2018年12月期決算概要(連結)
佐野健一氏:みなさま、こんにちは。株式会社ビジョンの佐野でございます。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。2018年12月期の決算をご報告させていただきたいと思います。
まず、2018年12月期の連結(決算概要)です。売上高ですが、一昨年度(2017年度)が175億円、昨年度の2018年度が215億円で、売上は22.5パーセント増です。営業利益に関しましては、17億8,800万円から24億8,400万円で、38.9パーセント増となりました。
経常利益に関しましては、17億9,500万円から24億9,900万円で、39.3パーセント増と伸びています。また、親会社株主に帰属する当期純利益ですが、15億2,900万円で26.5パーセントの増となり、売上高・各利益ともに過去最高を更新いたしました。
営業利益増加要因
続きまして、営業利益の増加要因です。(2017年度の)17億8,800万円から24億8,400万円となり、プラス6億9,500万円となっているわけですが、まず粗利益が24億8,900万円で、24.5パーセント増加しています。また、原価が0.9パーセント改善しており、販売管理費についても0.4パーセント改善しています。
営業利益率は、昨年度から1.4パーセント増加ということで、過去最高の営業利益を達成することができました。この背景として、昨年の数字も出ていますが、日本から海外に渡航されているアウトバウンドの方々が、一昨年より非常に多くなっているということです。
ここには、いくつか要因があるだろうと考えています。スマートフォン・タブレット端末等の保有率自体は現在把握はできていませんが、卒業旅行等を含め、学生でも海外に行かれる方が増えてきた(ことがあります)。加えて、インバウンドが増えていることによって、もちろん我々はそこでも収益を伸ばしているわけですが、国内のみなさまも、出張されたりするときに、ホテル(を利用すること)が非常に多くなってきています。
国内旅行そのものも少し活況というところと、海外旅行は非常に割安感が出てきていることなどが背景としてあると思います。あとは、企業さま自体が積極的に海外進出している点も、当社の重点戦略の大きな下支えになっているところです。また、その伸びのおかげで、各国の通信会社との関係でアドバンテージを獲得できているところも、収益向上の1つの要因です。
日頃からお話ししております「グローバルWiFi for Biz」ですが、空港で渡して空港で返すモデルではなく、各企業さまに置型として備え置いていただいて、海外に行くときに使っていただくものです。この「グローバルWiFi for Biz」自体も伸びています。また、それを国内でも使えるように開放しまして、国内外で我々のルーターを使っていただく、そのニーズも増えているということです。
また、情報通信サービス自体もクロスセルということで、既存のお客さまに新しい商品やサービスを追加で導入いただくケースも非常に増えています。
セグメント業績
続きまして、セグメントの業績です。グローバルWiFi(事業)ですが、売上高は昨年より30パーセント伸びました。また、セグメントの利益は51.5パーセント増で、先ほどの(お話にあった)原価改善も寄与して大幅に伸びており、グローバルWiFiの売上高が135億円です。一昨年に初めて100億円を突破し、そこから30パーセント伸びました。
情報通信サービス(事業)ですが、売上高は9.4パーセント増、セグメント利益は3.9パーセント増となっています。ここは、想定よりも利益が少し伸びていないのではないかというご指摘をいただきそうですので、先にお話をしておきます。
私どもは(この事業で)「ハルエネでんき」とLED(販売を展開していますが)、電気の自由化というところで、お客さまに格安の電気サービスを提供しています。また、照明のLED自体もお客さまからの引き合いが非常に多く、導入実績も増えています。昨年までは、売り切りみたいなかたちでサービスを展開していたため、売った瞬間に仕入原価がかかります。
