会社概要
茂木貴雄氏(以下、茂木):株式会社コラボス代表取締役社長の茂木貴雄でございます。私から2021年3月期の決算についてご説明させていただきます。
当社は、企業や自治体に向けて、コールセンター機能をクラウド型で提供しています。コールセンターは、メーカーなどの問い合わせ窓口だけでなく、国や地方自治体の問い合わせ窓口として活用されるほか、新型コロナウイルス感染症の影響により、非対面接客としての重要性や存在意義が高まっています。
会社概要_ビジネスモデル
企業や自治体のコールセンターは、インターネットなどを通じて、当社のデータセンターにアクセスし、サービスをご利用いただきます。お客さま側の設備投資は不要です。当社では、システムの開発、構築、提供、保守を行うとともに、ご要望に応じて、お客さまの顧客情報の分析や解析も行っています。また、お客さまから導入時の初期費用をいただくとともに、毎月の使用席数やID数に応じて月額料金をいただいており、いわゆるストック型ビジネスモデルとなっています。
会社概要_サービス紹介(クラウドサービス事業)①
次に、当社のサービスをご紹介します。まず1つ目は、電話サービスとして、「@nyplace」と、「COLLABOS PHONE」があります。「@nyplace」は、米国AVAYA社のシステムをベースとしており、高機能かつ堅牢性・安定性が特徴のサービスです。一方、「COLLABOS PHONE」は、当社独自開発のサービスで、パソコンとインターネット環境があれば手軽に始められ、在宅コールセンターとしても利用できるソフトフォン型のサービスです。
会社概要_サービス紹介(クラウドサービス事業)②
2つ目は顧客管理サービスです。お問い合わせ窓口などで利用するインバウンドコールセンター用の「COLLABOS CRM」と、テレアポやアンケート調査などで電話をかけるアウトバウンドコールセンター用の「COLLABOS CRM Outbound Edition」を提供しており、先ほどの電話サービスと組み合わせてご提供しています。
会社概要_サービス紹介(クラウドサービス事業)③
その他に、データ活用や業務を効率化するサービスもご提供しています。これらは、単体でのサービス提供のほか、前のページでご説明したサービスとの連携も可能としており、主力サービスのさらなる成長にも貢献します。
例えば、「Amivoice」は、通話内容をリアルタイムでテキスト化し、自動で回答内容を表示するなど、AIを活用したサービスです。
スライドの右側のマルチチャネル対応の「CollasQ」と「Challbo」は、中期経営計画の戦略の1つ目として、昨年10月末にサービスリリースした新たな自社サービスとなります。チャットやLINEなどのSNSの普及により、コールセンターでは、従来の電話やメールだけではなく、多様なチャネルからの問い合わせが増えています。このニーズに対応し、「CollasQ」と「Challbo」をリリースしました。
「CollasQ」は、よくある質問を蓄積し、検索できるようにすることで自己解決を促すFAQサービスです。
一方、「Challbo」は、FAQ情報を基に自動返答するボットやオペレーターにてチャット返答するチャットボットサービスです。「時間や場所の制約なく気軽に問い合わせたい」「通話料や待ち時間を減らしたい」といった要望に応え、コールセンター側の「できるだけ自動化したい」「オペレーターの対応時間を削減したい」という要望にも応えるサービスで、コールセンター業界の人手不足の解消にも貢献します。
会社概要_クラウド型CRM市場推移
こちらはマーケット状況の資料です。クラウド型CRM総市場の市場規模は、全体としては右肩上がりで伸びており、2025年度には1兆円を超えると予測されています。クラウド型のウェイトは年々大きくなっており、2022年度にはオンプレミス型とクラウド型が逆転すると予測されています。
クラウド型はネットワークセキュリティも向上しており、設備投資不要のメリットに加え、規模拡張やバージョンアップがスピーディなことで、リードタイムの短縮化を図ることができます。また、新型コロナウイルスにより生じた働き方の変容がクラウド型にとって追い風となっています。
会社概要_導入企業の業種・契約年数
導入企業の特徴ですが、業種別では、主にテレマーケティング、アウトソーシングなどのサービス業を中心に、製造メーカー、金融に至るまで幅広い業種でご利用いただいています。また、継続利用年数としては、3年以上ご利用いただいている企業が約7割となっています。10年以上ご利用いただいている企業も1割以上あり、長期契約のウェイトが高まっています。
会社概要_導入企業(一例)
