2020年度第2四半期 決算サマリー(前四半期比)
佐藤英二氏:大和証券グループ本社の佐藤です。本日はお忙しい中、当社テレフォンカンファレンスにご参加いただきまして誠にありがとうございます。それでは本日公表した2021年3月期第2四半期決算について、決算説明資料に沿ってご説明します。
最初に連結決算のサマリーについてご説明します。数値の増減率は2021年3月期第1四半期比です。2020年度第2四半期の純営業収益は1,104億円で、プラス4.8パーセントとなりました。リテール部門は増収、複数の大型エクイティファイナンス案件の販売により増収となりました。
ホールセール部門は減収、グローバル・インベストメント・バンキングでエクイティ引受け・M&Aが増収となるも、グローバル・マーケッツのFICC収益が減少しました。経常利益は237億円でプラス11.1パーセントとなりました。純利益は152億円、マイナス13.1パーセントの減益となりROEは年間算で5.0パーセント、BPS、1株当たり純資産は810円92銭となりました。
損益計算書の概要
10ページをご覧ください。損益計算書についてご説明します。受入手数料は708億円、プラス22.6パーセント、委託手数料は164億円、マイナス4.1パーセントです。引受け・売出し手数料はエクイティ引受案件が寄与し、144億円、プラス226.0パーセントとなりました。
株式投資の販売額は減少しましたが、スイッチング取引を除く販売額は増加したことから、募集・売出し手数料は42億円、プラス3.4パーセントとなりました。M&A関連手数料は52億円、プラス92.7パーセントとなっています。トレーディング損益は、FICC収益が減少し228億円、マイナス28.8パーセントとなりました。
販売費・一般管理費の内訳
販売費・一般管理費は主に人件費、取引関係費が増加し907億円と、プラス2.2パーセントでした。取引関係費は、販売促進に係る広告宣伝費のほか、支払手数料も増加しました。人件費は業績に連動する賞与が増加しています。
海外部門の経常収支
次に海外部門の経常収支についてご説明します。海外部門合計の経常利益は46億円、前四半期比マイナス43.2パーセントと、18四半期連続で経常黒字となっています。地域別で見ると、欧州はエクイティ引受け収益、M&A収益が増加したもののFICC収益が減少し減益となりました。
アジア・オセアニアは、エクイティのプライマリーが増収になったことに加え、SSI証券の持分法投資利益などが貢献し四半期ベースで過去最高の経常利益となりました。米州はFICC収益が減少し、減益となりました。
リテール部門
続いて、セグメント別の業績についてご説明します。まず、リテール部門の収支ですが、純営業収益は407億円でプラス15.8パーセント、経常利益は26億円の増収増益です。エクイティ収益は、ソフトバンクなどの大型エクイティ引受案件の取り扱いによるエクイティ募集販売手数料の増加が寄与し増収となりました。債券収益は外債の販売が回復し増収です。投信募集手数料は増加しました。投信代理事務手数料も期中平均残高が増加し増収となっています。その他収益はラップ関連収益である投資顧問・取引等管理料が増加しています。
リテール部門 大和証券
こちらは大和証券のリテール部門における商品募集、販売額の状況です。ラップ口座サービスにおいては前年度第3四半期ぶりに期末の契約資産残高が過去最高を記録し2兆3,186億円となりました。
ホールセール部門 グローバル・マーケッツ
ホールセール部門についてご説明します。まず、グローバル・マーケッツですが、純営業収益は332億円、マイナス26.6パーセント。経常利益は89億円、マイナス56.3パーセントとなりました。エクイティ収益は、日本株は顧客フローが減少した一方で、外国株はハイテク株を中心に顧客フローが堅調に推移したため横ばい、FICCは国内外ともに減収となりました。国内は仕組債・デリバティブで顧客フローが回復しましたが、トレーディングが低調で減収となりました。海外はボラティリティの低下に伴い顧客フローが減少し減収です。
ホールセール部門 グローバル・インベストメント・バンキング
18ページをご覧ください。グローバル・インベストメント・バンキングについてご説明します。純営業収益は143億円でプラス130パーセント、経常利益は47億円です。エクイティ引受ではソフトバンクのPO案件で主幹事を務めたほか、複数の主幹事案件を積上げ大幅な増収となりました。デット引受では劣後債、財投機関債、サムライ債などで実績を積上げました。M&Aではグローバルネットワークを活用して着実に案件を遂行しました。
アセット・マネジメント部門
アセット・マネジメント部門についてご説明します。純営業収益は121億円、マイナス4.8パーセント、経常利益は74億円、マイナス1.5パーセントとなりました。大和アセットマネジメントでは、資金純増を確保したことに加え、公募株式投信の期中平均残高が増加し増収となっています。不動産アセットマネジメントでは大和リアル・エステート・アセット・マネジメントの運用資産残高が増加しました。一方で、物件の入替に伴う運用報酬を計上した第1四半期比では減収となっています。
投資部門
投資部門の純営業収益は36億円でプラス254.4パーセント。経常利益は22億円で19倍となりました。大和PIパートナーズにおけるプライベート・エクイティ投資の複数案件のエグジットが増収に寄与しています。以上、2020年度第2四半期決算についてご説明しました。
上期は、新型コロナウィルス感染症の拡大が世界の経済活動、資本市場を大きく揺り動かしました。そのような中、当社の連結業績は2年ぶりの高い水準となる経常利益451億円を確保し、グループとしての総合力、環境変化への対応力を示すことができたと考えています。
第1四半期はマーケット部門が、第2四半期は投資銀行部門がリテール部門との連携のもと業績を牽引しました。また昨年度より取り組んできたコスト構造改革の成果が加わり、増益の確保につながっています。
リテール部門については4月、5月はコロナ禍により営業活動に大きな制約を受け苦戦しましたが、6月以降は業績は回復基調にあります。8月末から9月にかけては多数の大型エクイティファイナンス案件を獲得し、リテール部門の強固な顧客基盤が案件の成功に貢献しています。
また当社では業界トップクラスのテレワークインフラの導入やペーパーレス化を推し進めています。ウィズコロナの環境下においても業務効率を向上させ、ファイナンス案件の円滑な販売活動を実現し収益拡大に加え、高水準の新規口座開設、資金導入へとつなげることができました。
10月の状況については、個人投資家のお客さまのアクティビティは堅調に推移しています。比較的安定した内外株式市場、超低金利環境の継続、国際分散投資を背景として外国株、外国債券、投資信託、ファンドラップへの投資が活発となっています。
一方、投資銀行ビジネスについては第2四半期に複数の大型PO、IPOが無事実施されたことを受け、エクイティファイナンスに対する企業の関心は一層高まっています。またM&Aについては新型コロナの影響を受け、業界再編、事業再構築の機運が高まっており、経営統合、成長投資、事業売却、事業承継等の相談が増加しています。
当社としては環境変化を的確に捉え、お客さまのニーズ、課題に対して質の高いソリューションを提供することにより、最も選ばれる総合証券グループを目指します。どうぞみなさまのご支援およびご協力をよろしくお願いします。ありがとうございました。