Purpose(パーパス)
長嶋義和氏(以下、長嶋):株式会社グッドコムアセット代表取締役社長の長嶋でございます。2022年10月期第1四半期の決算についてご説明いたします。よろしくお願いいたします。
当社は、「不動産を安心と信頼のできる財産としてグローバルに提供し、社会に貢献する」というパーパスに基づき事業を展開しています。
Vision(ビジョン)
ビジョンは、「21世紀を代表する不動産会社を創る」としています。
21世紀を代表する不動産会社を創る①
「21世紀を代表する不動産会社を創る」というビジョンのために、年平均成長率40パーセント超の業績拡大により、2030年10月期には売上高6,000億円、営業利益600億円を達成し、不動産会社の時価総額ランキングの上位に入ることを中長期ビジョンとしました。
21世紀を代表する不動産会社を創る②
首都圏の投資用新築マンション市場です。2021年10月期の当社の販売戸数は、2020年の市場シェアの約20パーセントです。今後もシェア拡大を図っていきます。
21世紀を代表する不動産会社を創る③
当社グループの事業ポートフォリオです。ホールセール、リテールセールス、リアルエステートマネジメント、その他の4つの事業で構成されており、多様な販売チャネルやストックビジネス、新規事業で経営環境に応じた売上バランスを構築し、安定的に業容を拡大しています。なお、2022年10月期第1四半期より新規事業を「その他」セグメントとして開示しています。
21世紀を代表する不動産会社を創る④
主力事業の投資用新築マンション販売事業です。当社ブランドマンション「GENOVIA」の販売方法ですが、1棟や1部屋、小口などさまざまにあり、また、販売先も法人、個人と、どのような経営環境においても安定的に販売できる多様なチャネルを有しています。今後は販売チャネルをさらに増やすため、REIT事業も推進したいと考えています。
21世紀を代表する不動産会社を創る⑤
安定的なストックビジネスとして賃貸管理、家賃債務保証、建物管理などの事業や新規事業として新規上場コンサルティング、IR・資本政策コンサルティング、ベンチャー投資も積極的に推進しています。
連結損益計算書
2022年10月期第1四半期の決算についてご説明します。第1四半期は1棟販売の活動に注力し、第2四半期以降に売上計上となる契約を締結しました。そのため、第2四半期および通期の業績予想は修正しません。
1棟販売の状況(ホールセール)
1棟販売は17棟1,001戸の契約を締結しました。第2四半期で12棟720戸、第4四半期で5棟281戸が売上計上予定です。こちらの大型契約のみで、前期の売上高342億円の80パーセントに相当する額となります。これにより業績予想は修正しません。
連結貸借対照表
連結貸借対照表です。物件の竣工などにより前渡金が減少し、棚卸資産が増加しています。当社の仕入のほとんどが、仕入契約時に総額の平均2パーセントから3パーセントの手付金を支払うのみで、銀行借入れなどは行っていません。
そのため、仕入契約の段階では、前渡金のみに計上されます。物件竣工後、数ヶ月経過した段階で前渡金から販売用不動産に振り替わるため、仕入状況は前渡金をご確認いただければと思います。
販売可能物件及び仕入物件一覧
販売可能物件と仕入物件の一覧です。100戸以上の大型物件も多くなっており、効率のよい仕入ができていると考えています。仕入はさらに強化していきます。
商品の特徴 自社ブランド “GENOVIA”
事業の特徴として、当社が供給する新築マンション「GENOVIA」についてです。賃貸需要の高い東京23区、最寄駅から徒歩10分圏内を中心に供給しており、外観、アプローチ、エントランスなど、各物件で統一感をもたせています。
また壁面緑化、屋上緑化、屋上ドッグランの3シリーズを展開し、1Kだけでなく、DINKSといわれる1LDKや2LDKもすべて投資物件として販売しています。資産状況にあわせてご提案ができるよう、豊富な物件ラインアップを取り揃えています。
物件の供給エリア
物件の供給エリアです。当社は東京23区最寄駅から徒歩10分圏内を中心に、自社ブランドマンションの「GENOVIA」シリーズを供給しています。賃貸需要の高い東京23区で、現在まで118棟を供給しています。
仕入の特徴 オフバランス・スキーム
仕入の特徴です。当社はスライド上段に記載しているような一般的な開発事業を行わず、スライド下段のような専有物件を推進しています。スライド上段の開発物件では、土地を取得する際に銀行借入を行います。