導入企業の一例です。大手メーカーから自治体まで、さまざまな業種でご利用いただいており、コールセンターは5席の小規模から300席前後の大規模まで、約880拠点の導入実績があり、常時1万席以上が稼働しています。
会社概要_サービスの3つの強み
次に当社の強みです。当社は、コールセンター機能を国内で初めてクラウドで提供した会社として、一貫してコールセンター向けのクラウドサービスの開発、提供をしており、さまざまな現場の声を蓄積し、ノウハウに基づいた機能開発や課題解決力が当社のサービスに活かされています。また、10年以上の長期にわたってご利用いただいている企業も増加しており、そのような実績や信頼性が導入企業からの高い評価にもつながっています。
さらに、当社のサービスはすべてクラウドで提供しており、導入企業は膨大なシステム構築費用をかけることなく、席数やID数による月額料金制で低コスト・短納期でご利用いただけます。また、システムバージョンアップやサーバーメンテナンスも不要で、常に最新のサービスが利用可能です。
売上高・営業利益推移
次に決算概要をご説明します。売上高と営業利益率の推移です。2013年より9期連続増収となっています。一方、営業利益については、「@nyplace」の交換機への先行投資の実施による償却費用の増加、サービス開発費用の増加、人員増強費用の増加により原価、販管ともに増加し、一時的に減少しています。
決算概要(2021年3月期)_損益計算書(サマリー)
2021年3月期決算概要についてご説明します。まず、売上高は21億200万円となりました。「@nyplace」及び「COLLABOS PHONE」の売上が中心となっています。「@nyplace」の終了案件の発生があったものの、既存顧客の拠点拡張や増席、また、新規顧客獲得により増収となりました。
一方、営業利益は「@nyplace」の交換機への先行投資、サービス開発、人員増強などの費用増加により1億円という結果となりました。詳細は後ほどご説明します。
経常利益は、営業外収益として、お客様からの違約金収入による1,400万円の増加はありますが、1億1,400万円(前年同期比マイナス39.9パーセント)となりました。
当期純利益については、非連結子会社の株式会社シーズファクトリーの関係会社株式評価損の減少による、特別損失の減少並びに、同社を昨年7月1日付で吸収合併したことにより引き継いだ繰越欠損金の所得控除による法人税の減少により9,900万円(同17.0パーセント増)となりました。
決算概要(2021年3月期)_サービス別売上高比較
こちらは、各サービスの売上高の前期比較です。売上高の8割を占める電話サービスである「@nyplace」は微減、一方で「COLLABOS PHONE」は3割以上の増加となりました。その他も増加していますが、これは「Amivoice」や、「Golden List」といった、コールセンターに溜まっているデータを分析・有効活用・業務効率化するサービスのニーズが高まっているためです。
決算概要(2021年3月期)_サービス別分析 電話サービス関連
続いて、各サービスの売上高とKPIです。まず、「@nyplace」の売上のプラス要因として、既存顧客において、公共案件の数百席規模の増席や、EC・通販需要の高まりによる増席、さらに、新型コロナウイルス感染症予防のための3密対応での拠点追加が挙げられます。また、新規獲得については、当社が主要ターゲットとしているオンプレからクラウドへの切り替えの大型案件の獲得や、大型案件の競合からのリプレイスがありました。
一方、マイナス要因として、大型案件の契約終了、コロナ影響による業務縮小、コスト削減のための事業売却があり、売上高は微減となりました。期間平均利用席数は、先ほどご説明したコロナ影響に伴う既存顧客の数百席規模の増席による影響で148席増となりました。
「COLLABOS PHONE」については、コストメリット重視による堅調な引合いを背景として、新規及び既存で売上高がともに前期比プラスとなっています。新規獲得においては、公共分野の大型入札案件の獲得、既存顧客においては、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要拡大により小売業者の業務拡大があり、期間平均利用チャネル数は633チャネル増、売上高は35.4パーセント増となりました。
決算概要(2021年3月期)_サービス別分析 顧客管理サービス関連
次に、顧客管理サービスについてです。インバウンド用の「COLLABOS CRM」については、電話サービスと組み合わせたトータルソリューションの提供により、当社サービス全体の売上高に寄与しているものの、スポット案件の終了に伴う契約ID数の減少により、期間平均利用ID数は150ID減、売上高は6.5パーセント減となりました。
