私たちについて

永田豊志氏:本日は経営戦略説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。はじめに、当社についてあらためてご紹介させてください。

2019年に私が代表となり、当社の第2創業と位置付け、これまでさまざまな改革を行ってきました。初年度は非注力領域の事業を止め、経営体制や人事制度も刷新し、全社的にリストラクチャリングを行いました。

2年目は新型コロナウイルスによる感染拡大の中、オンライン本人確認など、新たな成長エンジンを始動しました。そして3年目となる昨年は、従前からのマーケティングサービスに続く、当社の社運をかけた新たな柱を創出しました。

私どものコアバリューは「おもてなしテクノロジーで人を幸せに」です。ショーケースが持つ独自技術と累計8,000アカウントのSaaSの導入から得た知見を活かし、立ち遅れた日本のDXを推進すべく、顧客の利便性、企業の生産性向上に大きく貢献し、社会の負の部分を解消していきたいと思います。

私たちの働き方:東京都や省庁にも認められたサステナブルな働き方の先進企業

新型コロナウイルスにより、社会は大きく様変わりしていますが、ショーケースはこの環境変化に柔軟に対応し、昨年度の第1回「TOKYOテレワークアワード」大賞受賞に続き、11月には総務省の令和3年度「テレワーク先駆者百選」にも選出されました。

優れた企業の先行事例として、厚生労働省の「テレワークセミナー」に登壇するなど、働き方を軸としたブランディングにより、事業継続などのリスク軽減、優秀な人材の採用などの人材戦略における優位性を目指しています。

私たちの事業:拡大する市場へむけてグループ1社を加え、5つの事業を運営

ショーケースは新たなビジネスコンセプトとして「企業と顧客をつなぐDXクラウドサービス」を掲げました。拡大するDX市場に向けてグループ会社を新たに1社加え、5つの事業セグメントで運営しています。

中核事業としてのSaaS事業、広告・メディア事業は、市場規模の拡大するマーケットに対するサービスをスタートさせており、今後の成長を見込んでいます。

新規事業領域であるクラウドインテグレーション事業と、子会社であるShowcase Capitalの投資関連事業は、当社グループの強みを活かした事業展開により、基盤を固めつつあります。そして、M&Aによって当社グループとなった日本テレホンは、モバイル市場において、ショーケースとともに新しい事業を成長させていく予定です。

3つの成長戦略

今後の成長戦略をご説明します。第1に中核事業の戦略商品への積極投資、第2にAI inside社をはじめとする有力パートナー企業とのアライアンスの推進、第3に非連続な事業成長を目指すためのM&Aです。これらにより、当社グループの事業規模を一気に拡大していきます。本日はこの3つの成長戦略について、詳しくご説明したいと思います。

1. SaaS事業:ビジネスモデル

まず、中核事業であるSaaS事業です。当社のサイト改善技術やオンライン本人確認などのSaaSサービスを提供し、月額課金収益に加え、初期費用やカスタマイズ開発の費用により、収益が増加するビジネスモデルとなっています。

主要KPIであるアカウント数の増加と、顧客単価向上のためのマーケティング強化やカスタマーサクセスにより、この事業を成長させていきます。

トップシェアの中核サービス:顧客サポート強化でLTVを最大化

SaaS事業の中でも、ショーケースが10年以上蓄積してきたWebサイトの改善技術は今でも業界シェアNo.1を維持しています。顧客への丁寧なコンサルティングとフォローにより、解約率が低く安定している一方で、顧客あたりの売上高は増加しています。この領域で作り上げた有力な顧客基盤は、新たなサービスの販売チャネルとして貴重な経営資源となっています。

シェア拡大中の成長エンジン:幅広い業界での導入が進む

オンライン本人確認サービス「ProTech ID Checker」は、急拡大する非対面取引・オンライン取引の社会的ニーズの高まりとともに、世の中になくてはならないサービスとなっています。

導入企業はさらに増えており、最近では金融業界のみならず、古物商、不動産、法律事務所など、多種多様な業種で採用されるようになってきました。引き続き、拡大するこの新市場での日本一を目指し、事業拡大を目指していきます。

「おもてなしSuite」:企業と顧客をつなぐオンライン手続きプラットフォーム

SaaS事業の戦略商品である、オンライン手続きプラットフォーム「おもてなしSuite」についてご説明します。昨年11月にリリースした「おもてなしSuite CX」を皮切りに、今年1月には「おもてなしSuite DX」をリリースしました。

