セグメント別実績
松本浩一氏:6月からIRに加えて経営企画部門も担当しております松本でございます。よろしくお願いいたします。私からは2021年3月期第1四半期の決算についてご説明いたします。
まず第1四半期の実績です。新型肺炎の影響による店舗の休業などで、売上高は19.2パーセントのマイナスとなりましたが、通販をもつマルチチャネルの強みを活かし、想定を上回る実績となりました。化粧品では洗顔カテゴリーが好調だったほか、サプリメントは免疫対策のビタミン類と、巣ごもり生活により「カロリミット」や「内脂サポート」など生活習慣対策のサプリの需要が拡大しました。
営業利益は「損益とんとん」で計画していましたが、売上の上振れによる粗利増に加え、広告費の効率的な使用や固定費の削減に努めたほか、休業中の店舗スタッフの人件費約6億円が販管費から特別損失に振り替わったことから、約24億円の黒字となりました。
1Q売上高(前年比較)
次に売上の前年比較です。直営店舗は、休業などにより国内で33億円の減収、インバウンドで46億円の減収、計79億円の減収となりました。流通は空港免税店やコンビニの落ち込みなどで12億円の減収、海外は香港、中国の減少により2億円の減収となりました。
一方通販は、直営店舗からの積極的な誘導や外部通販の大幅な進捗により、30億円の増収となりました。連結全体では大幅な減収となりましたが、店舗の国内売上の減少分を通販でほぼカバーするなど、一定の成果を上げたと考えています。
営業利益の増減分析
続いて営業利益の前年比較です。経費以外の増減では、売上減による粗利の減少で44億9,700万円、原価率の悪化による粗利の減少が7億2,200万円となりました。原価率が2.7ポイント悪化しましたが、これは売上減に伴う生産効率の悪化と、一過性の要因として国薬国際(中国国際医薬衛生有限公司)から仕入れたマスクの販売によるものです。
次にコストの内訳です。広告費はプロモーションの抑制に加え、通販の新規獲得の広告費用をネットを中心に効率化したことなどで減少しました。販促費は店舗のお客さまの通販への誘導に伴い増加、その他変動費は店舗売上減に伴う歩合家賃の減少や商業施設との家賃交渉などにより減少、変動費全体では21億9,800万円減少しました。
人件費は、休業中の店舗スタッフの人件費が特損に振り替わったことに加え、中途採用の抑制などを図って減少しました。その他固定費も、テレワークの推進や不要不急の費用を削減し、固定費全体では10億8,900万円の減少となりました。以上の結果、営業利益は24億4,500万円となりました。
業績予想の前提
次に上期及び通期の見通しについてご説明します。7ページです。新型肺炎の影響は現時点では見通せないため、今期業績予想の前提については本決算発表時点から変更しません。
業績予想の修正について
次に業績予想の修正の内容についてご説明します。第1四半期は、インバウンド需要の落ち込みに加え、店舗は3ヶ月のうち実質半分の1.5ヶ月しか稼働できず、大変厳しい環境でした。それでも19パーセントの減収にとどめ、また計画比でも上振れて着地したことは評価できると考えています。
通販誘導に加え、急きょ店舗限定のキャンペーン企画を展開するなどして、6月の国内の店舗の純売上は前年並みまで回復しました。またコスト面では広告費や固定費の削減にも努めました。第2四半期もインバウンド需要は期待できない状況です。インバウンドが当初の想定よりも落ち込む分は、他を伸ばすことでカバーします。
通販は外部ECモールへの出店拡大、店舗はお客さまのニーズに合わせた売り場作りや追加的なキャンペーンを展開します。海外は中国越境ECに加え、ボウシャもEC強化で伸長させます。コスト面では第1四半期と同様にメリハリのある費用に努めます。
これらの結果、上期トータルでは売上を545億円へ増額、営業利益も43億円へ上方修正します。一方通期は、インバウンド需要の回復時期が見通せないため据え置きます。それでは次に島田からご説明させていただきます。
ファンケル通販の競争優位性
島田和幸氏:島田でございます。私からは、とくに投資家のみなさまから関心の高い、ファンケルの通販チャネルの強みについてご説明します。15ページでは、ファンケルの通販の強みを一覧にしています。
