2019年第2四半期決算説明会
八嶋大輔氏(以下、八嶋):みなさま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。船場の八嶋でございます。どうぞよろしくお願いします。それでは、私から2019年12月期第2四半期の決算説明をさせていただきたいと思います。
まずは、企業概要及び事業概況を私から説明します。そののち、上半期の状況及び通期の業績見通しを曽我から説明します。
企業概要
まずは、企業概要と事業概況になります。船場は、創業が1947年で、大阪のアパレル問屋が集まる船場で創業しました。船場の地で、全国から集まる洋品店さまに、お店で使う什器やショーケースなどを販売したのが始まりだと聞いています。
設立は1962年ですが、前年の1961年に、私どもの当時の社長がイオングループの岡田会長と一緒に、初めて米国にショッピングセンターの視察に行っています。それを契機として、その後、日本の大手流通グループが作る商業施設及びインテリアの企画、設計、監理並びに施工を行ってまいりました。
企業理念
私どもの企業理念は、「サクセスパートナー」でございます。
船場が目指す「サクセスパートナー」とは
商環境の創造を通じて、社会の繁栄に貢献する。ここで、「商環境」についてお話しします。商業施設を中心に発展してきましたので、商環境という言葉を社内で使ってきたわけですが、昨今では、この商環境というのは、人を「飽きさせない」つまり「商い(アキナイ)」環境の創造であると考えています。
商環境が意味するところは、人を飽きさせないような環境を作っていくということです。
業務領域
私どもは、商業施設の調査・分析から企画といったバリューチェーンにずっと携わってきました。構想力、設計力、そして最後にお店をきちんと作ってお客さまに引き渡す力といった部分が、私どものコンピテンスです。
事業領域
商環境創造力を発揮する領域として、そもそもは濃いグリーンのなか、いわゆる商業施設で展開してきたわけですが、昨今では、例えば学校、クリニックなどの医療機関、そしてとくに今期増えているのが、銀行や会社のオフィスのデザインです。
今後、もっとデザインが求められるようになってくる分野で、私たちが商業施設で培った商環境創造力を大いに発揮していくという方針です。
展開拠点
もう1つ、私どもの強みとして、アジア圏にネットワークを広げています。(スライドの)一番下に書いていますが、1984年に香港に現地法人を設立したのが最初になります。先日(8月19日)お亡くなりになりましたヤオハンの和田元会長に「ぜひ(海外に)出てこい」と言われて、当時の社長が事務所を香港に作ったと聞いております。
現在は、台湾、上海、シンガポール、そしてベトナムのハノイとホーチミンに拠点を置いています。そして今年の春にはマレーシアのクアラルンプールに事務所を設立して、今のところ6ヶ国7拠点でアジアのネットワークを作り、海外のビジネスを展開している状況です。
中期経営計画(2019年~2021年)
こちら(のスライドの内容)が昨年策定しました、今期からスタートしている3ヶ年の中期経営計画です。
「Brand-new SEMBA」というスローガンのもと、注力分野に対する深耕と新たな事業創造への挑戦に取り組んでいます。商業、とくに物販店はネット通販等々の影響を受け、非常に厳しい状況にあります。その状況のなかでも食関連は強いだろうと考え、健康を意識した食も含め「Food&Wellness」という分野を深耕しています。
続いて「Culture」。昨今、本屋さんのしつらえがかなり変わってきたとお気付きの方も多いと思います。本屋さん、あるいは図書館や学校といったところで、かなりデザインが求められるようになってきています。そこで私たちのケイパビリティを発揮してまいります。
「PPP」は、今はおもに全国の公園の活性化について相談をいただいています。例えば公園の景色のいいところにカフェを作るといった動きも出てきており、私どもがプランニングを含めてお手伝いをしています。
そして、働き方改革の一環でもあるのですが、各社が「Work Space」を(重視するようになり)、オフィスのしつらえをずいぶん変えてきています。生産性を追求するだけではなく、創造性、クリエイティビティを発揮してもらうために、社員がより過ごしやすい、あるいはコミュニケーションをとりやすいスペースなどのデザインをかなりお手伝いしている状況です。
