連結決算サマリー
武田明氏:財務経理統括室長の武田でございます。2021年3月期決算についてご説明します。売上高は913億円で、前期比プラス12パーセントです。営業利益は87億円で、前期比プラス45パーセントです。当期純利益は、ウェーハ子会社再編による、持分変動利益の押し上げもあり、前期比プラス313パーセントの73億円となりました。ウェーハ子会社3社は、第3四半期までは連結子会社として、第4四半期からは持分法適用会社としてP/Lに反映しています。
セグメント別売上高および営業利益
続いて、セグメント別の業績についてです。売上高は、半導体等装置関連が14.7パーセントの増収で、電子デバイスは28.1パーセントの増収です。営業利益については、半導体等装置関連が47.5パーセント増加で、電子デバイスは60.8パーセントの大幅増益となりました。
セグメント詳細:半導体等装置関連セグメント①
セグメントごとの詳細をご説明します。まずは、半導体等装置関連についてです。ウェーハ子会社非連結化による減少要因はありました。しかし、半導体市況は好調であり、需要は根強く、半導体マテリアル製品は前期比プラス27パーセントで、洗浄事業は、前期比プラス35パーセントの大幅増収です。
セグメント詳細:電子デバイスセグメント①
電子デバイスセグメントでは、サーモモジュールや、5G関連の通信機器向けおよびPCR検査機などの医療向けが増加したため、32パーセントの増収です。パワー半導体基板はDCB基板の生産能力拡大と自動車向けAMB基板の量産化が貢献し、23パーセントの増収です。
連結貸借対照表~資産~
続いて、連結貸借対照表についてです。ウェーハ子会社の非連結化により新しい姿となっています。まず有形固定資産が578億円減少しています。一方、連結消去されていたウェーハ子会社への売掛金や、貸付金が非連結化により新たに計上されていますが、回収するため、金額は減少していく見通しです。
連結貸借対照表~負債及び純資産~
負債の部では、有利子負債が308億円と大幅に圧縮できました。これはウェーハ子会社の売却代金による借入返済に加えて、ウェーハ子会社における銀行借入が連結除外となったためです。純資産の部は、281億円と大幅に強化することができました。
ウェーハ子会社の再編を行ったことで、持分変動利益を52億円計上し、利益剰余金が増え、資本剰余金が62億円増加しています。また、中国子会社が第三者割当増資を実施したことから、非支配株主持分が94億円増加し、111億円となっています。
22/3期 通期業績予想
続いて、2022年3月期の業績予想についてご説明します。売上高は1,050億円で、営業利益は150億円、当期純利益は78億円です。ウェーハ子会社が持分法適用会社となった効果が通年で反映されており、売上は減少で、利益は増加となっています。
セグメント詳細:半導体等装置関連セグメント②
セグメント別に、まず半導体等装置関連からご説明します。半導体関連の需要増加が継続しています。特に半導体マテリアル製品の需要はさらに拡大しており、増産要請に対応した常山・東台にある石英工場の稼働が貢献します。また真空シールと洗浄も売上増大の見通しです。
セグメント詳細:電子デバイスセグメント②
電子デバイスセグメントでは、サーモモジュールは増収継続で、パワー半導体基板は、DCBの増産に加え、自動車向けAMB基板の量産本格化によりさらなる成長を見込んでいます。
2021/3期 資金調達等の概要
続いて資金調達等についてご説明します。2021年3月期の主な内容は、ウェーハ子会社の株式売却、有利子負債返済404億円、中国子会社の第三者割当増資などです。
B/S 有利子負債・自己資本推移
続いて、当社の有利子負債・自己資本の推移についてです。自己資本比率は37.9パーセントまで回復し、非支配株主持分等を考慮しない、純資産対総資産の比率では、44.1パーセントまで上昇しました。有利子負債対純資産の比率では、1.56倍から0.61倍に低下し、財務安全性の大幅な改善を実現しました。
22/3期 投資計画と資金調達
続いて、今期の投資計画と資金調達の概況です。今期の投資計画は400億円です。内訳は、需要が拡大する半導体・電子デバイスのさらなる生産増強への投資のための約240億円と、再生ウェーハなどの戦略投資の160億円となっています。これらは、事業成長・利益成長に向けた積極的な投資計画としています。また、資金調達は、子会社宛の第三者割当増資として、すでに186億円を調達しています。
財務運営について
当社においては、半導体市場の成長に加えて、自動車向けの、電子デバイス市場の成長も期待できます。そして、ウェーハ子会社の再編により、財務安全性も改善しています。後ほど賀社長からの中期経営計画の説明にあるとおり、徹底的に成長を追求し、積極投資を継続したい方針です。
また、新たな財務構造として、中国資本を導入した子会社を連結の子会社、または持分法適用会社として、当社の連結財務に取り込むことになっています。財務の運営においては、積極的に投資を行うことに対応して、当期純利益をKPI化しています。
そして、投資リターン・ROIC管理の強化・浸透を図ることで、利益成長を重視する事業運営を後押しします。さらに、中国子会社の資本導入など、資金調達の検討においては、事業・投資機会と財務との適切なバランス確保に努めていきます。これらの取り組みによって、当社事業のさらなる成長、企業価値の向上に努めていきます。
21年3月期 経営状況の振り返り
賀賢漢氏:みなさま、こんにちは。私はフェローテックホールディングスの代表取締役社長兼CEOの賀と申します。今日はみなさまお忙しいところ、ご清聴いただき、誠にありがとうございました。これからフェローテックホールディングスの2021年3月期の状況と、中長期の我々の経営方針・戦略についてご説明します。
