主要指標動向
澤岡直樹氏:シナネンホールディングス株式会社上席執行役員の澤岡でございます。2020年3月期(第86期)決算および2021年3月期(第87期)決算見込みについてご説明します。
まず2020年3月期の通期決算についてです。暖冬傾向の影響による販売数量の減少および原油価格とプロパンCPの下落に伴い、売上高は前年同期比3.1パーセント減少し、2,370億円となりました。一方、営業利益は昨年度のような不適切な会計処理の影響もなく、前年同期比38.5パーセント増加し、24億円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、投資有価証券売却益、事業譲渡益、固定資産売却益等により、特別利益30億円を計上したため、前年同期比88.2パーセント増加し、29億円となりました。これに伴い、ROEも3.4パーセントから6.3パーセントへと改善しました。
当期純利益は大幅に増加したものの、フリーキャッシュフローについては市況の変化に伴う仕入債務の減少が売上債権の減少を上回ったことや、太陽光発電所建設に伴う棚卸資産の増加等の要因により、大幅な減少となりました。
売上高:前年同期比 増減要因
セグメント別の売上高については、BtoC事業、BtoB事業ともに前年同期比で減少しました。一方で、非エネルギー及び海外事業については、自転車事業や建物維持管理事業を中心に前年同期比で増加しました。
営業利益:前年同期比 増減要因
セグメント別の営業利益については、BtoC事業、BtoB事業ともに増益となりました。また、非エネルギー及び海外事業については、赤字幅が縮小しました。なお、セグメント利益調整額は、昨年度の不適切な会計処理に伴う特別調査委員会の費用やシェアオフィス等の新規事業、本社ビル移転に伴うオフィス賃料等により、12億円から9億円へと減少しました。
親会社株主に帰属する当期純利益:前年同期比 増減要因
当期純利益は、昨年度の不適切な会計処理に関する追加の貸倒引当金繰入はあったものの、投資有価証券売却益や三河品川燃料関連の段階取得にかかる差益、事業の選択と集中に伴う保険事業売却益等により、前年同期比88.2パーセントの大幅増益となりました。
キャッシュフロー:前年同期比 増減要因
営業キャッシュフローについては、当期純利益は大幅に増加したものの、市況の変化に伴う仕入債務の減少が売上債権の減少を上回ったことや、太陽光発電所建設に伴う棚卸資産の増加等の要因により、前年同期比46億円の減少となりました。投資キャッシュフローについては、投資有価証券の売却や事業譲渡による収入等により、前年同期比2億円の増加となりました。
貸借対照表:前年同期比 増減要因
貸借対照表については、総資産がわずかに減少しています。ですが、自己資本比率は2019年3月末には51.6パーセントであったものが、2020年3月末には53.1パーセントへ増加しており、引き続き健全なバランスシートを維持しています。
2021年3月期業績予想
次に2021年3月期の業績予想についてご説明します。第二次中経初年度となります2021年3月期は、前期に引き続き原油価格やプロパンCPの下落を見込み、売上高は減少の予定です。また、BtoB事業における韓国の風力発電や新型マイクロ風車事業への先行投資により、営業利益、経常利益、当期純利益ともに減益を見込んでいます。
資産効率を高めるために、事業の選択と集中および遊休資産の活用を行なっていきますが、その損益に与える影響は現時点で予測できないため、業績予想には反映していません。なお、新型コロナウイルスの収束時期を現時点で正確に見通すことが困難なため、上記の業績予想には新型コロナウイルスの影響も反映していません。今後、業績予想の修正が必要となった場合には速やかに開示します。
2020年3月期の営業利益構造:エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)
BtoC事業における営業利益については、LPWA設置にかかる投資、顧客管理システムへの投資等によるコスト増加を見込むものの、LPガス、灯油の新規顧客開拓、営業権の買収やM&Aにより顧客件数を増加させることで、全体として増益を計画しています。とりわけ、LPガス、灯油、電気のセット販売を強化しながら、電気を中心とした顧客を拡大させる計画です。BtoC事業において、LPWAの展開は極めて重要な戦略の1つで、物流コストや保安コストの削減を目指しています。また、水回りリフォーム専門店の展開により、非エネルギー分野の販売も強化していきます。