土地を取得してから建物が竣工し、販売するまでは2年から3年かかり、その間も仕入を行うため借入金がどんどん膨らみ、財務内容が悪化していきます。財務内容が悪化すると次の仕入が難しくなる可能性があります。
そのため、当社が推進するスライド下段に記載しているような専有物件は、建設会社などに土地を取得してもらいます。これにより、銀行借入をせずとも土地取得費用や工事代金など、総額の2パーセント程度の手付金で仕入が可能となります。
こちらのスキームにより、仕入契約をしても販売用不動産などに計上される前渡金が増えていくというのが当社の特徴です。銀行借入がなく、総額の2パーセント程度の前渡金のみとなりますので、健全な財務内容を維持でき、仕入をさらに加速できます。
入居率
入居率の推移です。当社物件は賃貸需要の高い立地に供給しているため、コロナ禍においても高い入居率をキープしています。家賃債務保証事業を行う子会社では、電子取引にて審査時間を大幅に短縮しており、さらに、新規取引先として中部・関西地方を開拓しているため、申込件数や契約が増加しています。
通期予想
2022年10月期の業績予想です。1棟販売の契約締結により、第2四半期と通期の業績予想は据え置きとなります。通期は売上高421.8億円で、営業利益は前年比10.6パーセント増の38.0億円です。経常利益は前年比8パーセント増の34.1億円です。当期純利益は前年比19.1パーセント増の23.3億円となります。
6期連続の増収予想 過去最高を更新中
売上高は6期連続の増収で、前年比23.3パーセント増の421.8億円と予想しており、過去最高を更新予定です。年平均成長率は30パーセントを超えています。
5期連続の増益予想 過去最高を更新中
営業利益は5期連続の増益で前年比10.6パーセント増の38億円を予想しており、過去最高を更新予定です。年平均成長率は30パーセントを超えています。
TVCM(知名度の向上)
2022年10月期第1四半期のトピックスです。知名度向上のため、女優の菜々緒さんを起用して当社初のTVCMを制作し、TVCMの他、新宿などの大型ビジョンでも放映しています。当社公式「YouTubeチャンネル」にも、制作した4パターンをアップしています。ぜひご覧ください。
新たな連結対象とセグメント変更
2022年10月期第1四半期より、報告セグメントを変更しています。上場コンサルティング、IR・資本政策コンサルティングを行う子会社であるキャピタルサポートコンサルティングがニーズ拡大に伴い、今後とも安定的な業績確保が見込まれるため、従来の報告セグメントとしていた「Good Com Fund」などの新規事業を集約し、その他とすることとしました。
5期連続の増配を予想
投資指標です。5期連続の増配を予想しており、2022年10月期は1株あたり普通配当50円に上場5周年記念配当3円を加え合計53円としており、配当性向は32.5パーセントとなります。
財務情報(資本効率推移)
資本効率の推移です。高い資本効率を維持できており、3月10日現在のROEは、不動産業で13位、全上場企業で296位となっています。資本効率についても意識しながら事業運営を行っていきます。
環境(Environment)
ESG及びSDGsへの取り組みです。環境については、当社自社ブランドマンション「GENOVIA」シリーズで、壁面緑化や屋上緑化を推進しています。
社会(Social)
社会については、当社グループの成長の源泉は人材のため、働きやすい職場環境や、ダイバーシティへの取り組みを推進し、誰もが活躍できる環境を推進しています。
ガバナンス(Governance)
ガバナンスについては、上場企業として健全な企業統治を推進し、すべてのステークホルダーに公平で中立な姿勢を保ちつつ、健全に発展できる体制を築いています。
以上で、2022年10月期第1四半期の決算説明を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:1棟販売の今後について
司会者:ご説明にあった17棟販売はかなりのボリュームですが、今まで短期間でこれだけ多くの1棟契約はあったのでしょうか? また、今後も1棟販売が中心になっていくのでしょうか?
長嶋:先週3月11日金曜日に、17棟1,001戸の販売契約を締結し、2022年10月期第2四半期に12棟720戸、第4四半期に残りの5棟281戸、計1,001戸を売上計上することになります。
上記だけで前期の売上高342億円の80パーセントに相当する額ですが、2021年10月期にも16棟724戸の大型契約がありました。今回はそれよりもさらに大きく伸びたものです。
司会者:今後もこのような1棟販売は増やしていきますか?