5つ目が「Global」戦略で、当社の成長エンジンとして海外戦略を拡大していきたいと考えています。
一方で、このような仕事を進めていくためのコストは上がってきているのですが、一つひとつの仕事を厳密に精査しながら生産性を向上していきたいと思っています。そして、最終的に収益構造をきちっと改革していくのが、この3ヶ年の中計の骨子です。
第2四半期の事業概況
第2四半期の事業概況を説明します。第2四半期は、残念ながら前年同期比で収益減となっています。売上高は134億1,000万円、営業利益は5億1,000万円、そして当期純利益は3億7,000万円にとどまっており、いずれも前年を若干下回る結果となっています。
一方で、海外のビジネスは非常に好調で、売上比率が11パーセント程度まで上昇しています。また海外の取扱は、前年同期の2倍以上に増えています。
第2四半期の事業概要(市場環境)
国内のビジネスが苦戦した一番大きな理由は、国内のショッピングセンターの新規開業数が、前年から私どもの想定よりもかなり少なくなってしまったことです。
ご覧のスライドのように、2014年から2017年までは年間50施設の新しいショッピングセンターがオープンしていたのですが、昨年は40施設を割り、今期、とくに上期に至っては13施設しかオープンしませんでした。
私どもも、商業施設が少なくなっていくことは予測していましたが、私どもの想定を超えて、ここまでブレーキがかかっているのが現在の日本のマーケットの状況です。
第2四半期の事業概要①
このように、ショッピングセンターの開発減少、一つひとつの施設への投資抑制、そしてトータルのパイが減ったことによる競合激化によって、国内のビジネスで非常に苦戦しました。
一方で、都市部は地方も含めて開発が多く、参画した案件もありました。また、先ほど説明した注力分野の仕事が増加し、減少分を補いはじめている状況です。
第2四半期の事業概要②
具体的には、沖縄のサンエーさまが浦添西海岸に「PARCO CITY」という、約6万平米の大きな商業施設をオープンしました。私どもはこの企画段階からデザイン、そしてテナントさまのお店の施工まで大きくお手伝いさせていただきました。
また、(神奈川県の)藤沢駅前の小田急百貨店が改装しまして、「ODAKYU 湘南 GATE」という名前で再オープンしていますが、この仕事を企画からお手伝いさせていただきました。
(スライドの)下に記載しているのが先ほど説明した注力分野で、後ほど具体的な例を紹介させていただきたいと思います。
実績紹介①
まずは、海外(のプロジェクト)です。このスライドはシンガポールのチャンギ国際空港の隣接施設で、今年4月に大型のドームのような商業施設「Jewel」がオープンしました。
大型ドームの真ん中をくり抜いて、そこに人工の滝が常時ダイナミックに流れており、新しいシンガポールのランドマークになっています。この「Jewel」のなかにJRさまが出店し一緒にお店を作らせていただきました。
このお店では日本の商品を販売するほか、物販の横にはレストランがあって、人工の滝を見ながら食事ができます。みなさまもぜひ、シンガポールに行かれたときはお立ち寄りいただきたいと思います。
実績紹介②
こちらは教育機関です。角川ドワンゴ学園さまが展開している「N高等学校」は、今や日本で生徒数が最大の高校になっているようですが、このスライドの写真は新宿に作られた「N中等部」です。この学校のデザインや施工等を手掛けさせていただきました。
新しい教育の方法、新しい学校の在り方を、角川ドワンゴ学園さまと一緒に考えています。
実績紹介③
こちらは、渋谷にあるIT企業「VOYAGE GROUP」の新しいオフィスです。非常に創意工夫にあふれた大人の遊び場と言いますか、とてもおもしろいオフィスです。
いろいろなところに工夫が凝らされており、社員の方たちの想像力の豊かさが感じ取れるオフィスになっていますが、このような最先端のクリエイティブなオフィスをIT企業さまと一緒に企画、デザインすることも、私どもの仕事の1つになってきています。
実績紹介④
こちらの写真は、仙台駅に隣接するエスパル仙台の「エキチカキッチン」です。かなり猥雑な状況になっていたところなのですが、あらためてデザインした結果、非常に買い物がしやすく、過ごしやすい空間になったと好評をいただいています。