一方、アウトバウンド用の「COLLABOS CRM Outbound Edition」については、「COLLABOS PHONE」と同時契約での公共分野の入札案件の新規獲得により、期間平均利用ID数は207ID増、売上高は11.2パーセント増となりました。
決算概要(2021年3月期)_営業利益の増減要因
続いて、営業利益の増減要因です。営業利益は1億円となり、9,100万円の減少となりました。主な要因としては、売上原価と販管費の増加となります。特に、「@nyplace」に関しては、前期比売上減に対して原価増となっており、先行投資の仕入れのタイミングが影響しています。
販管費に関しては、人材の確保・拡充に伴う給与・賞与制度の改定など、労務環境改善による人件費関連の増加が7,600万円、中期経営計画の開発に伴う業務委託費や広告費の増加が5,400万円、コロナ影響に伴う企業活動費用の減少が3,600万円となりました。
決算概要(2021年3月期)_貸借対照表(サマリー)
次に、貸借対照表です。主な増減については、次のページにポイントをまとめています。
決算概要(2021年3月期)_貸借対照表
「@nyplace」のリース資産の償却や「@nyplace」用設備のリース料返済、自己株式の取得により、資産・負債・純資産ともに減少しています。
決算概要(2021年3月期)_キャッシュ・フロー計算書(サマリー)
キャッシュ・フロー計算書です。主な増減については、次のページにポイントをまとめています。
決算概要(2021年3月期)_キャッシュ・フロー計算書
投資活動キャッシュ・フローについては、中期経営計画の開発投資や「@nyplace」用設備への投資による支出が増加しています。財務活動キャッシュ・フローについては、自己株式取得による支出が増加しています。
決算概要(2022年3月期)
次に業績予想です。売上高については、通期予想2,250万円となり、引き続き電話サービスである「@nyplace」と「COLLABOS PHONE」を主軸に現有サービスを着実に伸長させていきます。一方、営業利益は通期予想3,500万円となり、中期経営計画による将来に向けた次世代型サービス開発への先行投資により、減少を見込んでいます。
次のページで、詳細を説明します。
業績予想(2022年3月期)_予想の根拠
「@nyplace」において、既存顧客の大型の終了案件の影響による売り上げ減少を見込む一方で、コロナ影響に伴う既存顧客のワクチン業務などによる数百席規模のスポット増席や拠点追加、ならびに新規獲得による売上増加を見込み、増収を見込んでいます。
「COLLABOS PHONE」においても、在宅コールセンターニーズの増加に伴い、着実に新規案件を獲得し、シェアを伸ばすとともに、既存顧客においてもコロナ影響に伴う増チャネルを見込み、増収を見込んでいます。
営業戦略としては、WEBマーケティング施策からの流入を強化するとともに、当社仕入れ先である通信事業者との協業での販売、顧客ニーズの高い他社サービスとの連携も積極的に進めていきます。さらに、「@nyplace」の在宅対応も予定しています。
一方、減益予想の根拠としては、中期経営計画の3つの戦略への先行投資によるものとなり、各サービスの償却費用、人件費、外注費用が発生すること、また、育成、採用等の人材への投資費用が発生します。
中期経営計画の進捗状況
最後に中期経営計画の進捗状況をご説明します。当社の中期経営計画は、3つの成長戦略である、戦略①現有サービスを補完・強化するサービスの開発、戦略②AI技術を活用した新しいサービスのリリース、戦略③マーケテイング事業領域への参入を実行することで、2023年3月期に28億円の売上を達成するというものです。
中期経営計画の進捗状況_3つの成長戦略
戦略①については前倒しで開発を完了し、昨年10月29日にサービス提供を開始しています。戦略②と③については、サービスや機能を具体化していく中で、より市場のニーズをとらえた機能を検討したことに伴い、開発計画を一部見直したことから、投資タイミングや償却時期の発生タイミングに一部遅れがあります。しかし、当初の目標である2022年3月期サービスリリースについては変更はありません。引き続きサービスリリースに向けて尽力します。
中期経営計画の進捗状況_目標数値
