2023年3月期第3四半期決算説明
平瀬智樹氏:株式会社GENOVA代表取締役の平瀬智樹でございます。このたびは、当社2023年3月期第3四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
当社は、昨年12月に東京証券取引所グロース市場に上場しました。まず、株価の下落についてご不安をおかけしていることをお詫び申し上げます。株価は経営陣も意識しており、企業価値の向上を通じ、当社の成長戦略をご理解いただけるよう努めます。
MISSION
上場したばかりですので、当社について簡単にご説明します。GENOVAは「ヒトと医療をつないで健康な社会を創ります」をミッションとし、医療機関向けにメディカルプラットフォーム事業とスマートクリニック事業を展開するヘルスケアテック企業です。
現在、日本の医業収入は入院が約16兆円、外来診療が約24兆円となっています。当社は外来診療に特化したサービスを提供しています。ミッションを通じ「21世紀型医療インフラを創る」というビジョンの実現に向け、日々事業を運営しています。
外来診療においては2つの問題点があり、GENOVAはその問題点を解決するために2つの事業を進めています。1つ目は、医療情報格差です。診療内容や自分の症状から行くべき医療機関がわからなかったり、十分な情報提供を受けないまま受診したりと、受ける医療にばらつきが出ています。このような医療情報格差をなくすための新しい医療インフラを創るべく、メディカルプラットフォーム事業を進めています。
2つ目は、本来は医師や看護師の業務ではない医療事務業務に時間が割かれ、患者のケアや医療提供の時間が極端に短いことです。患者にとっては物足りず、医療従事者は「もっと質の高い医療を提供したい」と考えており、このような時間の無駄やストレスを解決するために、スマートクリニック事業を進めています。
会社概要
事業概要です。当社は今期で18期目になり、社員数は約300名、全国8拠点で展開しています。社外取締役に医師や弁護士を選任していることに加え、医療アドバイザーの方々に協力いただき、医療に関わる一員として信頼性のある事業運営に取り組んでいます。
スナップショット
スナップショットです。第3四半期は44億円の売上高に対し、10億円の営業利益と23パーセント超の営業利益率で終えることができました。
メディカルプラットフォーム事業では、医療メディアを運営しており、記事数は8,771本を超え、月間PV数も969万PVを超えました。
スマートクリニック事業では、自動受付精算機とセルフレジを展開しており、累計導入台数は1,364台となっています。
当社のサービスにより各ステークホルダーの課題解決を実現
当社は、患者と医療従事者の情報非対称性、長い待ち時間、医療従事者が抱える業務過多、クリニック経営者や医師の適切な医療提供や集患という、すべてのステークホルダーの課題解決を目指して事業を運営しています。
当社のサービス概要
メディカルプラットフォーム事業では、医療メディアの「Medical DOC」を中心に、医療機関と患者の適切なマッチングを実現しています。
健康や未病、予防情報等の医療関連情報や医療機関の情報を一般ユーザー向けに無料で提供しています。医療機関の紹介記事や動画制作については、医療機関から報酬をいただくことにより売上を確保しています。
当社がMedical DOCにて提供しているメインコンテンツ
スライドは「Medical DOC」に掲載している記事の種類です。左側は一般利用者向けの無料配信記事で、医師による監修記事やニュース記事、闘病体験記事、病気・症状記事などです。右側の医療機関の紹介記事については、クリニックから制作料金をいただき掲載しています。
当社のサービス概要
スマートクリニック事業では、医療機関向けに自動受付精算機とセルフ精算レジを展開しています。業務効率化を進め、将来的に受付ゼロで運営できるソリューションの構築を目指しています。
新しいプロダクトのご紹介です。「LINE」を使ったCRM(マーケティングツール)である「CLINIC BOT」は今期のみで200件の導入となり、伸びています。
また、昨年秋からチームラボ社協力のもと、医療機関向けデジタルアトラクションの販売を開始しました。
3ヵ年サマリー
ここからは業績ハイライトについてご説明します。スライドは3ヵ年サマリーです。今期の目標営業利益率は25パーセントですが、第3四半期終了時点で24パーセントとなっています。スマートクリニックの売上比率も30パーセント程度となっており、堅調に推移しています。
3ヵ年サマリー 四半期売上
業績予想については株主や投資家のみなさまから多くのご質問がありましたので、細かくご説明します。
