディアのマーケットのポテンシャルです。全国に1万8,128件の法律事務所がある中で、現段階で当社と取引があるのが940件です。我々の市場シェアはまだ5.2パーセントですので、まだまだ伸びる余地、市場拡大させる余地があることがご理解いただけると思います。

弁護士数の増加による市場拡大

弁護士数の増加についてお示ししています。マーケット全体も、プレーヤー数もまだまだ増えていきますという資料です。

主要KPI(問い合わせ数/新規登録者数)

派生メディアの問い合わせ数についてです。第2四半期が強い業態ですが、そこに負けず、若干上回ったところは非常に良かったと思っています。第4四半期にかけてもしっかり伸ばして、このペースを維持・拡大させていきます。非常に順調な成長を続けています。

HR事業の新規登録者数についてです。ここが非常に重要なところで、四半期単位でこれくらいの登録者がおり、YoYで見ていただくと非常に伸びています。ただ、QonQで言うと、例えば去年の第4四半期と比較すると若干減っている部分もあり、「ここが減っているじゃないか」というご不安もいただくのですが、これは質のコントロールをかなり行っているためです。

あまり網羅的に「どのような方でも登録してください」としてしまうと現場が混乱するため、より喫緊で転職意向が強い方から優先的に登録していただけるようなクリエイティブや広告配信をしています。

そのため、この上下はあまり意識していただかなくても良いかと思っています。それよりも、登録者は減らずに質が徐々に上がっているとご理解いただくのが一番良いと思います。もう少し数を減らしてでも、質を引き上げていきたいというのが私の本音です。

収益モデル

派生メディアの収益モデルです。ご覧いただければと思います。

収益モデル

HR事業の収益モデルです。ご覧いただければと思います。

収益モデル

保険事業の収益モデルです。ご覧いただければと思います。

人材派遣事業の開始について

人材派遣事業の開始についてリリースを出しました。派遣事業は免許制で、免許取得などに時間がかかるため、新規事業として開始するべく現在準備をしているところです。

四半期決算(PL)

こちらはP/Lです。

四半期決算(BS/CF)

こちらはB/S、C/Fです。

本資料に関する注意事項

本日は短く20分でご説明しましたが、この後の質疑応答でしっかりとお答えしたいと思います。ありがとうありました。

質疑応答:現在の業績の状況について

増井麻里子氏(以下、増井):「決算は非常に良かったと思っています。今期第3四半期の売上高成長率は特に良く、通期でも目標達成ができると思っています。今期と来期の投資は積極的にされていくようですが、現時点では順調と捉えてよいでしょうか?」というご質問です。

中山:上方修正していることからもおわかりのとおり順調です。より高いご期待に応えられるよう、経営陣および従業員全員でがんばっているため、投資家のみなさまにも、ご安心と申しますか、さらなるご期待をいただいてよいのではないかと思っています。

質疑応答:今期第3四半期の振り返りについて

増井:「本日の冒頭に『補足説明の必要なものは特段ない』とおっしゃっていましたが、すべては想定内ということでしょうか?」というご質問です。

中山:そうですね、第3四半期はほぼ想定どおりでした。もちろん、もっとできることがあったのではないか、もっと売上を伸ばせたのではないかということもあると思いますが、お約束している範囲で、十分ご期待に沿えるだけの行動を取れたと思っています。

非常に順調だからこそ、特筆して緊急でお伝えしなければいけないことはありませんでした。

質疑応答:来期のボトルネックについて

増井:「来期のボトルネックになりそうな要因があれば、把握しておきたいです」というご質問です。

中山:ボトルネックというよりも、売上全体の達成の確度や蓋然性を上げるためには、主要事業であるリーガルメディアと派生メディアの2つがしっかり成長してこなければなりません。ただし、この2つの事業は非常に順調で、特段明らかなボトルネックが見えている状況ではありません。

一方で先ほどお伝えしたとおり、全体に占める売上の比率は低いものの、HR事業では育成や仕組み作りにおいて若干苦戦している部分がありました。徐々に整ってきているため、完全に不安だということもありませんが、新規事業の立ち上がり方という意味で、育成や仕組み作りの部分が来期のボトルネックになる可能性は若干あります。

