ONE STOP SERVICE
日下部拓也氏:本日はお忙しい中、株式会社インフォネットの通期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。早速ですが、決算説明会を始めさせていただきます。
はじめに、当社の事業と社会的使命について、あらためてご説明させていただきます。当社は自社プロダクトである「infoCMS」および子会社も含めて、AIのチャットボットなどのシステムを有し、こちらを用いてお客さまの業務効率改善に寄与していくことを事業としています。その中でも「infoCMS」は、SaaS型CMS市場で6年連続シェアナンバーワンという評価をいただいています。
1.私たちの社会的使命
私たちの社会的使命は、「コーポレートサイトをプラットフォームとした業務改善DX・WEBマーケティングを総合的に支援し、顧客事業価値を創造し最大化すること」だと考えています。
1.グループ概要
当社の事業の展開方法についてお話しします。まず、本社は東京の大手町に設けており、そのほかに福井県と佐賀県、大阪府に支社を展開しています。本社は主に営業拠点として、福井支社と佐賀支社では主に開発拠点というかたちで事業に取り組んでいます。昨年、大阪支社を開設しましたが、こちらも営業拠点として展開しています。
従業員規模は、当社単体で2022年3月末時点で97名です。スライド下段に記載している子会社の株式会社アイアクト、株式会社デロフトを含めた連結全体では、137名の陣容になっています。
アイアクト社は、昨年度4月にM&Aのかたちでジョインしていただきました。主に当社と同じような事業を行っていますが、AI事業に対して非常に強みを持っている会社となっています。
デロフト社は、2022年4月1日に開設しました。主に上流工程、つまりお客さまのビジネス自体のデザインなどを担う目的で設立した会社となります。
1.ビジネスモデル
当社のビジネスモデルについてお話しします。先ほどご説明したように、当社は主にCMSを用いたWebサイト構築を強みとしています。調査分析を入り口として、企画、プロデュース、その先の工程としてWebサイトの構築に取り組んでいます。
Webサイトを構築した後は、お客さまのほうでCMSを用いてWebサイト自体の運用を行っていただくわけですが、こちらの運用サポートおよび効果測定、改善施策などを引き続きお手伝いします。
そのような継続的なお付き合いの中から、さらに新たな課題や新規のビジネスが生まれた際には、あらためて我々が調査分析などを担います。この過程を繰り返すことで、お客さまの事業をどんどん大きくしていくことを、我々のビジネスモデルとしています。
1.当社の収益構造
ビジネスモデルを踏まえて、こちらのスライドでは当社の収益モデルの構造を示しています。主に入り口としては、フロー収益といったかたちでWebサイトを受託開発で制作します。その後、CMSを用いてWebサイトを運用していきますが、こちらのCMSの月額利用料として、サブスクリプション型での収益をいただきます。
また、お客さまには運用サポートなどをご提供するわけですが、その過程でページの追加などの改修が発生した場合は、その都度支援させていただき、ワンショットずつ収益をいただくモデルとなっています。
顧客数に応じてサブスクリプション型収益は積み上がっていきますし、さらに既存のお客さまが積み上がることで、フロー収益についても底が厚くなっていくような収益構造となっています。
2.2022年3月期 業績予想と実績の差異について
前期2022年3月の業績予想と実績の差異についてご説明します。まず、2022年3月期は、11月に業績予想を下方修正しました。
業界的には非常に追い風ですし、1年を通して需要は非常に強かったと感じていますが、お客さまのほうでもDXやWebマーケティングへの需要が強くなり、またその取り組みに対するお客さまの経験も豊富になっていくに伴い、ご要望も複雑化、あるいは大型化する傾向がありました。
当社においても、端的にお伝えすると、当社のプロダクトから外れたようなご要望にも、積極的に取り組んできたという背景があります。そのような中で、一部案件において大幅な受託赤字となるものが出てきて、こちらの積み上がりが相当程度たまってしまいました。それに紐づき、当社の開発体制も徐々に追いつかなくなってきてしまったという背景がありました。
そのため2021年11月に下方修正し、その時にお示ししたのがスライド左側の数字です。連結業績予想は売上高が16億100万円、営業利益はマイナス1億5,300万円、経常利益はマイナス1億7,200万円、当期純利益はマイナス2億900万円と修正させていただきました。
そのような業績予想を打った中で、この半年は赤字案件の終息や開発体制の立て直しに、全社一丸となって取り組んできました。その甲斐もあり、下半期はおおむね良好に推移したものと考えています。
