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石井丈晴氏(以下、石井):石井でございます。本日はご参加いただきありがとうございます。それでは、2023年8月期第3四半期決算説明を始めさせていただきます。

本日は、事業内容、第3四半期連結累計期間業績ハイライト、第3四半期トピックス、今後の成長戦略の順にご説明します。

事業内容・会社概要

事業内容です。当社は2000年に創業しました。

事業内容・企業理念

創業以来、「地域活性化を継続的かつ発展的事業の形で実現することで、社会に貢献する。」という企業理念をもって事業を続けてきました。

事業内容・社会背景

当社の事業のベースにある社会背景についてご説明します。まず、少子高齢化・人口減少が進む中でどうすれば地域活性化できるかという社会課題があります。加えて、インターネットの利用が拡大しているという市場環境があります。

この社会課題と市場環境の中で付加価値情報を流通させることは、ニーズとして非常にマッチし、大きなビジネスチャンスがあると考えました。当社は「地域活性化を継続的かつ発展的事業の形で実現することで、社会に貢献する。」という理念の実現とともに、付加価値情報の流通によって地域の多様性を創出していきます。

事業内容・ビジネスモデルの概要

ビジネスモデルの概要です。当社は、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」事業を行っています。この中には、地域事業者の情報発信や経営を支援する領域と、公共の課題解決をする領域の2つがあります。

この事業モデルを、当社直営地域をはじめとする特定地域でフィジビリティを行い、ノウハウ蓄積、システム化していきます。そして、スケーラビリティを検証し、全国に展開できる事業モデルかどうかを判断した上で、ブラッシュアップしながら全国展開を行っていきます。

以上を繰り返し、地域の活性化に資する事業を生み出しながら展開しています。

事業内容・事業サマリー

事業の特徴は3つあります。1つ目が地域情報プラットフォームとしての独自性、2つ目が運営パートナーモデルによる全国展開、3つ目がプラットフォーム運営体制を活かした公共ソリューションです。それぞれについて、詳しくご説明します。

事業内容・地域情報サイト「まいぷれ」と私たちが発信する付加価値情報とは

当社が運営する地域情報サイト「まいぷれ」と、当社が発信する「付加価値情報」についてご説明します。「まいぷれ」は、各地域の魅力を発信するポータルサイトです。全国で運営していますが、基本的には市区町村単位で地域を区切り、地域のお店やイベント、コミュニティ、行政情報など、地域の人たちに喜んでいただける情報を発信しています。

当社が「まいぷれ」で提供する「付加価値情報」とは、安さ、値段、評価点数ではなく、そこにしかない価値のことです。例えば、ビールが500円安く飲めるお店を探しているのであれば、他の専用サイトを使ってください。「まいぷれ」は、そのような情報ではなく「高いけれども、そこにしかない価値」「東京から遠いけれども、そこにしかない景色」といった、ふだんは接することができない喜びや楽しみにつながる情報を提供しています。

このような付加価値情報を発掘して配信していく表現媒体の1つが、地域情報サイト「まいぷれ」です。また、多様化する消費者ニーズに対し、「まいぷれ」を通じて地域の付加価値情報をお届けすることにより、多様性あるニーズに応え、かつ地域に多様性を生み出していきます。以上が、地域情報サイト「まいぷれ」の役割だと考えています。

事業内容・地域情報プラットフォームのしくみ

しかし、地域情報サイト「まいぷれ」の運営だけが、当社の事業のすべてではありません。当社は、地域情報プラットフォームを運営しています。スライドの図には、地域情報プラットフォームのしくみを記載しており、左側が地域の付加価値情報の入り口、中央がプラットフォーム、右側が情報の出口です。

地域情報サイト「まいぷれ」は、もちろん重要な情報の出口の1つですが、当社が集めた情報は、当サイトに限らず、各種SNSや端末、「Googleマップ」に反映される「Googleビジネスプロフィール」など、ありとあらゆる出口に情報を配信しています。これにより付加価値情報を流通させる事業が、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」事業です。

そして、プラットフォームの利用料として、地域の事業者から月額サブスクリプション型で利用料をいただくことが、当社の事業の原型となります。

事業内容・地域情報プラットフォーム「まいぷれ」のサービス内容

地域情報プラットフォーム「まいぷれ」のサービス内容です。ベースとなる月額2,000円の「ショップページプラス」をはじめ、「ニュースシステム」や「まいぷれアナライザー」などのプランも提供しており、それぞれの価値に応じた費用をいただいています。2023年5月末時点での利用店舗数は1万8,152店舗で、平均単価は5,726円です。