当社では社内ルールに基づき、上期の進捗を踏まえ、昨年10月に業績予想を上方修正しました。こちらに対する売上高の進捗率は70パーセントと、大きな差異もなく計画どおりであるため、追加での売上予算修正等の予定はありません。
3ヵ年サマリー 四半期事業別売上
四半期ごとの売上推移です。第3四半期の売上高は15.7億円となり、昨年対比プラス3.6億円、130パーセントの成長となっています。コロナ禍前後ともに売上高は堅調に推移しています。スマートクリニック事業においては、昨年対比で160パーセントの成長を実現しています。
利益構造及び利益率の推移
利益構造及び利益率の推移です。スライド上部のウォーターフォールチャートは、コスト構造を示しています。引き続き、人件費と製造経費が大きなウエイトを占めています。
営業利益の目標に対する進捗率は、前年同四半期が56パーセントだったのに対し、この第3四半期は、目標16.2億円に対して実績10.5億円と、進捗率約65パーセントとなりました。したがって、利益に関しても修正の予定はなく、引き続き計画どおり進めます。
3ヵ年サマリー 四半期事業別営業利益
第3四半期の営業利益は昨年対比プラス1億円、140パーセント成長の3.6億円となっています。メディカルプラットフォーム事業を中心に、高い成長を実現しました。スマートクリニック事業は、営業利益においても180パーセント超の成長を実現しています。
営業人員一人当たりの売上高
営業人員1人当たりの売上高です。今期は第3四半期までの数字ですが、昨年同期比で営業人員が増えているものの、生産性は向上しています。毎年の教育研修に力を入れ教育期間の短縮を図っており、これが要因の1つです。
3ヵ年サマリー 四半期新規既存比率
四半期新規既存比率です。売上の約6割が既存顧客に対する販売であり、安定感を持った売上が構築できています。同時に新規顧客の獲得もできており、このようなバランス感で売上を出していければと考えています。こちらも計画どおり進めています。
事業別契約件数と契約単価
成長戦略です。件数×単価を売上とし、事業別に各項目を分析しています。各セグメントが確実に成長しており、今期もサービス契約件数は堅調に推移しています。
第3四半期の契約件数の進捗は、メディカルプラットフォーム事業で約66パーセント、スマートクリニック事業で70パーセントとなっており、契約単価についても計画どおりです。
売上を構成する2つの要素
売上を構成する2つの要素は、契約件数と契約単価です。既存顧客に対しては、直接営業人員の強化により、さらなる接触回数を接触回数を確保できると思っています。
新規顧客については、代理店の販売強化や営業所の開設、投資額が少ないクリニック向けのプランを構築することで、顧客の増加につながると考えています。
契約の単価については、メディカルプラットフォーム事業における単価の引き上げや、クロスセルを可能とする商材の展開が考えられます。
既存深堀及び新規開拓による顧客数の増加
営業拠点の展開において、今期は仙台に営業所を出すことができました。来期も新たに1拠点展開することを検討しています。
採用については新卒が50名、中途が45名を目標としています。中途については達成済みです。新卒においても、現時点で49名から内定承諾をいただいています。
代理店パートナーシップについても、第3四半期までに30件ほど強化することができました。
メディカルプラットフォームにおける契約単価の向上施策
メディカルプラットフォーム事業は、主力の医療メディアにおいて、医療関連記事が増えたため利用者数とPVが増加しました。その結果、ネットワーク効果が生まれ、メディアとしての価値が高まることにより、さらなる値上げの実行が可能となります。
また、今後はさまざまな切り口の記事を増やしていく予定です。切り口が増えるということは、複数契約につながる契機となります。
GENOVA GATEWAY構想に基づくクロスセル施策
スマートクリニック事業では、医療体験の最適化をテーマに、既存サービスのラインナップと掛け合わせるかたちで展開していきたいと思っています。
メイン商材である自動受付精算機やレジですが、今後は後払いが可能な商材に進化させたいと思っています。
自動受付精算機とレジの導入医院数は、現在約1,000件です。1院の平均利用者数は1日当たり66名です。年間ベースで1,700万人にリーチできているということになります。
この新たなタッチポイントをもとに、後払い機能を追加した自動受付精算機を導入し、獲得したユーザーにさらなるサービス展開をしたいと思っています。このようにクロスセルでサービスラインナップを拡大し、単価の向上を目指します。
こちらで今日の決算説明を終わらせていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。