結果として、2022年3月期連結の実績は、売上高が17億3,900万円、営業損益がマイナス4,100万円、経常損益はマイナス5,700万円、当期純利益はマイナス8,900万円で着地を迎えました。
したがって通期の業績では、売上高が1億3,800万円、営業損益が1億1,200万円、経常利益利益が1億1,500万円、当期純利益が1億2,000万円の有利差異で着地することができました。
要因としては、先ほどもお伝えしたとおり、半期での赤字案件の解消への取り組みが順調に推移したこともありますが、既存顧客からの追加構築や改修などを問題なく引き受けることができたことで、売上が想定よりも上積みされたことが主因であると考えています。
加えて、子会社であるアイアクト社が、Web事業、AI事業ともに通期を通して好調に推移しましたので、その影響により大幅な有利差異での着地となりました。
3.2022年3月期 通期決算概況
個別の業績についてご説明します。まず、Web/CMS関連事業は、売上高が約5億9,500万円プラスの着地になっています。これは子会社のアイアクト社が4月にジョインしたことが大きな要因だと考えています。
一方で、インフォネット単体としてはマイナス1,823万1,000円で着地を迎えています。先ほどもお伝えしたとおり、期の途中で下方修正を打たせていただき、その中で赤字案件の解消に注力してきました。そのような背景もあり、さらに開発リソースの兼ね合いもあったため、新規の案件については一部お断りをしていた状況がありました。そのような中で、インフォネット単体としては若干のマイナスでの着地となりました。
AI関連事業は、売上高連結ベースでプラスの約1億6,200万円で着地を迎えました。こちらについてもアイアクト社が4月にジョインした影響が一番大きいと考えています。一方でインフォネット単体についてはマイナス595万3,000円で着地しています。重ねてのご説明になりますが、赤字案件の解消に向けてWeb事業に開発人員を集中させていたため、AI関連事業でもインフォネット単体としてはマイナスの着地となりました。
3.2022年3月期 通期決算概況
続いて、収益について性質ごとにご説明します。受託開発であるフロー収益については、売上高がプラス約3億9,300万円、インフォネット単体としてはマイナス約7,500万円で着地しました。連結では、子会社のアイアクト社の影響によりプラスの着地となりました。一方で、インフォネット単体については、赤字案件の解消に向けた受注制限が響き、マイナスでの着地となっています。
ストック収益は連結でプラス約3億6,500万円、インフォネット単体ではプラス約5,100万円で着地を迎えました。ストック収益の連結ベースについては、やはりアイアクト社の影響が大きいと考えています。インフォネット単体についても、顧客の積み上がりとそれに伴う顧客単価の増加が寄与し、プラスでの着地となりました。
3.2022年3月期 通期決算概況
細かな数字についてご説明します。売上高全体としては、グループ全体でプラス約7億5,800万円で着地し、前期比プラス77.4パーセントになっています。
ご覧のとおり、グリーンの部分がアイアクト社の売上になり、4月よりジョインしたことでそこが上積みされました。一方で、インフォネット単体としてはマイナス約2,400万円で、前期比マイナス2.5パーセントです。赤字案件の解消に取り組んだことから、このような着地になりました。
3.2022年3月期 通期決算概況
売上高実績をストック(月額収益)とフロー(受託開発収益)を内訳別に示したものがこちらのスライドです。フロー収益についてはプラス約3億9,300万円で、前期比プラス69パーセントで着地しました。重ねてのご説明になりますが、アイアクト社のジョインが大きく影響しています。
ストック収益はプラス約3億6,500万円、前期比プラス89パーセントとなっています。これもアイアクト社のジョイン、および当社の顧客単価の増加が寄与しているかたちになっています。
3.2022年3月期 通期決算概況WEB/CMS
WEB/CMSとAI事業とのストック収益についてご説明します。WEB/CMSのストック収益について、グループ全体ではプラス約2億8,400万円で着地を迎えており、前期比70.5パーセントのプラスです。スライドの緑色の部分がアイアクト社の影響になります。
インフォネット単体についても、プラス約5,100万円の着地になっています。こちらも先ほどお伝えしたとおり、顧客単価の増加が大きく寄与しています。
3.2022年3月期 通期決算概況 AI
AIのストック収益についてです。全体では前期比プラス1060.3パーセントで着地することができました。スライドに示したとおり、アイアクト社の影響が非常に大きいかたちになっています。