しかしながら、全体の比率で見ればそれほど大きくないため、全体予算は順調であると思っています。

質疑応答:HR事業におけるコンサルタントの採用状況および課題について

増井:「HR事業に関して、コンサルタントの採用状況を教えてください。また、教育リソースを取られたことが見通し未達の一因になっているということですが、これが本当の理由なのでしょうか?」というご質問です。

中山:HR事業では、直近で体制の変更を進めています。例えば先月末までは、事業部全体で15名程度が稼働しており、そのうち約5名はマーケティングなど直接採用業務に関わらない人たちで、残りの約10名は採用や転職支援に関わる人たちでした。

後者の約10名のメンバーが、事業会社に対して「どのような求人がありますか?」という求人獲得と、求職者対応および転職支援を一緒に行っていたのです。

増井:キャリアアドバイスとリクルーティングアドバイスを、同じ方が行っていたということですか?

中山:両方、同じ人が行っていました。会社によっては、大手でも未だにそうしているケースはありますし、絶対に分けなければいけないわけではありませんが、より教育を早期化させるためには、行っていることをシンプルにしたほうが良いと考え、リクルーティングアドバイザーという部署と、キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザーという部署を、完全に切り分けました。

キャリアアドバイスをする人はキャリアアドバイスしかしない、求人獲得をする人は求人獲得しかしない、というチーム分けにし、現在の比率は7対3程度になります。約7割がキャリアアドバイザーとして転職支援を行い、残りの約3割が求人獲得を行っています。

一方で求人を増やしながら、もう一方はキャリアアドバイス業務に集中することによって、雑多になっていた業務をシンプルにし、育成や教育の速度を上げていくための準備を進めているところです。

増井:唯一と言っていいかわかりませんが、現在はそこが課題なのでしょうか?

中山:むしろ、非常に楽しみにしていただきたいと思っています。マーケットも大変大きく、伸び代がいくらでもあるためです。求職者が獲得できていなければ非常に良くない状態ですが、求職者の確保はできています。

直近の四半期で約1,000名の登録がありますが、このうちの5パーセントでも決めることができれば、約50名が転職することになります。単価で言えば、四半期でも1億円程度の売上になります。それくらいのポテンシャルを持っており、パーセンテージはさらに高くできると思っているため、ここは楽しみにしていただけるとうれしいです。

質疑応答:リーガルメディア事業で獲得可能な事務所数について

増井:「リーガルメディアにおいて、1万8,128件の法律事務所のうち、現行サービスで獲得可能だと考えている事務所数はいくつでしょうか?」というご質問です。

中山:我々のシェアは5パーセントとご説明しましたが、マーケティングの本などでよく言われているのは、「世の中のサービスでは、市場全体の15パーセントがピーク地点になりやすい」ということです。

市場の約15パーセント以上のシェア獲得は困難になっていくという観点から言うと、我々のサービスを現在の3倍の規模まで増やしていくことは十分にできると思っています。

質疑応答:リーガルメディア事業における質へのこだわりについて

増井:HR事業の登録者数については、数だけを追うのではなく、満足度を高めるために質にも注目した上で増やしていきたいという話でしたが、リーガルメディア事業においても質の部分にはこだわっていらっしゃるのでしょうか?

中山:非常にこだわっています。お客さまに広告掲載をいただいてから、我々ではどのような相談が来ているかはわからないようになっていますが、どれくらいの相談件数が来ているかは把握できるようになっています。

昔、弁護士の方に広告掲載をいただいたところ、2週間で30件ほどの法律相談が来ていました。我々のサービスでは、法律相談は月に10件程度入れば十分ご満足いただけており、30件というのは大変良いパフォーマンスです。

さぞかし喜んでいらっしゃるだろうと思い、意気揚々と「調子はどうですか? 絶好調ですね」という電話をしたところ、大変怒っていらっしゃいました。弁護士の方は非常にお忙しいため、「こんな雑多な相談はいらない。もっとクリティカルに、現実レベルで困っている方だけの相談を抽出してほしい」という反響をいただきました。

