目次

清久健也氏(以下、清久):みなさま、こんにちは。本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。2023年12月期第2四半期の決算説明会を始めます。よろしくお願いいたします。目次に沿ってご説明します。

2023年12月期第2四半期 累計実績

業績ハイライトについてご説明します。2023年12月期第2四半期累計実績です。売上高は前年同期比プラス24.2パーセントの成長で、営業利益も大幅に増加しました。通期業績予想に対する進捗率も売上高・営業利益ともに順調です。

売上高は、第2四半期累計で10億2,900万円、売上総利益は9億2,300万円、販管費は8億2,000万円です。営業利益は1億円超で、通期業績予想に対する進捗率は100パーセント超えました。当期純利益は昨年は赤字でしたが、大幅な黒字となっています。

PLハイライト

PLのハイライトです。売上高は第2四半期累計で10億2,900万円、売上高成長率は前年同期比でプラス24.2パーセントと順調に成長しました。通期業績予想に対する進捗率は49.8パーセントと、計画を上回る進捗です。第2四半期単体の売上高は前年同期比プラス25.4パーセントの5億3,800万円と、四半期売上高で過去最高値を更新しています。

営業利益は第2四半期累計で1億300万円、営業利益成長率は前年同期比で3,000パーセント超となり、計画を大幅に上回っています。好調な売上進捗に加え、期初にご説明したとおり、事業方針に基づいた効率的な費用投下を行った結果、第2四半期単体の営業利益は前年同期比プラス約1億円の6,800万円となりました。

足元の業績動向を踏まえ、売上高・営業利益ともに通期業績予想を上方修正します。

2023年12月期 通期業績予想の修正

2023年12月期通期業績予想の修正についてです。「サブスクペイ」「請求管理ロボ」ともに想定を上回る進捗で増収となったことを踏まえ、売上高を上方修正しました。

営業利益は、増収効果に加え生産性を重視し、最適なコストで最大のパフォーマンスを出す方針に沿って計画どおりに費用を投下した結果、大幅に上回って着地する見込みです。

売上高は期初予想の20億6,900万円から21億円、営業利益は1億100万円から1億4,000万円に修正しています。当期純利益はスライドに記載のとおりです。

KPIハイライト

KPIのハイライトです。顧客単価は過去最高を記録し、解約率も低水準で推移しています。ARRは21億円を超えました。アカウント数も順調に増加し、リカーリング収益比率も変わらず高水準を維持しています。

売上高の四半期推移

久野聡太氏(以下、久野):私からは詳細についてご説明します。四半期ごとの売上高は堅調に進捗しており、特に第2四半期は「サブスクペイ」「請求管理ロボ」が順調でした。

当社の売上・収益の基盤はリカーリング収益です。売上高のうち約97.4パーセントを占め、増収をリードしています。第2四半期の売上高は前年同期比プラス25.4パーセントと、非常に良い数字が記録できたと思います。

営業利益の四半期推移

営業利益の四半期推移です。第1四半期は4四半期ぶりに営業黒字を達成し、第2四半期もこの勢いを維持できたと思います。

先ほどお伝えしたとおり、増収効果に加え費用対効果を重視し、費用投下を継続しました。利益重視の姿勢を兼ね備えた結果、第2四半期単体の営業利益は6,800万円となり、上期では1億円を超えました。

貸借対照表

貸借対照表について、大きな動きなどはありません。

自己資本比率について

自己資本比率についてです。当社ビジネスモデル特有の預り金影響を除いた調整後自己資本比率は60パーセント超と非常に高い水準となっており、問題なく事業展開できていると考えています。

サブスクペイの売上高(注1)推移

事業別の推移です。「サブスクペイ」は増収を継続しており、第1四半期からもさらに上積みができている状況です。スライドのグラフのとおり、リカーリング収益がリードしているのが理解いただけると思います。

第2四半期の売上高は前年同期比プラス29.7パーセントと伸長しています。主な牽引役はスプレッド収益ですが、顧客数も順調に増えてきています。

サブスクペイの主要KPI推移❶

スライド左側のグラフは顧客単価推移です。こちらも過去最高を更新し続けています。右側のアカウント数も非常に順調に進捗し、前年同期比で約16パーセントの伸びとなっています。

サブスクペイの主要KPI推移❷

手数料に影響する決済取扱高・決済処理件数についても、引き続き順調に推移しています。

請求管理ロボの売上高推移

「請求管理ロボ」についてご説明します。前年の第1四半期・第2四半期にあった開発の売上のスポット収益の影響で、全体の増収率は前年同期比プラス20.3パーセントですが、コアとなるリカーリング収益に絞ると前年同期比プラス29.1パーセントの増収となっています。