中期経営計画の数値目標の状況をご説明します。1年目の売上目標については、コロナ影響によるプラス面、マイナス面がある中で、なんとか目標を達成しました。開発投資額については、サービスや機能を具体化していく中で、より市場のニーズをとらえた機能を検討したことに伴い、各開発工程の見直しをしています。その関係で、予定より1年目の投資額が減少し、営業利益率4.8パーセントと上振れとなりました。
中期経営計画2年目の開発投資等のP/L影響額については、見通しが2.2億円となっています。また、2年目の目標売上は24億円でしたが、今回業績予想が22億5,000万円となっています。
差異要因については、大きく2点あります。1点目は、中期経営計画の戦略②と③の新サービスの開発計画の一部見直しを行ったことから、サービスリリースのスケジュールに変更はないものの、売上貢献については後ろ倒しの見込みとしていることです。
2点目は、「AmiVoice」「Challbo」「CollasQ」などの新たなソリューションについては、コロナ影響により当社の見込顧客において、投資の矛先が、業務効率化などの新たなソリューションへの投資ではなく、在宅インフラ整備に向いており、下振れを見込んでいるためです。
大きな環境の変化や方針の変更があるわけでないと認識しており、業績予想に合わせた中期経営計画の変更はせず、最終年度の売上28億円の目標達成に向けて実行スピードを挽回していくように取り組むのが健全な企業の在り方だと思っています。目標達成に向けて、引き続き尽力していきます。
【補足】業績及び事業運営におけるコロナ影響について
当社の新型コロナウイルスの影響について、プラス・マイナスの両面を記載しています。プラス面としては、既存顧客において、給付金業務に伴う数百席規模での増席や巣ごもり需要に伴うEC関連業務の拡大、小売業を対象とした採用関連業務の拡大があります。
一方、マイナス面としては、緊急事態宣言下の一時的なコールセンター閉鎖や、新規顧客における構築の納期変更などがあります。具体的な金額は差し控えますが、昨対比の実績としては、ややプラス面の影響が働いている状況とみています。
また、これらの需要は一定程度続くものと考えており、現時点においては見通しに一部織り込んでいます。極力オンラインへ移行しており、現時点においてオペレーションにおける大きな影響はありません。
【補足】自己株式の取得について
最後に、2020年11月6日及び2021年2月1日開催の取締役会において、自己株式を取得することを決議しており、発行済み株式総数に対して3パーセントである約15万株の自己株式を取得しました。
以上で、当社決算説明を終了させていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。
質疑応答:契約年数別のグラフについて
質問1:資料9ページの契約年数別のグラフについてです。1年程度が一定数ありますが、これは新規契約獲得が多いのか、すぐに契約解除となってしまうことが多いのか、どちらでしょうか? 継続率などがあったらわかりやすいと思います。
茂木:9ページのグラフは少しわかりにくいかもしれないのですが、「1年未満」というのは新規で1年未満継続して使っていただいているお客さまということです。1年で契約解除しているという数字ではありません。
継続率に関しては、手元に正確な数字がないため若干感覚的なところで申し訳ないのですが、解約率という意味で言いますと、1桁パーセント程度であったと思っています。
質疑応答:株価向上のための取り組みについて
質問2:今後の株価向上のためのIRとして、どのようなことに取り組まれますか?
青本真人氏(以下、青本):結果的に必ずしも株価の向上につながるかどうかはわからないのですが、当社の現状においては、これまでの主軸である「@nyplace」というサービスでご覧の数字が結果として出ています。
そのため、新たなサービス・新たな主軸を開発するということで、昨年、中期経営計画を積極的に開示しています。したがって、今後のコラボスの企業価値を向上させるという意味でも、会社の現状を中期経営計画を通して正しく理解していただくことが、まず第一歩です。そのような考えから、IRとして中期経営計画を主軸として開示しています。
そこから1年経ち、社長からも説明しました進捗を開示しています。IRとしては、また次の年も必ず継続して進捗を開示していくのですが、これをやり遂げることが結果的に当社の企業価値の向上につながると信じています。取り組んでいることと言いますと、まずは中期経営計画の積極的な開示と進捗を詳細に開示していくことだと信じています。
質疑応答:マーケティング分野への参入について
質問3:中期経営計画に「マーケティング分野に参入」とありますが、具体的にはどのように参入していくのでしょうか?
