2021年12月期第2四半期決算説明会

山下泰樹氏:DRAFTの山下泰樹でございます。本日は2021年12月期第2四半期の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

はじめに、会社概要を簡単にご説明いたします。その後、2021年12月期第2四半期の業績、通期の見通しをお伝えし、最後に、今後のIRの取り組みと株主還元についてご説明させていただきます。

我々は「ALL HAPPY BY DESIGN」を理念に、デザインを中心としたビジネスを展開している会社です。「デザイン」と言ってもさまざまなかたちがありますが、主に建築・インテリアのデザインを中心としています。

COMPANY INFORMATION

クライアントは大手企業、ベンチャー企業、大手デベロッパーなどさまざまあり、幅広く活動しています。もともとはオフィスデザインなどを中心に、ベンチャー企業等で話題になるオフィスをたくさん手がけてきましたが、最近では、大手デベロッパーが開発する都市計画への参画や、建築の全体的なデザイン、環境デザインにまで事業領域が広がっています。

柏の葉スマートシティ「KOIL TERRACE」①

本年に手がけた事例をいくつかご紹介します。スライドは、三井不動産さんと一緒に進めた柏の葉スマートシティの「KOIL TERRACE」というオフィスビル兼複合施設です。建物の企画コンセプトから、全体のインテリアデザインを手掛けました。

柏の葉スマートシティ「KOIL TERRACE」②

このように、1つのオフィス空間を作るだけではなく、企画から建築デザインまで、一体となって進めることができるというのが、我々の強みだと考えています。

+SHIFT NOGIZAKA①

こちらのスライドは乃木坂にオープンしたオフィスビル「+SHIFT NOGIZAKA(プラスシフト乃木坂)」です。「今後の社会には新たなワークスタイルを可能にするサービスが必要ではないか」といったサービスづくりから提案し、ブランドネームを含めたブランディング、建築デザイン、インテリアデザインまで担当したプロジェクトです。サンフロンティア不動産さんと一緒に手がけたプロジェクトになります。

+SHIFT NOGIZAKA②

建築デザイン、インテリアデザインのほか、ロゴマークやアメニティ、Webサイトのデザインも我々が手がけています。

日本経済新聞社主催「日経リアルエステートサミット」

さらに大きな話題です。こちらはまだ提案段階ですが、現在、日本全体の都市の在り方について、さまざまなアイデアが求められています。特に、日本の建築デザイン業界では「スーパーシティ構想」が非常に話題になっており、未来の都市の在り方について、地方と東京をどうつなげていくかなどのロジックを整理する提案をしています。

さらに、今年2月には「次世代の都市はどのようになっていくか、どのように在るべきか」ということについて、日本経済新聞社主催の「リアルエステートサミット」に登壇し、慶應義塾大学大学院の前野教授と一緒にトークセッションを行いました。このように我々の活動は、建築デザイン業界をリードしていく位置づけにあると考えています。

J1リーグ「横浜F・マリノス」のトップパートナーに就任

当社のクライアントはBtoBが大半を占めるため、業界内の知名度は高いのですが、一般的な認知度はまだまだ低く、今後伸ばしていかなくてはいけないところだと認識しています。

企業としての強さを一般の方々にも知っていただくために、横浜・F・マリノスへのスポンサーシップを7月からスタートしました。今年1年はプロジェクトとしても非常におもしろい案件や大型案件を推進していきながら、これからの街や都市のあり方を提言しています。さらに企業としての知名度を上げていくために、比較的積極的に動いている1年だと思っています。

2Q 業績ハイライト 計画比

第2四半期までの業績です。2月15日の開示時点では、売上高35億円、営業利益1億3,000万円、経常利益1億2,000万円、四半期純利益8,000万円と予測していました。しかし、5月12日に売上高を35億5,000万円、営業利益を2億4,000万円、経常利益を2億4,000万円、そして、四半期純利益を1億6,000万円に上方修正しました。

売上高は数字をかなりシビアに追っていたため、予想に近いかたちで着地し、35億5,100万円となりました。利益面につきましては計画値より上振れ、営業利益4億5,800万円、経常利益4億6,000万円、四半期純利益2億8,200万円となりました。

利益については、元々上期に計上を予定していた費用を下期で使う予定に変更したことなどにより、若干のずれが生じましたが、1年を通した活動としてはそれほど大きな誤差ではないと考えています。このようなコロナ禍においても、非常に強い数字となっているのは、我々のデザインの独自性や提案力の高さ、社会からのニーズの強さが表れた結果なのではないかと思っています。