ファンケルは通販で40年の歴史があり、通販業界トップクラスのインフラとノウハウがあります。インフラ面では、月間320万人が来訪する直営通販サイト、きめ細やかな対応ができる自社運営のカスタマーサービスセンター、独自開発したIT基幹システム、通販を軸としたマルチチャネルに対応した物流センターをもっています。
ノウハウ面では、独自のCRM戦略、無期限返品保証やSDIなどの独自サービス、受注から決済までの一貫したノウハウ、マーケティングやITシステムを支える人材がいます。単にECサイトで商品を並べれば売れるというものではなく、これらがすべてあるからこそファンケルの通販は強いのであり、一朝一夕に築けるものではありません。
独自開発したIT基幹システム
17ページです。独自開発したIT基幹システムについてご説明します。老朽化、複雑化した大手ベンダーのシステムから脱却することを目指し、2014年から当社のシステム部門のスタッフがITベンチャーと組み、ITシステム改革に取り組みました。
2016年の通販システムを皮切りに、2018年には店舗・Webシステムを刷新、各チャネルに点在していたマスタデータベースを統合し、リアルタイムで連携できるようにしました。これらにより、システム改修もチャネルごとにする必要がなくなり、時間とコストを削減しました。
また、クラウドの新技術を積極活用し、従来に比べ圧倒的な開発スピードと柔軟性、低コスト化を実現しています。今回、直営店舗のお客さまを通販へ誘導するにあたり、5月1日から店舗の会員向けのスマホアプリにEC機能を付加しましたが、わずか10日で開発しました。
コスト面でも、2013年度に31億円あったITコストが2019年度には約3割ダウンの23億円まで減少し、売上に占めるITコストは3.8パーセントから1.8パーセントまで低下しました。この基幹システムをベースに、中国版の「SDIシステム」や「パーソナルワン」、健康食品の定期購入サービス、コロナ対応など年間数百におよぶサービスを開発し迅速に展開しています。
独自のCRM戦略
18ページです。独自のCRM戦略についてご説明します。当社はお客さまからリピートしていただくことで収益を上げるビジネスモデルであり、その肝になるのがCRM戦略です。2013年からマーケティングオートメーションシステムを導入し、お客さまの属性や購入履歴、Webでの行動データ、ライブデータから最適なパーソナルコミュニケーションを行なっています。
お客さまのさまざまなデータを分析し、100以上のシナリオから最適な製品に関する情報を最適なタイミングで自動配信しており、現在ではお客さまの行動する時間帯を考慮した配信や、お客さまの気持ちの変化にも鑑みたアプローチに進化させています。
システム自体は他社でも導入されていますが、シナリオの企画や運営は外部委託しているケースが大半で、うまく活用できている例は多くありません。ファンケルはこれらをすべて自前で行なっており、独自ノウハウの蓄積につながっています。
マルチチャネル対応の物流センター
19ページです。関東物流センターが稼働して12年が経過しましたが、現在でも高い生産性と作業品質です。同センターの倉庫管理システム(WMS)はファンケルとベンダーで一緒に作りあげ、在庫の「見える化」を行ないました。どのチャネル店舗で買っても製造年月日に大きな差がなく、いつでも新鮮な商品をお求めいただけます。
また、出荷搬送ラインの高速化などにより、夕方までの受注は同日出荷が可能です。さらに物流品質では、出荷ミス率は一般的な通販会社の5分の1程度である0.01パーセント以下を実現しています。物流を第三者に完全に任せるのではなく、自社で管理をしているからこそ、お客さまに高い品質でお届けすることができ、ブランドの信頼と価値向上にもつながっています。
店舗から通販への誘導
次に現在の環境変化への対応についてご説明します。21ページです。まずチャネル面での対応についてです。直営店舗から通販への誘導は計画どおりに進捗しています。3月下旬から店舗の会員向けアプリのプッシュ通知機能を活かし、50万人のお客さまに通販への誘導を行ないました。4月にはクーポンの配信と送料無料キャンペーンの展開、5月には店舗アプリのEC対応や通販カタログの送付を行ないました。
