2030年に向けて

米倉英一氏(以下、米倉):みなさま、こんにちは。スカパーJSATの米倉でございます。本日は、お忙しい中スカパーJSATホールディングスの決算説明会にご参加いただきまして、ありがとうございます。

通期決算説明会でご説明したとおり、当社は現在、2030年に向けて既存事業の基礎収益力の向上を図るとともに、新領域へ2,000億円規模の投資を行い、激変が予想される事業環境に柔軟に対応できるビジネスモデルを再構築している途中です。

投資にあたっては、当社の企業価値向上に資するかどうか、2030年に当社が在りたい姿に合致するかどうかをしっかりと見極めて、資本効率を意識しつつ、チャレンジングな投資を行いたいと考えています。

第2四半期は、ここまでおおむね計画どおりに進捗しています。宇宙事業では引き続きグローバル・モバイルビジネスが伸長しました。メディア事業では、加入件数減少の影響がある一方で、FTTH事業収入が順調に伸びています。

それでは、CFOの松谷より第2四半期の業績概要をご説明します。その後、各事業の直近の取り組みについて、各担当取締役よりご説明します。

連結業績概況

松谷浩一氏(以下、松谷):松谷より、第2四半期の連結業績概況についてご説明します。第2四半期の連結営業収益は579億9,600万円、営業利益は111億4,700万円、経常利益は116億3,500万円で、前年同期とほぼ同水準となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は77億300万円で、前年同期比9.7パーセント減となりました。これは、前年度に発生した連結子会社の解散に伴う税金費用9億円の減少の影響があったためです。グラフ右側に記載の進捗率が示すとおり、通期予想に対してはおおむね計画どおりに進捗しています。

四半期連結業績推移(FY2021/1QーFY2022/2Q)

四半期ごとの業績トレンドをグラフにして示しています。

セグメント別業績概況:宇宙事業

セグメント別業績概況についてご説明します。宇宙事業セグメントについて、営業収益は281億6,100万円となりました。グローバル・モバイルビジネスにおいて、「Horizons 3e」などの増収や円安による影響などがあった一方で、放送トラポン収入の減少などにより、営業収益は前年同期比で若干のプラスとなりました。

営業利益は、減価償却費やのれん償却額の減少により、前年同期比19パーセント増の83億3,600万円となりました。純利益ベースのセグメント利益は、前年同期比4パーセント減の55億7,600万円となりました。これは、先ほどお伝えしたとおり、前年度に発生した税金費用の減少の影響によるものです。

セグメント別業績概況:メディア事業

メディア事業セグメントついて、営業収益は348億400万円となりました。接続世帯数の増加などによりFTTH事業収入が増加した一方で、「スカパー」累計加入件数の減少によりトータルでは減収となりました。

営業費用は減価償却費減少の一方で、販促関連費用の増加などがあったため、営業利益は31億4,500万円となりました。なお、販促関連費用については、放送のみならず配信にかかるものや、先月末に終了した「BSスカパー」の閉局告知費用なども含まれています。純利益ベースのセグメント利益は22億7,200万円となりました。

宇宙事業とメディア事業の成長に向けた取り組みについて、担当の取締役からご紹介します。

宇宙事業ビジョン ~Society5.0の実現に向けて~

福岡徹氏(以下、福岡):宇宙事業担当の福岡でございます。スライドは4月に開催した通期決算発表時のものの再掲となります。宇宙事業では、Society5.0の実現に貢献することを目指し、宇宙事業ビジョンを策定しました。ビジョンの実現に向けての取り組みをご説明します。

宇宙データセンタ事業の実現に向けて

7月に設立したNTTとの合弁会社Space Compassでは、宇宙データセンタ事業の実現に向けて、米国のベンチャー企業であるSkyloom社との協業検討に合意しました。Skyloom社は、2017年にアルゼンチンで設立され、現在、米国カリフォルニア州を拠点とする通信イノベーターであり、光通信用装置の開発において、世界的最先端の技術を保有しています。