非常に順調に進捗しており、「サブスクペイ」同様、リカーリング収益が牽引し、顧客単価とアカウント数がそれを支えています。

請求管理ロボの主要KPI推移❶

顧客単価とアカウント数の推移です。顧客単価は、前年の第3四半期をボトムにして、第4四半期・第1四半期と回復しています。第2四半期も引き続き回復傾向で、過去最高を更新し続けているという好循環になっています。

アカウント数も前年同期比プラス約20パーセントと順調に伸びています。

請求管理ロボの主要KPI推移❷

「請求管理ロボ」を利用した請求金額や請求書発行枚数も順調に増加しています。新規顧客も獲得できているため、「請求管理ロボ」により、さらに多くのお客さまの請求業務を効率化できていると認識しています。既存顧客においても「請求管理ロボ」を使用することで事業が成長しています。

2023年事業方針の進捗

藤田豪人氏(以下、藤田):私からは、ビジネスハイライトについてご説明します。まずは2023年の事業方針の進捗です。結論から言いますと、すべて順調に進んでいます。後ほど詳しくご説明しますが、「サブスクペイProfessional」については「スクールペイ」の提供を開始しました。

「請求管理ロボ」については引き続き順調に伸びており、中堅規模以上の顧客が増えてきました。結果として、顧客単価向上に寄与しています。

新規事業では「1click後払い」の稼働を開始しました。販売パートナーと契約を締結し、決済金額・件数ともに毎月順調に増加している状況です。

M&Aについては、まだ詳細を発表できる段階ではありませんが、引き続き順調に進捗しています。

トピックス サブスクペイ

1つ目のトピックスは、スライドに「​​スマートシティやスマートストア市場に決済サービスの提供を強化」と記載していますが、ヘッドウォータースとの連携です。ヘッドウォータースはAIに強みのある開発会社です。その技術と当社の「サブスクペイ」「請求管理ロボ」を連携させることで、新たな決済サービスの提供が可能になります。

ヘッドウォータースはマイクロソフトと関係性が深いこともあり、我々が普通に直販するだけでは手が届かないAIやEdgeなどの案件にもアプローチできるようになってきています。

トピックス サブスクペイ

2つ目のトピックスは、「サブスクペイ Professional」をカスタマイズした新サービスの「スクールペイ」についてです。「サブスクペイ Professional」を作った際に、そのカスタマイズ性の高さを活かして、業界別に特化したパッケージを展開する戦略を立てました。

第1弾として、eスクールの予約や申し込み、集金、顧客管理といった、運営全般をサポートするシステムを作りました。今後も「サブスクペイ Professional」を基盤として業界特化型のパッケージを強化していきます。

トピックス 請求管理ロボ

「請求管理ロボ」については、前回の決算でミロク情報サービスとの連携をお伝えしました。その後の進捗として、デジタルインボイスの仕様に準拠した機能が実装され、データ送受信テストが完了しています。

スライドに記載している「JP PINT」は、電子文書の世界標準規格であるPeppol(ペポル)の日本版にあたります。このような共通基盤を用いてミロク情報サービスと連携できたということは、他の請求書受け取りサービスとも「Data to Data」のやり取りが可能になったことを意味しています。

トピックス 請求管理ロボ

特定の1社で、「請求管理ロボ」から発行される請求書件数が単月で10万件を超えました。それだけではなく、1日に発行される請求書の合計が12万枚以上を記録しました。一見して、尋常ではない数字です。

請求書の発行は、あらかじめ決められた数日の間に大量処理する必要があります。特に大手企業ではこのスピード感が非常に大切ですが、実はクラウドサービスは大量処理が苦手で、他社ではなかなか扱い切れない場合があります。実際に、こちらのお客さまも他社から断られ、「なんとかできないか?」と我々にご相談いただきました。

結果として見事に1社で10万件を超え、請求管理ロボから発行される請求書合計で見ても、1件当たりの処理平均速度は0.03秒、つまり1時間強で12万件を処理したことになります。速すぎてイメージしづらいかもしれませんが、請求書発行ツールとして当たり前の機能を、この規模、しかもクラウドで実現できたことは、我々の大きな強みと言えます。