我々は数年前からそのようなことを繰り返しているため、量だけではなく、いかに質もコントロールするかというところにも細かく注視しながら取り組んでいます。

質疑応答:「ベンナビ」のQ&Aの状況について

増井:「『ベンナビ』のQ&A欄があまり充実していないように感じます。質問の内容があまり良くないということもあると思いますが、それにしても回答していない質問があるのではないでしょうか?」というご質問です。

中山:おそらく「ベンナビ」のマーケティング責任者もこのIRセミナーを見ていると思いますので、本人は今、肝を冷やしていると思います。確かに、後手に回ってしまっている部分は若干あるというのが率直なところです。

我々のクライアントである弁護士の方々は非常にお忙しいため、無料のQ&Aにはなかなかご回答いただけない場合もあります。我々も「答えた結果が本来的な依頼につながる可能性もあるため、積極的にご回答ください」とは伝えていますが、お忙しいためなかなかご回答いただけません。

また、どう答えていいかわからないようなユーザーサイドの質問に関しては、我々にもコントロール不可な部分があります。

しかしながら、Q&Aはそのためにあるのではないかとも思っています。どうしようもないもので、回答がないかもしれませんが、もしかしたら回答が返ってくるかもしれないという思いで気軽に使えたほうが、ユーザーのためになると思います。

ほかには、「同じような機能を持っている他社は大変充実しているにもかかわらず、アシロは充実していないが大丈夫か」というご懸念もいただくのですが、他社との違いが1つありまして、他社の場合、先生がQ&Aに回答すればするほど、「よく回答してくれる先生ランキング」というようなものに表示されます。

そうすると、よく回答してくれている先生にたくさんの相談が届きます。「あのサービスでたくさん回答すれば相談がたくさん来るよ」と業界で有名になり、たくさん相談が欲しい先生は積極的に答えているということがあるのです。

我々の場合はランキングを作る気はなく、いくらQ&Aで回答しても、表示が上がるような仕組みはありません。もう少し違ったかたちで弁護士の方にインセンティブを作り、ユーザーが活用しやすいサービスにしていければと思っています。

一方で、Q&Aが充実すれば本質的な法律相談が増えるかというと、それはまたけっこう遠い部分があります。そうはいっても課題の1つではあるため、粛々と進めていきたいと思っています。

質疑応答:「ベンナビ」における弁護士情報の表示ルールについて

増井:私もサイトを拝見し検索してみたのですが、「全国で」「離婚相談で」「調停で」と項目を選択していくと、たくさんの弁護士の方が表示されました。こちらの表示順には、何かルールがあるのでしょうか?

中山:結論から言うと、表示順にルールはありません。基本的には、その分野で実績豊富な先生が一覧表示されるため、あとは近い地域などで絞り込んでいただければ、並んでいる先生も絞り込まれます。

また、「上の方に表示されている先生だから実績が豊富だ」ということはないようにしています。これは法律も絡むところで、我々はお客さまから従量課金ではなく同じ金額をいただいているため、同じ露出量がなければいけないのです。

月間単位で見ると全事務所がほぼ同じ露出量になるようにアルゴリズムを組んでいます。

質疑応答:来期の投資方針について

増井:「来期の投資計画ですが、今期と同様に来期も利益を出さずに投資に回すのか、来期は利益を出していくのか方針をお聞かせください」というご質問です。

利益は今期も出ているのですが、来期の方針を教えてほしいということです。

中山:非常にありがたいご質問だと思いました。「利益を出さずに」というご質問ですので、「利益が出る」ことをご理解いただけているのが嬉しいなと思いますが、来期に関してはまだ確定はさせていません。冒頭のメッセージでお伝えしたとおり、ちょうど予算組みをしているところです。

一方で、中期経営計画においては2025年10月期を利益創出期と発表していますので、基本的には投資を続けていく可能性が高いと思っていますが、無駄なものに投資しても意味がないため、利益を出していくこともあり得るとは思います。