今回合意した協業では、2024年にアジア上空の静止軌道に光データリレー衛星初号機の打ち上げを目指します。この光データリレー衛星が低軌道衛星と地上の通信局を光通信でつなぐことで、準リアルタイムかつ大容量でクラウド対応のデータ伝送サービスの提供が可能となります。

さらに、静止衛星を順次投入し、2026年までに地球全域をカバーしていきます。地球観測を行う低軌道コンステレーション事業者を主な対象・顧客として、衛星と地上間の通信のボトルネックを解消します。

宇宙から収集する地球規模のデータを、最大限に活用できる通信ネットワークを実現・提供することで、日常生活から、地球環境やエネルギー、安全保障などの社会課題の解決へ貢献していきます。

衛星データビジネスの拡大

昨日プレスリリースを行いましたが、スペースインテリジェンス事業において、10月より、斜面/インフラモニタリングサービス「LIANA」の提供を開始しました。「LIANA」は、「Land-deformation and Infrastructure ANAlysis」を略したものです。

Land-deformationとは地盤変動を意味する用語です。衛星画像データを用いて、斜面や盛り土などの土の構造物、道路や埋め立て地、さまざまなインフラ設備の経年的な変状を、ミリメートル精度でモニタリングするサービスです。

当社と株式会社ゼンリン、日本工営株式会社の3社が2020年に発表した「衛星防災情報サービス」の1つでもあります。この中で当社は、レーダーを用いるSAR衛星が撮像する画像データに、独自に開発を進めた高精度化を実現する解析アルゴリズムを施しました。対象物の変動量を時系列で可視化するシステムと、ユーザー向けにユーザーインターフェースを提供します。

さらに、システム内に取り込んだゼンリンが保有する詳細な地図データと、日本工営の日本最大手の建設コンサルタントとしてのノウハウを組み合わせ、企業や自治体が管理する敷地や施設への影響を把握し、解析箇所の提案から危険性の評価までを行います。

昨今、豪雨災害やインフラ老朽化、それらの対策ににかかるコストや人手不足が社会問題となっています。これらに対し、広域かつ低コストなモニタリングと、利用者の予防・保全の意思決定をサポートすることにより、災害に対する不安の低減、安全なまちづくりに貢献します。

グローバル・モバイルビジネスの拡大

既存事業についても拡大を行っています。2022年1月に提供を開始した、当社の衛星を用いた高速大容量の船舶用通信サービス「JSATMarine」を、内航船向けに通信エリアや契約プランを最適化し、NTTワールドエンジニアリングマリン株式会社が提供するLTE網を用いた船舶向けのデータ通信サービス「マリタイムモバイルA-II」と組み合わせ、内航船向け定額制高速衛星通信サービス「JSATMarine Light」の提供を開始しました。

衛星通信とLTE網を組み合わせ、海上での安定した通信サービスを提供することにより、運航管理や船舶用機器監視のリアルタイム化、荷主向けの積荷情報の提供などといったDXの推進を行います。さらに、船員の労務環境の改善や福利厚生向け通信の拡充に貢献します。

膨大なデータが飛び交う未来社会において、常につながる環境を整え、通信の大容量化・高速化への対応は重要となります。新たな技術の活用や事業領域拡大への取り組みを加速させるとともに、既存事業も拡大・強化していきます。

メディア事業 成長のストーリー

小川正人氏(以下、小川):メディア事業担当の小川よりご説明します。はじめに、メディア事業のビジョンについてです。放送だけでなく、配信とリアルの体験をお客さま、すなわちファンの方々に提供し、ファンの体験を拡張することを目指して、当社のサービスを拡充していきます。

さらに、当社の資産である東京メディアセンターやコールセンターなどを他社に提供し、BtoBのサービスを行うことで、事業の多角化を推進していきます。来る、コネクテッドTV時代におけるサービスの準備にも取り掛かっています。

番組配信の取り組み

放送・配信領域での取り組みについてです。「スカパー」のテレビ放送のうち、権利処理が済んだコンテンツをスマホやタブレットでも楽しめるようになったのが「スカパー番組配信」です。つまり、「スカパー」はテレビでもスマホでも視聴できるようになってきたということです。