これらの結果、直営店舗のお客さまで通販を初めてご利用になったお客さまは、前年同期の6.5倍と大幅に増加し、第1四半期の通販の売上も30パーセント増でした。
直営店舗での取り組み
22ページです。直営店舗は今期の出店数に変更はないものの、国内消費やインバウンド需要の回復時期を見据え、出店や改装の時期を見直します。なお、ファンケル銀座スクエアは、5月末に一部フロアで改装プレオープンしましたが、いよいよ今週金曜日にグランドオープンします。
店頭ではお客さまとスタッフの感染予防を徹底するとともに、お買い物を楽しんでいただけるよう各月ごとにキャンペーンを強化します。また、お客さまのニーズの変化に合わせ、巣ごもり需要や運動不足に対応した健康食品コーナーや、マスクによる乾燥や日焼け対策のコーナーを展開しています。さらに、店舗会員向けアプリやSNSを通じて商品、美容や健康に関する情報を定期的に発信しています。
また、新しい販売手法としてライブコマースにもチャレンジしています。7月28日に実施した第2回目のライブコマースは、1万2,600名の多くのお客さまにご覧いただきました。当日はマスク着用時の印象的な目元づくりをテーマに、8月発売の限定メイクをライブショッピング先行で販売しました。本日の20時から「カロリミット」と「パーフェクトスリム」のライブコマースを配信します。資料に掲載しているQRコードからアクセスできますので、ぜひご覧ください。
流通:新たなチャレンジ
流通チャネルです。流通チャネルも新しいことに積極的にチャレンジしています。化粧品は、売り場に合わせた適切な価格と機能性をしっかり兼ね備えた製品を、コンビニやドラッグストア向けのPB、専用品として相次ぎ発売します。今年3月の「ナチュラルローソン スキンケアシリーズ」に続き、秋に大手ドラッグストアなど複数のチェーン向けにPB、専用品を発表する予定です。
また、ネットで購入したいというお客さまのニーズに対応するため、ドラッグストアなどの小売り直営のECサイトでの化粧品販売を開始しており、第1四半期はマツモトキヨシ、コクミン、キリン堂などで取り扱いを開始しました。今期中に20社のチェーンに取り扱いいただく予定です。
サプリメントは、運動不足などで健康への意識が高まっていることから、生活習慣対策の「健康数値サポートシリーズ」を視認性の高い2段目に配置し訴求を強化しているほか、免疫力向上や在宅ワーク、家飲み需要に対応する製品をラインアップした什器を急きょ制作し、7月から定番棚以外での多箇所展開を行なっています。
コロナ対策品の開発
次に製品面での対応についてもご説明します。全事業でコロナ対策品の開発を推進しています。化粧品は政府の「新しい生活様式」で推奨されている洗顔カテゴリーを強化しているほか、新たにクリーンカテゴリーを設け、除菌や肌を清潔に守る製品を開発します。
9月に雑貨事業で発売する除菌スプレーとデザインを統一し、シリーズ展開をしていく計画で、秋から順次5アイテム程度を発売する予定です。また、ファンケルの研究所で開発した「化粧品の機能を持つ、身に着けるだけで肌が潤うマスク」を発売します。
健康食品はダイエットなどの生活習慣対策サプリメントや青汁、発芽米の情報発信を強化していることに加え、7月に熱中症対策のサプリメントを発売したほか、秋以降にはキリンの独自素材を活かしたサプリメント、青汁を発売する計画です。
ファンケル化粧品
次に事業ごとに第1四半期の実績および今後の計画についてご説明します。26ページは化粧品事業です。「The FANCL」は7月から洗顔製品でフェアを展開しており、とくに「ディープクリア 洗顔パウダー」はWeb動画を軸としたプロモーションを行なっています。
今月、創業40周年を記念し作った新発想の美容液「コアエフェクター」を発売します。洗顔後の肌に使用する先行型エイジングケア美容液で、美肌の要となる細胞の再生と加齢で変化した細胞のかたちを改善します。美容雑誌とのタイアップや大規模サンプリングを展開し、新たな美容液ユーザーの獲得を目指します。
「ビューティブーケ」は、2月に発売した育毛剤での新規の獲得が好調です。今後スキンケアとのクロスセルにも取り組みます。