基本戦略としてはしっかり投資をして、2025年10月期以降の売上高100億円の達成に向けて、より加速していくために資金を投下していく可能性のほうが高いのではないかなと思っています。ただし、まだ確定はさせていません。

質疑応答:中計以降のビジョンについて

増井:「中期経営計画の後に、長期的には売上高100億円も達成したいというお話があったのですが、中期経営計画から100億円達成までの道のりやビジョンについて教えてください」というご質問です。

中山:まず、2025年10月期を利益創出期と呼んでいます。その後に、100億円を達成するまでにはまた何期かまたぐ可能性があるのですが、ではその期間は利益を出すのか、出さないのかということも戦略ですので、まだ確定しているようなことはありません。これは経営バランスかなと思っています。

当社のバランスシートをご覧いただければおわかりのとおり、現金が10億円以上もある会社です。今期に関しては通期で7億円弱の投資をしているにもかかわらず、8,000万円くらいの利益も出す予定です。何なら第3四半期で利益を超過してしまっており、キャッシュフローが非常に良い会社なのですが、会社の戦略としては、現金を積み上げることの価値はあまり高くありません。

出した利益が会社に貯金され、純資産がバランスシート上で膨れ上がっていけば会社価値は上がっていくと思うのですが、一方で、その利益を出さずにさらに投資をしていたら、「まったく違う事業が立ち上がって、さらに売上の成長速度が上がっていたんだ」ということになる可能性も、十分あると思っています。

グロース市場にいるベンチャー企業であれば、現金を積み上げて「純資産が膨らんでいますよ」というかたちよりも、「今後さらに、どこまで伸びていくのか見当もつかない」というかたちであるほうが、より期待を持っていただけるのではないかと思っています。

そのため、バランスを見ながらではあるのですが、現金を積み上げるのではなく、事業を伸ばすことで会社価値を引き上げていきたいと個人的には思っています。

増井:M&Aの可能性もあるのでしょうか?

中山:可能性としてはあります。

質疑応答:広告戦略について

増井:「売上に直結するようなリード広告の場合は、広告費をかければかけるほど利益が出ると思いますが、今期は売上に直結しない認知獲得のための広告を実施していくということなのでしょうか?」というご質問です。

中山:基本的にはご理解のとおりです。売上に直結する広告よりも、認知を獲得するための広告に投資しているため、直接は売上につながりません。

一方で、みなさまの中でもTVCMを打たれるような会社にお勤めの方もいらっしゃると思いますが、例えばそれがハム屋さんだとして、TVCMを昨対比10倍打ったから売上が10倍になるかというと、決してそうではないと思います。投資家の方からは、「これだけ広告を使ったのに、なぜ売上が伸びないんだ」というお声をいただくこともあるのですが、その時に直結ではなく、後々に効いてくることもあります。

ハム屋さんの例えだと、広告予算を1億円から10億円に増やしてTVCMを流し続けたとして、今期はそこまで売上が伸びなくても、2年後くらいにたまたまスーパーに行った時に、「あ、そういえばこのハム屋、TVCMを流していたな。買ってみようかな」という顧客体験が増えていく可能性は十分あると思っています。

単年では成果が出づらくとも、中長期的には覚えていただけることによって、「1回使ってみようかな、買ってみようかな」という信頼感、安心感が徐々に熟成されていくものだと思います。ただ、期待値をどのタイミングで取るのかについては、けっこう難しい部分があると思っています。

増井:TVCMも、6回くらい見ないと覚えてもらえないというデータがあるらしいですね。

中山:そうですね。日本中のすべての人に6回リーチしようとすると莫大な予算が必要になるという部分もありますが、最低でも6回、あるいはそれ以上必要ではないかと思っています。

質疑応答:TVCMの足元の反応について

増井:「TVCMの足元の反応はどうでしょうか?」というご質問です。

中山:さまざまな反応をいただいています。我々はいろいろな効果を期待して広告配信をしていますが、今回の広告で一番重要なことは何かと言うと、当社のサービスにとって、TVCMを長く続けることが良いのか悪いのか、それを判断するためのまずは判断指標が欲しかったということです。

PDCAサイクルを回すためのチェックをすることが、我々の一番の意図であるため、チェックができているという意味で非常に順調と言えるかと思います。

増井:認知獲得のための広告というのは、前期は行っておらず、今期の上期はまだ制作中で、下期にようやく世に出た、という段階ですよね?

