新中期計画 年度別売上・営業利益目標
勝部迅也氏:図研の勝部でございます。当社の説明会にご参加いただきまして、ありがとうございます。できるだけ簡潔に、わかりやすくご説明したいと思っています。
まず、前期は創業以来の最高売上、最高利益というかたちで終わることができました。スライドのグラフに記載のとおり、3年後の2025年3月期においては売上高400億円、営業利益60億円を目標に、いろいろなプランを進めていこうと思っています。
過去の推移については、後ほど詳しくご説明します。経営陣として、この数字を3年の目標として取り組んでいこうと思っています。具体的にどのような方向でこの数字を達成するか、あるいは方向づけをしていこうかということを、簡単にご説明します。
新中期計画の基本方針
中期計画の基本方針を、成長戦略の「①」「②」に分けてご説明します。まず、成長戦略の「①」についてですが、何度かお伝えしてきました通り、今後モデルベースによる開発をモノづくりにおいて設計製造の基本にしていこうと、3年くらい前から準備し、進めてきました。
お客さまのほうでもモデルベースによる製品開発の効果やメリットなどに理解が深まり、「具体的にはこのようにすればよいんだな」ということを実感していただけるような環境が、少し出来上がってきました。
「いままでどうしていたのか」という比較で言うと、自分の行いたいことを回路図lに落とし込んで、その回路図から具体的なものを作っていくというのが従来のプロセスです。
自分が考えた構想を回路図に落とすというプロセスを前提に、自分が行いたいことをモデル化して、ファンクショナルモデルをどのように組み合わせたら、製品はどのような動きになるのかというような流れの中で、これからモデルベース開発というものを使っていこうとしています。
ここ数年でそのあたりのプロセスが、今までの手法とまったく変わっていく時代になっていくと我々は考え、お客さまともいろいろな話をした中で、我々のシステム、あるいはアプローチも変えていこうということになっています。
モデルベースによるシステム設計・開発がどのようなものであるかをもう少し具体的にお話しすると、設計者の頭の中の「このようなことを行いたい」という仕様コンセプトを、ファンクショナルモデルにすべて置き換えていきます。
1つのものを設計者1人では作れないため、複数の人間がそれぞれにモデル化をして、そのモデルを持ち合うことで、モデルの動きをいろいろなファンクションとして動かし、共有化・具現化し、具体的にどうなるかという検討ができるということです。
モデル化することで、それぞれの分担についても簡単になってきますし、ファンクション的にもいろいろなものを組み合わせて検討することができます。
ハードウェア、ソフトウェア、電気という、大きく分けると3つのドメインについて、「どこは電気」「どこは機械」ということも、機能をモデル化することによって非常に進めやすくなります。
一例をあげますと、今は「半導体が足りない」と言われてますが、半導体でできることは、ソフトウェアでもファンクション的には必ずできるわけです。
ところが、スピード的にはやはりハードウェア化、半導体化したほうが圧倒的に速いということで、どんどん集積回路で半導体化していこうという方向へ進みます。しかし、CPUもどんどん速くなってきていますので、ソフトウェアの部分を増やしても処理が可能になったり、あるいは後でデバッグをするにも、変更するにしても、いろいろな都合がよいだろうということで、ソフトウェアのポーションを増やしていこうという方向にもなっていくだろうと考えています。
そのような意味では、ハードとソフトの切り分けをどのようにしてくのが一番最適かというのも、モデルを使うことによって合理的に判断し易くなっていくと思っています。
また、MBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)という分野で、私どもは3年前にVitechという会社を買収しました。そこで開発した「GENESYS」という、SysMLという言語をベースにモデルを作って、それを融合させながら開発していくシステムと、我々が持っている「CR」をつなぐことによって、どのようなメリットがあるだろうかというところも進めていこうと思っています。
商品名は「GENESYS-CR」です。基本的には、先ほども少しご説明したように、構想設計の段階の中で最終的に回路図に落として、それを製品化するわけですが、構想設計から回路図に落とすと、やはりミスがあったり、あるいは抜けたところがあったり、自分の意図したことが回路図に正確に反映されないケースが多々あります。
これは手戻りになったり、あるいは「作ってみたら、これが抜けてしまった」ということになりますが、この構想設計した内容を「GENESYS」というツールでモデル化して、それから回路図に展開をしてモノを作っていくと、そのようなステップを踏むことによって、ミスが非常に軽減されるところも大きなメリットであると思っています。