2Q 業績ハイライト 前期比

前期は9ヶ月間の変則決算であるため、簡単に前年との比較ができないのですが、参考までに比較した表を使ってご説明します。

比較対象とする月は異なりますが、去年の4月から9月と当第2四半期の比較では売上高が31.4パーセント伸びています。利益が少し大きく見えますが、全体的に高い伸び率で推移しています。今後もこの伸びは維持できると感じており、年間を通してみても力強い決算を出せると考えています。

2Q 業績ハイライト 月平均売上高と平均受注額

伸びが維持できるポイントはいくつかあります。簡単にご説明すると、まずプロジェクトの大型化です。前期における月平均の売上高は4億7,900万円でしたが、当第2四半期の累計期間の月平均売上高は5億9,100万円と大幅に増加しています。さらに、1件あたりの受注金額の平均(上位30件)も7,100万円から1億100万円と伸びており、案件が大型化してきていることを表しています。

これは我々にとって非常に大事なポイントです。単純に人員を増やす、プロジェクト数を増やすということではなく、1件あたりの売上高を大きく伸ばすことが効率化につながるため、我々にとって案件の大型化は大事な指標であり、良いかたちで順調に伸びていると考えています。

2Q 業績ハイライト 直接利益率の推移

直接利益率(管理会計上の粗利)の推移も大事なポイントです。スライド上の「設計・デザインビルド」とは、設計やデザインだけでなく、家具の販売や施工を含んでいます。この利益率は平均34.8パーセントとなっています。

一方で、純粋に設計・デザインだけのプロジェクトでは、ほぼ外注をせずに社内のリソースだけで進めているため、直接利益率は92.2パーセントと非常に高い数字となっています。この設計デザインの案件が益々伸びることで利益体質への転換が進んでいるところも、非常に大きなポイントではないかと思っています。

2Q 業績ハイライト 領域別売上高の前期比

領域別売上高についてご説明します。前提として、現在多くの方がテレワークに移行しているため、オフィス業界自体はなかなか数字を作りにくい状況にありますが、当社ではオフィスデザイン事業の売り上げも好調に維持できています。

例年通りであれば、さらなる伸びも期待できますが、今年の環境の中で前年比3.5パーセントの成長というのは、まずまずの進捗状況であると考えています。

また、商業施設の割合も増加しつつ、都市開発・環境設計・その他の領域の割合が大きく業績を牽引しています。我々はオフィスデザインのイメージが強いのですが、冒頭でもご紹介させていただいたとおり、最近は都市全体に関わるデザインの引き合いも多くなっています。このように、コロナ禍でも振れにくい数字を作ることが出来るということは、大きな強みだと考えています。

2021年12月期 通期業績見通し①

今後の見通しです。今期は期初に80億円を計画し、さらに83億円と上方修正しました。この着地は十分に狙える数字だと思っています。

2021年12月期 通期業績見通し②

上方修正後の通期予想では、売上高83億円、営業利益7億円、経常利益6億8,000万円、そして当期純利益4億4,000万円と、当初計画よりも少しずつですが大きな数字になっており、このコロナ禍の状況でも非常に順調に推移していると考えています。まだまだ伸ばすことは諦めていませんが、リアルな数字としてはおおよそこのあたりに着地すると思います。

IRの取り組みと株主還元①

次に、IRの取り組みと株主還元策についてです。現状の株価についてはまだまだ納得しておらず、当社の力強い成長性と好調な決算をもう少し活かしていきたいと感じており、もちろん業績をきちんと上げることがメインですが、積極的なIR活動と株主のみなさまへの還元を行っていきたいと考えています。

その一環として、微々たる数字ではありますが、配当予想の修正(増配)を発表しました。増配前は1株あたり4円、配当性向は8.4パーセントでしたが、0.5円増配し、配当性向を9.5パーセントとしています。

前年比では配当性向が低く見えますが、前年は9ヶ月決算の売上高・利益ともに小さい中で4円を維持していますので、配当性向が一時的に高く出ています。今回の増配についても「少しずつ増配していきたい」という我々の思いの表れだと感じていただければ幸いです。

IRの取り組みと株主還元②

また、我々の存在と成長性を少しでも多くの方に知っていただくための活動を、今後さらに積極的に行っていきます。

統合報告書は組織やカルチャーの強さを知っていただきたいという思いで作成しています。また、我々のビジネスであるデザインに対する理解の高い海外へも視野を広げ、グローバルを意識した対話や積極的な活動も行いたいと考えています。

SUMMARY

最後に、繰り返しになりますが、業績はまだまだ成長を維持していきたいと考えています。何年で達成するのかは具体的にはお伝えできませんが、売上高300億円という数字をベンチマークしています。現在手掛けている分野を同じ水準で増やしていきながら、大型案件や都市全体のデザインでも売上を伸ばすことで、遠くない未来に実現できる数字だと考えています。

以上、手短ではございますが、第2四半期決算についてご説明させていただきました。ありがとうございました。