引き続き、巣ごもり需要が一服した影響で前年同期比で増収、減益

佐藤健太郎氏:社長の佐藤でございます。本日はお忙しい中ご参加いただきましてありがとうございます。さっそくですが、2021年12月期第3四半期の決算説明会を開催いたします。

こちらが、今回の決算のポイントです。第3四半期においても、巣ごもり需要が一服した影響を受け、前年同期比で増収、減益となりました。ストック型のサービスが堅調に推移したため増収となったものの、プロモーション等の費用が増加したことから減益となりました。引き続き、費用抑制等により利益面を中心に改善を目指す方向性に変更はありません。

AGENDA

今回のアジェンダです。説明は割愛しますが、資料の後半には参考資料としてサービス概要や株主還元等の会社概要も掲載していますので、お時間のある時にご覧ください。

決算概要

2021年12月期第3四半期の決算概要です。第3四半期の売上高は前年同期比108.0パーセントと成長を維持した一方で、営業利益はプロモーション費用や人件費等が増加したことにより前年同期比73.1パーセントとなりました。また、四半期純利益については、第2四半期においてブログサービスの「JUGEM」を事業譲渡したことから、前年同期比では85.1パーセントとなりました。

営業利益増減分析

営業利益について、前年同期との増減分析を表したグラフです。プロモーション費用の増加や人件費等の費用が増えたことから、営業利益は7億600万円となっています。

営業利益増減分析(詳細)

こちらは、費用部分の詳細です。昨年の巣ごもりを受けて、ECの分野が大きく伸びるという前提で計画を立てていましたので、人員数やプロモーション費用は前年同期比では増加していますが、当第2四半期に比べると、第3四半期については抑制傾向となっている状況です。

四半期売上高推移

四半期ごとの売上高推移です。第3四半期においても、引き続き30億円は維持している状況です。

四半期営業利益推移

四半期ごとの営業利益推移です。第2四半期に比べて費用削減が進んでいることから、第3四半期は2億4,000万円の営業利益計上となりました。

セグメント別業績(2021年3Q累計)

セグメント別の業績です。ホスティング事業は、「ロリポップ!」と「ムームードメイン」の連携強化や、「ロリポップ!」の価格改定の影響により、売上高と営業利益はともに前年同期比で増加しました。

EC支援事業は、売上高は前年対比で成長を維持しているものの、「SUZURI」が想定を下回る結果となり、営業利益は前年同期比で減少しています。

ハンドメイド事業は、流通額と注文件数が伸び悩み、売上高と営業利益はともに前年割れとなっています。

金融支援事業については、利用者数や請求書買取額が増加傾向にあり、売上高は大きく伸長し、営業損益も改善が見られています。

ホスティング事業

ここからは、各セグメントごとに説明していきます。まずホスティング事業です。売上高は前年同期比104.1パーセントの35億8,300万円、営業利益は前年同期比103.4パーセントの10億8,800万円となりました。

ホスティング事業(ロリポップ!)

サービスごとの内訳です。レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」の売上高は前年同期比108.4パーセントの15億200万円、営業利益は前年同期比107.7パーセントの7億3,800万円となりました。

価格改定の影響や上位プランの契約比率が高まったことにより、顧客単価が上昇しました。また、「ムームードメイン」との連携強化やアフィリエイト経由での新規契約が増えたことにより、全体の契約件数も増加しています。

ホスティング事業(ムームードメイン)

ドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」の売上高は前年同期比103.1パーセントの16億1,400万円、営業利益は前年同期比107.7パーセントの2億3,400万円となりました。新規契約に苦戦したため契約ドメイン数は減少傾向が続いていますが、更新率の上昇やドメイン単価の上昇によって増収増益となりました。

EC支援事業

EC支援事業についてです。売上高は前年同期比123.4パーセントの37億5,400万円と大きく増加していますが、営業利益は前年同期比89.5パーセントの8億8,400万円となりました。

EC支援事業(カラーミーショップ)

サービスごとの内訳です。ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」の売上高は前年同期比115.2パーセントの13億5,100万円、営業利益は前年同期比99.2パーセントの6億1,100万円となりました。

今年5月からフリープランをリリースした影響で、顧客単価は減少しています。一方、契約件数は着実に積み上がっており、増加している状況です。

EC支援事業(SUZURI)

オリジナルグッズ作成販売サービス「SUZURI」の売上高は前年同期比136.0パーセントの21億5,000万円、営業利益は前年同期比63.3パーセントの1億8,100万円となりました。