同様に図研は、「E3.series」というパネルや、あるいはケーブリングのCADを、これはドイツで開発して、それを全世界で販売していますが、「E3」にも「GENESYS」を結合させながら、構想設計から回路図へいく段階での大きなミスや、間違いを減らしていくようなものを開発し、販売をすることによって、この3年間の売上アップに寄与させようと考えています。
今まで少しお話ししたモデルベースでの設計というのは、2017年に経産省のIPA(独立行政法人情報処理推進機構)でも、実はすでに推奨されていました。ただ、今まではなかなか具現化するところまでいかなかったのが実情です。
アメリカでは国防省が、設計の効率化を進めたり、あるいはベンダーがモデルベースで設計したものを納入することによって、どのような納入物がどうなっているか、すぐに確証が得られるということがあって、7年から8年前にMBSE(モデルベースデザイン)の採用を始めています。
日本は若干遅れてやっと今、自動車関係のところで立ち上がってきたのですが、この3年間の中で、図研としてしっかりとサポートしていこうと考えています。
スライド4ページの2つ目に「課題解決型コンサルティングで商談規模と付加価値を拡大」と記載していますが、もともと図研は40年近く、「CADの図研」と言われ、CADをベースに全世界に販売していました。
しかし、この3年間で我々の体質そのものを「システムズエンジニアリングの図研」に変えていこうとしています。変えていくためには、モデルベースによる設計環境の構築が必要となります。
もう1つ必要なのはデータエンジニアリングです。データエンジニアリングの大事さを再認識し、データをうまく使いこなしていくのが、もう1つのシステムズエンジニアリングの手法ではないかと考えています。
例えば、今まで何十年分ものレガシーの設計データがありますが、このデータをいかに整理するか、あるいは新しい技術、新しい商品で新しくデータを作った時に、前のレガシーデータとどのように融合させればよいか、もちろん、その中ではたとえばAIを活用しながらデータを作り上げたり融合させたりするわけですが、基本的にはノウハウをいかにうまくデータベース化して使い分けるかということが求められます。
実は、このようなデータもモデル化していると非常に扱いやすくなります。そのため、データエンジニアリングにおけるデータそのものも、できるだけモデル化しながら改善していくというのが大事になってきます。
そのようなデータそのものを、我々がいかにうまく使えるかというところで支援していくことで、設計製造の効率が上がっていくと思っています。
設計そのものの中でいろいろなプロセスがありますが、そのプロセスの最初にモデルベースというアイデアを入れていくことで、設計製造や最終的なチェックもすごく楽になる方向にいくと考えています。このシステムズエンジニアリングとデータエンジニアリングの2つをうまく組み合わせて、我々のビジネスの方向性を決めていきたいと思っています。
次に、人的資本拡充のところで書かれている働き方改革についてですが、企業の体質にもよると思いますが、我々はソフトウェアの開発の会社で、開発系でリモートで仕事をしている人間はおそらく60パーセント以上になるのではないかと思います。実際の進行や効率を落とさず、リモートのパーセンテージをどんどん増やす方向でオペレーションを取っていこうとしています。
また収益力向上のパートでスライドに「営業DX促進」と記載しているとおり、リモートでもお客さまと我々営業や技術者の声がしっかりとうまく交わせるような環境を構築して、営業を進めていこうという環境をしっかりと作り上げています。そのため、どんどんリモートを増やしたほうが、効率的にも環境的にもよいと考えています。
価格については、いろいろな意味で適正価格へのリプライシングも考えていかないといけないのではないかと思っています。これは後半に説明があります。
人的資本の拡充について、もうひとつコメントしておきます。リモートであろうが、最終的には人が行うわけですが、DXやモデルベースデザインに変わっていくような時代の流れの中で、我々のスキルをもう一度見直していかないと、流れにはついていけないと思います。
DXの流れについていくためには、これからの人材に必要なスキルの見直しをしながら、DXにきちんと即応できる人材を育てていかないと戦えないと思っています。人材のスキルを再構築・再編成しながら、今後の変化に対応していこうと考えています。
以上のような基本方針をベースにしながら、大きくはこのような方向で図研を引っ張っていこうと思っています。
平山守氏:私からは、基本方針の各項目について補足したいと思います。まず、スライド左側に記載した成長戦略①と②について、私からも簡潔にご説明します。
成長戦略① モデルベース開発によるDX提案