「スカパー番組配信」は放送サービスにご加入中のお客さまは無料で利用できるサービスで、スポーツや音楽ライブ、旅番組などを、スマホやタブレットで、いつでもどこでもご視聴いただけます。このサービスをよりアピールするために、「スカパー番組配信」でも視聴可能なコンテンツのプロモーションを実施していきます。

11月にはこのコンテンツ施策と併せて、新規加入者向けに視聴料1,000円プレゼントキャンペーンなども実施します。より多くの方に継続的にお楽しみいただくとともに、テレビ放送でもスマホでも番組をご覧になれる便利さや快適さを体感していただければと思っています。

リアル事業

リアル事業では、「スカパー」ならではの世界観をリアルでも体験していただけるように、放送や配信に加え、イベントならびにグッズ販売も積極的に展開しています。今月開催される「ブンデスリーガジャパンツアー2022 powered by スカパーJSAT」についてご説明します。

ドイツのブンデスリーガより、⻑谷部選手も所属しているアイントラハト・フランクフルトを招聘し、Jリーグの浦和レッズとガンバ大阪との親善試合を主催します。当日の対戦については「スカパー」での放送ならびに配信でご覧いただけることに加え、16日の浦和レッズ対フランクフルト戦に関しては地上波でもお楽しみいただけます。

この先も、音楽ライブイベントや落語、野球オフシーズンのイベントなども予定しており、放送や配信にとどまらず、ファンの体験を拡張させていきたいと考えています。

既存事業基盤を活用したケーブルテレビ業界向け多チャンネルサービスへの取り組み

既存事業基盤を活用した新たな取り組みをご説明します。当社は、光ファイバーすなわちFTTH経由で、地上波、BSの再送信とともに「スカパー」や「プレミアム光」を提供しています。つまり、光ファイバー経由で各チャンネルの鍵の開け閉め、いわゆる視聴制御を行っています。

⻑野県の飯田ケーブルテレビでは、この多チャンネルサービスにかかる設備更新に伴い、当社の光ファイバー経由での視聴制御の技術を使うことで、利用者がSTB(セットトップボックス)を設置しなくても従来どおりチャンネルを視聴できる環境を整えることができました。

これにより、飯田ケーブルテレビは設備更新の負担という課題を解決でき、当社は飯田ケーブルテレビに視聴制御のサービスを提供することができました。この方式は業界初の取り組みで、8月のリリース後、同様の課題を抱えるケーブルテレビから多数の引き合いをいただいています。

今後もケーブルテレビ局との業務提携を進め、ケーブルテレビ業界の課題を解決するとともに、私どもの事業領域を拡大していきます。

メディアソリューション事業

当社の設備と機能を使ったメディアソリューション事業の概要をご説明します。当社の放送事業の基盤である東京メディアセンターを活用し、コンテンツプロバイダーやプラットフォーム事業者の双方にとって低コストな配信手段、または放送設備等々を提供するメディアHUBクラウドや、スタジオなど制作設備の貸し出しサービスを法人顧客向けに展開しています。

すでに、大手配信プラットフォーム向けの番組制作やスポーツ、音楽ライブ会場の中継伝送を受注しており、金額、売上高ともに規模が拡大しています。今後も、放送事業でこれまで培ってきた技術やノウハウを最大限に活用し、法人顧客のニーズに合わせたソリューションを提供してBtoB事業を拡大していきます。

サステナビリティ経営の推進

米倉:最後に、サステナビリティ経営の推進についてお話しします。サステビリティ経営の推進に向けて、10月にサステナビリティ推進部を新設し、体制を強化しました。

当社のミッションでもあり、サステナビリティ方針でもある「Space for your Smile」のもと、SDGsやESGへの対応が求められる市場環境の変化を事業拡大のチャンスと捉えて、社内文化の変革や、新たな事業領域の創出を促進していきたい考えです。ボトムアップでの社員からの発案と経営面からの推進の両輪で、改善および実践を行っていきたいと思います。

