パーパス
早川与規氏:ユナイテッド代表取締役社長の早川でございます。それでは私、早川から、2024年3月期第1四半期決算についてご説明します。
はじめに、ユナイテッドのパーパスについてご説明します。当社のパーパスは「意志の力を最大化し、社会の善進を加速する。」です。
当社は、人が持つ意志の力や事業に込められた意志の力こそが、社会を善い方向へ動かす原動力であると考えます。
より善い社会の実現を目指す人たちの意志や、事業に込められた意志の力を、当社の事業を通じて最大化することで、社会に前向きな成長の連鎖を生み出していきます。
アジェンダ
本日のアジェンダです。はじめに2024年3月期第1四半期決算概要について、次に事業概況についてご説明します。
事業セグメントおよび構成事業
事業セグメントおよび構成事業です。パーパスに基づき投資事業、教育事業、人材マッチング事業を当社の今後の成長を牽引するコア事業として設定しています。
アドテク・コンテンツ事業は収益性を重視した運営を行っています。
2024年3月期 第1四半期 業績ハイライト
2024年3月期第1四半期の業績は、売上高72億2,400万円で前年同四半期比プラス51パーセント、営業利益53億6,100万円で前年同四半期比プラス72パーセントとなりました。当四半期に有価証券の売却が集中したため、前年同四半期比で増収増益となりました。
領域別に見ていくと、投資事業は、売上高58億1,300万円で前年同四半期比プラス78パーセント、営業利益57億3,100万円で前年同四半期比プラス79パーセントとなりました。
教育事業は、売上高3億4,100万円で前年同四半期比マイナス6パーセント、営業利益マイナス1,700万円で前年同四半期比マイナス8,400万円となりました。
人材マッチング事業は、売上高1億1,300万円で前年同四半期比プラス49パーセント、営業利益マイナス1億3,700万円で前年同四半期比マイナス8,800万円となりました。
アドテク・コンテンツ事業は、売上高9億5,900万円で前年同四半期比マイナス11パーセント、営業利益6,800万円で前年同四半期比マイナス44パーセントとなりました。
2024年3月期 全体方針
次に、今期の全体方針についてです。投資事業、教育事業、アドテク・コンテンツ事業にて継続的に創出される利益を人材マッチング事業に先行投資することで、中期的な収益成長を図ります。
2024年3月期 第1四半期 通期業績予想進捗
通期業績予想進捗については、有価証券を通期計画から先行して売却したため、営業利益以下の進捗率は100パーセントを超過していますが、人材マッチング事業への先行投資継続を踏まえ、業績予想は据え置きとしています。
株主還元の拡充
事業投資の継続に加え、資本効率の向上を目的に株主還元の拡充を実施しています。前期までは、配当性向20パーセントとした配当と自己株式の取得を実施していましたが、今期は以下の3点を実施します。
まず、配当方針の変更です。今期よりDOE4パーセントまたは配当性向50パーセントのいずれか大きい金額を配当金とします。加えて、ユナイテッド発足10周年を記念した記念配当25円を実施します。
また、2023年6月1日を効力発生日として1株につき2株の割合で株式分割を行いました。
株主還元の拡充による増配
以上の株主還元の拡充を踏まえた、今期の配当予想についてご説明します。1株当たり配当金は48円、前期比プラス26.5円の増配予想となります。
また、総還元性向は56.8パーセントとなり、前期比プラス12.3ポイント上昇する予想です。
投資事業 売上高・営業利益推移
ここからは、2024年3月期第1四半期の事業概況についてご説明します。
まずは投資事業についてです。投資事業では、有価証券を通期計画から先行して売却したため、前年同四半期比で増収増益となりました。通期では計画どおりに着地する見込みです。
投資事業 新規投資先
直近のトピックスとしては、スライドに記載のとおり、新たに3社に対して投資実行しました。
投資事業 投資件数の拡大
投資実行にあたって、源泉となる2つの競争優位性についてご説明します。
1つ目は自己資金での投資実行です。1件あたりの出資額や取得比率に制約がないため、フレキシブルな投資が可能となっています。また、VCファンドのように投資期間の制約がないため、成長に時間の要する事業領域にも投資が可能です。
2つ目は広範なスタートアップへのリーチです。これまでの投資/EXIT実績、経営陣/キャピタリストのネットワーク、外部ファンド36本へのLP出資により、幅広いスタートアップとのネットワークを保有しています。
以上の競争優位性を源泉として、今期は投資件数20社、投資金額10億円の投資実行を計画しています。
投資事業 投資実績
これまでの投資実績についてご説明します。当期第1四半期時点での累計投資金額は約61億円、売却益は含み益と合わせて約532億円となっています。
今後も積極的な投資実行により拡大を目指します。
投資事業 取組む意義について
ここからは、あらためて当社が投資事業を取組む意義についてご説明します。今後の日本経済にとってスタートアップ育成は不可欠です。意志ある起業家に資金とノウハウを提供し、ユナイテッドが関与することによって、スタートアップの成功確率を高めることを取組む意義としています。
投資事業 取組み