2020年3月期の営業利益構造:エネルギーソリューション事業(BtoB事業)
BtoB事業における営業利益については、韓国の風力発電事業や新型マイクロ風車事業に対する先行投資による経費の増加、石油・ガス事業の差益低下により減少する見込みです。中長期的には、石油事業におけるBtoBtoCビジネス、すなわちホームセンター等と協業した灯油の宅配や、建設現場等への軽油の直配等により収益を確保するとともに、高単価での販売が期待できる環境にやさしい低CO2電力メニューを拡充し、収益を伸ばす計画です。また、海外の再生可能エネルギー事業のさらなる展開や、新型マイクロ風車事業の早期の商業化にも注力していきます。
2020年3月期の営業利益構造:非エネルギー及び海外事業
非エネルギー及び海外事業の営業利益については、とりわけ建物維持管理事業において、賃金単価の底上げや休日の増加などの労働環境整備に伴う労務コストの上昇は見込まれるものの、自転車関連の既存事業などでの収益力強化と業務効率の向上により黒字化を目指しています。
株主還元
株主還元方針については、安定的な配当を基本としていく点は不変です。引き続き配当性向30パーセント以上を目安としていきます。2020年3月期は1株当たり配当金を75円としました。一時的な特別利益により、1株当たり当期純利益が増えたことや、シェアサイクル事業、韓国の風力発電事業、新型マイクロ風車事業などへの投資が計画されているため、配当性向は27パーセントとなりました。2021年3月期については、1株当たり75円の配当を予想しており、その場合の配当性向は54パーセントとなる見込みです。
第二次中期経営計画スローガン
山﨑正毅氏:シナネンホールディングス代表取締役社長山﨑でございます。本日はよろしくお願いいたします。本来であればみなさまをお招きして開催し、直にお話しをさせていただくべきところではありますが、現在の状況下において残念ながらビデオ開催となりました。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
本日は、先日発表した今年からスタートした3年間の第二次中期経営計画についてご説明します。「Challenging New Worlds with Big Sky–thinking 〜大胆な発想で新しい世界への挑戦〜」というスローガンを立てました。第四次産業革命と言われているほど外部環境が大きく変化しています。そして今回のコロナ禍は、働き方改革を含めて外部環境の変化がさらに加速し、変化への対応を突き付けられています。この変化には既成概念にとらわれていては対応できなくなってきています。
我々は2027年に創業100周年企業として存在するために、既存の概念にとらわれることなく大胆かつ斬新な発想で、社員が自主的に挑戦する世界、人財を含め異なる価値観を尊重する多様性のある世界、収益構造が変革した世界の3つの世界をもった企業への挑戦という意味を込めてこのスローガンを立てました。
1.第一次中期経営計画の振り返り①
本日は、第一次中経の振り返りから当社グループのミッション、バリューに続き、第二次中期経営計画の詳細についてご説明します。第一次中経定量目標と結果はご覧のとおりです。営業利益48億円、ROE6パーセント以上を目標として、石油・ガス事業の利益と非石油・ガス事業の利益比率を8対2から6対4にすることを目指しました。
しかし、残念ながら営業利益の達成と収益構造の改革は達成することができませんでした。営業利益が当初計画を下回った主な要因は、収益構造改革のための新規事業開発投資によりコストが先行したこと、人口減少に伴う人口移動や想定以上の暖冬、および機器の省力化によるエネルギー消費量が続いたこと、また当初計画したプロジェクトが遅延したことに起因しています。ROEについては、投資有価証券の売却益をはじめ、不動産の売却益、保険事業の売却益などの資産の効率化、事業の選択と集中を進めたことによる特別利益の計上で6.3パーセントを達成しました。
1.第一次中期経営計画の振り返り②
第一次中経では6つの施策を実施しました。その取り組みと今後の課題は記載のとおりです。
2.シナネンホールディングスグループのミッション(経営理念)
当社グループのミッション、経営理念は記載のとおりです。「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」という方針に変更はありません。