中山:そうですね。

増井:これからいろいろ試行錯誤をされていくということですね。

中山:おっしゃるとおりです。

質疑応答:中期経営計画のリバイス時期について

増井:「中期経営計画をリバイス(修正)するのはいつ頃になるのでしょうか?」というご質問です。

中山:まずは足元でしっかり達成することが大事だと思っていますし、早い段階で中計自体をアップデートできれば1番良いとは思っています。

中計では成長の曲線を45度くらいのグラフでお示ししましたが、その角度をさらに急角度で伸ばしていき、2025年10月期の55億円という数字を、可能であればさらにアップグレードしていきたいと思っています。それ以降に関しても、見通しが立つようであれば、しっかりした見通しをお示ししたいと考えています。

我々はあまり将来予測を出してこなかったこともあり、あまり適当なことは言いたくないという思いもあります。

質疑応答:人材紹介サービスの今後の市場について

増井:「5年後、10年後の人材紹介サービス市場は、どのような状態になっているという認識を持たれていますか?」というご質問です。

中山:HR事業は非常に伸びていると思います。何でかと言うと、従来のように定年まで1つの会社で勤め上げるという感覚から、複数回転職していくことが当たり前という感覚の時代になってきているためです。

1個人当たりの転職回数が増えていくと思いますので、これまでは「全労働人口×1.5回から2回」がマーケットサイズになっていたと思うのですが、それが単純に倍になれば、マーケットサイズも倍になります。そのため、これから転職支援事業という領域がシュリンクしていくことは考えづらいと思います。

そうすると、今後のAI活用についてはどうなのかという話になると思います。インターネットでAIに自分のキャリアを入力して「あなたはこの会社に行きなさい」というようにAIが教えてくれる可能性も、未来のかたちとしては十分にあり得ると思います。

しかしながら、仕事というのは自分の人生全体を決定づけていくものです。AIがよほどの確度まで発達しない限りは、まずは専門家に相談したいというのが人情ではないかと思います。そのため、この市場がなくなることは考えづらいですし、転職回数が伸びていくのはみなさまのご理解のとおりだと思いますので、市場が伸びていくのは当然かなと思います。

質疑応答:弁護士の数が増えていることについて

増井:「弁護士の数が非常に増えているというデータがありましたが、供給過多になっていく感じもするのですが、いかがでしょうか?」というご質問です。

中山:世の中にとっては供給過多のほうが良いと考えています。

増井:相談できる方が多いほうが良いということですね。

中山:そうですね。そうすれば法律相談で困る方がいなくなります。いつでも、すぐに相談できるほうが、いろいろな不安や不満がなくなる可能性が高いと思います。反対に、全然足りていないからこそ、アメリカのように増やそうという政府の意図で新司法制度を作り、弁護士の数を増やしているところです。

国としても粛々と、狙いどおりなのではないかと思います。それによって利便性が向上していくのはユーザーのほうですので、非常に良いことではないかと思います。

増井:弁護士の立場から言うと、企業内弁護士などのようにいろいろな道があり得るところが良いと言えるのでしょうか?

中山:クライアントである弁護士のことも考えなければいけないのですが、資本主義ですので、競争環境が激しくなればその分ユーザーメリットが上がっていくため、おそらく良いことしか起こらないはずだと思っています。

質疑応答:5年後のストック収益について

増井:「5年後のストック収益はどこまで到達できるのでしょうか?」というご質問です。

中山:「5年後の未来」というものは、既存事業の数字をExcelのグラフに打ち込んで描くことはできますし、実際に描くこともしているのですが、我々としては2次関数的に成長していきたいと思っています。そのため、「5年後はここに到達するのだ」と決めてしまうと、さらに上の場所へ行くチャンスを失う可能性が十分にあると思っています。

あまり中長期で決め過ぎずに、漠然と「もっともっと大きくしていきたい」という見方のほうが強い部分があるので、5年後のストック収益がいくらか、というような想定は具体的にはしていません。