具体的な取組みとしては、パーパスに基づき、スタートアップの中でも、よりハンズオン支援が必要であると考えられるシード、アーリーステージへの投資に注力しています。
ハンズオン支援は、投資先支援組織であるUVS(ユナイテッドベンチャーサクセス)が主導し、戦略策定から実行までを一気通貫して実施します。加えて、人材マッチング事業との連携を通じて、企業フェーズに合わせた人材をマッチングします。
投資事業 市場環境
これらの背景となる、投資事業の市場環境についてご説明します。政府は、スタートアップの支援強化として、2027年度に投資額10兆円を目標とする「スタートアップ育成5か年計画」を策定しました。
今後、さらなる投資機会の拡大を見込むことができ、投資実行を加速していきます。
投資事業 主なスタートアップ投資先
主な投資先はスライドに記載のとおりです。
投資事業 主なLP出資先
主なLP出資先はスライドに記載のとおりです。多数の外部ファンドへLP出資を行うことで、運用益の計上を見込むとともに、新規投資案件のソーシング先としても連携します。
教育事業 売上高・営業利益推移
教育事業についてです。売上高は、生成AIコースの開講にあたり特別価格でコース提供を実施したことにより前年同四半期比で減収、営業利益は、生成AIコースの広告費増加、および体制強化により前年同四半期比で減益となりました。
教育事業 再成長に向けて
教育事業では、受講者獲得効率の低下により、前期第3四半期にかけて売上高が減少しましたが、前期第4四半期より上昇傾向にあります。
今後、「Yahoo!テックアカデミー」、生成AIコースに注力することで、再成長を計画しています。
教育事業 2024年3月期方針
教育事業の今期方針についてご説明します。前期は受講生に対する付加価値向上のため、実践機会を提供する「テックアカデミーワークス」に注力していましたが、今期は、より成長確度を高めるために、「Yahoo!テックアカデミー」、生成AIコースに注力します。
教育事業 Yahoo!テックアカデミーの取組み
直近のトピックスとしては、注力事業の1つである「Yahoo!テックアカデミー」が経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に採択されました。2023年秋には第2期の募集開始を予定しています。
教育事業 取組む意義について
あらためて、当社が教育事業に取組む意義をご説明します。教育事業では「意志ある人に成長環境を提供し、自己実現へ向い続ける人と機会で、社会を満たす。」を取組む意義としています。
教育事業 取組み
具体的な取組みとしては、デジタル人材不足解消を目的とした、デジタル人材教育の実施と実践機会の提供によるスキルアップ支援を行います。
また、生成AIに注力することで、AIの浸透が進む社会で必要となる学びの提供を行い、デジタル人材育成に貢献します。
教育事業 市場環境
今後、デジタル人材は2030年時点で約80万人不足する見通しです。加えて、AIシステム市場が拡大することで、デジタル人材の育成は急務となり、教育事業の成長機会の拡大が見込まれます。
人材マッチング事業 売上高・営業利益推移
人材マッチング事業についてです。売上高は、前期実施した3件のM&Aにより前年同四半期比で増収となりました。営業利益は、のれん償却費、およびカソーク株式会社の広告費増加により前年同四半期比で赤字幅が拡大しました。
人材マッチング事業 登録者数/利用社数の拡大
前期からのM&A実施により、継続的に登録者数が拡大しています。利用社数は前年同四半期比で増加しましたが、株式会社ココドルのPMIが順調に進まず、前四半期比では減少しました。今期よりココドルはカソークと合併・組織再編することで、あらためて拡大を目指します。
人材マッチング事業 M&Aの実施
直近のトピックスとしては、新たにONX株式会社を子会社化しました。ONXでは副業/フリーランスとして活躍する人事領域のプロ人材と企業のマッチングを行い、人事領域の戦略立案から実行までサポートします。
人材マッチング事業 取組む意義について
あらためて、当社が人材マッチング事業に取組む意義についてご説明します。人材マッチング事業では、「意志ある人と意志ある事業の出会いの創出」を取組む意義としています。
人材マッチング事業 取組み
具体的な取組みとしては、スタートアップにフォーカスし、スタートアップのフェーズに合わせて、転職/副業/フリーランスなど適切な契約形態でマッチングを行います。そして、求職者には多様なかたちで就労機会を提供することで、人材の流動性を高め、新たな産業の創出に貢献します。
人材マッチング事業 市場環境
これらの背景となる、人材マッチング事業の市場環境についてご説明します。働き方改革、リモートワークの浸透により、副業/フリーランス人口が増加しています。また、働き方の多様化や仕事への価値観の変化により転職率が増加しており、今後も人材の流動性拡大が見込まれることから、人材マッチング事業の成長機会も拡大する見通しです。
アドテク・コンテンツ事業 売上高・営業利益推移
最後に、アドテク・コンテンツ事業です。アドテク・コンテンツ事業ではアドテクノロジー事業において、前期上期に広告予算が集中したため前年同四半期比で減収減益となりました。本事業においては、今期通期において安定的な営業利益の確保を計画しています。
以上、2024年3月期第1四半期決算についてご説明しました。ありがとうございました。