よく飲食店ポータルサイトや美容ポータルサイトと比較されますが、「まいぷれ」の対象となる事業者は地域事業者の全業種です。「まいぷれ」の利用店舗は、飲食店が27.6パーセント、美容が13.7パーセントで、塾や整体など、それ以外の業種が非常に多くなっています。このように、地域の付加価値情報や魅力を発信する事業者すべてに利用されています。

事業内容・運営パートナーモデルによる全国展開

当社事業の2つ目の特徴は、運営パートナーモデルによる全国展開です。当社はフランチャイズに準じたビジネスモデルを採用し、事業を全国に展開しています。2023年5月末時点での運営パートナーは160社で、877市区町村を網羅しています。

当社が直営地域や特定地域で蓄積したノウハウを、研修を通して各パートナーに注入し、システムを提供することで、運営をアシストしています。運営パートナーは、地域にいる足回りを活用し、地域の事業者にプラットフォーム「まいぷれ」のサービスを展開していきます。

事業内容・地域情報プラットフォームを活かした公共ソリューション

当社事業の3つ目の特徴は、プラットフォーム運営体制を活かした公共ソリューションです。公共(Public)が抱える課題に対し、地域情報プラットフォームの運営体制があるからこそできる多様なソリューションを、官民協働事業として提供しています。現在、89の自治体と協定・覚書を締結しています。

また、ふるさと納税受託自治体数は、2023年5月末時点で42自治体となりました。ふるさと納税以外にも、地域共通ポイントや官民協働ポータルサイトなど、多種多様なソリューションを提供しています。

事業内容・当社の強み

当社の強みは、次の3つだと自認しています。1つ目は、全国の地域事業者にリアルな接点を持ち、DXを促進できる体制です。先ほどご説明したように、当社は全国にパートナーがいることにより、地域密着型の体制を敷いています。

直接足を運ぶことによって、ITリテラシーが決して高くない事業者にも寄り添うことができます。これにより、DXの促進だけでなく、ラストワンマイルまでカバーできる体制を持っていることが、他のITソリューションベンダーにはできない強みだと認識しています。

2つ目は、顧客との継続的関係性です。地域情報プラットフォーム「まいぷれ」は、サブスクリプション型で、持続的に価値を提供するために絶えずサービスモデルをレベルアップしています。このようなサービス価値の高さと、1つ目にお話しした地域密着型の体制により、非常に解約率が低く、顧客生涯価値(ライフタイムバリュー)が高いことが強みとなっています。

3つ目は、官民協働事業の実績とノウハウです。創業以来、官民協働事業の実績とノウハウを蓄積してきました。当社は、定期的に変化していく公共、特に自治体のニーズを掴み、新たなサービスを展開していくことができます。

事業内容・事業セグメントと収益構造

事業セグメントと収益構造です。スライド下側が地域情報流通事業、上側が公共ソリューション事業を示しています。

まず、スライド中央にある「まいぷれ」のロゴから、下側の地域事業者に矢印が伸びています。これは直営地域で、当社のスタッフが地域事業者にプラットフォーム「まいぷれ」を直接ご案内し、利用料をいただいています。

スライド右側の運営パートナー地域では、当社が直営地域で培ったノウハウをパートナーに提供し、運営パートナーが各地域の事業者に寄り添い、利用料を頂戴しています。そして、その利用料の一部が、ロイヤルティとして当社に支払われます。

また、スライド左側のように、プラットフォームを使ってエリアマーケティングの支援をする対価として、自治体や企業から販促費をいただいています。

公共ソリューション事業では、官民協働のかたちで、国や自治体から委託費、手数料をいただき、ソリューションを提供しています。ふるさと納税BPOをはじめとしたソリューションを提供することで、継続的な課題解決を手伝っています。

業績ハイライト・サマリー

第3四半期連結累計期間の業績ハイライトについてご説明します。まずは全体のサマリーです。

1つ目に、パートナーの新規加盟獲得が復調しました。広告からのリード獲得の安定化や営業体制の強化等の施策により、第3四半期累計期間に19社のパートナーの新規加盟を獲得しました。前期からの課題を改善し、既存法人、独立開業のどちらも契約ペースが回復しています。