増井:では、売上高という枠で年次30パーセント成長を続けていきたいということですね。

中山:それは最低でも続けていきたいと思っています。

質疑応答:中計達成の手応えと意気込みについて

増井:「今期は順調で、来期は今後の利益創出に向けても重要な局面になると思います。あらためて中期経営計画達成の手応え、意気込みなどを教えてください」というご質問です。

中山:先ほどのご質問への回答が意気込みになっているかなとは思いますが、事業サイドとしては、可能なら中期経営計画自体をアップデートしたいという勢いで取り組んでいます。そのため、「売上高を何とか55億円に、営業利益を何とか11億円に」という感じではなく、いかに上方修正していけるかといったところで我々は闘っていますので、ご期待いただきたいと思います

質疑応答:市場からの評価について

増井:「成長はすばらしいのですが、市場評価があまり高くないのではないでしょうか?」というご質問です。

中山:上場の時からそうなのですが、我々は少しIRのコミュニケーションが下手だったり、事業内容が地味だったりするのだと思います。粛々と地道に進めていく事業になりますが、逆に言うと、過去を遡って何十年という単位で見ても、シュリンクしたり、一気になくなったりするような市場ではなく、しっかり伸び続けていく業界で事業に取り組んでいます。

したがって、派手さはなくてもしっかり伸びていきますし、加えて、最後には利益や会社価値に帰結していくと信じています。また、あまり実体のない期待値で株価を形成したくないとも思っていますし、実体のあるかたちでしっかり信頼していただきながら、力強く投資いただきたいと思っています。地味ではあるのですが、そこは良し悪しと考えていただきたいと思います。

増井:粛々と進めていらっしゃるということですね。

中山:ご期待いただければ嬉しいと思います。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられたご質問やご意見について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答していただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:リーガルメディア事業の売上は、専門家側と利用者側からどのように入ってくるのか教えてください。

回答:リーガルメディア事業では、主に「ベンナビ」という法律事務所を検索するサイトを運営しており、サイトに掲載いただいている法律事務所様から頂戴する「掲載料」が売上の主となります。

同サイトを利用するユーザーさまは、実際に法律相談や依頼をされる際には法律事務所さまに対する費用は発生しますが、当社に対する費用は一切発生しません。

決算説明会資料6ページをご参照ください。

<質問2>

質問:御社の属する市場の伸び率はいかがでしょうか?

回答:法律事務所(弁護士)さまが当社の顧客となりますが、弁護士白書2022版によれば、現状約45,000名の弁護士がいますが、2029年には50,000名を超え、2039年には60,000名を超える予測が立てられています。

また、弁護士数の増加に加えて、年配の弁護士よりも広告の活用に積極的な若手の弁護士の割合が増えていくこととなるため、弁護士広告の市場は安定した成長を続けるものと認識しています。

決算説明会資料22ページをご参照ください。

<質問3>

質問:売上と利益の成長に向けての具体的な取り組みを教えてください。

回答:以下にて主要事業に係る取り組みを記載いたします。

  • リーガルメディアは従来からの営業活動による新規獲得の強化やCSによる解約率の低減に加えて、「ベンナビ」というサービス名に統一しブランディングを進めていくことで認知度向上を進めることで、サービスの競争力強化を図っています。
  • 派生メディアは「キャリズム」の成長が著しい状況ですが、それに加えて新たな柱を作るべく金融領域での新たなメディアの立ち上げに取り組むとともに、金融領域とのシナジー効果にも期待して「ビッコレ」事業のM&Aを2023年3月末付で実行しています。
  • HR事業は本格的な拡大に向けて採用による人員体制強化および育成に注力するとともに、新人であっても活用しやすいシステムの構築準備を進めています。
中期経営計画及び成長可能性資料37ページでも一部記載していますので、ご参照ください。

<質問4>


質問:株主優待でアシロのパーカーなどが欲しいのですが、株主優待開始の予定はありますか?