Tシャツセールの期間延長や新アイテムの投入により、売上高・流通額は前年同期比で増加しました。一方、プロモーションや人員体制の強化によって費用が増加したために、営業利益は前年同期比で下回っています。

ハンドメイド事業(minne)

ハンドメイド事業についてです。ハンドメイドマーケット「minne」に関しては、第3四半期で作品の検索機能強化やWebの流入強化などの施策を行ったものの、昨年の巣ごもり需要が一服した影響を受けました。

その結果、売上高は前年同期比95.7パーセントの14億4,100万円、営業利益は前年同期比56.0パーセントの1億6,800万円と前年を下回る結果となりました。

minne 作家数・作品数・アプリDL数

「minne」における各種KPIについてです。作家・ブランド数は79万人、作品数は1,410万点、アプリダウンロード数は1,306万ダウンロードとなっています。

minne 流通額・注文単価・注文件数

昨年の巣ごもり需要が一服した影響により注文件数が減ったことで、流通額は前年同期比で減少しています。

金融支援事業

金融支援事業についてです。ここには「FREENANCE」が属しています。売上高は前年同期比145.9パーセントの1億4,500万円、営業利益はマイナス1億1,300万円となりました。ただし、前年同期比で1億1,600万円の利益改善となっています。

FREENANCE KPI推移

「FREENANCE」のKPIについてです。「FREENANCE」と関係の強い企業さまとのAPI連携やOEM提供などを強化したことから、利用者数は増加しました。

また、8月からは当社ECサービスの「カラーミーショップ」「SUZURI」「minne」との連携も開始しており、引き続き利用者数の拡大を目指していきます。

FREENANCE 請求書買取額推移

請求書買取額の推移についてはスライドに記載のとおりです。請求書の買取額も増加傾向が継続している状況です。

セグメント別 通期の業績進捗

ここからは第3四半期までの進捗と今後についてご説明します。まずは今期の業績の進捗です。

ホスティング事業と金融支援事業が計画に対して順調に進捗しています。また、EC支援事業の中でもストックのビジネスモデルである「カラーミーショップ」は想定どおりの推移となっています。

一方で、今期はEC支援事業の「SUZURI」やハンドメイド事業の「minne」に関しては引き続き進捗が遅れている状況です。

EC関連サービスKPI推移

こちらのグラフは、「カラーミーショップ」「SUZURI」「minne」の3つのEC関連サービスを合計した流通額と販売者数の推移です。

今期の第1四半期については、「カラーミーショップ」を利用した新生活の準備や特定商材を持つ店舗の貢献により、流通額が堅調に推移しましたが、第2四半期以降はそのような特定商材の販売等が落ち着いた傾向でした。

例年では、第4四半期の年末商戦時期における流通額が拡大する傾向ですので、引き続き年末時期の流通額拡大に取り組んでいきたいと思っています。

一方で、巣ごもり需要が一巡したという状況もあります。昨年は、マスクや自宅で過ごすために必要となるアイテム等の特定の分野の販売が多く出ていたのですが、そのようなところは一巡したと考えております。

2021年のEC関連サービスの施策進捗

そのような状況の中で、各サービスでの施策の進捗についてです。「カラーミーショップ」は、利用店舗の売上が拡大した場合にお客さまに卒業されてしまうリスクや、ステップアップのニーズに対応するために、10月14日より無料のフリープランからのプランアップが可能となりました。

これにより、手数料無料で店舗を開設したお客さまの店舗の売上が増加した場合でも、より少ない手数料負担でショップ運営の事業を継続していただけるようになりました。

「SUZURI」はアイテムの追加やセール期間を拡充したことにより、8月の売上高が過去最高を記録しています。第4四半期以降もアイテム追加やウィンターセールの他、SNSでのキャンペーンも強化し、来訪者数と会員数の増加を目指します。

「minne」は検索機能の改善により、9月頃から徐々に改善傾向が見られています。こちらも来訪者数と購入率のアップに向けて、継続的な検索機能の改善とWebの流入強化を実施します。

2021年12月期の第3四半期は、冒頭からお伝えしているとおり、巣ごもりの需要の一服による影響が続いているため、前年同期比では増収減益となりました。このような状況ですが、今期は引き続き利益面を中心に改善を図っていきたいと考えています。

EC関連サービスは来期以降も市場が拡大していくと確信しています。「SUZURI」や「minne」も足元では計画に対して苦戦していますが、長期的にはやはり伸びしろがある領域だと考えています。「カラーミーショップ」も、フリープランの店舗の売上が少しずつではありますが、増えていくことが想定されています。今後もEC関連サービスを中心に事業成長を実現していくという考えに変更はありません。

私からの説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。