また、ESG報告を含む統合報告書2022年を9月末に発行しました。我々が10年後、20年後も社会に必要とされるために、2030年に目指す経済的価値、社会的価値の創出に向けた、取り組むべき重要課題、中・⻑期的なアクションプラン、リスクや機会を示しています。環境、人材、ガバナンスの枠組みで、さまざまな取り組みを紹介しています。

本日のご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:宇宙事業のグローバル・モバイルビジネスの拡大について

質問者:宇宙事業を見ると、グローバル・モバイルビジネスの売上高が1年前と比べてかなり増えています。放送の減収を除いた部分が前年比で6億円減収、トータルでは2億円の増収です。これは第1四半期の時にも確認していますが、個別の契約が一部終わった影響などがあるということでしょうか? また、グローバル・モバイルビジネスはおおむね「Horizons」も「JCSAT-1C」も順調に拡大してきているということでしょうか?

森合裕氏(以下、森合):まず、放送トラポン以外の減少要因ですが、画像販売の部分が大きく効いています。

グローバル・モバイルビジネスについては、お話があったとおり「Horizons 3e」と「JCSAT-1C」は前期比で伸びている状況です。

質問者:第1四半期で終わった契約が第2四半期でもなくなったままですが、こちらが少しは影響したのでしょうか?

森合:既存の大きな契約が終了して減っている分は、あまり大きな要素にはなっていません。

質疑応答:国内エアライン向け通信への新型コロナウイルス感染症の影響について

質問者:国内エアライン向けの新型コロナウイルス感染症の影響ですが、前年同期比でプラスに戻ってきていますか? いまだに横ばいでしょうか?

森合:まだ大きな伸びではないものの、前年同期比では着実に伸びています。

質問者:下期以降、便数はかなり回復しているかと思います。基本的な理解として、便数に合わせて回復するということでよいでしょうか?

森合:便数そのものが契約にダイレクトに反映されるかたちにはなっていないため、少しタイムラグはあります。

質疑応答:メディア事業における第3四半期以降の販促費について

質問者:メディア事業で販促費が増えたのは、放送だけではなく配信にかかる費用や「BSスカパー」終了の告知費用が原因だというご説明がありましたが、そうすると第3四半期からはそのような特殊要因はなくなり、前年同月比で増えることはないということでしょうか?

小川:「BSスカパー」の分は第3四半期からはありません。ただし、先ほどお伝えしたように、11月には番組配信を用いたキャンペーンなど行うため、その分は昨年よりも少し増えると思います。

質問者:合計すると、第3四半期は前年同期比で少し増える可能性があるということでしょうか?

小川:そのとおりです。

質問者:そのあたりは昨年も第4四半期にかなりお金を使っていますが、年度を通じてはしっかりと計画どおりにコントロールする方針で変更はないという理解でよろしいでしょうか?

小川:おっしゃるとおりです。年度としてはコストコントロールをしっかり行っていこうと考えています。

質疑応答:光データリレー衛星のコストと売上について

質問者:Space Compassと提携したSkyloomについて質問です。光データリレー衛星を打ち上げるにあたって、どれぐらいの費用がかかるのでしょうか? その費用は、Space Compassの負担で打ち上げるのでしょうか?

また、収入もコンステレーションというお話がありましたが、それはリモートセンシングを行っているコンステレーションの方なのでしょうか? そのあたりのコストと売上高の概要をもう少し教えていただければと思います。

森合:この衛星は、我々が今保有している通信用の静止衛星と比較して、コストは非常に小さい規模になる予定です。具体的な数字までは今の段階ではお伝えできませんが、1桁少ない規模の金額での打ち上げが可能になる予定です。

お客さまについてはお話があったとおり、地球観測用のコンステレーションをいくつかの事業者が展開していますが、このような方々に対して、従来は撮像したデータを地上にそのまま落としていました。その場合、ちょうどよいタイミングで地上に受信局がないと、タイムラグが生じてしまっていましたが、静止衛星であればほぼリアルタイムで転送できるため、その利便性をアピールしてお使いいただくことを目指しています。

米倉:補足します。Space Compassがエクスポージャー、投資を持つのかという質問への答えは、イエスでもありノーでもあると思います。なにを言いたいかと言うと、つまり当然、リスクエクスポージャーが増えるということです。