ただし、計上自体は3年間もしくは5年間で、お客さまに使っていただいている期間に売上を計上していくかたちになりますので、わかりやすくいうと、昨年までは売れば売るほどP/Lはマイナスになるという状況でした。今年からは、原価自体も、使っている期間の36ヶ月で分割して計上していきますので、売ったところからきちっとストックが積み上がっていくモデルになります。
昨年、少しここにブレーキをかけて利益を増やそうと思えば増やせたわけですが、需要が旺盛ですので、期末までしっかり取っていこうということで(顧客の)獲得を緩めず、数字を伸ばしました。ただし、そこに原価の部分が重くのしかかってきているということです。
全体感からすると、そこまで大きな重さではありません。しかし、将来的に収益として伸びていくことを考えると、そこは積極的にやるべきだという判断し、このような結果となっています。
グローバルWiFi事業 業績推移
続きまして、グローバルWiFi事業の業績推移です。先ほど申し上げたとおり、売上は30パーセント増で135億500万円となりました。利益ですが、15億9,300万円から24億1,300万円で、第4四半期も、一昨期と比較すると大きく伸びています。みなさまの記憶にもまだ新しいと思いますが、西日本の豪雨や北海道の地震などがありました。当社も店舗がある関西(国際)空港では、しばらくの間営業できないという事態にも見舞われました。
ビジネス渡航の場合、振り替えて他の空港から出発する方々が多くいらっしゃいますが、当社のクラウドWiFiであれば、「このWiFiは誰のWiFiだ」という紐付けをしなくても大丈夫で、それがクラウドWiFiのよさでもあります。
関西国際空港から、羽田空港や成田国際空港、中部(国際空港)セントレア、福岡空港あたりに飛べなかった方々が大量に押し寄せましたが、当社では、その物(端末)を移動しながら、お客さまにスムーズにお渡しする取り組みを実施しました。そうはいっても、渡航されない方々が多く発生したのも事実です。とくに個人旅行の方々は、どうしても振り替えがきかないお客さまも多くいらっしゃいましたが、それも含めて、きちんとリカバリーできました。
また、法人需要も非常に順調に取り込めておりますし、インバウンドに関しましても、まだまだ市場のシェア率は低いのですが、多くの方々にご利用いただけるようになってきたところも1つの特徴です。
情報通信サービス事業 業績推移
続きまして、情報通信サービス事業の業績推移です。先ほど申し上げたLED(販売)について書いておりますが、(売上高は、2017年度の)71億400万円から77億7,500万円、(セグメント利益は)11億7,200万円から12億1,800万円というかたちです。年間で約10万社強の新設法人ができるのですが、毎年1万8,000社強を獲得しており、その部分も引き続き順調に伸びています。
また、CRMによってお客さまを流動化させないことが、非常に重要になってきます。保有しているお客さまが増えれば増えるだけ、新しい商品やサービスを出せばお客さまにご導入いただけるわけで、非常に安い新規獲得コストで導入してもらえるため、販売効率という意味で、収益の押し上げを実施しています。
2018年12月期の振り返り
続きまして、2018年12月期の振り返りでございます。キーワードは「進化への挑戦~第2章~」ということで、私どもは2013年に、社内で「進化への挑戦」というスローガンを立てて、「2015年にIPOしよう」ということを発表しました。そして、2015年にIPOをしました。
これからの情報通信業界はさまざまな進化をしていきますので、当社自体ももう一度原点に帰って、しっかり進化していこうということで、全社員が同じキーワードのもとに取り組んでいます。
まずは、事業の拡大と周辺ビジネスの収益化ということで、きちんと差別化を図っていきます。そして、各商品・サービスで、業界での圧倒的No.1を目指します。生産性(の向上)であったり、シェア(の拡大)で利益を実現していこうということです。
繰り返しになりますが、グローバルWiFi事業につきましては、リピートのお客さまは非常に増加しており、新規も順調に獲得しています。