モデルベース開発によるDX提案については、前3か年計画中に着々と準備を進めていたプロジェクトを、この3か年で成果に結びつけていくことが今期の指標の1つとなっています。具体的には、昨年から進めている国内完成車メーカーのPoCを次のステップに進めていきます。
さらに、これをベースにして、Tier1/2のお客さまにも展開していきます。また、自動車関連以外の産業にもMBSEのメリットを享受していただこうとさまざまなマーケティングを行ってきた結果、かなりよい手応えを得ています。
すでにトライアルを実施しているお客さまが数社ありますので、我々が思ったよりも早く展開できるのではないかと考えています。このような経験をベースに、電気中心のビジネス領域から、メカ・ソフトを含めた領域にも拡張していきたいと考えています。
勝部からもお伝えしましたが、我々のモデルベース開発における優位点はツールの売りっぱなしではなく、アカデミックなコンサルティングだけでもなく、ツールとコンサルティングに加えて、必要に応じて開発までできるところだと考えています。
今回の成長戦略を成功させるためには、Vitech社との開発連携強化、タイムリーなソリューション開発のための継続投資、そしてMBSEの提案やソリューション開発のための人材育成・拡充の強化が重要な施策になると考えています。2022年3月期のモデルベース関連売上高は約8.4億円でしたが、このような施策を通じて、最終年度の2025年3月期には20億円程度まで伸ばしていきたいと考えています。
MBSEソリューションを核とした事業領域の拡張
スライドには、モノづくりのプロセスと製品開発のドメインを簡単に図式化したものを記載しています。図研は電気の領域を既存事業として持っており、それに加えて前3か年に買収したVitech社のソリューションによって、企画・構想の領域についてもビジネスドメインとして獲得することができています。
また、生産については、グループ会社の1つとなったビジネスエンジニアリングや外部パートナーとのパートナーシップを使って対応できると考えています。この新しい3か年計画の中で、我々が狙っていきたいビジネス領域としては、企画・構想の領域とソフトウエア・機構(メカ)・電気のドメインと結びつけるようなソリューションを考えています。
MBSEソリューションの拡張・実装設計へのブリッジ(電気領域)
電気は我々の専門領域ですので、「GENESYS」と「CR-8000」などを結びつけるようなソリューションを開発して、販売を開始しています。日本はCRの圧倒的なシェアを持っている市場ですので、このような「GENESYS」と「CR」のソリューション連携は、我々にとって非常に大きなアドバンテージだと考えています。
成長戦略② 課題解決型コンサルティング
2つ目の成長戦略である課題解決型コンサルティングについてです。コロナ禍を経験して、製造業におけるプロセス改革やDXへの動きが非常に加速しています。
このような動きを我々の成長のドライブにしていきたいと考えており、お客さまのDXプロセス改革に一番貢献できる部分がデータエンジニアリングだと思っています。具体的には、PDM・PLMをお客さまの会社の基幹システムと連携させたり、設計データ(CAD)と解析データを連携させたりすることで、お客さまのDX化に貢献できると考えており、この領域でビジネスを拡張していきたいと考えています。
「CR-8000」への移行も重要な戦略の1つです。「CR-8000」に変えることによって、3次元化されたデータがいかにスムーズな解析につながるかというところをアピールして、拡販していきたいと考えています。また、ヨーロッパの機械装置向けの市場には非常によいお客さまがたくさんいますので、「E3.series」(ワイヤハーネス)向けのデータマネジメントシステムも拡販していきたいと考えています。
コンサルティングビジネスは必ずしもPDMのビジネスだけではないのですが、仮にPDMビジネスだけを抜きとった場合、最終年度の2025年3月期までに売上高53億円程度、年平均伸び率10パーセント程度を計画しています。このビジネスを成功させるためには、先進顧客の事例をいかに中規模以上のお客さまにも展開できるかが1つの重要なポイントだと考えています。
PDM・PLM連携による設計環境刷新事例(リコー様)
一例として、本日発表したリコーの事例をご紹介します。リコーでは、当社の「DS-2」を導入しています。同社ではCADを除いて全て内製でシステムを組んでいたそうなのですが、PLMとPDMの刷新プロジェクトを計画する中で、PDMとして、私どものDSが採用されました。
このようなシステムを導入する際、基本的にはお客さまのプロセスに合わせて我々が機能をカスタムするのですが、リコーさまは極力カスタムせずに、標準機能で導入することを希望していました。その目的としては、導入時のプロセスにフィットさせるのではなくて、将来にわたって開発プロセスの進化に合わせて開発環境を成長させられるようにするためでした。