3.2022年3月期 通期決算概況
ストック収益の請求社数推移についてご説明します。インフォネット単体では前期に対し4社の減少になっています。先ほどお伝えしたとおり、新規の案件を一部お断りし、赤字案件の解消に努めてきた1年間でしたので、チャーンレートのほうが積み上がりよりも大きかったところもあり、4社の減少になっています。
一方で、解約された中には、古くからご契約されていた比較的単価が低いお客さまの離脱が含まれるため、月平均の単価としては増加しているところもあります。ある意味で、単価の低いお客さまと単価の高いお客さまの入れ替わりが生じたこともあり、顧客単価自体は増加したかたちです。月平均単価では、前期比プラス25.1パーセントで着地しました。
3.2022年3月期 通期決算概況
受託開発受注高についてお話しします。アイアクト社のジョインが大きく寄与しており、全体で約6億9,200万円増加での着地となりました。前期比ではプラス139.6パーセントです。
スライドのグラフの青い部分が当社の受注高を示しています。一番薄い青色が前期の第4四半期で、この部分にも受注制限をした影響が表れていると思います。
3.2022年3月期 通期決算概況
受託開発納品件数についてお話しします。グループ全体では453件の増加です。アイアクト社の影響が非常に大きいのですが、インフォネット単体でも96件の増加となっており、納品件数は増加で着地しました。
先ほどお伝えしたとおり、新規のお客さまについては一部お断りしていた状況でしたが、既存のお客さまからの引き合いが順調に増えたことで、件数自体は多くなっています。ストック収益とは真逆の状況で、単価が低い案件をこなしたのがフロー収益となっています。
3.2022年3月期 通期決算概況
売上総利益実績についてお話しします。売上高の増加に伴い、売上総利益額は前期に対して約1億2,400万円の増加です。こちらも、子会社であるアイアクト社のジョインが非常に大きな要因となっています。
一方で、インフォネット単体では赤字案件の解消に努めています。整理が順調に進行し、すべて終息したことによって納品案件の赤字が出た年でした。アイアクト社の売上高の増加と、インフォネットの赤字案件の積み上がりで、若干のマイナスで着地を迎えたかたちです。
赤字案件はすでに解消されているため、今期以降はインフォネットにおいても正常な利益水準の創出が可能になると考えています。
3.2022年3月期 通期決算概況
営業損益実績についてです。営業損益は前期に対してマイナス約1億2,700万円の減少で、連結の営業損益はマイナス約4,100万円の減少となっています。
スライド左下の表が内訳になります。インフォネット単体ではマイナス約9,100万円で、アイアクト社はプラス約1億2,700万円でした。そこに、のれんの償却やアイアクト社の取得初年度特有のコストなど、連結コストのマイナス約7,700万円が加わり、結果としてマイナス約4,100万円で着地しました。参考までに、表の下段にEBITDAについて記載していますが、こちらはプラス約4,400万円で着地できています。
今期に関して、重ねてのご説明になりますが、インフォネットは利益水準を回復させ、アイアクト社は引き続き利益の創出に努めていきます。また、今期はアイアクト社の取得初年度にかかる連結コストも解消されていくため、グループ全体で利益創出体制に取り組んでいきたいと考えています。
4.SUMMARY BS増減比較
サマリーについてです。B/Sはこちらのスライドのとおりです。
4.SUMMARY PL増減比較
P/Lについても、ご覧のスライドのとおりです。
5.2023年3月期 業績予想について
最後に、2023年3月期の業績予想についてお話しします。個別の業績予想に関しては、売上高で9億6,700万円、売上総利益で4億7,600万円、営業損益で8,500万円、経常損益で9,900万円、当期純利益で7,700万円としています。
売上高の伸長は引き続き狙っていきたいところですが、昨年である程度の整理ができたと思っていますので、今期はまず利益をしっかり出すための体制を確実なものにしていく1年にしようと思っています。その結果として、昨年度34パーセント程度だった売上総利益率を、50パーセント近くまで戻したいと考えています。
連結の業績予想は、売上高で18億2,500万円、売上総利益で7億8,900万円、売上総利益率は43.25パーセント、営業損益は1億5,100万円、経常損益で1億4,600万円、当期純利益で1億200万円と見込んでいます。
まずはインフォネット単体での利益創出体制にしっかりと取り組んでいきます。それに加えて、アイアクト社および4月1日に設立したデロフト社での取り組みをきちんと進めていくといった1年を目指していきたいと考えています。業績予想につきまして、ご説明は以上となります。