「グローバルWiFi for Biz」自体も、法人さまに少しずつ浸透し始めているところです。また、オペレーションの原価構造を変えていくためのIoTのロッカー「SmartPickup(スマートピックアップ)」などを多く設置することによって、空港で行列になっている状態をなるべく緩和し、お客さまにスムーズに受け取ってもらえる取り組みを積極的に進めています。
また、前から申し上げているように、コールセンターにもAIを導入しており、もう4年目くらいになりますが、かなりデータがたまってきました。また、そこでのお客さまとのチャットの量もかなり多いです。そのチャットでやり取りしている中の約80パーセントが、すでにチャットボット(によるもの)で、お客さまに正確な回答ができるようになってきています。
グローバルWiFiを始めた1年目は、数億円の売上からスタートしたわけですが、そのときに作ったコールセンター……佐賀の他の商品やサービス(の対応)も一気に引き受ける、ブレンディングしたコールセンターです。
そのときよりも事業が30倍に拡大しているということで、その人員も30倍になっているのかというと、そんなに増やしていません。AIやチャットボットを活用して多くのユーザーに対応できる仕組みを作り、お客さまにスムーズに対応できるように取り組んできました。
収益の押し上げの要因としては、こうしたことも大きいということです。ですので、少しお恥ずかしいのですが、自己評価は「◯(丸)」とさせていただきます。
また、情報通信サービス事業ですが、「ハルエネでんき」も非常に順調に(契約を)取れています。世の中のさまざまな会社さまが電気を取り扱っています。当社の電気サービスは法人に特化しているわけですが、「もう完全に自由化しているね」というのが一般に浸透しているおかげもありまして、(電気事業者を)変えることに抵抗がないお客さまがどんどん増えています。ただし、個人のマーケットは非常に激戦区だと思っています。
法人のマーケットは参入する企業も多くあるわけですが、当社はもともと法人営業を得意としている会社ですので、そのあたりで少しアドバンテージもあるのかなというところがあり、また需要自体も活況となっています。
そうはいっても、人の育成は非常に大事になりますので、引き続き新卒も採用しながら育てていきます。グローバルWiFi(事業)は、人材を新規事業にジョブローテーションしていき、1つのことに凝り固まらない組織を積極的に作っています。
また当社が使っているコールセンターのシステムをお客さまにも提供します。そして、当社のワークフローや決済システム……これらは社内でずっと使っているものなのですが、それ自体をお客さまにも提供します。新しいクロスセル商材として新規導入しているところですので、結果的には「◯(丸)」となっています。
その他としては、昨年後半から始めたハイヤーシェアリングサービスの「ProDrivers(プロドラ)」がありますが、ここはさまざまなテストをしています。
まだ、当社のお客さまへの一般開放は本格的にはしていないのですが、空港に移動するお客さまは非常に多くいらっしゃいますし、インバウンドもアウトバウンドも同じなのですが、多くの荷物、多くの人数で行かれる方が2台に分かれて(利用する)など、意外なところにニーズがあることに気がつきました。
日中は、かなり法人さまに使っていただいているのですが、例えばテレビ局からテレビ局に移動する時に、制作物を含む大きな荷物をお持ちの方々が非常に多くいらっしゃいます。
また、時間単位で借りることができるというところで、某不動産屋さんは当社の車をスポットで利用しており、自社で車を用意していたのをやめました。朝、お客さまをお迎えに行き、1件目、2件目、3件目と不動産を案内して、後ろで商談しているという状況です。
いままでは、ドライバーさんともう1人、そして車のグレードも「MARK X」など、お客さまのために高級車を導入するのは、企業としてはなかなか難しいところがあり、(その点から)1つの新しいニーズが生まれてきています。