「AND MIRAI」はインバウンドの人気が高いブランドのため、第1四半期は前年を下回りましたが、アイテム別に見ると2月に発売した日焼け止めが好調で、キーアイテム「スキン アップ ジェルクリーム」を超える売上です。今後、外部通販での販売を強化します。
ファンケル化粧品 海外事業
27ページはファンケル化粧品の海外事業です。中国ビジネスの進捗状況をご報告しておきます。これまで中国では、現地の販売代理店がカウンセリングを中心とした店舗販売に注力してきましたが、現在の市場環境を鑑みて早期のEC展開が必要と当社では考えています。スマホアプリなどを活用したEC販売などが考えられますが、引き続き代理店と協議し、良いかたちでEC販売の開始につなげていきたいと考えています。
Attenir/boscia
「アテニア」についてご説明します。「アテニア」はオンラインによる販売とコミュニケーションを強化します。販売面では自社通販に加え外部通販を強化しており、Amazon、LOHACOに続き6月から楽天で販売を開始しました。
コミュニケーション面では、店舗スタッフによるブログや「Instagram」を使った動画コマースにチャレンジしているほか、メイクアップアーティストによるオンラインイベントを開催し、ブランド体験等のお客さまとの双方向のコミュニケーションを実現しています。
越境ECは好調に推移しており「スキンクリア クレンズ オイル」に次ぐ柱として「アイ エクストラ セラム」を強化しています。6月はトップKOLを活用した情報発信などに取り組み、売上の約20パーセントを占めるまでに成長しています。
「ボウシャ」は、新型肺炎の影響により専門店や百貨店が休業に追い込まれ大きな影響を受けましたが、その間をAmazonや自社サイトの「boscia.com」などのECチャネルでカバーし、計画どおりに進捗しています。
今期は新型肺炎後も好調なECやコストコを強化することに加え、今年の秋を目処に米国の大手ドラッグストアの「プレステージ」の化粧品コーナーにも展開する予定です。製品面では、急きょ7月に手の除菌ハンドサニタイザーを発売しましたが、このほかにも、下期にかけてニーズに即応したイノベーティブな製品を相次ぎ投入する計画です。
ダイエット・生活習慣対策サプリの強化
続いて健康食品事業について説明します。30ページです。巣ごもりや在宅ワークにより健康管理へのニーズが高まっていますので、ダイエットサプリや生活習慣対策サプリを強化します。「カロリミット」は7月に、より身近に感じていただけるよう「カロった?」をコミュニケーションのキーワードに、新CMとWeb動画によるプロモーションを展開しています。「糖や脂肪にはカロリミット」という想起を図り、ダイエットカテゴリーのトップブランドとして確固たる地位の維持、拡大を目指します。
8月には機能性表示食品「血圧サポート」をリニューアル新発売します。トリペプチドMKPとGABAの2つの機能成分を複合処方することで、血圧の上昇を効果的に抑えます。価格も競合品に比べ、リーズナブルな設定にしました。健康診断の時期に合わせてマス広告を軸としたプロモーションを展開し、スター製品に育成していくほか「内脂サポート」などの「健康数値サポートシリーズ」全体でPRを行ない、クロスセルを図ります。
中国サプリメント事業
次に中国サプリメント事業についてです。中国向けのサプリメントの越境ECは好調です。6月の現地売上は昨年6月の3.8倍の高実績でした。ECプラットフォームの出店先の拡大に加え、「618」のセールに向けたトップKOLによるライブコマースなどの取り組みが成果を上げ、「618」セール期間中の天猫国際(Tmall Global)の海外健康食品カテゴリーで9位、その中のビタミンミネラルカテゴリーでは1位になりました。
製品面では年代別サプリメントが好調です。主力の20代、30代向けに比べ、コロナ後は40代以降の中高年向けが高い伸びを示しています。また地域面では、沿海部に加え内陸部の需要が高まっており、ユーザー層の裾野が広がっています。
ビタミン、ミネラルの保健食品の販売許認可申請は現在中国政府にて審査中で、計画どおりに進捗しています。今年11月の第3回中国国際輸入博覧会でお披露目した後、ECを中心に展開していく計画です。