2つ目に、ふるさと納税BPO事業は、年末以降も予測を超えて寄付が増加しました。前年同期比より受託自治体数が減少した状態で寄付のピーク時期である年末を迎えましたが、寄付額を伸ばす施策が奏功し、ピークが去った1月以降も例年より寄付のペースが下がらず、前年同期比より売上は回復し、順調に増加しているところです。さらに、第3四半期累計期間で新たに5自治体から受託を開始し、通期見通しを達成するペースで推移しています。

3つ目に、プラットフォーム利用店舗数は微増に留まったものの、平均単価が上昇しました。プラットフォーム利用店舗数は前期末より微増となりましたが、新規受注の契約単価が上昇しています。直営エリアで販売開始した「まるまるおまかせプラン」の高単価契約が牽引し、当社がKPIで掲げている1店舗あたりの平均単価は、前期比で426円増加しています。また、第3四半期累計期間より、先行パートナーの営業がスタートしており、夏の全国展開に向けて準備が進行しているところです。

4つ目に、新規事業として「まいぷれのご当地ギフト」がスタートしました。2023年3月に、地域の魅力的な産品を集めたカタログギフト「まいぷれのご当地ギフト 千葉県のカタログギフト」の販売を開始しています。

業績ハイライト・P/L

P/Lです。売上高は前年同期比105.6パーセントの10億6,900万円、営業利益率はマイナス2.3パーセントとなっています。

内訳としては、パートナーの新規獲得が復調して成長を牽引しました。また、「ふるさと納税BPO」も第2四半期までの未達分を取り戻し、全体売上高としては前年同期比5.6パーセント増となっています。一方で、プラットフォームの価値向上に向けて積極的投資を継続したため、営業利益は前年同期比で減少している状況です。

業績ハイライト・売上高推移

売上高の推移です。第3四半期累計期間において、地域情報流通事業は前年同期比13.4パーセント増となっています。こちらはパートナーの新規加盟獲得が復調したことと、既存パートナーの売上増が貢献しています。

公共ソリューション事業は、公共受託案件および「まいぷれポイント」の事業構造の変化による売上減少が影響しで、第3四半期累計期間においては前年同期比で1.4パーセント減少しています。

一方で、ふるさと納税のピークである年末を越えても安定した寄付額を維持できており、その部分においては前年同期比0.3パーセント増まで回復している状況です。

業績ハイライト・営業利益推移

営業利益率の推移です。第3四半期累計期間までの営業利益は営業損失となっています。ただし、現在のところ業績見通しの範囲内での推移と認識しています。

業績ハイライト・主な費用の推移

主な費用の推移です。販売費および一般管理費においては、プラットフォームの価値向上に向けて人的資本への投資を積極的に実施しています。そのため、グラフの最下層に記載している人件費が大きく増えています。その結果、費用全体では、第3四半期累計期間までの前年同期比で14.7パーセント増加しました。

また、コロナ禍の収束に伴う営業活動の正常化によって交通費が増えたことや、円安の影響を受けてサーバー費用などが上がっていることを受けて、その他の費用も上がっています。

業績ハイライト・B/S

B/Sです。自己資本比率は34.9パーセントです。季節要因により資産・負債の変動はあるものの、大きな変更はなく安定して推移しています。

業績ハイライト・KPI進捗サマリー

KPIの進捗についてです。「まいぷれ」の利用店舗数は、前期末比で微増の1万8,152店舗です。ただし、直営地域で始まっている新サービス「まるまるおまかせプラン」による高単価の契約により、平均単価は前期比426円増の5,726円となりました。なお、平均単価は、直営地域の平均単価のみをKPIとして出しています。

運営パートナー数は前期末比で7社増の160社、契約エリア数は前期末比で75市区町村増の877市区町村となっています。ふるさと納税の寄付金額は前年同期比2.7億円増の47.6億円、自治体数は前期末より5自治体増の42市区町村となりました。

第3四半期トピックス・サマリー

第3四半期のトピックスです。2023年3月20日に、新規事業として地域の魅力的な産品を集めたカタログギフト「まいぷれのご当地ギフト 千葉県のカタログギフト」の販売を開始しました。

6月には、プラットフォームの価値向上に貢献するものとして、地域店舗・事業者の情報発信をまるまる代行するサービス「まるまるおまかせプラン」を販売開始しました。また、VTuberとともに地域の魅力を漫画でお届けする「まちスパチャプロジェクト」のαテストも開始しています。

第3四半期トピックス・新サービス:まるまるおまかせプラン

「まるまるおまかせプラン」について詳しくご説明します。「まいぷれ」が得意とする地域事業者との2人3脚の体制を活かし、月に1回「まいぷれ」のニュースシステムを通じた「Googleマップ」での情報発信や「Googleビジネスプロフィール」の管理、「Instagram」などのSNS運用や、広告・販促に関する相談を行います。地域事業者との打ち合わせを経て、当社が更新を代行するというものです。