2時間単位で借りると非常に安い金額で借りられます。いままでは、ワンデー、ワンウィーク、ワンマンスというかたちで使っていただいたものを、2時間という……もちろん30分で使われる方もたくさんいますが、短いタームで使えます。
いろいろな企業さまでシェアリングするということで、そんなに短い時間使えるのかというところが、非常に大きなニーズだと考えています。しかし、まだ(サービスを)育成中ということで、今期、みなさまにいいご報告ができるように、しっかり取り組んでいきたいと考えています。
今期業績予想
続きまして、2019年の業績予想です。売上高は、前年同期比で13.8パーセント増。営業利益は前年同期比で21.2パーセント増という数字を立てています。
売上高が244億7,000万円で、プラス29億6,700万円。営業利益は初めて30億円を超える数字で、30億1,200万円。営業利益率も11.6パーセントから12.3パーセントで、21.2パーセント増です。経常利益もほぼ同じで、親会社株主に帰属する当期純利益に関しては20億300万円、31パーセント増という数字を目指して、今期はがんばってまいります。
営業利益増加要因(2018年 vs 2019年)
こちら(スライドの内容)が、その(営業利益増加の)主な要因です。(今回の決算と)同じく原価率の改善。また販管費率は若干増えていますが、売上総利益は約20億円増を目指しています。
セグメント業績予想
続きまして、セグメントの業績予想です。グローバルWiFiは、売上高が15.3パーセント増で、セグメント利益は10.3パーセント増。情報通信サービスは、売上高が3.4パーセント増で、セグメント利益が16.7パーセント増というかたちです。
通期業績見通し(四半期別推移)
こちらの(スライドは)四半期ごとの推移です。売上、営業利益、営業利益率の(半期の数字を)開示しておりますので、ご覧いただければと思います。
「クラウドWiFi」活用推進
続きまして、「クラウドWiFi」の活用推進です。クラウドWiFiは、全出荷レンタル端末に占める割合が88パーセントと、数字が引き上がってきました。各通信会社さまとの交渉が必要で、地域でいうとまだモルディブなどが「グローバルWiFi for Biz」の中に入っておりません。
ただし、出張で行くような主要な国等、100以上の国と地域ですでに使えるようになっています。詳細は申し上げられないところがあるのですが、いくつか特殊な仕組みがありまして、クラウド化していますので、キャリアさま自体が自主セキュリティというところで、非常に厳しく取り組んでいます。
そのセキュリティ基準をきちっとクリアして、最低限でもお互いに認証し合えるような仕組みが必要です。逆にいうと、これまでさまざまな通信会社さまと交渉し、(セキュリティの高さを)認めてもらい、応援してもらえているのは、非常にいい状況だと考えています。
わかりやすくいいますと、通信会社さまは、この個体(端末)とSIMをすべて把握しています。その個体と違うものからアクセスした場合、本来は不正アクセスであるということで通常はブロックがかかってしまいます。しかし、さまざまな基準をクリアしてセキュリティ(ブロック)を解除してもらうという取り組みを進めていきます。ここから先はかなり深い内容になるため、そのくらいのイメージでお考えいただければと思います。
これから法人さまなどのお客さまが増えていく中での大きな課題が、空港のカウンターで、カウンターロケーションは限られています。当社はさまざまな空港の中で大きな売上を出しているわけですが、そうはいっても、いまのカウンターを2倍、3倍にしていくのは非常に難しい問題であると認識しています。ですので、ロッカーにシステムを導入するなどして無人化し、少ない面積で多くの人たちに(端末を)渡せるような仕組み(を進めています)。
また、営業活動を通じて「グローバルWiFi For Biz」をもっと浸透させ、もっと普及していかなければいけないというところが、1つの大きな課題だと捉えています。「グローバルWiFi For Biz」を各企業さまに導入していただけるように、今年も引き続き取り組んでいきたいと考えています。
グローバルWiFi for Biz