一方、今回はSkyloomと行いますが、今後のさらなる展開を考えた時に、例えば光データサービスそのものに対するアプリケーションやハードウェアなどを乗せたい、売りたいなどという潜在的なパートナーがもし出てきた場合、我々とビジョンが一致するのであれば、当然そのようなところを弾くのではなく、出資を受けるという可能性を否定はしません。

ただし今の段階では、あくまでSpace Compassをビークルとして投資するという考え方であることを補足しておきます。

質疑応答:株主還元のキャピタルアロケーションについて

質問者:株主還元についてです。5年間のキャピタルアロケーションが400億円という話がありました。今年度は配当据え置きで他になにもありませんが、来年度以降はこの400億円の枠内で拡大していくということでしょうか? 全体像の確認としてお聞きしたいです。

松谷:決算説明会でご説明した5年間のキャピタルアロケーションの方針について、変更はありません。日々さまざまな事業の取り組みを行っていますので、その中で株主還元の方法やタイミングについては、適切に見極めて実行していきたいと考えています。

質疑応答:「NiSUMU CONNECT×光回線テレビ」と競合他社の低料金プランから受ける影響について

質問者:質問が3点あります。1点目の質問です。今回の資料には含まれていないようですが、御社は10月28日に、「NiSUMU CONNECT×光回線テレビ」という新サービスを発表されました。

こちらは積水化学工業などとの協業ということですが、今後、積水化学工業以外のディベロッパーと、同じように分譲地の全戸向けにこのようなサービスを展開していく予定があるかどうかをお聞かせください。

2点目の質問です。こちらも「NiSUMU CONNECT×光回線テレビ」に関するお話です。こちらは戸建て向けのサービスということですが、御社はすでに戸建て向けのテレビ視聴サービスを、NTTと組んでフレッツより展開していると思います。将来的にこれらのサービスを統合するおつもりがあるのかを教えてください。

3点目の質問です。他社の話で恐縮ですが、「Netflix」が11月4日から広告付きの低料金プランを投入すると発表しています。また、「Disney+」も12月から同じような広告付きの低料金プランを米国で導入すると話しています。このような動きが御社のメディア事業にどのような影響を及ぼすと考えているか、お聞かせください。

小川:まずは1点目の、積水化学工業と進めている、戸建分譲向けのテレビ視聴サービスの提供についてです。これは、大型の戸建分譲のエリア全体に対して、光回線経由のテレビや「スカパー」などの提供を一括で行うことにしたものです。

これと同じような取り組みをしていきたいと考えており、それについては現在、日々いろいろと検討、営業している状況です。これまではたくさんの戸数を抱えるマンションに対してはいろいろと行ってきましたが、このような形態もあるということで、これを皮切りに同様の取り組みを進めていきたいと考えています。

2点目についてですが、我々はNTTの光ファイバーを利用した「NTTフレッツ」があるところにおいて、その光ファイバーを卸した先の事業者と組み、同様のサービスを継続して進めてきました。そのため、2つのサービスを統合するというよりも、東西のNTTの光ファイバーを使ってサービス提供できるエリアにおいては、同様のサービスを続けていこうとしていますので、それをすべて統合するかどうかといったことは考えていません。

3点目の「Netflix」ならびに「Disney+」が広告付きの低料金プランを発表して実行に入るということについては、非常に脅威を感じています。それというのも、「スカパー」の各チャンネルの放送サービスも広告はすでに入っていますので、そのような意味では、今まである一定の料金だったものの料金がさらに下がるということは脅威になると考えています。

ただし、現時点において、「Netflix」ならびに「Disney+」がカバーしているジャンルと、直接競合しているチャンネルもあれば、そうではないチャンネルもあります。「スカパー」ならではのものをより訴求する、また先ほどご説明した配信など、リアルの組み合わせで「スカパー」らしさを訴求するということで、対抗していきたいと考えています。

質問者:確認ですが、現時点で御社が提供している放送サービスや配信サービスにおいて、値下げは特に考えていないという理解でよろしいでしょうか?

小川:はい、現時点では考えていません。