3.シナネンホールディングスグループのバリュー(価値観)
当社グループのバリューは社是である「信義」「進取」「楽業」です。この変革の時代において、不変的に社員の拠り所となるものであり、大切にしたいと考えています。
4.第二次中期経営計画の概要
次に、第二次中期経営計画についてお話しします。第二次中経は、第三次中経そして2027年4月に迎える創業100周年に向けてのマイルストーンと位置付けています。第一次中経では、総合エネルギーサービス企業グループへの進化として、事業の売却や撤退などの事業の選択と集中を進めたほか、遊休資産、低稼働資産の売却などの資本効率にも着手しました。
第二次中経では、第三次中経での飛躍に向けた経営基盤を整備する期間とし、資本効率改善に向けて既存事業や資産の選抜をさらに進め、M&Aを含む積極的な投資による新規事業の育成と実施を行なうとともに、現在進行している新規事業の確実な収益の貢献を図っていきます。
4.第二次中期経営計画の基本方針
第二次中経は、第三次中経で飛躍にかつ持続的な成長をし続けるための基礎固めとして、以下の3つの定性目標を掲げています。1つ目は資本効率の改善、2つ目は持続的な成長を実現する投資の実行、3つ目は社員の考え方・慣習・行動様式の変革です。
4.定性目標①
1つ目の資本効率の改善についてです。資本効率を高めるために、利益率の向上と資産効率の向上を図っていきます。既存事業のうち、利益率が低い事業については戦略の見直しを行ない、効率化を進め利益率向上を目指していきます。改善が見られない低効率事業は撤退、売却を行ないます。遊休・低稼働資産については、有効活用を進めるか売却を行ない、その資金を資本効率の高い事業に集中させることで、利益率、資本効率の高い事業構造を構築していきます。
4.定性目標②
2つ目の持続的な成長を実現するための投資についてです。既存事業における投資は、収益基盤強化のためのM&A、建物維持管理事業の規模拡大のためのM&Aなど、業界での強固なポジションを固めるための投資を進めます。また、成長のための投資としては、シェアサイクル事業への継続的な投資や海外での再生可能エネルギー事業への事業投資、新型マイクロ風車関連事業への投資などがあります。
コワーキングスペース「seesaw」での新規事業開発も期待されます。事業、業務の高度化、効率化投資としてはタイムリーな経営情報を取得可能な基幹システムや、DXのためのIT投資があります。BtoCの効率化、高度化のためのLPWAなどへの投資も進めます。
4.定性目標③
3つ目の社員の考え方・慣習・行動様式の変革についてです。会社の成長は、従業員の成長なくしては成し得ません。社会の変革期においてはより重要になってきます。社員の意識改革、行動様式の変革が成長への要諦になります。
そこで、風土改革プロジェクトを2020年4月に立ち上げました。このプロジェクトは3つの施策があります。1つ目、風土・体質改善として、個人・組織の意識改革をより強力に進めること、2つ目、当社グループのバリューの1つである楽業を体験するような働き方改革を進めること、3つ目、多様な人財を育成するための研修制度を充実させ、多様性のある登用と適材適所に人財を配置することです。これらを三位一体で推進することで、持続的成長が可能で強固な組織体制を構築します。
4.定量目標
株主の期待収益率に応えるため、第二次中期定量目標の指標をROEとします。第二次中経の最終年度である2022年度には、持続的にROE6パーセント以上を生み出す事業構造を確立し、第三次中経ではそれ以上のROEを稼ぎ出せるような体制、体質にしていくことを目指します。
ROE6パーセントは低すぎるというご批判もあるかもしれませんが、弊社の収益構造の柱となっているBtoBの石油事業粗利益は売上額に連動しない固定額です。石油事業部門の売上は約60パーセントあり、昨年は少し改善されましたが、それでも営業利益は0.8パーセントです。このため、当初に比べ弊社のROEが低くなる要因となっています。ROEの向上を行なうためにも、収益構造の改革が必須です。
4.セグメント戦略①(エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業))
第二次中経の定性、定量目標を達成するために、それぞれの事業セグメントでどのような戦略、施策を行なうのかについてご説明します。まず、エネルギー卸・小売周辺事業の戦略、施策をご説明します。石油・ガス事業では、少子高齢化が加速的に進んでマーケットが縮小し、単位消費量も低減していく中で高いシェアを維持していくことが重要です。そのために同業のガス事業社のM&Aもこれまで以上に積極的に推進し、M&Aに限らず自社への切替も進めます。これらの規模拡大に加え、LPWAなどIoT関連の効率化投資を実施し、高収益体質を確立していきます。