「グローバルWiFi for Biz」について、わかりやすく漫画になっていますので、後ほどお読みいただければと思っています。月額で1,970円を払っていただくかたちになるのですが、お客さまにとっては、申し込みも必要なく、(現地に)行ったら自動的に使える。そして、(現地に)行ったら自動的にその部署に請求がいきます。スピーディーに請求書が届いて、部門分け等もすぐできるという、経理にも非常に優しいサービスであることも、お客さまに選ばれている理由の中の1つです。
みなさまもそうだと思うのですけれども、通信料金はずいぶんあとに請求されることが(多く)、「こんなの、使ったっけ」ということで、あとで発見したりもします。通常、企業であれば経費を仮計上して、それを洗い替えて正規の数字に直していくというのが本来必要ですが、当社では、そのまますぐに計上できるようなかたちでお客さまに情報をお出ししています。
また、昨年に少し特殊なサービスを作りました。世界中には、さまざまな震災等のリスク……起こってはいけないのですけど、テロ等も含めて、さまざまな問題をその地域で抱えていたり、(問題が)起きたりということも、あってほしくないのですが、実際にあります。
料金はもちろんいただいていないのですが、当社と企業さまで契約させていただいて、自分の会社の従業員が連絡がつかない時に、大丈夫なのかということで、どこから通信しているのかという位置情報を世界中で取得できる仕組みがあります。当社のIoTのプラットフォームを使って、特殊な業者さまとこうしたサービスを作って、みなさまの安否を確認できるようにしています。
これは、ほかが取り組んでいるようなものではないため、「本当に便利だよね」と(いう声をいただきます)。(従業員に)何かあってはいけないけれど、何かがあった時に「当社の従業員は大丈夫なのか」ということで、その地域にいるのか、そうではないのかということが判別できるのは非常に助かると、ご評価いただいています。
店舗スマート化戦略(テンスマ)
これ(スライドの左)は、先ほどから申し上げている自動受渡しロッカーの「SmartPickup(スマートピックアップ)」です。そして(中央が)「SmartEntry(スマートエントリー)」というセルフレジ。そして右側が「SmartCheck(スマートチェック)」です。
(「SmartCheck(スマートチェック)」では)お客さま側に画面があって、こちら(カウンター)側にも画面が出ておりまして、お客さまの過去の利用状況などがすべて見える仕組みになっています。
(接客時に)レベルの低い対応ではなく、もっと高いレベルの対応(ができたり)、もしくは(端末の)受け渡しをする時に、(お客さまは、端末の利用が)初めてなのかそうではないのか(がわかるため)、説明自体が変わります。説明が長いと、うしろの人から「早くしてよ」と思われるわけですが、このあたりを省く仕組みにしています。これがお客さまにとっても、スタッフにとっても、非常に便利な商品なのです。
空港カウンターおよびスマートピックアップ(SmartPickup)
空港のカウンターですが、国内に15あり、主要空港である5ヶ所には「SmartPickup(スマートピックアップ)」が設置されていますので、ずいぶん増えてきました。2017年12月は8機でしたが、いまは18機に増えているということです。
あとは先ほどの仕組み……さまざまな状況が整ってきて、「“超”直前オンライン受付」ができるようになってきたのも非常に大きいです。初めての方で、「WiFiって海外でも使えるの?」ということに空港で気付いて、お申し込みされる方々も非常に多くいらっしゃるわけですが、先ほど申し上げたとおり、その場で申し込んで、「誰のもの」というように紐付けていない端末をすぐに渡すことで、さまざまな国で使うことができます。
昔であれば、オーストラリアといったらオーストラリアのSIMカードを入れてお渡ししていた時代もありました。ところがいまは、オーストラリアでもそのままお出しして、(現地に)着いた瞬間に(IPを)割り当てていく仕組みができていますので、本当に直前でも申し込みが可能となっております。
取り組み事例ご紹介(GO BEYOND.)