回答:当社は株主還元方針としてキャピタルゲインと配当を重視しています。優待につきましては歓迎する投資家とそうではない投資家が明確に分かれていると認識しており、現時点では予定はありません。

<質問5>

質問:HR事業について質問です。教育リソースを取られたことを見通し未達の一因として挙げられていますがこれが真因ですか? 一昔前の人材業界は大量採用大量離職が当たり前で、蠱毒を絵に書いたような強烈なイメージが強く一朝一夕に教育すればすぐ立て直せるとは行かない気がしています。ご意見を聞かせてください。

回答:HR事業につきましては、今期期首時点では営業人員は2名で運営しており、非常に小規模な組織でした。期中に急速に人員数が増加しているため、従来の営業に傾けていたリソースも教育に割かざるを得なかったという状況です。

また、HR事業の従業員が多く離職しているといった状況はまったくなく、順調に教育が進んでいるものと考えています。戦力化には半年から1年程度と相応の時間を要すものと見込んでいますが、なるべく早期に売上の伸びをお見せし、ご安心いただけるようにしたいと考えています。

<質問6>

質問:資料の13ページについては、営業利益率は投資を進めることでさらに低下していくという認識でよいでしょうか?

回答:今期第4四半期の着地や来期の計画についてのお話かと存じますが、利益に直結するご質問となりますので、恐縮ですが回答は差し控えさせていただければと存じます。

<質問7>

質問:すでに営業利益149億円となっていますが、会社通期予想は69億円です。69億円を追加で投資は考えにくいのですが、第4四半期で上方修正するのでしょうか?

回答:営業利益は3Q時点で1億4,900万円、営業利益の通期予算は8,000万円となります。第4四半期で上方修正を行うのかどうかというご質問につきまして、決算説明資料に記載のとおり引き続き機動的に投資を進めていくために利益予想は据え置きとさせていただいており、具体的な足元の状況については回答は差し控えさせていただければと存じます。

<質問8>

質問:今期は投資フェーズですが、投資により御社のKPIは達成できていますでしょうか? 具体例的に、投資で何を達成したか、それが来期以降の回収フェーズで具体的に営業利益にどう寄与するのかご教示ください。

回答:今期の投資内訳につきましては、リーガルメディアとHR事業に特に重点を置いています。

リーガルメディアにつきましては、主にマス認知に向けたTVCMやYoutube広告といった投資となりますが、今期はTVCM等が、どれほど効果がありそうかの検証を行うためのテストマーケティングとしての投資額となっていますので、投資回収を予定しているものでは元々なく、どの程度投資すればどの程度投資回収ができそうかという物差しを作るための投資となっています。

HR事業につきましては、人材投資が主となり、今期の期首時点では営業人員は2名で運営しており、売上を大きく拡大していくために人員への投資を進めています。なお、入社から戦力化までには半年から1年程度の時間が必要と考えていますので、今期入社したメンバーが来期からは売上収益として反映されるものと認識しています。

<質問9>

質問:財務健全性・割安性もあることを勘案すると、数年以内にプレミアム市場に移行してよいのではと思うのですが、貴社としての認識を教えてください。

回答:現在目標としているのは中計の達成とその先の売上収益100億円の早期実現です。こういった高い目標をクリアすることで、市場からの評価も徐々に引き上がり、結果的にいずれは市場変更ということもスコープに入ってくるものと認識しています。

<質問10>

質問:第4四半期の投資額の見込みを教えてください。現時点で計画投資額に対し2.6億円程度残していますが、第4四半期ですべて使い切るという考え方でしょうか?