電力事業は「ミライフでんき」を拡販してきましたが、ガスや灯油のお客さまに対してプラス電気というセット販売を推進していきます。また、登録店、取次店制度を活用することで「ミライフでんき」を拡販していきます。
住まいと暮らしの事業では、関東エリアで水回りリフォーム専門店の出店を増やし、顧客の拡大と既存のお客さまへの深耕を進めます。顧客管理システムを活用して、お客さまのニーズに合致したサービスをタイムリーに提供できる仕組みも導入します。また、増加しつつある空き家に対する管理サービスの提供などの不動産関連サービスも拡充し、地域に根ざした多様な事業を展開していきます。
4.セグメント戦略②(エネルギーソリューション事業(BtoB事業))
エネルギーソリューション事業は、シナネン、シナネン石油などが展開しています。石油事業では、各地のホームセンターと連携して灯油の宅配ビジネスを強化していきます。また、工事現場向けの軽油の販売も強化し、利益率向上を目指します。各地にある石油類の卸基地であるオイルスクエアの再整備や新規拠点開発などを進め、販売を強化していきます。
電力・PV・ファシリティ事業では、電力の販売でバランシンググループ化によりお客さまの囲い込みを進めるほか、環境に配慮した低CO2電力をメニュー化しました。
新規事業については後ほどご説明しますが、韓国での大型風力発電事業への参画、風力や水力などの海外の再生可能エネルギー事業への投資や、海外展開も含めた新型マイクロ風車関連事業での積極的な販売を行なっていきます。
4.セグメント戦略③(非エネルギー及び海外事業①)
非エネルギー事業および海外事業です。自転車小売事業の大車輪では、新たな店舗戦略のもと利益率向上を進めていきます。新たなプライベートブランド自転車の開発も進め、お客さまにとって魅力ある商品を提供していきます。
シェアサイクル事業では、ステーションの設置において利用頻度の高いターゲットエリアを設定し、そこでの運営の効率化を進めていきます。自治体やコンビニ、不動産会社、鉄道会社などの企業と連携し、お客さまにより利便性の高いサービスを提供していきます。
環境リサイクル事業では、千葉市と埼玉県白岡市にある木くずリサイクルセンターの安定的な稼働と効率化で収益を確保します。リサイクルセンターで処理された木質チップは、バイオマス発電用燃料として使用されていますが、新たなバイオマス燃料との新規ビジネスについても現在開発を行なっています。
4.セグメント戦略③(非エネルギー及び海外事業②)
システム事業では、安定収益確保のための既存事業の品質改善に加え、ネットワーク分野での新規事業の開発を進めていきます。抗菌事業では、コロナ対応の追い風に乗って抗菌剤の製造能力の拡大を図るとともに、鉛吸着剤の開発推進を行ない、すべての分野における営業体制の再構築と国内外における販売を拡大していきます。
建物維持管理事業では、関東エリアを中心にM&A等で事業規模の拡大を目指すほか、集合住宅向けの総合的ソリューションを提供していきます。また設備の施工、管理、保守の事業領域を拡大し、建物セグメントとして統合し成長させていきます。このほか、空調管理事業を展開するシナネンファシリティーズでは新しい委託業者の獲得を行なっており、新たに全館空調の施工、メンテナンス領域の拡大を行なっています。
5.注目事業①
ここからは第二中経における注目事業をご紹介します。水回りリフォーム専門事業は、BtoC事業のミライフが展開する事業になります。この事業は、非エネルギー分野の収益力強化を目的に、リフォーム事業を拡大させることでスタートさせました。現在、相模原市と越谷市の2ヶ所に出店し、2020年度には新たに3店舗の出店を計画しています。将来的にはエネルギー店舗との複合店を関東エリアで20店舗まで増やし、リフォーム事業で40億円の売上を目指します。さらにはフランチャイズ展開も視野に入れています。
5.注目事業②
次に紹介するのはBtoB事業のシナネンが参画した韓国大型風力発電事業です。90メガワットクラスの大型陸上風力発電事業で、2020年に着工し、2021年度下期に商業運転を開始しました。大規模発電事業者に対して、長期固定価格で販売する再生可能エネルギー事業です。本事業は、当社グループで初の海外再生可能エネルギー事業であり、当社グループが目指すグローバルエネルギーサービス企業グループへの挑戦に大きな役割を果たすことになります。本事業を橋掛けに、海外における再生可能エネルギー事業をSDGs投資の1つとしてさらに拡大していきます。