シナジー進捗状況
次にキリンホールディングスとのシナジーの進捗状況をご報告します。33ページです。商品開発シナジーでは、10月に初の共同開発商品となるフレーバーウォーター「BASE ピーチ&ザクロ」をキリンビバレッジから、ノンアルコールチューハイ「氷零 カロリミット」をキリンビールから発売します。さらに今年秋に、キリンの独自素材であるプラズマ乳酸菌にファンケル独自の機能を付加したサプリメントと青汁をファンケルブランドで発売する計画です。
チャネル・インフラシナジーでは、通販チャネルの相互送客に積極的に取り組んでいます。第1四半期は、ファンケルではプラズマ乳酸菌を配合したサプリメント「iMUSE」と「野菜と果実のスムージー」、メルシャンの「ワイン」や小岩井乳業のギフトセットなどを販売しました。また、中国越境ECでも「iMUSE」の販売を開始しています。
一方、協和発酵バイオでは6月に青汁を販売、7月から「大人のカロリミット」の取り扱いを始めました。今後も協和発酵バイオのメインユーザー層である中高年のお客さまに向けた商品を順次販売する計画です。
コーポレートガバナンスの強化
ガバナンスと環境の対応について、ポイントのみご説明します。35ページです。昨年8月の資本業務提携により、当社に求められるガバナンス体制も変わってきていることから、より透明性の高いガバナンスに移行しました。独立社外取締役の比率は3分の1以上を維持し、女性の取締役が1名入りました。
また、指名・報酬員会の委員長を、代表取締役社長から独立社外取締役に変更しました。今後もファンケルの創業理念や経営理念、お客さまを第一に考える姿勢を大切にし、独自性をさらに磨くことで企業価値を高めていきます。
環境への取り組み
36ページは環境への取り組みです。当社は環境に配慮した製品の開発を進めており、中でも「マイルドクレンジング オイル」はその販売数の多さから第一に取り組む必要があると考え、2009年からボトルの軽量化に取り組み、今年6月にはつめかえ用を発売しました。これによりプラスチックごみの廃棄量は大幅な削減が実現できます。また、営業面では継続率の向上や原価率の低減に寄与しています。今後も環境に配慮した製品開発に取り組んでいきます。
2020年度は「ALL–FANCL,ONE–FANCL」「思い定め、志高く」をスローガンに取り組んでいます。コロナ禍において世の中は目まぐるしく変化しており、今まさに大転換期です。5年から10年で起こる変化が、一気にこの数ヶ月で起きています。コロナはいずれ収束しますが、今なにもしなければ世の中から置いていかれます。嵐が過ぎ去るのを待つのか、逆境はチャンスと捉え前を向いて受け入れてやっていくのかで、大きな差がつきます。今年は格好よくはできない、ジタバタしながらでも泥臭くやります。
私たちは創業以来40年間、社会課題解決型企業として成長してきました。今世の中には新たな不安や不便がたくさん生じています。その層を見逃さず、解消していかなくてはなりません。今回新たにクリーンカテゴリーの製品を展開しますが、これは企画から発売までわずか3ヶ月で製品化しました。
このような取り組みをもっともっと増やしていきます。ファンケルには強みがたくさんあります。「正直品質」に基づいたブランド、独自性のある研究技術力、製品、通販のインフラやノウハウ、ITシステム、そしてお客さまを思う心、これらの強みを自分たちがしっかり自覚して、前向きに取り組みます。
今期も残り8ヶ月です。まだ先行きは不透明ですが、下期に向け広告費、販促費、人件費など全所的なコストの効率化を実行していきます。今筋肉質にしておけば、需要が回復した時に、今まで以上に高収益体質に生まれ変われます。ただし、闇雲に費用を減らすつもりはありません。来年以降の成長に使わなくてはならない費用は、メリハリをもって使っていきます。
来年はインバウンドが戻ってきて、少し消費も明るくなると思います。山高ければ谷深し、谷深ければ山高しです。しっかり力をつけて、次の飛躍に向け種まきをしていきます。引き続きご支援よろしくお願いいたします。以上でございます。ありがとうございました。