我々の標準機能に合わせてお客さまのプロセスを少し変えていただくというのは、我々からすると非常に珍しいパターンです。しかし、このような事例がこれから増えるのではないかと思います。
内製やカスタムを作り込んでしまうと、毎年あるCADのアップデートにすぐに対応することができません。しかし、標準機能で導入することによって、CADをアップデートしても、設計者がすぐに新しい機能を使えるというメリットがあります。加えて、内製やカスタムしたシステムにかかる維持管理の工数が劇的に減りますので、そのような意味でも非常に先見の明のある重要なプロジェクトだったと思っています。
また、このようなPDMの導入の仕方ですと、ITサポートの人員が少ない中堅規模のお客さまでもPDMを使うことができます。そのため、このような案件をより広く展開していきたいと思っています。
新中期計画 営業利益増減要因
収益力向上についてです。すでにお伝えしたとおり、最終年度の2025年3月期に営業利益60億円、利益率15パーセントを目指しています。
計画どおりに進むと、粗利相当として売上が約60億円増となる一方で、成長戦略を実現するにあたって必要な人件費や開発費を含めた経費の増加も予測に含まれています。そのため、これを少しでもオフセットするために、営業プロセスや価格の適正化をこの3か年で進めていきます。
営業DXについては後ほどご説明しますが、価格の適正化について少しコメントしますと、価格の適正化といっても、一気に価格を値上げすることは考えていません。その代わり、保守契約やTBL契約などの継続的な収益をもたらす契約については、案件ごとに精査した上で、収益上あまりよくないレベルに至っているものを少しずつ改善していこうと考えています。
また、サービス契約については、人件費に直接結びつくものとして人月単価などの見直しをすでに始めています。さらに、「CR-8000」化促進によって利益率を改善していきます。「CR-5000」のような旧製品はどうしても保守料率が少しずつ下がっていく傾向にありますが、「CR-8000」化することによって保守料率を改善していくことも収益力の向上につながります。
成長と収益力のバランス 営業DXによる業務効率化
営業DXについてです。スライドの緑色の棒グラフは、昨年度のお客さまごとの売上額をトップから順番に並べたものです。
多くの企業では、取引額トップ20パーセント位で80パーセントくらいの売上があると言われますが、当社の売上は非常になだらかに広がる傾向にあります。そのため、たくさんのお客さまに対して、効率的に我々の営業リソース・開発リソースを当てはめていかなければいけません。
それを実現するために、コロナ禍に急造で作った「Zuken digital」というオンライン営業プラットフォームがあるのですが、こちらの機能を強化することによって、より広いお客さまに対して質の高い営業活動ができるように進めていきたいと考えています。具体的には、棒グラフの左側に示した企業において先進的なプロジェクトがあった場合、そのベストプラクティスを他のお客さまにも効率的に展開していきます。それによって、棒グラフの右側に示したお客さまとの取引額も増やしていけるようなサイクルにできればと考えています。
人的資本の拡充
人的資本については先程成長戦略の中でも詳しくお伝えしたとおり、さまざまな分野でDX人材が必要になってくると考えています。そのようなDX人材を確保するために、まずは多様で柔軟な働き方を推進していきます。育児休業の取得促進はすでに実施していますが、遠隔地勤務制度の導入などさまざまな施策を検討していきたいと考えています。
また、スライドに「女性の定着・活躍、職域拡大、女性リーダーの育成」と記載しましたが、当社では理系の人材を主に採用しているため、どうしても女性の割合が少なくなってしまいます。しかし、今後は積極的に女性の採用や活躍を進めていきたいと考えています。
さらに、すでに図研で活躍している社員に対しては、モデルベース開発などの事業部門ごとに新たに必要な専門技術の研修を強化していきます。このような取り組みによって、この3か年でDX人材の拡充を進めていきたいと考えています。
ガバナンス体制強化
ガバナンス体制についてです。詳細はコーポレートガバナンスコード報告書にて開示していますので、そちらをご覧いただければと思います。当社は今年4月からプライム市場に移行していますが、CGコード83原則すべてに準拠しています。
(参考)図研サステナビリティページ公開
当社ホームページ上に、サステナビリティ関連の施策などをご紹介する特設サイトを開設しました。今後は、我々のESG関連の取り組みなどの情報のアップデートをこのページで行いますので、ぜひ一度ご覧いただければと思います。先ほどのガバナンスについても触れています。
利益還元の方針
利益還元の方針についてです。次の3か年はモデルベース開発を中心に、さまざまな成長のための投資を継続していこうと考えていますが、累進的配当政策については継続・実行していきます。