5.注目事業③
BtoB事業のシナネンが中心となって展開する新型マイクロ風車関連事業です。発電効率、静音性、安全性において画期的に優れた技術であり、展示会においても大きな注目を浴びました。今年2月にSinagy Revoを設立し、新型マイクロ風車の開発・設計・製造・販売・保守・メンテナンス事業を展開しています。新型マイクロ風車による発電だけにとどまらず、防犯カメラ、Wi-Fiなどの通信設備を搭載することによって多目的使用が行なわれ、BCP対策にも応えていきます。すでに海外の複数企業から引き合いを受けており、2021年度中の本格的な販売を計画しています。引き続き地方自治体、病院、不動産会社などにも提案を行なっていきます。海外のニーズも高いと予想され、グローバルな展開も視野に入れています。
5.注目事業④
注目事業の4つ目は、シナネンモビリティプラスのシェアサイクル事業になります。ソフトバンクのグループ会社が提供するシステムを利用し、「ダイチャリ」ブランドで電動アシスト自転車のシェアリングサービスを提供しています。ラストワンマイルの交通手段として東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を中心に利用されています。
現在コンビニエンスストア3社、地方自治体や主要駅を中心にステーションを設置して、2020年3月末現在でステーション数は1,200ヶ所となり、6,000台を超える電動アシスト自転車を有する業界トップクラスのシェアサイクル事業にまで成長しています。新型コロナウイルスによる緊急事態体制により急激に認知度が増し、日々登録者数が増えています。今後、MaaSにおいて短距離モビリティとして他の交通機関と連携した成長が見込まれています。
5.注目事業⑤
注目の5つ目はシェアオフィス事業です。浜松町の旧本社ビルを活用して、新規ビジネス創出を目的としたシェアオフィス「seesaw」をオープンしました。スタートアップ企業の支援や当社の新規事業の創出に挑戦していきます。「seesaw」では、新規事業コンテストやビジネスマッチング等のイベント開催も構想しており、当社グループのイノベーションの発信基地となることを期待しています。また現在ここを拠点に、新規ビジネスの実証実験も行なっています。
6.サステナビリティ①
当社グループはESG、SDGsで積極的に対応していきます。まずESGについてご説明します。環境への対応については、グループ会社で多数の太陽光発電所を保有し、低CO2の電気の販売を開始するなど、脱炭素社会への対応を進めています。また、木質系の廃材を利用したバイオマス燃料の製造や販売のほか、シェアサイクル事業ではラストワンマイルの交通機関として環境と健康に良いサービスを提供しています。
社会については、2007年の開始以来、13回にわたり「『いつもありがとう』作文コンクール」を主催してきました。今年も第14回の「『いつもありがとう』作文コンクール」の応募を開始しています。昨年は約3万9,000通の応募がありました。このほか、「ミライフ西日本少年サッカー大会」の開催や、タカラビルメンの掃除ウォーキングなど、社会活動に取り組んでいます。
ガバナンスについては、内部監査機能を強化するためにグループの内部監査機能を集約し、内部監査のメンバーを増やしたほか、専門外部人材を積極的に登用し、質と量ともに内部監査の高度化を進めました。
6.サステナビリティ②
当社グループでは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。主な活動内容と対応するSDGs項目を記載しましたのでご参照ください。
7.株主還元・配当方針
第二次中期経営計画における当社の株主還元の方針についてご説明します。当社は株主のみなさまに対する利益還元を経営の最重要施策として位置付け、株主還元は配当を基本として連結配当性向30パーセント以上を目安に安定的な配当を実施していきます。この基本方針のもと、足下の不安定な経済不況に対応するため、財務基盤の安定と不測事態に対応する資金能力の確保を最優先するとともに、事業領域拡大に向けた投資を積極的に実施していきます。そして、状況に応じて株主さまへの追加還元を検討していきます。ご清聴ありがとうございました。