「GO BEYOND.」は特殊な取り組みで、3年目ぐらいのプロジェクトです。世界中で活躍したい、(または活躍)している方々を、通信の側面から応援しようということで、約200名の方々がいるのですが、世界中で挑戦している人たちを「GO-BEYONDER」と認定して、海外へ行ってグローバルWiFiを使っていただき、一緒にプロモーションをしていただくということを行っています。
正式に発表していますが、全日本スキー連盟さんなどでは、選手の方々が海外でトレーニングをしたり、世界戦で戦う時は、我々のグローバルWiFiを持っていってもらいます。
また、アメフトの日本代表も、世界に(遠征に)行く時に、SNSの力でいまの情報を発信して、視聴者の方々から応援してもらったりもしています。
例えばソチ(オリンピック)の時に、アジアで初めて(スノーボードのパラレル大回転で)銀メダルをとった竹内智香さん……オリンピックではなかなかスポンサードはできないのですが、ワールドカップなどでは表彰台にあがった時に、グローバルWiFiを提げていただいたり(もしました)。
バイクのプロレーサーさんなど、本当にさまざまなカテゴリー方々にグローバルWiFiを使っていただいています。(試合の)直前までTwitterなどを見て「よし、がんばろう」というかたちで、ファンの方々とリアルタイムでコミュニケーションをとってもらっており、ファン自体も増やしていこうという取り組みを一緒に進めております。
取り組み事例ご紹介(ANA国際線の機内CM配信)
昨年10月ぐらいから新しい取り組みをしています。(飛行機の機内で)映画を見られる機会が非常に多いと思うのですが、エコノミー、ファーストクラス、ビジネスクラスともに、全席でグローバルWiFiのCMが流れております。
我々はマスマーケティングは基本的にはやらないと考えておりますが、飛行機に乗って海外に行っている方々はすべてお客さまになり得るということで、ターゲティング広告をやらせていただいております。
非常に多くの方々から、「(広告を)見たよ」という話を聞いております。継続的な取り組みにするのかというところは、また検証しながら、より多くターゲティングできるところに適正な広告を打っていくということを進めていきたいと考えております。
情報通信サービス事業の進捗(詳細トピックス)
情報通信サービスですが、(スライド)右側の「VWS WEB CALL SYSTEM」は、我々のコールセンターのノウハウを使った自社開発のクラウド型サービスで、こちらを提供し始めています。一応「IT導入補助金」の対象サービスということで、認定されています。
また、ポータルの「ビマケ(Vision Business Market)」は、中小企業さまを応援すべく、助成金のことなどが書いてあったり、さまざまな商品・サービスを購入できるパートナーさんと連携したりということで取り組んでおります。
旅行関連サービスプラットフォーム
続きまして、旅行関連サービスプラットフォームです。一番注目していただきたいところが年間の合計の利用者数で、約360万人です。2017年がこちら(スライドの右下)に実績として出ていますが、約269万人、1,883万泊でした。
それが、2018年は2,522万泊でした。このあたりのビジネスチャンスをどう活かしていくのかということで、ハイヤーシェアリングサービスを、我々の新たな1つの事業として今回取り入れました。
もちろん「ili(イリー)」や「ポケトーク」も、非常に多くの方々に利用されてきております。ソースネクストさんが、CM等を非常に積極的に展開してくださっていますので、認知度自体も上がってきております。
我々は「ili(イリー)」と「ポケトーク」が両方扱えるというところで、1つの大きなサービス機会になっているんじゃないかと考えております。英語圏から英語圏に行く場合は違うと思いますが、言葉の壁は、どの国でも困っていらっしゃる方がいて、やはり言葉が不安で、なかなか(海外に)行けないと(いう方が多いわけです)。最初にこのサービスをリリースした時に、お客さまからは「これで海外に行ける」と(いう声をいただきました)。
「ポケトーク」を持っていったらものすごく使うのかというと、人によって差があるわけです。ただし、これを持ってしゃべると、「あ、この人(は現地の言葉が)しゃべれないのね」ということを理解いただけるため、(相手が)ものすごく優しくなるというメリットがあります。
少ししゃべるとものすごく(大量の返事が)返ってきますので、少しだけしゃべれる人が一番危険です。ですので、少しだけしゃべれるという方は、ぜひ持っていっていただきたいなと思っております。
このあたりの周辺サービスをたくさん展開していくというよりも、今年は「Pro Drivers(プロドラ)」を中心に、きちっとした軸づくりを進めていきたいと考えています。