実績紹介⑤
最後の写真が京都の南座で、新開場を記念してイベントを開いたときのものになります。南座のように非常に伝統ある場所で、今、流行しているデジタルアーツを用いて、最先端の技術を使った映像を流しています。
このような伝統と未来が融合するイベントにも、制作協力でお手伝いをさせていただいている次第です。
今後の取り組み
今後の取り組みと事業の見通しです。先ほどご覧いただいたように、日本国内においては、商業施設だけに頼っていては今後の成長戦略が描けないこともあり、注力分野により積極的に取り組んでいかなければいけないということをあらためて感じているところです。
それも踏まえ、10月1日付で当社の執行体制を大きく変えた新たな人事を、8月7日に発表させていただきました。7名を新たに執行役員として昇格させ、中期経営計画を遂行していきます。
この新任の7名は、昨年に私と一緒に中期経営計画を作ったメンバーです。新しい経営体制で、しっかりと中期経営計画にコミットしていく所存です。
今後の事業見通し(受注推進案件)
具体名は記載していませんが、今後、向こう半年ぐらいのパイプラインになります。海外だけを紹介します。
まずはシンガポールにて、日系企業さまとコワーキングスペースを作っています。海外でも働き方改革と言いますか、サテライトオフィスやコワーキングオフィスのニーズがかなり高まっており、クライアントさまと一緒に取り組んでいます。
そして、シンガポールの中心に立地する百貨店のお手伝いもしているところです。
またベトナムのショッピングセンターについてですが、日系企業さまがショッピングセンターを作られていますので、そのお手伝いをしています。そして南のホーチミンでは、台湾系のデベロッパーさまのショッピングセンターづくりに携わっています。
中国でも百貨店の改装のお仕事をさせていただいています。また日系企業さまのエンターテイメント施設づくりのお手伝いもしています。
そして台湾のショッピングセンターについてですが、三井不動産さまがいよいよ台北の郊外に「ららぽーと」を開かれるということで、私どもは最初の企画からデザイン・設計に至るまでお手伝いをさせていただいている状況です。
以上、海外だけですが、今後のパイプライン、事業・受注の見通しを説明させていただきました。引き続き、第2四半期決算の状況と通期の業績見通しを、曽我から説明します。
当期連結決算の状況(連結損益計算書)
曽我勝一氏(以下、曽我):みなさま、こんにちは。株式会社船場の財務経理担当、執行役員の曽我です。どうぞよろしくお願いいたします。私から、第2四半期の決算の状況、および、通期の業績見通しについて説明します。
まずは第2四半期の決算の状況についてです。売上高は134億1,800万円、営業利益は5億1,900万円、当期利益は3億7,200万円で、減収減益という結果になりました。
先ほど社長の八嶋が申し上げましたように、ショッピングセンター、大型商業施設の新規出店数の減少や、当社の主要なお客さまの投資抑制、さらには競争環境の激化が主な要因です。
当期連結決算の状況(売上高:地域別)
ただし、このような状況下においても海外は伸びています。スライドのグラフにありますように、海外の売上は昨年度同時期の7億3,300万円に対して、今期は14億7,000万円となり、ほぼ倍増しています。
当期連結決算の状況(売上高:連結海外子会社)
とくに大きな伸びを示しているのが、大型プロジェクトを受注したシンガポールと上海です。
当期連結決算の状況(販管費)
また、当社はこのような厳しい経営環境の下、働き方改革を推進し、経費削減に努めました。その結果、販管費が昨年度の15億8,100万円から14億6,800万円となり、売上高販管費率で見ると、11.3パーセントから10.9パーセントに削減することができました。
当期連結決算の状況(法人税等)
法人税についても、昨年度の2億5,400万円から1億7,600万円となり、実効税率で見ると、38.5パーセントから32.1パーセントに低下させることができました。これは、株主のみなさまへの還元を実行することで留保金課税を回避したことによるものです。
当期連結決算の状況(連結貸借対照表)①
財政状態についてご説明します。この第2四半期末は、資産が181億8,000万円、負債が85億5,500万円、純資産が96億2,500万円という結果になりました。
