環境・課題認識

永田光宏氏(以下、永田):T&Dホールディングスの永田でございます。本日はお忙しいところ、電話会議にご参加いただきありがとうございます。第2四半期決算の説明に先立ちまして、まずは2019年4月にスタートした中期経営計画について、改めて簡単に共有したいと思いますので、28ページをご覧ください。

今般、中計策定にあたっては、上段のとおり、環境課題認識を整理した上で取り組むべき3つの重点課題を挙げています。

うち、成長戦略として、コアビジネスの強化及び事業ポートフォリオの多様化を設定しております。

全体像

次のページにお進みください。29ページは中計の全体像のまとめですが、説明は省略します。

戦略マップ

次のページをご覧ください。30ページにつきましては、戦略マップをまとめています。イメージで見ていただくとわかるように、まず左下のコアビジネスの強化、そして事業ポートフォリオの多様化の両輪で、企業価値を着実に増大させていくという中計です。

主要経営目標

31ページにお進みください。ここに主要経営目標を掲載しています。

前中計まではコアの保険事業を堅調に伸ばしてきましたが、昨今の低金利環境の長期化などを背景に、財務会計利益の短期的な拡大は見通しづらい状況という前提のなかで、今期は減収減益の予想としておりました。

なお、今期は減益スタートの見通しとしていますが、中計の各戦略を通じ、契約業績及び当期純利益は今期をボトムとして中計期間での純利益1,000億円を目指しているところです。

事業ポートフォリオ多様化の目的

次のページをご覧ください。事業ポートフォリオの多様化のところについてまとめたものが32ページです。生保事業と親和性の高い事業領域への投資機会を厳選しながら展開していくということを中計としています。これらの貢献により、グループ連結利益の着実な増加に繋げていきたいと思っているところでございます。

事業ポートフォリオ多様化に向けた体制整備

33ページにお進みください。すでに発表しておりますが、事業ポートフォリオの多様化を着実に推進するため、戦略子会社としてT&Dユナイテッドキャピタルを設立し、本年7月に開業しております。グループ経営資源を集約することで、グループ一体となった効果的な効率的な組織体制を構築していきます。

なお、事業ポートフォリオの多様化を含めた中計戦略の具体的な取り組みにつきましては、11月26日火曜日に予定しているIR説明会で説明したいと思っております。

決算のポイント

それでは、第2四半期決算についてご説明したいと思いますので、3ページにお戻りください。3ページでポイントを記載しています。

まず経常利益・中間純利益は、通期業績予想に沿った進捗となっています。新契約業績は、太陽生命・大同生命ともに前年同期を下回りました。減少要因は後ほどご説明しますが、これはおおむね年度見通しに沿った進捗になっています。

新契約価値は、国内金利低下の影響等により、年度見通しに対してやや低めの進捗となりました。Group MCEVは、国内金利が低下したものの、新契約価値の積み上げや、評価差損益・含み損益の増加によりまして、前期末からは増加しています。

今期のトピックスとして、先ほど述べたとおり、T&Dユナイテッドキャピタルを設立しております。また、9月にはアセットマネジメント分野として、ティケオー・キャピタルと資本・業務提携を行っているところでございます。

連結主要収支①

次のページをご覧ください。このページには、連結の主要収益の状況を載せています。

各指標とも、通期業績予想に沿った実績値になっていることが見て取れると思います。

連結主要収支②

生保3社の主要数値の状況につきましては、次の5ページに掲載しているため、後ほどご覧ください。

連結損益計算書(要約)

それでは6ページにお進みください。連結損益計算書を記載しています。

経常利益は677億円となり、前年同期から175億円の減益となりました。これはおもに有価証券売却損益の減少によるものです。

次に中間純利益でございますが、362億円となり、92億円の減益となりました。なお、価格変動準備金の超過繰入は、今期は実施しておりません。

連結貸借対照表(要約)