すでに5月14日に発表しましたが、2021年3月期の業績は我が社の史上最高の業績になりました。内訳は、売上高が913億円、営業利益が87億円、純利益73億円でした。去年はみなさまご存知のように、世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大したため、非常に大変な1年間でした。
我が社のビジネスのセグメントは3つあります。1つ目は半導体装置関連で、2つ目は電子デバイス関連、3つ目は電気自動車関係のアプリケーションです。これら3つのセグメントは、全世界的にかなりの高成長でした。
地域別半導体市場予測:20年は5.1%増、21年は8.4%増と堅調な見通し
よって、我々は去年の1年間、みなさまのおかげさまでいろいろな基板を作ったり、これからのキャパを作ったりしています。
フェローテックグループの中国での生産拠点マップ
そして、これからの我々の生産拠点を増やしたりする1年間にしました。
その中で、我々は1年間の業績だけではなく、どうしたらこれからもっと成長させられるかということをずっと考えています。
半導体等装置関連セグメントの製品ラインアップ
みなさまご存知のように、我々の半導体装置関連のビジネスは、その中にまず材料関連があり、2番目はサービス関連、3番目はメタルと装置関連となっています。
中期経営計画:半導体マテリアル
1つ目の材料関連は、石英・セラミックス・シリコンパーツ・CVD-SiCなどがあり、どれも高成長になりました。
中期経営計画:半導体ウエーハ(非連結)
大口径ウェーハは、非連結になりましたが、1年間で特に8インチ、12インチもかなりのスピードで成長してきたと思っています。
中期経営計画:部品洗浄
次にサービス関連のお話をします。サービス関連の1つである洗浄ビジネスは、すでに非常に大きくなっています。去年我々は資本構造改革を行い、上場を目指して取り組んできました。
中期経営計画:再生ウエーハ
もう1つ、我々は去年、工場を作りました。今年の初めに工場が出来上がったため、6月に始める予定です。
続いて、メタルと装置関連についてお伝えします。メタル関連では、去年、真空シールが非常に成長してきたと思っています。その中でも、OEMの真空チャンバーや、ロボット関連の部品が大きく成長しました。これから着々と、半導体関係の装置を作っていきたいという計画を立てられると思っています。
電子デバイスセグメントの製品ラインアップ
セグメントの2つ目は電子デバイス関連です。
中期経営計画:サーモモジュール
電子デバイス関連についてお話しします。サーモモジュールは、5Gや自動運転、通信関連などのいろいろなところが使われると思っています。
サーモモジュールは今後も更なる事業領域、及び用途拡大を目指す
特にビッグデータセンターについては、これからさらに応用していこうと考えています。通信関連はより強化していこうと思っています。
パワー半導体基板 「今後AMB基板も投入し事業規模拡大へ」
続いて、パワーデバイスについてです。DCBとAMBに、今年1月からDPCも加えて、3つのビジネスになりました。このパワーデバイスはこれから、IGPTや、モスフェット、電気自動車、新幹線、地下鉄、発電などの、さまざまな分野に応用していきます。
中期経営計画:パワー半導体基板
2050年、脱CO2という活動はかなり全世界で流行っています。みなさまがこの脱CO2の運動に取り組んでいる間に、我々のパワーデバイスのビジネスはもっともっと成長していけると思います。
このビジネスも、すでに我々が去年みなさまに株式に上場していくことを目指すと発表しました。もちろん資本構造改革も行ってきました。
EVや自動運転技術を契機に、自動車分野顧客への販売を本格化
続いて、3つ目のビジネスセグメントである電気自動車関係のアプリケーションについてお話しします。これからもさらに強化し、3年間の間に300億円のビジネスを目指したいと考えています。
新中期経営計画(22/3期〜24/3期)の基本方針
新中期経営計画として、これから我々は、中長期をどのようにしていくかという基本方針を4つ立てました。まず我々のビジネスを持続的に成長していきたいと思っています。長い間に毎年20パーセント前後のところまで成長していきたいと思っています。
KPIサマリー(24/3期)
次に、財務強化についてお伝えします。自己資本比率は3年後、40パーセント超を目標とし、財務体質を強化していこうと思っています。
持続的成長に向けた、品質強化と人材強化
品質は会社の命であると思い、品質管理をさらに強化して、よいものを作って全世界に売れるようにしていきたいと考えています。クレームもゼロにしたいと考えています。
次に人材についてお話しします。ビジネスにおいて、会社は「人」がいるから成長でき、新しい製品を作れると考えます。これから、博士やマスター、あるいは大学4年生などもどんどん採用し研究開発の分野に力を入れたいと思っています。
我々は3年後の2024年3月期の売上は、1,500億円を目指しています。そして、営業利益は16パーセントで、最終の純利益は10パーセントにしたいと思っています。
事業成長・利益成長実現へ成長投資を継続
3年間で、950億円投資したいと考えています。既存ビジネスは550億円、新規ビジネスに400億円くらい投資したいと思っています。
新中期経営計画のKPI(年度別)
2022年3月期の売上は、1,050億円を目標にしたいと思っています。また、営業利益率は13パーセントから15パーセントまでもっていきたいと思っています。そのため、ぜひみなさまの力を借りたいと思っています。
売上高3,000億円を目指して(長期ビジョン)
我々の中長期的な売上と利益については、先ほど私がお伝えしたとおりに取り組んでいきたいと思います。では、2030年にフェローテックホールディングスはどのような会社になるかと言いますと、我々はかなりの力を入れて3,000億円の会社にしたいと考えており、純利益300億円も達成したいと思っています。そうすると、その時は我が社の材料関連、デバイス関連、装置関連は非常に強くなっていけると思っています。ぜひともよろしくお願いします。