今後は当社の既存のSaaSサービス群だけではなく、さまざまな外部サービスとの連携により、あらゆる場面に必要な機能をワンストップで提供し、多くの方に選ばれるオンライン手続きのNo.1プラットフォームを目指していきます。

より大きな市場へ:SaaSの戦略商品を投入

「おもてなしSuite」は、これまでと比べて格段に大きな成長マーケットに商品を展開していきます。これまで提供してきたサービスの市場規模が、数十億円規模であるのに対して、「おもてなしSuite」の対象市場は約46倍です。

クラウドで顧客管理を行うCRM市場に不可欠なサービスとして、そしてプログラミング不要のローコードツールとして、企業のDXを支援していきます。成長性が高く、需要が急拡大するこの市場において、当社独自の強みを活かしたユニークなポジションでの事業展開を目指し、早期にシェアを拡大していく予定です。

“おもてなし”を軸にしたプロモーション活動をスタート

今期は「おもてなしSuite」を中心に、当社のサービスを広く知っていただくための広告宣伝活動をより一層強化していきます。ブランドイメージにぴったりの滝川クリステルさんを起用したプロモーション活動を第2四半期からスタートする予定ですので、どうぞご期待ください。

SaaS事業:グロースイメージ

SaaS事業の成長イメージは、スライドに記載のとおりです。2021年に下降トレンドとなっていた主力サービスのトレンド転換を実現させ、成長エンジンである「ProTech ID Checker」のサービス創出と投資による成長を進めていきました。

また、コロナ禍における営業販売チャネル転換によってデジタルマーケティングを強化したことにより、オンラインでの営業販売フローが確立しました。2022年から2024年に向けては、「おもてなしSuite」の拡大を新たな成長ドライバーとして、これまでにない事業成長を目指していきます。

重要なKPI:SaaS事業 解約率

既存のサービス群においては、専任コンサルタントによる質の高い提案力とカスタマーサクセスにより、解約率が年々低下しています。現在の年平均解約率は1パーセントを下回っており、収益基盤を確実なものとしています。

2. 広告・メディア事業:ビジネスモデル

広告・メディア事業の成長戦略についてです。当社のビジネスモデルは、自社運営メディアからの送客による、大手キャリアや金融機関を広告主とした成功報酬型広告サービスとなっています。

国内有数の送客力を誇るスマホニュースメディアに続き、2020年からは金融商品比較メディアも展開しています。そして、今期は運営メディア数を倍増させるなど、総量も増やし成長を図っていきます。

広告・メディア事業:2つのカテゴリでメディア運営

2つのカテゴリでメディアを運営しています。1つ目は既存のスマートフォンメディアです。これまでに培ったSEOノウハウにより、国内でも有数のスマホニュースメディアとなっており、大手キャリアのオンラインスマホ契約へ多くのユーザーを送客しています。

2つ目は、2020年からスタートした金融商品比較メディアです。こちらでは新たにクレジットカードやローンなどの領域を急成長させています。

広告・メディア事業:拡大戦略

広告・メディア事業の拡大戦略としては、収益性の高いスマートフォン関連ニュースメディアを軸に、これまでに培ったメディア向けノウハウと高い集客力のあるメディア創出を目指し、成長していきます。そして、主要KPIである送客数増加の施策と、成果報酬単価を高める施策を推し進め、さらなる事業拡大を目指していきます。

広告・メディア事業:グロースイメージ

成長イメージはスライドに記載のとおりです。売上高成長率を最重要指標として、新メディアの構築と広告宣伝などの投資を強化していきます。今期は新メディアの成長に軸足を置くため、成長性は横ばいとなりますが、来期以降は売上成長とともに収益率も高まる予定です。

自前販売主義からの転換:セールスチャネルを複線化し、成長を加速

パートナー企業や業務提携などのアライアンスについてご説明します。当社はこれまで直販営業を主体としていきました。

しかし、今後は有力なパートナー企業とのアライアンスにより、新サービスである「ProTech ID Checker」や「おもてなしSuite」の販売網を構築することで、セールスチャネルを複線化し、販売数を飛躍的に伸ばしていく予定です。引き続き、さまざまなパートナー企業とのアライアンスにより、事業のスケール拡大を目指していきます。