トピックス 1click後払い

「1click後払い」のトピックスとして、サービスが改良されました。「1click後払い」は申請から支払先へ入金されるまでの期間をいかに短くできるかという点が大変重要です。このスケジュールを、従来の5営業日から最短3営業日に短縮しました。

それほど変わっていないように思われるかもしれませんが、2倍のスピードで振込が完了すると考えれば大きな変化です。提供開始から間もないサービスではありますが、スケジュールを早期化しても事故なく処理できることが確認できたため、ここまでの短縮が実現しました。これによってお客さまの利便性はさらに向上します。

トピックス 1click後払い

ソリマチグループの会計バンクが数日前からCMを始めており、みなさまの中にも松岡修造さんの映像をご覧になった方がいるのではないかと思いますが、最近、非常に勢いづいているソリマチグループである会計バンクの「スマホインボイスFinFin(フィンフィン)」と我々の「1click後払い」が連携し、「FinFinカード決済」で後払いが利用できるようになりました。

我々の「請求管理ロボ」のターゲットはある程度の規模の組織になりますが、「スマホインボイスFinFin」は請求書の発行数が毎月10枚まで無料になるなど、個人事業主やフリーランスをターゲットにしたサービスです。

お金の出し入れに比較的苦労されているお客さまがターゲットになるということで、「1click後払い」の振込スケジュールの短縮等のオペレーション面も決め手となり、今回の連携に至りました。これにより、我々がサービスを提供できる領域も一気に拡大しました。

❶中期的な経営方針 中期経営目標を具体的にどう変更したか

久野聡太氏(以下、久野):経営方針にも深く関わってくる費用についてご説明します。こちらは第1四半期からの再掲ですが、変更後の方針として「生産性」「効率化」をキーワードに掲げています。もちろんトップラインも重要ですので、トップラインと利益の2つをバランスよく成長させることを目指し、各種費用の投下を行っていきます。

販管費に占める割合が特に大きい広告宣伝費、給与手当、開発費の方針について、詳細をスライドの表にまとめていますのでご覧ください。

主な費用推移

費用投下方針に基づく四半期ごとの費用推移をグラフに示しています。一定の水準を維持しながらコントロールしていることがおわかりいただけるかと思います。引き続き、必要な投資についてはしっかりと費用を投下し、効率化にも取り組みながらマネージしていきたいと考えています。

現状は概ね巡航速度に戻っており、第3四半期以降にやや伸びる見込みではありますが、売上のみならず利益を重視する姿勢を持ち続けたいと思っています。

メールマガジン・LINE 公式アカウントの登録をお願いします

最後に、毎度のお願いにはなりますが、メールマガジン・LINE公式アカウントのご登録をお願いします。特にLINE公式アカウントは、IR担当の新藤とインタラクティブにやり取りいただけます。

本日ご登録いただいた方には、決算関連の情報が届いているかと思います。決算情報を含め、適時開示・PR等をお送りしますので、まだご登録いただいていない方はぜひこの機会にご登録いただければと思います。

質疑応答:「サブスクペイ」の決済取扱高の伸長要因について

新藤雅之氏(以下、新藤):「『サブスクペイ』の決済取扱高について、前四半期比で大きく伸びていますが、要因は何でしょうか? 顧客要因、会社要因、季節要因などがあればお願いします」というご質問です。

藤田:まず、前期獲得件数の伸びが挙げられます。「サブスクペイ」は決済を始める時に導入するツールですので、導入後の課金が始まったタイミングで取扱高が増えてきます。結果としてスプレッド・フィーの売上が上がってきています。

加えて、既存顧客が順調に伸びてきていることもあります。さらに言えば、獲得件数が減るのではなく順調に増加し、伸び続けています。このままのペースでいけば、現在獲得できている顧客が伸びてくるため、来年の伸びにもつながります。

季節性の要因については、特段大きなポイントはありません。強いて言うのであれば、売上としてはまだそこまで大きな金額ではないものの「1click後払い」が「サブスクペイ」に入っているため、全体の押上効果を図っていると考えています。

質疑応答:「請求管理ロボ」の増加要因について

新藤:「『請求管理ロボ』の請求金額がQonQで大きく増加しています。その要因を教えてください。顧客要因、会社要因、季節要因などがあればお願いします」というご質問です。

藤田:最も大きな要因は、戦略として大手企業をターゲットとしていることです。結果的に中堅・大手の顧客が増加しています。必然的に売上規模が拡大し、1社あたりの請求金額が増加する傾向となります。