長嶋:増やしていく予定です。
質疑応答:新規事業への進出について
司会者:IPOやIRのコンサルティングを子会社に持っている不動産会社というのはほとんど例がないと思いますが、今後も不動産販売の枠にとらわれない新規事業にも積極的にチャレンジしていくのでしょうか?
長嶋:上場準備会社というのは非常に多くあります。それに対して引き受けができる証券会社、監査法人も限られているため、そのような部分で当社が応援できるところに注力していきたいと考えています。
また、スライド8ページで、新規上場及び上場後IR・資本政策についてお伝えしました。こちらは、もともとキャピタルサポートコンサルティングとして、前々期の2月に法人化し、軌道に乗ったため、今回連結対象にしたものです。
司会者:このような新規事業も、今後さらに増やしていくということですね。
長嶋:おっしゃるとおりです。場合によっては投資も考えていきます。
質疑応答:今後のCM放映予定について
司会者:TVCMを見ましたが、とてもインパクトがあり、印象に残るものでした。今後もTVCMは積極的に放映していく予定でしょうか?
長嶋:今回、実は当社初のTVCMということで、本来は前期の8月くらいから放映する予定だったのですが、東京オリンピック開催で放映をずらすことになり、今期の11月からスタートしました。
当社としては、主に首都圏以外の地方都市にTVCMを積極的に放映していきましたが、4月からは首都圏にも注力していきます。
司会者:首都圏のみなさまも、今後は菜々緒さんのTVCMを見る機会が増えていくということですね。
長嶋:そのとおりです。非常にわかりやすく、訴求しやすいCMだと思います。
司会者:キャッチーですよね。
長嶋:おっしゃるとおりです。
質疑応答:東京23区を中心とした仕入について
司会者:東京23区を中心に仕入を行っていますが、この方針は今後も続けられそうでしょうか?
長嶋:まず、供給実績ということでスライド18ページをご覧ください。2022年第1四半期までの実績で、東京23区で118棟、それ以外の賃貸需要の高いところでも、例えば神奈川県では川崎市で2棟、横浜市で4棟、千葉県市川市で1棟の計7棟です。
合計で125棟の実績となりますので、今後も東京23区の徒歩10分圏内を中心とした仕入は積極的に行っていきたいと思います。
ただし、当社で仕入が若干変わっているものとして、仕入1棟に対しての戸数が大型化している特徴があります。これは、先ほどの仕入ラインナップ、物件ラインナップのページをご覧ください。
こちらは直近の状況ですが、川崎市で151戸、葛飾区のお花茶屋で236戸など、非常にボリュームが大きくなっています。
大型化している理由として、当然ながら土地も建築費も高止まりという中で、例えばお花茶屋236戸の場合、20戸のマンションを12棟作るのと、236戸のマンションを1棟作るのとでは、どちらが建築費をコストダウンできるのか考えると、ボリュームをアップしたほうがスケールメリットがあるためです。
これが当社の今後の仕入の課題でもありますが、大型化していくことでスケールメリットを出し、原価を下げていく努力をしていきます。
質疑応答:1棟販売の効率性について
司会者:1棟販売のほうが1部屋ずつ売るよりも効率的なのでしょうか?
長嶋:1戸1戸の販売では、当社の営業社員が直接販売していくため、人件費、販管費などをトータルすると、1棟で1法人に販売したほうが、結果的に利益率は高くなります。
司会者:1棟販売かつ大型に一番メリットがあるのでしょうか?
長嶋:おっしゃるとおりです。ただし、当社は、多様な販売チャネルを用意することにより、どのような経営環境でも販売できるのが一番大きな特徴です。1棟販売で利益率を高め、リテールセールスでも1部屋ずつ販売するなど、バランスよく行っていきたいと考えています。
司会者:多様な手段があるのも強みの1つということですね。
長嶋:そのとおりです。
質疑応答:今後のアプローチ先について
司会者:顧客層として公務員の方が多いようですが、今後も公務員に集中するのでしょうか? それとも、別の職業の方々にもアプローチしていく予定でしょうか?