資本業務提携・合弁事業:共同開発プロジェクトや事業の共同運営

資本業務提携や合弁事業提携のアライアンスも引き続き推進していきます。AI inside社とのアライアンスは販売体制を強化しており、今後の成果創出を目指している段階です。

また、広報・PR支援SaaSを開発したプラップノード社の「PRオートメーション」は、サービス開始後すでに300社を超える企業に導入されています。当社としては、追加の機能開発や各社ごとのカスタマイズ開発による売上が業績に貢献する予定です。

日本テレホン株式会社との資本・業務提携を実施

今年1月に実施した日本テレホン社とのM&Aについてです。すでにご報告のとおり、今回の資本・業務提携において日本テレホン社の新株式を取得し、取締役会構成員の過半数となる取締役を選出することにより支配力基準を満たしたため、日本テレホン株式会社は当社グループの連結子会社となりました。

日本テレホン株式会社について

日本テレホン株式会社は、リユースモバイル関連事業を中心とする高い事業成長可能性を持っている企業です。「iPhone」などの人気機種の豊富な調達ルートと、納品販売までのサプライチェーンマネジメントが強みであり、総務省が推進する業界団体「一般社団法人リユースモバイル・ジャパン」の創設メンバーとして理事を務めるなど、リユースモバイル業界を牽引する企業として名を連ねています。

独自ノウハウのモバイルリファビッシュセンターにおいては、Amazonが定める厳格な品質基準をクリアするなど、他社にはない競争優位性を持っている企業でもあります。

両社の強みを融合

今後は、日本テレホンとショーケース両社の強みをかけ合わせて、両社の既存ビジネスのさらなる成長、そして両社がタッグを組むことによって実現できる世の中にない新たな事業の創出を狙っていきます。

すでに私自身が日本テレホン社の取締役会にオブザーバーで参加するなど、業務提携の具体的なプロジェクトがいくつも進んでいます。

業務提携内容

資本・業務提携時に想定したプロジェクトは、スライドに記載のとおりですが、いち早くこの中から事業シナジーを創出できるプロジェクトを進め、両社の事業拡大に寄与する活動をみなさまにご報告できればと考えています。

中期経営計画〜今後3年間の事業セグメント別売上と全社営業利益

日本テレホン社のM&Aの状況により開示できていませんでした当社グループの中期経営計画、ならびに今期の通期連結業績予想についてご説明します。

なお、2022年12月期通期連結業績予想ならびに中期経営計画については、先ほど当社ホームページならびに東証のTDnet上に開示しましたので併せてご確認ください。

今期から始まる3ヶ年の中期経営計画は、既存の中核事業の高い成長を軸に、日本テレホン社の連結業績組み込みにより売上高が急拡大する予定です。

そして中核事業の成長投資を行うため、今期業績における利益は短期的には赤字を計画していますが、来期以降は投資による事業成長によって収益性の確保を行い、2024年には過去最高利益を目指します。また2024年度には、連結売上高100億円以上の達成を目指します。

2022年12月期 通期連結業績予想 損益計算内訳

今期の成長投資によるコストの内訳はご覧のとおりです。成長エンジン・戦略商品の広告宣伝により、広告費は前年同期比3億3,000万円の増加、またグループ社員の増加と営業・開発人員の増加により、人件費は前年同期比4億9,500万円の増加となる見込みです。それにより、通期業績は4億1,600万円の営業損失を予想しています。

また2022年12月期においては、成長投資への資金投資を行うため、配当は無配当を予定しています。2023年12月期以降に復配する予定ですので、この成長への先行投資について是非ご理解いただければと思っています。

2022年4月1日 経営執行体制

2022年12月期は、ショーケースにとって大きな成長、挑戦を行う年となりました。最後にグループ経営を強化していくため、経営執行体制の変更をお知らせします。

新事業領域や日本テレホン社との事業シナジーを創出する部分に関しては、私が注力することになります。またショーケースは代表2名体制に移行します。ショーケース本体の指揮命令は、取締役会長である森が代表となり、社内体制の強化とグループすべての統括を行います。

またグループのファイナンスおよび子会社のShowcase Capitalの代表に、取締役の平野井が就任します。そして中核事業であるSaaS事業は、中村が専念する体制となっています。

ショーケースグループのさらなる成長にご期待いただき、今後とも中長期的にご支援いただきますようお願い申し上げます。以上で私からの経営戦略説明を終わらせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。