このページで連結の貸借対照表を記載しておりますので、また後ほどご覧いただければと思います。

基礎利益・順ざや

それでは、8ページで起訴利益について説明したいと思いますので、8ページをご覧ください。

基礎利益は855億円となり、前年同期から32億円増加しました。そのうち順ざや額は341億円で、28億円の増加です。これはおもに利息及び配当金等収入が増加したこと、及び予定利息負担が減少したことによります。

スライド右側に太陽生命・大同生命の基礎利益の増減要因について記載しています。太陽生命では、順ざやは増加したものの、2年にわたる団体保険の料率改定の影響により保険料収入の減少等があって、前年同期から13億円減少しました。

大同生命につきましては、新契約高の減少に伴う標準責任準備金負担の減少を主因に前年同期から63億円増加しています。

MCEV計算結果

次のページをご覧ください。このページはEVについてのものです。

Group MCEVは、国内金利は低下したものの、新契約価値の積み上げや評価差損益・含み損益の増加などによりまして、前期末より470億円増加して2兆6,521億円となりました。

そのうち新契約価値は541億円です。年度見通しの1,350億円に対しては、約40パーセントの進捗となっています。これはおもに国内金利の低下によるものです。

ROEV・CoreROEVは、年換算前でそれぞれ2.8パーセントと2.4パーセントとなっています。また、新契約マージンは8パーセントです。

EV変動要因

10ページは、EVの変動要因について記載しているものです。

変動要因の一番右の経済変動及び経済的前提変更の影響につきましては、国内の金利低下などの影響によりまして、マイナス814億円と、大きな減少要因となっています。

一方で、新契約価値等を着実に積み上げた結果、全体で前年度末からは増加しています。

ESRの状況

続きまして、ESRの状況につきまして説明します。11ページをご覧ください。

2019年9月末のESRは前期末から32ポイント、また、前四半期末からは4ポイント上昇し、191パーセントとなりました。上昇はおもに新契約・保有契約の積み上げに加え、評価差損益・含み損益が増加したことによります。

健全性指標

ソルベンシー・マージン比率・実質純資産につきましては、12ページに記載しています。

中計(2019-2021年度)のマーケティング戦略|太陽生命

13ページをご覧ください。このページ以降は、中核生保3社が中期経営計画で注力している各社の契約業績指標及びEVの状況についてです。13ページは太陽生命の中期経営計画におけるマーケティング戦略を記載しております。説明は割愛いたします。

契約業績|太陽生命

14ページをご覧ください。まず太陽生命の契約業績は、表のとおりでございます。第2四半期の保障性新契約年換算保険料は77億円となり、前年同期から7.3パーセント減少しております。

これは、2018年4月の就業不能収入保障保険(働けなくなった時の保険Ⅰ型)の商品改定による販売増が一巡したため若干減少していますが、おおむね当初の想定どおりの進捗状況でございます。

なお、11月1日に入院一時金保険の改定商品を販売しておりまして、今後も新契約の開発や商品改定及び新規のサービス等を継続的に実施することによって着実に伸びてくる予定でございます。

中計(2019-2021年度)のマーケティング戦略|大同生命

続いて大同生命について説明いたします。15ページです。

まず、このページは大同生命の中期経営計画におけるマーケティング戦略を記載しているものです。

なお、吹き出しに書いておりますが、前回の電話会議でご報告したとおり、2月以降販売停止していた主力の「Lタイプ」等の後継商品として、7月11日に新商品「Lタイプα」等を発売しています。発売以降、順調に進捗している状況です。

契約業績|大同生命

次のページへお進みください。16ページです。大同生命の契約業績を載せています。

新契約高は、7月上旬までの解約返戻金のある定期保険等の販売停止の影響により、前年同期からは54.5パーセント減少して、1兆8,416億円となりました。なお、先ほどの「Lタイプα」等の順調な進捗に加え、更新型の個人定期保険「Rタイプ」、もしくは終身介護保障保険の「介護リリーフα」を4月1日に発売し、これの堅調な販売により、全体として計画どおりの進捗になっている状況です。

解約失効率は6.27パーセントと、前年同期から2.05ポイント低下しています。保有契約高は、先ほどの新契約高の減少もあり、前年同期からは798億円減少して47兆662億円となっています。