当期連結決算の状況(連結貸借対照表)②
当社では、流動比率、当座比率のいずれも、ほぼ200パーセント台を維持しています。また自己資本比率についても50パーセント超を継続して維持しており、いわば健全経営を維持している状況です。
当期連結決算の状況(連結キャッシュフロー)
第2四半期のキャッシュフローについては、営業キャッシュフローがマイナス2億6,000万円、投資キャッシュフローがプラス5億1,400万円、財務キャッシュフローがマイナス3億9,400万円となっています。
営業キャッシュフローがマイナス2億6,000万円となっている理由についてです。社長の八嶋から紹介のあった沖縄のサンエー浦添西海岸案件(の開業)が6月末だったため、この上半期に当社が一時的に運転資金を負担していることによるものです。
また投資キャッシュフローがプラス5億1,400万円となっている主な要因は、昨年度に余資運用の一環で取得した投資有価証券6億円の償還によるものです。財務キャッシュフローがマイナス3億9,400万円となっている理由は、株主のみなさまへの配当還元によるものです。
通期の見通し
通期の業績見通しを説明します。国内はなかなか厳しい状況ですが、海外、そして新規の注力分野の伸びを勘案し、通期は売上高280億円、営業利益10億円、経常利益10億5,000万円、当期利益7億5,000万円を見込んでいます。
配当計画
配当についてです。当社では、株主のみなさまへの還元は非常に重要な施策だと捉えていますので、先日報告しました配当計画から変更はございません。説明は以上となります。
質疑応答:商業施設関連事業と今後の注力分野のバランスについて
質問者1:商環境の考え方、ビジネスの概要を理解させていただきました。
先ほど社長が、商業の周辺のところ……学校、医療、オフィス等々にこれから注力するとのことでしたが、売上に占める比率がかなり高い商業の分野を少しずつ下げていくのでしょうか? それとも商業はキープしつつ、そこにその他の周辺ビジネスを乗せていくのでしょうか?
八嶋:商業の分野は、当社が長年培ってきましたコアコンピタンスですので、極力維持したいと考えていますし、(そうなるように)取り組んでいます。
顧客も、日本を代表するようなお客さまばかりですので、しっかりとお手伝いをしていきたいと思っています。さはさりながら、先ほど見ましたように、私どもの想定を超えて、お店が作られなくなってきている状況もあります。
中計で注力する商業以外の新しい部分で、当社が持っている力が発揮できる仕事をより加速して、業績をキャッチアップしていくと言いますか、コミットした計画をきちっと達成していきたいと考えています。
質疑応答:業務領域における運営支援の位置付けについて
質問者1:2点目です。会社全体のプロフィールのなかに、調査・分析からのバリューがあり、最後に施工、監理、引き渡しとなりますが、運営支援あるいは開業支援といったオープニングから先の業務、とくに運営のところが、今までの御社の沿革からすると新規の分野になるのでしょうか?
従来の調査・分析、デザイン、施工といった流れにプラスアルファで、そのような(運営支援などの)ところを、大きな1つの核、戦略にしているという理解でよろしいでしょうか?
八嶋:商業施設の内装の仕事とは、オープンまでがその役割になります。開業の日を迎えて、施主の方にお店を引き渡してしまうと、そこで1回関係が途切れてしまいます。
商業施設では早いところで3年、長いところでも6~7年で契約更新となり、また改装されたり新たなテナントさまが入られたりします。そのときに再度お呼びがかかることが多いのですが、私どもとしては、インターバルの間もお客さまときちっと関係を維持したいと考えています。ただし、それでお金を儲けるといったことではありません。
例えば、イベントのお手伝いをしたり、販売のプロモーションをしたり、プロパティマネジメントやファシリティマネジメントといった付帯機能を提供したりと、関連会社や当社がよく知っているお取引先さまにお願いをして、いろいろなコミュニケーションを続けているという意味です。
質問者1:収益や売上を追求するよりも、関係を作らなければいけないということですので、その意味では、売上や利益の視点ではないということでしょうか? やや投資的な側面という理解をしておいたほうがいいでしょうか?