これまで、プラットフォームとしての「まいぷれ」のサービスは、事業者の方が情報発信しやすいツールをお届けすることに軸足を置いていました。しかし、Webマーケティングが地域の中小事業者でも重要な役割を担っている昨今、「広告運営すべきだと思っているが時間が取れない」「専用の更新担当者にかかる人件費を捻出できない」「広告や販促の相談ができる人がほしい」など、いろいろな悩みやニーズを多く聞くようになりました。

そこで、各地域にスタッフがいることで利用者に寄り添えるという当社の強みと、「Googleマップ」との連携等を通して情報を更新すればするほど価値が発揮できるという「まいぷれ」の特徴を活かし、この部分を代行しようと始まったのが「まるまるおまかせプラン」です。

当然、費用についても今までのプライシングとは大きく変わる部分がありますが、直営地域で販売したところ非常に好評だったため、ますます可能性を感じているところです。

第3四半期トピックス・新規事業:まちスパチャプロジェクト

新規事業「まちスパチャプロジェクト」をご紹介します。こちらは、非常にファンが多いVTuberの方々と地域の魅力を漫画コンテンツで発信していくもので、VTuberと地域の双方にとって、新たな露出機会を創出していくことを狙ったプロジェクトです。

地域との接点があまりないZ世代に対し、VTuberの視聴者が楽しめるコンテンツ形式で地域の魅力を発信することで、関心層への引き上げを狙っています。

成長戦略・事業成長モデルの基本方針

今後の成長戦略についてご説明します。

当社の成長の軸の1つ目はプラットフォームの価値、つまり、地域単位でのMRRの増加により収益を上げていくことです。関係するKPIは「まいぷれ」の利用店舗数と平均単価です。利用店舗数と平均単価を上げていくために、当社は地域事業者向けの経営支援を拡充し、新サービス開発による単価向上を図っています。先ほど紹介した「まるまるおまかせプラン」もこの範疇です。

2つ目は、プラットフォームの広がりです。価値の増したエリアを複数のエリアに広げていくことで、地域情報流通事業におけるプラットフォーム「まいぷれ」の展開地域を増やし、MRRを向上させます。関係するKPIは、運営パートナー数と契約エリア数です。新規運営パートナーの契約を増やし、既存運営パートナーには経営支援を強化し成長を加速化させることを重要な取り組みにしています。

3つ目は、公共ソリューションの拡充です。当社は「まいぷれ」があるからこそ可能になる公共ソリューションを、官民協働型で展開していますので、「まいぷれ」のエリアが広がっていくと、公共ソリューションの販路も拡大します。現在のところ一番シェアが大きい事業がふるさと納税のため、KPIはふるさと納税の寄付金額と自治体数としています。既存自治体のふるさと納税額の増加に加えて、その他公共ソリューションの拡充も取り組みの要諦としています。

このように、当社はプラットフォームの地域単位での価値を上げ、上がった価値のエリアを広げることで、公共ソリューションの販路を広げるという3つを事業成長の軸としています。そして、これらの事業で培ってきたノウハウや体制、強みを活かし、今期より、4本目の軸として新規事業を開発しています。

成長戦略・事業成長ロードマップにおける各取り組みのステータス

スライドの図は、現在展開している事業のステータスを示しています。1番目の特定地域のフィジビリティとして、「まいぷれのご当地ギフト」と「まちスパチャプロジェクト」があります。

2番目のノウハウ蓄積やシステム化の段階にあるのが、2022年にリリースした「まいぷれ事業承継」です。

3番目のスケーラビリティの検証段階にあるのが、先ほどご紹介した「まるまるおまかせプラン」や「補助金・助成金支援サポート」「まいぷれポイント」などの事業です。「まるまるおまかせプラン」は現在、全国展開に先立って直営地域および一部の先行パートナーでスケーラビリティの検証をしています。

そして、こちらがきちんとまとまった段階で、4番目の全国展開に進みます。現在は「ふるさと納税BPO」や2022年にリリースした「まいぷれアナライザー」がこの段階にあります。

成長戦略・今後の成長イメージ

当社の成長イメージは、既存事業領域を着実に成長させていくと同時に、当社ならではの体制やノウハウなどの強みを活かして新規事業を積極的に開発していくというものです。当然、社内リソースのみでの完結にはこだわっておらず、他社とのアライアンスによる事業化も強化していくつもりです。既存事業と新規事業の両軸で高い成長を実現していきます。

