連結業績ハイライト

髙橋誠氏:本日はお忙しいなか、KDDIの決算説明会にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。それでは、2019年3月期決算につきまして説明させていただきます。まず、2017年3月期から2019年3月期までの前中期の振り返りからお話しいたします。

連結業績のハイライトでございますが、2019年3月期の売上高は5兆804億円となりました。右側の営業利益は1兆137億円と、増収増益を継続しております。営業利益につきましては18期連続で増益しており、初めて1兆円を達成いたしました。

au解約率/モバイルID数

auの解約率とモバイルID数についてでございます。スライドの左側はauの解約率ですが、「auピタットプラン」「auフラットプラン」の浸透とお客さまへの還元強化およびライフデザインサービスのバンドル推進等の取り組みによって、前期比マイナス0.1ポイントの0.76パーセントと大きく改善しております。

一方、右側のモバイルID数ですが、au解約率の低下やグループMVNOの純増によりまして、前期比プラス1.8パーセントの2,695万IDと順調に成長しております。

au通信ARPA/au通信ARPA収入

au通信ARPAです。スライドの左側のau通信ARPAは、2019年3月期第4四半期は前年同期比でプラス1.4パーセントの成長となっています。一方、右側のau通信ARPA収入につきましても、前年同期比でプラス0.5パーセントの増収となっています。キャンペーン期間の満了や大容量プランへのシフトなどによりまして、分離プラン導入後、初めて前年同期比で反転したという状況でございます。

au経済圏 流通総額/付加価値ARPA

au経済圏 流通総額と付加価値ARPAについてです。スライドの左側ですが、au経済圏 流通総額は、決済・コマースの順調な拡大に加え、エネルギーが契約者・利用料とも増加しまして、前中期目標の2兆円を大幅に上回る2兆5,170億円となりました。一方、右側ですが、付加価値ARPAにつきましても3期連続で2桁成長を続けており、通期実績で700円となっています。

グループ全体で新たな成長ステージへ

新たな成長のためのM&Aについてご説明いたします。

まず、KDDIのM&Aの基本方針につきましては、グループ会社にKDDIのアセットを最大限活用してもらい、それによって会社が成長することを第一優先としております。その結果、KDDIとの間に非常に(良好な)関係性を築くことができ、初めてシナジーが生まれると考えています。

これまでKDDIは、この基本方針のもと、基盤事業にある通信・ライフデザイン領域においてM&Aに取り組んできています。その結果、現在ではKDDIの連結業績をグループ会社の成長が牽引しております。

主なM&A

主なM&Aでございます。当社は一貫して3つのポイントに注力してきています。重点領域につきましては国内通信、ライフデザイン、新規事業領域における、5G/IoT時代のケイパビリティの獲得に力を注いでいます。これらの領域で、これまで取り組んできた主なM&Aについてご紹介したいと思います。

国内通信

まず、国内通信のJ:COMについてでございます。スライドの左側にあるように「auスマートバリュー」によって、auのスマートフォンとJ:COMのCATVサービスの相互送客を実現しています。加えて、「J:COM PHONEプラス」などのサービスも両社の増収に貢献しています。

コスト面でも、KDDIグループのネットワークに切り替えることで、ネットワークコストの効率化を図っています。これらの効果は、J:COM連結化以降の6年間の合計で4,100億円にもなっており、投下資本に対してもしっかりとリターンとして成果が上がっていると考えています。

ライフデザイン

ライフデザイン事業ですが、スライドでご紹介していますのはエナリスの件です。エナリスにつきましては、創業以来培ってきた電力供給管理のノウハウを活かして、「auでんき」サービスをバックアップしています。

「auでんき」は、auスマートフォンなどとセットでご利用いただくことで、auの解約率の低減に大きく寄与しています。

今回、初めて数値について発表させていただきますが、2019年3月末時点で200万件を突破しています。他にも、クレジットカード事業との親和性が高いなど、お客さまとエンゲージメントを高めるために不可欠なサービスとなっています。

今後は、電源開発株式会社さまを含めた3社の強みを活かして、さらなるエネルギー事業の基盤拡大を図っていこうと思っており、これについても重要なM&Aだったと思っています。

新規事業領域

3点目はソラコムでございます。これは、新規事業領域としてご紹介させていただきます。ソラコムは、最先端のクラウド技術でAWSクラウド上にモバイルコアネットワークの構築を行っています。仮想化ネットワーク、NFVの一歩先を行くと思っておりまして、リソース管理不要なパブリッククラウド上で、コア機能を実装することにも取り組んでいます。