八嶋:私どものコアビジネスではないとは思っています。これは非常に薄利で儲かりにくいビジネスで、本気で事業にしていこうと思うと、相当の規模感で取り組まなければいけないのですが、私どもの会社のサイズからすると、そこは当社のコアビジネスではないと考えています。
質疑応答:今後の海外事業の展開について
質問者1:3点目です。上期の海外での売上が全体比率で11パーセントくらいでした。おそらく中計の開示のなかにあったかもしれないのですが、将来、あるいは3年、5年、10年のスパンで、20億、30億が当然視野に入ってくるという理解でよいか、慎重に進めていくのかについて、考え方をお聞かせください。
八嶋:中計では、40数億円という数字を出していますが、これも世界経済の情勢次第です。私としては、場合によっては5年くらいのタームのなかで、さらに大きなところを目指していきたいと思っています。
鍵となるのは人材です。今は連結で630名の(従業員がいますが、そのうちの)110名が、先ほどご紹介しました海外現地法人にいます。
数十億円の単位でビジネスを作っていこうとすると、人数を倍くらいに増やしていかなければいけませんし、人材育成もしていかなければならないということで、そこが追いつくかどうかが一番の鍵かなと思っています。
質疑応答:商業施設の新規開業数の下振れについて
質問者2:ショッピングセンターの新規開業見込みが相当下振れたということでした。もともと新規の案件がどんどん減っていっている状況はあったと思いますが、ショッピングセンターはプロジェクトとしてはすごく足が長く、かなり高い確度で少なくなる状況は事前にわかっているものだと思うのですが、事業計画を見積もった背景にはどういったことがあったのでしょうか?
八嶋:おっしゃるとおりのところもありまして、計画を作っていた際に、かなり見通しが甘かったと思っています。
今、起きている現象として、これは施主であるクライアントさまの社内のことだと思いますが、建設費、あるいは人件費がもう少し下がると読んでいたのが、そこまで下がり切っていない。一方で、相変わらず景気と言いますか、店頭での売上が伸びていない状況で、ブレイクイーブンが思っていたよりも下がってきていないのだと思います。したがって、計画はあるものの、今期は新規や改装などへの投資を見送る話が多いのです。
私どもは現場でお話ししており、現場の人たちは常に前向きで、お店を作りたい、改装したいということで、そうした話がたくさんあるのですが、それが今、すべてがすべて計画どおりに進んではいないという状況です。
質疑応答:粗利率の傾向や上期の受注高・受注残高について
質問者2:トレンドとして、粗利率が下がってきているというところがあると思います。今期は、期初の金額で見ると、粗利率は下げ止まるというところでほぼ前期並みで予算を組んでいたかと思うのですが、先日の下方修正においては、やはり粗利率はもう一段下がるという見方をされているのでしょうか? このあたりをどう見ているかについて教えてください。
八嶋:事業環境が今よりゆるくなるとは思っていません。一方で、私どもの仕事の仕方をもっと生産性の高いものにすることは十分可能だと思っていますので、その部分でしっかりと利益を残していきたいという考え方です。
質問者2:では、上期の受注と受注残はどうなっているかについて、もし数字があれば、できれば専門店と大型店、複合商業施設で分けて教えていただければと思います。
曽我:受注高が156億4,700万円、受注残高が65億2,900万円です。申し訳ありません。現在は、専門店と商業施設という区分では集計していません。
質問者2:前年比で見るといかがでしょうか?
曽我:前年同期の受注高が126億9,600万円ですので、今期は29億5,100万円増加しています。受注残高についても、前年同期が42億3,800万円ですので、今期は22億9,000万円増加している状況です。
質問者2:海外はけっこう(業績が)伸びています。前期は台湾がけっこう伸びており、今期はほかのエリアもかなり伸びている状況なのですが、中国についてお伺いします。
中国は今、かなり厳しい状況だと思いますので、出店戦略などを見直している企業もあると聞きますが、先々、まだまだ伸びそうなのか、イメージを教えていただけないでしょうか?
八嶋:あれだけ大きな経済大国ですので、まだ伸びしろは十分にあるのだと思います。一方で、日系企業が活躍できる部分は、総体的に落ちてきているのかなというのが私どもの判断です。
当社もローカルのクライアントさまからデザインの仕事をいただいたりしていますが、需要は旺盛です。一方で、中国の企業と取引をすると、回収の問題など、少なからず苦労しているところがあります。全体的な生産性と言いますか、回収までを含めた生産性で見ると、高くないのかなと判断しています。
よって、海外で今後伸びしろのある注力エリアとしては、むしろASEANのほうが高いのかなという見方をしているところです。
質問者2:どうもありがとうございます。