茂木:我々の今のお客さまは、主にコールセンターを運用されているお客さまですが、基本的にはそのお客さまに対してと、さらに新規獲得のために新しいサービスを開発し、提供していくことを想定しています。
サービスの中身ですが、資料の28ページに記載しているように、サービス名は戦略の3番目にある「GROWCE」というサービスです。想定しているのは、あくまで一例なのですが、実際に電話で流れているお客さまの声をリアルタイムで把握し、そのお客さまの傾向やお客さまの属性、例えば、このお客さまが何かを注文しているのであれば、そのお客さまに非常に属性が似ているお客さまに別途インターネットの広告を打つなどを考えています。
したがって、コールセンターの舞台とは違うマーケティングの舞台が我々のお客さまになる可能性もあると思います。
我々としては、企業であるお客さまの売上、利益に直接貢献できるようなサービスを提供していきたいと考えていますので、戦略③に関しては特にそこを意識したサービスになっています。
質疑応答:サービスの導入について
質問4:御社のようなシステムを導入する企業は、複数サービスを同時に利用するのが一般的なのでしょうか? それとも、専属の1社を選定して利用することが多いのでしょうか? サービスがスイッチされる時はどのような理由が多いのですか? 御社の場合は、どのような点で導入または解約されることが多いのでしょうか?
茂木:コールセンター向けのクラウドサービスに関しては、当社のラインナップには電話サービスや顧客管理サービスがあります。それ以外にも、決済のクラウドサービスやチャットボットなど、いろいろなサービスがあり、複数サービスを導入する場合や1社にオーダーする場合もありますし、別々にオーダーする場合もあります。そのため、一概に「この場合はこうです」と言うのは難しいと思います。お客さま次第のところがあります。
当社の場合は、一通りサービスラインナップを揃えようとしているため、複数のサービスを同時にご利用いただいている会社さまは比較的多いと認識しています。逆に、我々のサービスと他のサービスを組み合わせてご利用いただく会社さまもいらっしゃるため、いろいろなパターンがあると思います。
サービスがスイッチというのは、同じようなサービスの会社に切り替えられるということだと思います。これに関しては、まったくないというわけではないのですが、そのようなことが頻繁にあるかと言うとそうでもなく、年に1社か2社くらいだと認識しています。
コールセンターのシステムですので、クラウドだから切り替えやすいというわけではなく、電話番号など、システムを切り替えるのにいろいろネットワークも変える必要もあるため、そこまでスイッチの障壁が低いというわけではありません。
スイッチされる時に関してはさまざまな理由があるのですが、お客さま側で「このような機能が欲しいが、残念ながらない」といった場合が多いと認識しています。
また、導入のポイントはお客さまによっていろいろあるのですが、我々の強みとしても記載している、コールセンターシステムの長年の信頼性や安定性の部分は非常に重要なポイントとなっています。その点を評価していただいている人が多いと認識しています。
質疑応答:中期経営計画の投資額の目標について
質問5:29ページの中期経営計画で、投資額2億円の目標に対して0.8億円になっていましたが、今期も目標よりも少ない予想になっています。ということは、その分2023年3月期に膨大な投資額になるということでしょうか? または、それほど投資しなくても効率的に戦略を実行可能ということでしょうか? 具体的な内容はありますか?
青本:昨年度は2億円に対して0.8億円ということですが、これはもともと見込んでいたものが少なくなったというよりは、先ほど茂木からご説明したように、計画を見直したということです。支出が若干後ろ倒しになったことによって少なくなったということですので、今のところ総じて順調に、想定していた金額以内で投資を見込むことができています。よって、散財するつもりは一切ありません。いかに効率的に結果を出すかを試行錯誤し、実際の数字が出ていますので、効率的に進むことになると思います。
実際に2023年3月期において、そのまま数字がシュリンクするかどうかについてはまだ算出できていません。先ほどご質問いただいた戦略③の「GROWCE」の開発については、本丸の開発はまだこれからであり、これから実際の見積もり・要件定義等が詳細に詰まっていきますので、今のところは事業計画で見込んだ数値以内で、実際には開発していこうという目標で取り組んでいます。