また、お客さまからさまざまな声を聞く機会が多くありますので、そのなかから一番ニーズが高いものを問題解決していくということで取り組んでいきたいと思います。
ProDrivers(プロドラ)(旅行関連サービスプラットフォーム拡充)
これが「Pro Drivers(プロドラ)」です。先ほど細かく説明しましたが、「Pro Drivers(プロドラ)」と提携しているDLGBというベンチャー企業がありまして、そこがいま、世界150の国と地域で、ハイヤーを申し込めるという状況になっています。
少しおもしろい取り組みなのですが、ハワイではホノルル空港からワイキキまでを、タクシーより安い料金で(サービスを)提供するということもやり始めており、グローバルWiFiのお客さまに、どんどん利用いただいております。これは認知度を上げていくプロモーションで、ハワイは非常に多くの方々が渡航していますので、そういった地域でさまざまなキャンペーンを展開しています。
国によっては「タクシーは大丈夫なのか」「怖いな」「遠回りされたらどうしよう」といったことを考えてしまうわけです。(しかし、「Pro Drivers(プロドラ)」なら)きちんとお迎えがいて、目的地にたどり着ける。これは最低限のマストなことだと思いますので、企業さんも含めて、多くの方々に使っていただけるように、しっかりプロモーションをしていきたいと思っております。
グローバルWiFi事業 成長ストーリー
「いま、どうなっているの?」というご質問をいただきますので、グローバルWiFiのマーケットシェアのところを少し(お伝えします)。まず(スライドの)赤い線がインバウンド(国内利用シェア)ですが、ものすごく増えています。
残念ながら、(国内利用シェアは)まだ2.5パーセントという水準にとどまっているのですが、(レンタル件数は)約28万5,000件から約40万7,000件というところで、わずか0.3パーセントではありますが、数は大きく伸びてきています。
アウトバウンドに関しては、14.9パーセントということで、一昨年よりは少し伸びてきています。ただし、全体感でいうと、わずか7.1パーセント(のシェア)ということです。
レンタル件数自体は、約223万1,000件で、法人・個人を合わせて、アウトバウンドは平均で1.6人ぐらいでシェアリングして使っています。インバウンドは、だいたい3人ぐらいでシェアしており、1人200円などで割り勘しているようです。
アウトバウンドでも、個人の方は平均で3人を超えていますので、1日100円から300円ぐらいで、割り勘で使えます。みなさんが手軽に使えるような商品になってきているのではないかなと考えております。
<参考> グローバルWiFi事業 市場規模
こちら(のスライド)は市場規模ですが、2030年には、世界中の渡航者は18億人になるということです。もう少し多いのではないかなと思いますが、来年はいよいよ(日本での)オリンピックですが、(政府のインバウンド目標は)4,000万人です。いま日本に来ている方々は、来年オリンピックだから、いま日本に来たというわけではないと思いますので、オリンピックでピークアウトすることはないと思っています。
リピーターの数というところで、我々はインバウンドについては細かく公表していませんが、日本に繰り返し来ていただいている方々も非常に多くいらっしゃいます。そこが大きな下支えになり、新規の方々がどんどんアドオンしてきています。
幸いなことに、日本は大きな人口を抱えた国が隣にあります。インバウンドは大きなチャンスがあるととらえており、インバウンドは1つの大きな産業になっていくと(考えています)。
日本に来れば来るだけ、世界中の方々が日本のいいものをリアルに知っていただくことができます。帰国した段階でメイド・イン・ジャパンを買ってくれるという方々が、プラスアルファで増えていくということで、インバウンドはさまざまな部分で貢献できる事業なのではないかなと考えております。
成長戦略については、ここまででございます。先ほどのマーケットシェアというところで考えますと、努力が足りないとおしかりを受けるかもしれません。しかし、私どもなりに、いまできること、そしてきちっとお客さまに喜んでもらえるようにということで連続的にやり続けています。
市場の拡大とともにグローバルWiFi周辺のサービスも、情報通信サービス事業と同じビジネスモデルを基本として展開しています。ですので、その周りに新しい事業を育てていくことで、中心の事業そのものの価値をさらに上げていくという取り組みを、引き続き進めていきたいと思います。
ぜひ、みなさまに応援いただければと思います。簡単ではございますが、こちらで決算説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。