2022年3月期の期末配当は、特別配当の5円を加えた37円の配当を実施します。また、2023年3月期は年間40円と増配を予定しています。
前3か年の振り返り
以上の基本方針を踏まえて、地域別・ソリューション別の販売計画や展開について少し詳しくご説明します。まず、前3か年を簡単に振り返ります。
スライドのグラフに記載のとおり、前3か年計画では2年目に新型コロナウイルスの影響があったため、世界的にプロジェクトの停滞がありました。そのため、売上が少し伸び悩みましたが、3年目には成長軌道に乗っています。
コロナ禍にあった2年目も含めて底堅かったのは、3か年を通じてお客さまの開発投資意欲が非常に堅調だったことが要因です。特に業界的には自動車関連、電子部品が支えていますので、このあたりお客さまの開発投資が非常に底堅かったと感じています。2年目以降はリモート環境の構築や、プロセス改革を目的にした投資が増加傾向にあったと考えています。
そして、最終年度はサプライチェーンの強靱化に向けて、半導体やEVの製造拠点への投資がかなり増加した影響で、そこで使われるような産業機械のお客さまからの受注が非常に増加しました。特に、産業機械で優良なお客さまをたくさん持っている欧州での受注が好調でした。また、そのような中でVitech社との開発連携が進んで、MBSEの本格的な市場展開を着々と進めてまいりました。
新中期計画 製品分野別売上計画と市場概況
製品分野別の売上計画と市場概況についてです。EDA(電子機器設計)は、解析連携のメリットを訴求しながら「CR-8000」化を進めていきます。
また、少し専門的な話になりますが、半導体分野などで先端パッケージング技術への需要がかなりフォーカスされています。我々はパッケージング設計をツールとしてソリューションを提供できますので、MEMS設計や先端パッケージング設計なども重視して、これから拡販していきたいと考えています。
ワイヤハーネスについては、新製品の「E3.infinite」を完成車メーカーにグローバルに拡販していきます。中国でもすでに何件か受注しているのですが、新興のEVメーカーにも「E3.infinite」を使っていただけるように、これから拡販を進めていきたいと考えています。
さらに、工場のスマート化の需要が非常に盛り上がっていますので、このようなニーズも取り込んでいきます。設備系メーカーや工場エンジニアリング部門などのお客さまは我々にとって新しい分野ですが、このようなところにもビジネスの幅を広げていきたいと考えています。
データマネジメントは一番大きな伸びを見込んでいます。成長戦略でご説明したMBSEやMBD、データマネジメントを含めたビジネスとして、40億円強の売上高を計画しています。
新中期計画 地域別売上計画と国内市場概況
地域別の売上計画と国内市場概況です。この先3年は、国内市場においては、お客さまの基幹システムの更新からトリガーに向かうプロジェクトが、特に日本は増えてくると考えています。
先ほどリコーの例もご紹介しましたが、ERPやPLMを更新するところがトリガーとなり、開発環境についても更新に向かうような流れが、この3年間で非常に高まると考えており、このようなニーズを日本でも確実に捉えていきたいと考えています。
新中期計画 地域別売上計画と海外市場概況
海外市場について、地域別にご説明します。欧州については、車載エレクトロニクス、産業機械がお客さまの二大基盤になっており、この先3年間のペースとしても非常に堅調になると考えています。
欧州では特に機械系のワイヤハーネスのお客さまが非常にたくさんいるため、そのようなお客さまにデータマネジメントの製品を拡販していきたいと考えています。
米国はTBL案件が中心のため、収益は安定しています。新規受注も、コロナ禍でも回復傾向にあります。米国のお客さまの重要な一角を占めているのは航空機メーカーで、投資が徐々に回復してきているため、こちらも期待できると思います。
アジアは、新興EVメーカーや先端実装分野に関して、半導体パッケージングをはじめとした高度な実装設計にフォーカスが当たっているため、このような市場を確実に捉えていきたいと思います。特に中国、台湾は重要な市場です。中国については今まで、どちらかと言えば特定の大きなお客さまに依存していたビジネスモデルだったのですが、これを機会に、より幅広いお客さまの顧客基盤を獲得して安定したビジネスにつなげていきたいと考えています。
以下、説明資料には地域とソリューション別の売上の詳細の数字を掲載していますので、ご覧いただければと思います。
(参考)新中期計画 製品分野別売上計画
製品分野別売上計画です。
(参考)製品区分について -開示情報との違いについて
製品区分について、開示情報との違いを記載しています。
(参考)新中期計画 地域別売上計画
地域別売上計画です。
中期経営計画の説明はここまでといたします。ご清聴ありがとうございました。