中計(2019-2021年度)のマーケティング戦略|T&Dフィナンシャル生命

続いてT&Dフィナンシャル生命について説明します。17ページをご覧ください。

これもT&Dフィナンシャル生命のマーケティング戦略ですが、吹き出しに載せたとおり、主力の外貨連動型一時払終身保険である「生涯プレミアムワールド」をリニューアルし、7月1日に発売しました。

契約実績は大変好調で、T&Dフィナンシャル生命の目標である販売シェアの拡大、保有契約の拡大等に大きく貢献しています。

契約業績|T&Dフィナンシャル生命

次のページにお進みください。T&Dフィナンシャル生命の新契約年換算保険料につきましては115億円となり、前年同期から54億円、プラス89パーセントの増加となりました。第1四半期では対前年同期マイナス8億円でしたが、「生涯プレミアムワールド5」の販売好調によってこのような状況になっています。

補足|T&Dフィナンシャル生命

次のページをご覧ください。19ページは、補足として「生涯プレミアムワールド5」について説明したものでございます。説明は割愛いたしますが、グラフをご覧いただくとおり、第2四半期以降新契約年換算保険料が大きく進展しているのが見て取れると思います。

各社別MCEV

次のページをご覧ください。20ページは、生命保険3社のMCEV及び新契約価値でございます。

太陽生命と大同生命の新契約価値はそれぞれ243億円、326億円となりました。MCEVは両社とも前期末から増加しています。

T&Dフィナンシャル生命の新契約価値につきましては、マイナス28億円となっています。これは、利率を浮揚するために米国社債を組み入れている「生涯プレミアムワールド」が販売好調なため、新契約EVとしてはマイナスが出ています。

当該商品の収益性につきましては、リスクフリーレートを使用するこのMCEVベースの新契約価値にはスプレッドは反映されず、今後、経過に応じて超過収益としてEVの増加に貢献していくものでございます。

T&Dフィナンシャル生命におきましては、保有契約の拡大を通じた事業費効率の改善を経営目標に掲げており、現在はこの「生涯プレミアムワールド」の拡販に注力しているところです。

資産運用状況

続いて21ページにお進みください。21ページは太陽生命及び大同生命の資産運用状況でございます。太陽生命も大同生命も、従前と同じような運用スタイルです。

一般勘定資産の差損益

23ページへお進みください。23ページには、一般勘定資産の差損益を記載しています。3社合算の差損益は、内外金利が低下したこと等により、前期末から1,912億円増加の1兆4,557億円となりました。

株主還元等

次のページへお進みください。24ページは、株主還元等についてまとめたものです。

今期の年間配当予想は、5月に公表したとおり、前期より2円増配の1株当たり44円のままでございます。なお、1株当たり22円、総額132億円の中間配当を実施することを本日発表しています。

また、自己株式が積み上がっていることを踏まえ、11月29日に2,200万株の自己株式の償却を実施する予定です。これにつきましても、本日発表しているところでございます。

2020年3月期 通期業績予想

25ページをご覧ください。25ページは、グループ連結の通期業績予想及び第2四半期の進捗状況でございます。おおむね計画に沿った進捗になっていることが見て取れると思います。なお、通期業績予想の数値は、5月に開示したものからの変更はありません。

(参考) 2020年3月期 通期業績見通し|生保3社

次のページをご覧ください。26ページは、参考として生保3社の通期業績見通しと進捗状況を掲載しています。内容はまた後ほど見ていただければと思います。

最後となりますが、改めてポイントを復唱します。7月上旬までの大同生命の一部商品販売停止を主因に、新契約業績は前年同期から減少していますが、これは当初から想定していたもので、おおむね年間見通しに沿った進捗となっています。

また、経常利益・中間純利益につきましても、おおむね業績予想に沿った進捗となっています。新契約価値は、金利低下の影響等により、年度見通しに対しては低めの進捗になっている状況でございます。今後も中期経営計画の戦略のもと、企業価値の安定的・持続的な増大を実現してまいります。

以上をもちまして、第2四半期決算の説明を終わりたいと思います。ありがとうございます。