回答:投資額は通期予算を下回っての着地を見込んでいる旨、決算説明会資料に記載させていただいていますので、第3四半期時点での投資額と通期予算の差額を第4四半期で使い切るということは予定していません。

<質問11>

質問:開示資料を見ている限り、投資フェーズといいながらROIの記載はなく、無戦略、無戦術にマス広告をばらまいているように見えます。自分たちに利益をもたらす属性に広告をあてていくということではできていますか? そのレビューを数値化して追っていらっしゃいますでしょうか? 具体例を1つから2つご提示ください。

回答:リーガルメディアでは当社として初のマス広告を実施しましたが、これまでマス広告の実績がないため、法律メディアという商材においてマス広告でどの程度の効果が出るか、また、TVCMや「YouTube」といったメディア間での効果の差異があるかどうかについて、まず効果測定を実施しました。

また「ばらまき」とありますが、これはまったく事実ではなく、一般的にTVCMを活用する場合はより大規模に実施される企業さまが多いと思いますが、今回のマス広告は上記のとおりテストマーケティングという性格のものですので配信期間を限定し、またTVCMも首都圏に比べて広告費が安価な関西や九州地方で行い、コストコントロールしながら実施しています。

<質問12>

質問:機関投資家からの問い合わせや、機関投資家との打ち合わせは増えましたでしょうか? また機関投資家からの質問を教えてください。

回答:機関投資家様との面談について、数としますとそれほど大きくは変わっていません。また、よくいただくご質問としては、リーガルメディアや派生メディア好調の要因や、将来の見通しに関するものが多くなっています。

<質問13>

質問:投資フェーズを終えて、広告を辞めた場合、顧客数、掲載枠数の伸びが鈍化した場合はどのような打ち手を考えていますでしょうか? これだけ広告投資を伸ばして、KPI(顧客数、掲載枠数)の伸びが加速していないということは、広告が無駄打ちに見えるのですが、いかがでしょうか?

回答:今期の投資内訳につきましては、リーガルメディアとHR事業に特に重点を置いています。リーガルメディアの投資は主にマス認知に向けたTVCMやYouTube広告となりますが、今期の投資は効果に期待したものではなく、これらのマス広告がどれほど効果がありそうかの検証を行うためのテストマーケティングとしての投資となっています。

また、リーガルメディアにおけるマス広告は、広告を過去に視聴したユーザーの方が弁護士に相談するような事象が発生した際に「ベンナビ」を想起し、指名検索で流入するかたちになりますので、広告視聴後すぐにユーザーの流入数が増えるようなサービスではないという特徴があります。

<質問14>

質問:第3四半期時点で順調なら、来期以降の温度感や会社としての将来像を話せる範囲内でお聞きしたいです。

回答:来期以降の計画等について、次回本決算での説明会にてご案内を予定していますので、しばらくお待ちいただけますと幸いです。

<質問15>

質問:ホリスティックレポート(スポンサーレポート)の予想値について、御社の中期経営計画と大きく違っているが、なぜだと考えていますか?(2025年度売上50.2億円、営業利益6.4億円予想) ここのところ株価が下降気味なのですが、何か考えられる原因はありますか?

回答:ホリスティックレポートにつきましては、スポンサーレポートではなく独自のレポートとなります。現在レポートが公開されていることは承知していますが、取材を受けている状況でもありませんので、当社からはわかりかねるところです。

株価につきまして、日々の出来高が少額で推移しており、少しまとまった売買が動きますと、株価も反応しやすい状況であると認識しています。第3四半期決算発表前の株価の下落は四半期単位の赤字を警戒した可能性があるかと思っていますが、今後、中期経営計画の達成確度が上がってきたと投資家さまに認識いただける状況になれば、自然と株式市場からの評価も高まってくるものと考えています。

<質問16>

質問:売上が40パーセントも伸びていて しかも無理してお客さまをとりにいっていないのはすごいと思います。2023年10月期の投資予定額(2022年10月期比5.6倍)が来期以降も継続するイメージでよいでしょうか?

回答:詳細な計画については次回第4四半期決算での公開となりますが、公表済みの中計でもご案内のとおり、基本的には投資フェーズと認識していますので、相応の投資が発生する期になる見込みです。

<質問17>

質問:アシロファンを増やすために、アシロTシャツをログミーの視聴者に抽選でプレゼントしていただけませんか?

回答:貴重なご意見として、検討させていただきます。

<質問18>

質問:御社に対し執拗に空売りを仕掛けている外資系企業がありますが、今後も自社株買いについては実施される予定はありますでしょうか?

回答:株主還元方針に従って、株主還元やM&Aの対価といった観点から自己株式の取得につきましては機動的に検討していく方針です。