以上、私から2023年8月期第3四半期の決算についてご説明しました。

質疑応答:利用店舗数の伸び悩みについて

司会者:「当期は利用店舗数が伸び悩んでいるように見えますが、何か要因はありますか?」というご質問です。

石井:断定的なことは言えませんが、新型コロナウイルス感染症特別貸付の返済が始まったことが少なからず影響していると考えています。2022年12月の報道のとおり、地域事業者の閉鎖と倒産が非常に多くありました。ゼロゼロ融資の返済が始まったことに影響を受け、この6月から閉業した方が多いことも事実です。

2つ目は、特に輸入資材に頼っている業種に関して、円安の影響で非常に厳しい経営状況へ落ち込んでいるところが多いことです。このような業種では、いったん広告予算の削減に踏み込む、あるいは保守的になる店舗が増えている実感があります。

質疑応答:「まいぷれ」のPV数について

司会者:「『まいぷれ』のPV数について、もしKPIなどを設定していれば教えてください」というご質問です。

石井:まず、PVをKPIに置いているか否かでいえば、現在は置いていません。なぜかというと、もちろんPVは非常に大きい指標ではありますが、当社はPPV(ペイ・パー・ビュー)方式の広告を導入していないからです。多くのページ階層によっていたずらにPVを上げるサイト構成ではなく、ユーザーに寄り添うかたちにしているため、PVを成長の軸の1つとして置いてはいません。

また、「まいぷれ」で預かった情報は「Googleマップ」などにも配信され、それにより人が動くため、PV数に貢献しなくても「まいぷれ」から発信した情報はユーザーに届いているということがあります。そのため、公表はしていませんが、社内では「アクション率」という指標を媒体やプラットフォームの価値として運用しています。

「まいぷれ」を通して発信した情報で「どれだけの人が電話をかけたか」「どれだけの人が地図を見たか」などのアクションに関しては、利用店舗もリアルタイムで見られるようになっています。

質疑応答:「まるまるおまかせプラン」の想定収入について

司会者:「『まるまるおまかせプラン』を全国展開する際の想定収入はどれくらいですか?」というご質問です。

石井:今のところ、想定収入についての具体的な数字は公表できません。しかし、現在のスケーラビリティ検証段階においては、「まいぷれ」を利用している既存店舗の最大2割は「まるまるおまかせプラン」をお申し込みいただけると想定しています。また、新規の利用店舗も毎月増え続けており、具体的な数字は精査中ですが、その中でも一定割合は利用いただけると見込んでいます。

質疑応答:パートナー新規獲得の好調要因について

司会者:「パートナーの新規獲得が好調に進んだ要因を教えてください」というご質問です。

石井:前期で失速した理由は、リード広告をうまく獲得できなかったことと、組織上の事情により、この領域に携わる人材を他へ割り当ててしまったことです。

そのため、今期はこれらの反省を活かし、営業体制や組織をしっかりと作り直したことに加え、リード広告の獲得に向けた施策もあらためて見直して取り組みました。それらが今期の好調につながったといえます。何か画期的なことをしたというよりは、やるべきことをきちんとやった結果、しっかり復調できたというところです。

質疑応答:第4四半期における公共ソリューション事業の売上高について

司会者:「例年、第4四半期の公共ソリューション事業の売上高が、他の四半期と比べて少なくなっていますが、本年度の第4四半期も同じような流れになるのでしょうか?」というご質問です。

石井:どうしても季節要因はありますが、例年ほどの差はなくなっていると思います。先ほどお伝えしたように、寄付額を増やすための施策が見事に奏功し始めたという自信を持っています。

現在、第4四半期に関して断定的なことを言うのは差し控えますが、今までのような大きな落差を伴う状況ではなくなってきていると考えています。

質疑応答:通期予想の達成見込みについて

司会者:「前期に比べると第3四半期の奮闘が光りますが、通期予想の達成見込みについて、現在の進捗を教えてください」というご質問です。

石井:おっしゃるとおり、第3四半期はずいぶんと復調傾向にあり、非常に期待できる部分があります。一方で、人件費への投資を積極的にしていることも事実です。

そのため、現段階で通期の予想達成に関する確定的なことは言えません。しかし、現時点において、通期予想の修正をする基準に至っていないことだけは確かです。

質疑応答:株式会社公共BPOについて

司会者:「子会社である株式会社公共BPOについて、トピックスや進捗があれば教えてください」というご質問です。

石井:株式会社公共BPOの設立時に、まずは株式会社フューチャーリンクネットワークのふるさと納税BPOの業務を受託し、いずれは同業に広げていくというお話をしました。まだ金額としては小さいですが、今は株式会社フューチャーリンクネットワーク以外の中間事業者、つまり表面的には当社のライバルに位置する会社からBPOを受けることがこの春から始まっています。