当然ながら、請求書の単価が高い顧客は「請求書を発行する」という行為に対して資金を投下できます。マーケティングの観点からそのようなお客さまをターゲットとしており、顧客の支払い意欲が上がるにつれて我々の単価も上がり、請求金額も上がります。請求書発行枚数も多くなり、すべてが上がっている状況が作られていると考えています。

質疑応答:「サブスクペイProfessional」のカスタマイズについて

新藤:「『サブスクペイProfessional』は、複雑な機能もカスタマイズで追加することができると理解しています。こちらは、個社別にカスタマイズするのではなく、業界ごとにカスタマイズし、パッケージを作るということでしょうか?」というご質問です。

藤田:ご質問に対しては両方という回答になります。おっしゃるとおり、「サブスクペイProfessional」はカスタマイズ性が高いサービスのため、個社別でカスタマイズして提供することが可能です。

一方、カスタマイズ費用が顧客にとって負担になるという懸念があります。こちらについては、システムを顧客のすべての業務フローに合わせようとするとカスタマイズが必要になりますが、業界の特性に合わせたシステムを我々が作り、顧客がそのシステムに業務フローを合わせることで、安価で導入していただくことができます。

この2つの戦略により、事業を始める時でも負担をかけずに導入でき、我々の決済サービスをご利用いただけます。

複雑なカスタマイズが必要となる顧客については、顧客の業務フローに合わせてシステムをカスタマイズします。

小規模な顧客への対応としては、一定程度のパッケージングとカスタマイズ性を残して提供しています。

質疑応答:売上が想定以上となった場合の追加投資について

新藤:「売上高が上振れした場合の費用の追加投入についてです。売上が想定以上となり、利益が上がった場合、期初想定しなかった追加投資をすることもあるのでしょうか?」というご質問です。

久野:ご質問の背景として、今回の上方修正があるのではないかと思います。今回の上方修正の背景については、清久からお伝えしたとおり、トップラインの大幅な上振れと、コストコントロールができたという2点です。

営業利益は4,000万円程度の上方修正を行っていますが、主に上期実績として上振れた分を反映しており、下期については、従来の予算どおりに推移する前提で考えています。

もちろん営業利益1億4,000万円で十分だとは考えていませんので、トップラインも含め、こちらをベースにしてより上積みができるよう、今期も引き続き努力していきます。

このような考え方のもと、仮に売上が想定以上になり、それに伴い利益が上振れた場合でも不必要に投資することはありません。前提として、今期、来期、再来期も、しっかりと利益を出していくという方針については変わらないということです。

ただし、仮に今期に追加投資することで、トップライン、加えて利益にさらなる上積みができる見込みがある場合は追加投資もあり得ますが、まずはトップライン、利益を伸ばしていきます。

我々は、上場した2021年12月期に2億円を超える営業利益を出しましたが、2022年12月期は投資させていただき、5,900万円の営業赤字となりました。まずは、2021年12月期の2億円にまで戻すという大義名分もあります。

また、中期経営方針ではさらにそれを超えていく見通しですが、トップラインとともに利益を足元から出していく方針ですので、そのあたりをあらためてご認識いただければと思います。

質疑応答:追加投資をする場合の優先順位について

新藤:「追加投資をする場合に、採用、広告など、優先順位があれば教えてください」というご質問です。

久野:明確な優先順位を定めているわけではありませんが、先ほどお伝えしたとおり、そのタイミングで費用対効果、リスクリターンを算出します。

ただし、採用と広告では費用の性質が異なり、採用については固定費になります。一方で、広告については、フローベースでショット性の費用という性質があります。リスクリターンや費用の考え方の度合い等、異なる可能性がありますが、現時点で優先順位は考えていません。

費用の性質によって、我々が考えるポイント、あるいは力量度合いがやや変わってくると思います。

清久氏からのご挨拶

清久:本日もお暑い中、またお盆の最中のお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。

1点、お知らせがあります。先日発表したとおり、8月29日にファン感謝イベント、株主さま感謝イベントを開催します。会場は日本橋のOrque d'or(オルクドール)で、夕方の6時に開場します。

経済評論家の馬淵さんのトークセッションや、お酒やお食事を楽しんでいただくイベントですので、ぜひ、ご参加いただければと思っています。

日頃、接触できない我々の社員や役員も多数出席しますので、肌でROBOT PAYMENTを感じていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

第2四半期に上方修正を行いましたが、これに甘んじることなく、幹部一同、切磋琢磨して株主さまに還元できるように努力し、信頼を得られるようにしていきたいと思います。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。