すでに1.4万の事業者がIoTサービスを利用し、KDDIグループのIoT事業の創出・ビジネス拡大に貢献してくれています。当社の「IoT世界基盤」は、トヨタ自動車さまにも使っていただけるほど、信頼できるネットワークの基盤を構築しています。

一方で、ソラコムは最先端のテクノロジーで最新のIoTサービスを創出するということで、我々はスピード感と最先端という、安心と最先端の両極のプラットフォームを持ち合わせたと思っています。

また、現在、5G時代の「最先端のコアネットワーク・MECソリューション」の共同開発もソラコムと進めていまして、今後、当社のネットワーク効率化への大きな貢献が見込めると思っています。

連結業績予想ハイライト

最後に、2020年3月期の業績予想についてお話をさせていただきます。

業績予想のハイライトでございますが、スライドの左側、2020年3月期の売上高につきましては、5兆2,000億円を予想しています。右側の営業利益は1兆200億円と考えています。今期は、料金値下げや楽天モバイルの参入など、事業環境の変化にしっかりと対応しながら、新しい中計の初年度として着実に増収増益を目指していく予想にしております。

新料金プラン

新料金プランでございますが、スライドは、5月13日に発表した新料金プランです。2017年に他社に先駆けて、これと若干違う分離モデルを導入していまして、すでに1,400万人の方にお使いいただいています。auスマートフォンユーザーの3分の2の方に、こちらのプランをご利用いただいている状況です。

今回の新料金プランにおいて、低容量の「新auピタットプラン」や中容量の「auフラットプラン7プラス」は、非分離プランと比べて最大4割の値下げにより、競争力を強化したと思っています。

さらに、5G時代を見据えまして、国内初のデータ容量の上限がない(大容量)プランも導入しております。この新プランの導入によって、非分離プランと比較した場合は最大4割の値下げとなり、さらにお客さまへの還元を強化したことになっております。

au PAY

「au PAY」についてお話しします。先月発表いたしました「au PAY」ですが、4月9日にサービスを開始してから非常に速いスピードで立ち上がっていまして、5月13日には、開始からわずか35日で(ご登録者が)200万人を突破しております。

このQRコード決済の「au PAY」だけでなく、プリペイドカード、クレジットカード、そして「QUICPay」も含めて、さまざまな決済手段を提供していまして、スマートフォンの決済をご利用いただけるお店として、今年度中に100万ヶ所以上を目指すものと考えています。今後も便利でお得なサービスに力を入れて、決済事業を拡大していく所存でございます。

1株当たり配当金

1株当たりの配当金でございます。2019年3月期の配当につきましては、株主のみなさまのこれまでの3年間のご支援に感謝の意を表して、期初見通しからさらに5円増配いたしまして、通期で105円を予定しております。2020年3月期につきましても、引き続き増配をいたしまして、110円ということで、持続的な利益成長を伴った増配を目指しています。

まとめ

まとめでございますが、スライドの左側にありますように、2019年3月期につきましては、営業利益は1兆円を突破して18期連続の増益となりました。解約率は改善し、モバイルID数は着実に成長いたしております。また、au通信ARPAは第4四半期で反転し、付加価値ARPAは3期連続で2桁成長でございます。

株主還元につきましては、株主のみなさまの3年間のご支援にも感謝の意を表して、さらに5円増配させていただきます。また、自己株式1,500億円を取得済みでございます。取得期間は、前期は1年間を通して行わせていただきました。

(スライド右側の)2020年3月期でございますが、新中期経営計画の初年度において増収増益を目指します。さまざまなニーズに応じた新料金プランを導入し、競争力を強化いたします。また、「au PAY」も順調で、決済事業の拡大を加速いたします。

1株当たりの配当金につきましては、110円を予定しています。配当性向は41.7パーセントで、18期連続の増配を目指します。

また、自己株式1,500億円(上限)の取得を決議いたしました。取得株式は7,300万株になります。取得期間は、今回は5月16日から2019年12月23日までといたします。この期間で1,500億円の取得を行い、株価の動向を見ながら機動的な追加実施も検討するのが今期の構えでございます。今後も持続的な成長と株主還元を進めていこうと考えています。

以上が、終了した期についての決算のご報告でございました。