長嶋:第1四半期実績をご覧ください。スライドのグラフは2022年10月期第1四半期の顧客属性をまとめたものですが、以前は公務員比率が9割を越えていたため、公務員の比率は下がってきています。当社としても公務員を主力としながら民間事業も主力にしていきたいということで販路拡大を図り、民間事業は11.8パーセントとなりました。
また、以前は女性が70パーセントから80パーセントという状況で女性比率が高かったのですが、男性比率も徐々に高まってきています。
加えて、エリアも関東、中部、中国・四国と全国に拡大しています。新規購入者増とともにリピート購入を促進し、開設した大阪支店が軌道に乗ったことで、西日本のお客さまが非常に増えています。
質疑応答:キャピタルサポートコンサルティングの状況について
司会者:今回から子会社のキャピタルサポートコンサルティングも連結の対象になりましたが、こちらは好調でしょうか?
長嶋:コンサルティング事業というのは、毎月、コンサルティングフィーをいただくようなかたちで運営しております。例えば、上場準備会社であれば直前々期、直前期、申請期というステージがあり、それに応じて当社のコンサルティングフィーが変わってきます。
また、当社で主幹事証券や監査法人を紹介しています。期日は言えませんが、近い将来、これまで温めていた第1号新規上場が出る予定です。このように実績を積みながら、当社に上場コンサルティングを依頼すれば、上場確度が高まることを世間にアピールしていきたいと考えています。
質疑応答:新入社員の人数とその教育について
司会者:今年の4月に新入社員はどれくらい入るのでしょうか? また、どのような教育を施すのでしょうか?
長嶋:当社の今期の新入社員は約50名を予定しており、教育についてはいろいろな角度から行っていきます。一般的にはOJTで、先輩社員や上司が教育していくスタイルになると思うのですが、当社はそのようなOJTではなく外部のコーチングをメインにしていることが大きな特徴です。
場合によっては社労士や顧問税理士、あるいは顧問弁護士などの法務の立場からコンプライアンス意識を高く持ってもらうための勉強会も定期的に行っています。ただ単に営業でマンションを販売するための勉強会を行っているわけではないということです。
司会者:幅広い分野の教育を施して、人材の強化を図っていくということですね。
長嶋:また、それぞれの部署において、どのような勉強会や講習、研修会などに参加したのかということを、3ヶ月に1回、取締役会で部署の責任者から報告を受けています。このように、すべての部署で年間を通じて勉強会や研修、コーチングを受けられる機会を設けていることが特徴です。
当社は創業から新卒採用をメインとしてきました。新卒はまっさらな状態でありゼロからのスタートということで、いろいろな角度から研修やコーチングを行っています。
質疑応答:テレワークの増加について
司会者:新型コロナウイルス感染症の流行でテレワークが増えたことも、入居率が高い要因となっているのでしょうか?
長嶋:テレワークが増えて入居率が高くなっているということではありません。結論からお伝えすると、東京23区はやはり人口や世帯の移動も多く、賃貸需要の高い立地にマンションを供給していますので、入居率が高いというだけです。
そのほか、当社の子会社による家賃の債務保証事業では電子取引で審査時間が大幅に短縮し、申込件数や契約が増加しました。また、先ほどもお伝えしましたが中部・近畿地方の不動産賃貸会社との取引が増加したことも要因となっています。
質疑応答:成長のための課題について
司会者:成長を続けていくに際し、課題は何だとお考えでしょうか?
長嶋:スライドのグラフが売上高の成長推移です。当社が上場したのは2016年ですので、グラフには入っていませんが、2016年の10月期売上高は73億円ほどです。そこから右肩上がりに推移してきました。
私としても、現状維持では満足したくないということを一番に思っています。そのような中で、世間から認められる不動産会社になることを考えると、売上ありきではありませんが、成長イコール人間の成長でもあるため、人間が成長していくためには会社の成長ならびに売上高の成長も欠かせないのではないかと考えています。
ただし、当社は売上ありきではありません。営業利益は、5期連続の増益と、2019年は微増ながらほぼ毎期で増益しており、売上高だけではなく営業利益にもこだわっています。
私自身が成長し続けるという強い信念を持つことで、経営陣が一丸となり強い会社を作っていくことが一番大事ではないかと思っています。急成長ということではありませんが、私としては現状維持に甘んじることなく、毎期で成長をしていきたいと考えています。
ただし、私も未来永劫ずっと代表取締役社長を続けるわけではありません。いずれは第2世代、第3世代ということで、各経営陣も成長していますので、彼らが1日も早く私の後継者として次に引っ張っていく人間になってくれればと思っています。
長嶋氏よりご挨拶
2022年10月期第2四半期および通期も、業績予想の確度を高めるように尽力してまいります。株主のみなさまのご期待に添えるようにがんばりますので、今後ともご支援、ご指導をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。