そのため、株式会社公共BPOを立ち上げる時にお話しした1つ目のステップには進んだというところだけご報告します。進捗やトピックスがあれば、あらためてお話しします。

質疑応答:足元の進捗状況および来期の目標値について

司会者:「今期の業績見通しはおおむね予想どおりということでしたが、足元の進捗状況と来期の目標値について、説明できる範囲内で教えてください」というご質問です。

石井:まず足元の進捗状況については、先ほどお話ししたとおりです。前期に苦戦した部分に関してはずいぶんと解消し、可能性のある部分も見えています。期初にはなかった「まるまるおまかせプラン」も非常に好評を得ており、可能性を秘めた部分があります。一方でお話ししたとおり、大変多くの人件費を投資しているフェーズでもあります。

現時点では修正する範囲ではありませんが、すべてが順調かといえば、順調な部分もあればそうでない部分もあるのが現実だと思っています。来期の目標値については、着実に成長できると考えていますが、具体的に言える部分はここまでです。

質疑応答:東証上場維持基準の適合に向けた計画や進捗状況について

司会者:「東証上場維持基準の適合に向けた計画や進捗状況について教えてください」というご質問です。

石井:こちらは流通時価総額の問題だと思っています。流通時価総額、流通株式数が若干少ないわりに株価は低調になっているため、まさに適合条件に合わせた計画を立てていかなければなりません。

現時点では、流通株を増やす施策ではなく、株価自体を上げていくことが第一と考えています。きちんと業績を改善し株価を上げることで、流通時価総額の基準を満たせる状況にしたいと思っています。

質疑応答:「まいぷれのご当地ギフト」事業展開の手応えについて

司会者:「『まいぷれのご当地ギフト』事業展開の手応えについて教えてください」というご質問です。

石井:手応えとしては、非常に喜んでいただけているところも多く、想定外のところからもお声がけをいただいています。ギフト事業や通販事業は、当社の得意分野ではないのではないかというご心配の声もありましたが、地域の付加価値情報を発掘・発信していくという文脈には非常によく沿っています。

また、ギフト市場において、画一的ではないカタログギフトを求めている方がこんなにも多かったのだという手応えも感じています。いくつかの自治体からもお声がけをいただいており、非常に可能性を感じている事業です。

質疑応答:株式会社エフェクチュアルとの協業について

司会者:「先日公表された株式会社エフェクチュアルとの協業について、もう少し詳しく教えてください」というご質問です。

石井:株式会社エフェクチュアルは先期に投資した会社で、当社のパートナーです。株式会社エフェクチュアルは、エリアマーケティングやローカルマーケティングについての豊富なノウハウを有しており、当社の事業活動においても良きパートナーとして情報共有しています。

「まるまるおまかせプラン」についてもそうですが、当社は、地域の事業者からはこれくらいの予算が限界ではないかと、無意識に考えていたのかもしれません。しかし、現在はエリアマーケティングが当たり前の時代となっており、地域の零細事業者においても従来型の広告ではなく、Webマーケティング、ローカルマーケティングの時代へ完全にシフトしたと考えています。

そのような意味では、株式会社エフェクチュアルのサービスである「LP放題」においても、従来の思考では地域の事業者へ順調に展開しにくいと考えたのですが、今では非常に可能性があるサービスだと思っています。

SNSが多様化してきたため、ランディングページの役割をあらためて重要視しています。SNSは長い歴史を見ても、Twitterの仕様変更など常に一定レベルの新陳代謝が繰り広げられていくものです。そのような中で、安定的にランディングページに人を誘導することや、入口やSNSが変化しても安定性を維持することは、非常に大事な部分だと思っています。

そのため、具体的な数字は差し控えますが「まいぷれ」と非常に相性が良いサービスだと思っています。

石井氏からのご挨拶

本日はご参加いただきありがとうございました。いろいろな方からご質問をいただき、当社の励みにもなりました。今後も愚直ながら、スピードアップして事業を成長させていきたいと思います。引き続き応援をよろしくお願いします。